出入国管理及び難民認定法 第78条(没収)
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- 第七十条第一項第一号、第七十四条、第七十四条の二又は第七十四条の四の犯罪行為の用に供した船舶等又は車両で、犯人の所有又は占有に係るものは、没収する。ただし、その船舶等又は車両が犯人以外の者の所有に係り、かつ、その者が次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
- 一第七十条第一項第一号、第七十四条、第七十四条の二又は第七十四条の四の犯罪が行われることをあらかじめ知らないでその犯罪が行われた時から引き続きその船舶等又は車両を所有していると認められるとき。
- 二前号に規定する犯罪が行われた後、その情を知らないでその船舶等又は車両を取得したと認められるとき。
この条文の基本情報
没収とは何ですか?
定義没収とは、出入国管理及び難民認定法第78条に定められた規定で、「第七十条第一項第一号、第七十四条、第七十四条の二又は第七十四条の四の犯罪行為の用に供した船舶等又は車両で、犯人の所有又は占有に係るものは、没収する。ただし、その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第78条(没収)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第78条の条文原文は「第七十条第一項第一号、第七十四条、第七十四条の二又は第七十四条の四の犯罪行為の用に供した船舶等又は車両で、犯人の所有又は占有に係るものは、没収する。ただし、その…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第78条は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第78条の前の条は出入国管理及び難民認定法第77条の3です。
- 出入国管理及び難民認定法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法78条は、不法入国・集団密航の罪に使われた船舶等や車両で、犯人が所有・占有するものを必ず没収すると定める。事情を知らない第三者所有者は例外となる。
Q · 他人に貸した船が密航に使われたら、所有者の自分も船を取られるの?
原則として没収されるが、事前に知らなかったと認められれば免れる
入管法78条は、不法入国や集団密航の罪に使われた船舶等・車両を必ず没収すると定めています。所有者が犯人以外の第三者でも、没収の対象から外れるのは、①犯罪を事前に知らず、犯行時から引き続き所有している場合、②犯行後に事情を知らずに取得した場合の二つだけです。第三者所有者は、検察官から告知を受けた後、被告事件に参加して善意を主張・立証できます。
解説
「没収する」。この四文字の述語が、刑法の原則を静かに裏返している。刑法19条の没収は「することができる」、つまり裁判官の裁量だ。ところが入管法78条は、不法入国(70条1項1号)と集団密航に関わる74条・74条の2・74条の4の犯罪に使われた船舶等・車両について、犯人の所有または占有に係るものを必ず没収すると書く。射程はそこで止まらない。所有者が犯人ではない第三者であっても、原則として没収の枠に入る。外れるのは二つの場合だけ。犯行をあらかじめ知らず、犯行時から引き続き所有していると認められるとき、そして犯行後に事情を知らずに取得したと認められるときだ。あなたが漁船やトラックを他人に貸し、その相手が密航に使えば、あなたの財産が国に取られる側に立つ。守りは「知らなかった」の一点、そしてそれを示す記録が貸した時点で残っているかどうかに集約される。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法78条は、不法入国罪および集団密航に関する罪(74条、74条の2、74条の4)の犯罪行為に使われた船舶等・車両のうち、犯人が所有または占有するものの必要的没収を定める規定である。刑法19条の裁量的没収の特則として働き、第三者所有物は善意の継続所有者と善意の事後取得者に限り没収の対象から除外される。
よくある質問 AI による整理
Q1入管法78条とは何ですか?
不法入国や集団密航の罪に使われた船舶等・車両を必ず没収すると定める規定です。裁判官の裁量はなく、第三者所有物も原則として対象になります。
Q2必要的没収とは何ですか?
要件を満たせば裁判所が必ず没収しなければならない没収です。刑法19条の「没収することができる」という任意的没収と違い、裁判官の裁量はありません。
Q3レンタカーが密航者の移送に使われたら没収されますか?
