受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 6 分6 分6 分

農地法 第40条(裁定の効果等)

クイックジャンプ
  1. 都道府県知事は、前条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を農地中間管理機構及び当該裁定の申請に係る農地の所有者等に通知するとともに、これを公告しなければならない。当該裁定についての審査請求に対する裁決によつて当該裁定の内容が変更されたときも、同様とする。
  2. 2.前条第一項の裁定について前項の規定による公告があつたときは、当該裁定の定めるところにより、農地中間管理機構と当該裁定に係る農地の所有者等との間に当該農地についての農地中間管理権の設定に関する契約が締結されたものとみなす。
  3. 3.民法第二百七十二条ただし書(永小作権の譲渡又は賃貸の禁止)及び第六百十二条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)の規定は、前項の場合には、適用しない。

この条文の基本情報

裁定の効果等とは何ですか?

定義裁定の効果等とは、農地法第40条に定められた規定で、「都道府県知事は、前条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を農地中間管理機構及び当該裁定の申請に係る農地の所有者等に通知す…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 農地法第40条(裁定の効果等)は、日本の農地法に含まれる条文です。
  2. 農地法第40条の条文原文は「都道府県知事は、前条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を農地中間管理機構及び当該裁定の申請に係る農地の所有者等に通知す…」で始まります。
  3. 農地法第40条は第四章 遊休農地に関する措置に置かれています。
  4. 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
  5. 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 農地法第40条の前の条は農地法第39条です。
  7. 農地法第40条の次の条は農地法第41条です。
  8. 農地法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第40条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229
  • 本サイト収録農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/40

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点農地法40条は、遊休農地の裁定が公告されると、農地中間管理機構と所有者等の間に農地中間管理権の設定契約が成立したとみなす規定。民法612条は適用されない。

Q · 知事の裁定が公告されたら、相続した田んぼはどうなるの?

機構に貸す契約が成立したものとみなされる

農地法40条2項により、知事の裁定が公告されると、裁定の内容どおりに農地中間管理機構と所有者等との間で農地中間管理権を設定する契約が締結されたものとみなされます。所有者の署名や押印は要りません。所有権そのものは移らず、裁定で定めた存続期間と借賃に従って機構が利用権を持ちます。民法612条が適用されないため、機構は所有者の承諾なしに担い手農家へ転貸できます。

解説

判子を一度も押していないのに、自分の田んぼの賃貸借に近い契約が成立している。農地法40条2項が定めているのは、まさにそういう状態である。耕作されずに放置された農地(遊休農地)では、所有者が利用意向調査や協議の勧告に応じないまま手続が進むと、都道府県知事が裁定を下す。裁定とは、役所が一方的に権利関係を決める行政処分のことだ。裁定が公告されると、その時点で、農地中間管理機構(都道府県ごとに置かれた、農地の貸し借りを仲介する公的機関)と所有者との間に、農地中間管理権を設定する契約が「締結されたものとみなす」。さらに3項は、民法612条の「貸主の承諾がなければ又貸しできない」というルールを適用しないと定めている。つまり機構は、あなたの承諾を得ずに地域の担い手農家へ転貸できる。分かれ目は公告だ。そこを過ぎると、争う道は審査請求と取消訴訟という狭い通路しか残らない。ただし、そこに至るまでに意思を示す機会は何度もあった。放置の代償はある日突然やってくるのではない。何通もの郵便を無視した末にやってくる。

法的な位置づけ

農地法第40条は、遊休農地に関する都道府県知事の裁定について、農地中間管理機構および所有者等への通知と公告を義務づけ、公告をもって裁定内容どおりの農地中間管理権設定契約が締結されたものとみなす規定である。あわせて民法272条ただし書および612条の適用を排除し、機構による転貸を所有者の承諾なしに可能とする。

手順

  1. 1.通知の到達日と公告日を記録する 裁定通知書が届いた日付を封筒ごと保存し、都道府県の公告日も確認する。審査請求の期限は知った日の翌日から起算されるため、起算点の証拠を残す
  2. 2.裁定の内容を確認する 裁定書に記載された対象の地番、農地中間管理権の存続期間、借賃を確認し、農業委員会が公表する近隣の賃借料情報と比較して不当と考える点を書き出す
  3. 3.審査請求を検討・提出する 知った日の翌日から3か月以内に審査請求書を提出する。審査請求をしても裁定の効力は原則止まらないため、必要に応じて執行停止の申立ても併せて検討する
  4. 4.存続期間満了後の方針を決める 期間満了後に農地を自分で耕すか、機構と通常の貸付契約を結び直すかを満了の1年前までに決め、遊休農地の手続が再び始まらないよう準備する

よくある質問 AI による整理

Q1遊休農地の裁定とは何ですか?