レンタカー会社は犯人以外の所有者なので、犯行を事前に知らず、犯行時から引き続き所有していると認められれば没収されません。貸出記録が重要な証拠になります。
Q4中古で買った船が過去に密航に使われていたら没収されますか?
犯行後に事情を知らずに取得したと認められれば、78条ただし書第二号により没収されません。購入時の契約書や経緯の記録を保管しておくことが重要です。
Q5第三者所有物の没収に参加するにはどうすればいいですか?
検察官から没収の告知を受けた後、被告事件の判決前に裁判所へ参加を申し立てます。根拠は刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法です。
Q6不法就労助長罪で使った車も没収されますか?
78条の必要的没収の対象は70条1項1号・74条・74条の2・74条の4の罪に限られます。不法就労助長罪(73条の2)は列挙されていません。
Q7没収された船は取り戻せますか?
没収判決が確定すると所有権は国庫に移り、原則として返還は求められません。争うなら、判決前に第三者として参加し善意を立証するのが基本です。
Q8入管法の没収と関税法の没収は同じですか?
構造がよく似ています。関税法118条も密輸に使われた船舶等を必要的没収とし、善意の第三者所有者を例外にしています。国境を越える犯罪の運搬手段を狙う規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分は何も知らないのに船を没収されたら、もう取り返せないんですか?
78条ただし書第一号に当たることを示せれば没収されません。要件は「あらかじめ知らないで」と「犯行時から引き続き所有していると認められる」の二つです。手続面では、刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法により、所有者は告知を受けて被告事件に参加し、主張と立証ができます。実務のポイント:この参加手続の根拠は最大判昭和37.11.28で、第三者に告知も弁解の機会も与えない没収は憲法違反と判断された。判決が出てから慌てる人が多いが、勝負は審理中に終わっている
Q2刑法の没収とどこが違うんですか?
刑法19条の没収は「することができる」で裁量であり、同条2項は犯人以外の者に属する物を原則として没収できないと定めます。入管法78条はその両方を逆にし、必ず没収し、第三者所有物もただし書の二つの場合に該当しなければ取り上げます。実務のポイント:関税法118条も同型の必要的没収規定で、密輸と密航という国境をまたぐ犯罪だけ運搬手段そのものを潰す立法が並んでいる。船や車で国境に関わる商売をするなら、この系統の条文はまとめて点検する
Q3船が没収されたら、残っているローンや保険はどうなりますか?
没収されれば所有権は国庫に帰属し、返還請求は原則できません。金融機関への返済義務は別個の契約なので残ります。船舶保険についても、被保険者側の事情に基づく没収は免責とされることが多く、各社約款の確認が必要です。実務のポイント:貸渡しや傭船の実務では、借主の目的違反・違法使用に対する損害賠償と違約金の条項を契約に入れておく。没収自体を止める条項ではないが、借主に請求を立てる根拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分は犯人ではないから没収されない」という発想は、刑法19条2項の世界では正しい。だが入管法78条は第三者所有物をまず没収の枠に入れ、ただし書の二つの場合に「該当すると認められるとき」に初めて外す構造になっている。出発点が逆であり、黙っていれば守られる条文ではない
- 没収を罰金の一種のように考えている人は、その重さを見誤っている。没収は附加刑であり、船体や車両そのものの所有権が国庫に移る。返還を求める道は原則として閉じ、しかも残っているローンの返済義務は別の契約として生き続ける。事業者にとっては、罰金額ではなく事業基盤そのものが消える処分だ
- 「どうすれば没収を免れるか」という問いの立て方自体がずれている。78条の実戦的な争点は二つ、「あらかじめ知らないで」を裁判所に認めさせる立証と、第三者として刑事手続に参加する権利を使うかどうかだ。加えて射程の確認も要る。本条が列挙するのは70条1項1号・74条・74条の2・74条の4の四つだけで、たとえば不法就労助長罪(73条の2)で使った社用車は、この必要的没収の対象外である
他国ではどう定めているか 3 か国
犯罪に供した物の没収は原則として裁量的。第三者所有物は、第三者が正当な理由なく提供・取得した場合に限り没収できる
第三者所有物の没収は、所有者が軽率に犯行に寄与した場合などに限られる。本条より第三者保護の出発点が手厚い
外国人の密入国に使われた運搬手段を没収対象とし、18 U.S.C. § 983(d) の innocent owner defense で善意の所有者を保護する。日本と同じく立証責任が所有者側に重くかかる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 知人に一週間だけ貸した漁船が、ある朝押収されていたらどうなる? 借主は集団密航者の輸送で逮捕。船は74条の2の犯罪供用物として没収の対象に入る。検察官からの告知が届いてから被告事件の判決までが勝負で、残された時間は数週間から数か月しかない
- あなたが運送会社の配車担当で、港から内陸へ人を運ぶ「単発の現金仕事」を安請けした。積んだのが上陸直後の集団密航者なら、あなたは被疑者側に立ち、トラックは犯人の占有に係る車両として必要的没収の枠に入る。荷主の指示書があっても、それは占有の否認材料にはなりにくい
- 中古で買った船だった。前の所有者が密航に使っていたとは聞いていない。78条ただし書第二号は、まさにこの立場の人を没収から外すために置かれている
- レンタカー会社に勤める友人から深夜に相談が来る。貸した車が不法入国者の移送に使われ、警察から連絡が来たという。ここで先に確認すべきは車の所在ではなく、貸出時の本人確認記録と貸渡簿が日付入りで残っているかだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 所有者として照会や告知を受けたら、貸渡・傭船・売買の契約書、引渡日、借主の本人確認書類、運行記録や航行計画を日付順に固める2. 78条ただし書第一号(事前に知らず、犯行時から引き続き所有)と第二号(犯行後に事情を知らずに取得)のどちらで争うかを確定させる3. 検察官からの告知を受けたら、被告事件の判決前に第三者としての参加を申し立てる4. 代替船舶・代替車両の手配、ローンと保険の確認は並行で進める
訴えられた側:1. 本体の罪の成否と、船舶等が「犯人の所有又は占有に係る」かの判断は別論点。占有・管理の実態を否認できるかを最初に詰める2. 借主や傭船者が独立して運航・運行していた事実を証拠で示す3. 有罪が避けられない場合でも、没収の対象範囲(船体、搭載機器、車両そのもの)を個別に争う余地がある4. 所有者が第三者なら、その者に参加の機会があることを弁護人から早期に手続上明らかにさせる
時効(請求できる期限):没収は附加刑であり、本体の罪の公訴時効に連動する。70条1項1号、74条、74条の2、74条の4はそれぞれ法定刑が異なるため、公訴時効も3年から7年の範囲で変わる(刑事訴訟法250条2項、最新の改正状況をご確認ください)。第三者としての参加申立ては、検察官の告知を受けた後、被告事件の判決が出る前までが実質的な期限
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)として制定。不法入国に使われた船舶等の没収規定を置く
- 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約加入に伴い、題名を「出入国管理及び難民認定法」に改める(翌1982年施行)
- 3.平成9年(1997年) 改正:集団密航に関する罪(74条以下)を新設し、本条の没収対象の前提犯罪に74条系列の罪が加わる
- 出入国管理及び難民認定法 第70条1項1号の不法入国罪が没収の前提犯罪
- 出入国管理及び難民認定法 第74条集団密航者の不法入国関与罪が前提犯罪
- 出入国管理及び難民認定法 第74条の2集団密航者の輸送罪が前提犯罪
- 出入国管理及び難民認定法 第74条の4集団密航者関連罪が前提犯罪
- 刑法 第19条裁量的没収の一般原則を本条が修正
- 刑事事件における第三者所有物の没収手続に関する応急措置法 第2条第三者への告知と手続参加の根拠
- 関税法 第118条同型の必要的没収と善意第三者例外
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