耕作されていない農地について、所有者との協議が整わない場合に、都道府県知事が農地中間管理機構への利用権設定を一方的に決める行政処分です。期間と借賃も裁定で定められます。

Q2農業委員会の利用意向調査を無視するとどうなる?

回答しないと、機構との協議の勧告、さらに知事の裁定へと手続が進むおそれがあります。条件を自分で選べる最初で最大の機会を失うことになります。

Q3裁定の公告があったかどうかはどこで分かりますか?

知事は機構と所有者等に通知し、あわせて公告します。通知書が届くほか、都道府県の公報などで確認できます。契約成立の基準時は通知ではなく公告です。

Q4裁定に納得できないとき、審査請求はいつまで?

裁定があったことを知った日の翌日から3か月以内です(行政不服審査法18条1項)。処分の日の翌日から1年を過ぎると原則として請求できません。

Q5裁定後でも農地を売ることはできますか?

所有権は残るため売却自体は検討できますが、農地法の許可が必要で、存続期間中の機構の利用権が付いた状態での取引になる点に注意が必要です。

Q6裁定後に自分で耕作を再開できますか?

存続期間中は機構と転借人に利用する権利があるため、所有者が一方的に田んぼに入って耕作を再開することはできません。まず機構に事情を相談するのが筋です。

Q7相続した農地が遊休農地とされたら何をすべき?

まず相続登記を済ませて通知が自分に届く状態にし、届いた調査や勧告には期限内に回答します。自分で耕すか、貸すかを早めに決めることが重要です。

Q8所有者が分からない遊休農地はどうなりますか?

相続登記の放置などで所有者が分からない農地は、通常の協議ではなく、公示を用いた別の手続で機構への利用権設定が進められることがあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁定で貸すことになった田んぼ、賃料はちゃんともらえるんですか?

もらえる。裁定では農地中間管理権の存続期間とあわせて借賃も定められ(農地法39条)、40条2項の契約はその内容で成立したものとみなされる。実務のポイント:裁定で決まる借賃は近隣の相場を基準にしているので、高く貸せるとは期待しないほうがいい。条件を良くしたいなら、裁定が出る前に自分で借り手を探して交渉するほうがはるかに有利である

Q2機構が勝手に他人に又貸ししても、契約違反で解除できないんですか?

解除できない。40条3項が、民法612条(無断転貸の禁止と解除)と民法272条ただし書の適用を条文で外しているからだ。機構は所有者の承諾なしに担い手へ転貸できる。実務のポイント:争うなら、転貸の是非ではなく、裁定そのものが適法か、そして期間満了後の扱いに焦点を絞ること。612条を根拠に戦おうとする相談は、入口の段階で筋違いと判断されてしまう

Q3期間が終わったら田んぼは返ってきますか?

裁定で定められた存続期間(農地法39条)が満了すれば、農地中間管理権は終わり、農地を使う権利は所有者に戻るのが原則である。実務のポイント:本当に注意すべきなのは返ってきた後だ。また耕作されないまま放置すれば、遊休農地の手続は再び始まりうる。満了の1年前までに、自分で耕すか、機構と通常の貸付契約を結び直すかを決めておくとよい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「契約は双方が合意しなければ成立しない」と考えているかもしれない。しかし40条2項は、公告があれば契約が締結されたものと法律上みなす。あなたの署名も押印も要らない。民法の大原則である契約自由に対する、条文で明記された例外である
  • 「知事に農地を取り上げられるのか」という問いは、そもそも的を外している。裁定で動くのは所有権ではなく利用権(農地中間管理権)であり、所有者には裁定で定められた借賃が支払われる。本当の問題は取られるかどうかではない。「いつまで、いくらで、誰に使わせるか」を自分で決める機会を失うことである
  • 所有者の目には、知らない農家が田んぼに入ることが「無断の又貸し」に見える。ところが法律上は、40条3項が民法612条の適用を外しているため、無断転貸という状態がそもそも成り立たない。通常の賃貸借なら使える「解除して取り戻す」という手段が、初めから使えなくなっている
比較の観点この条文ほかの条文
規律する内容農地法40条:裁定の通知・公告と、公告による契約成立の擬制農地法39条:裁定の内容(存続期間・借賃など)
農地法30条:農業委員会による農地の利用状況調査
手続上の位置遊休農地措置の最終段階(効果の発生)最終段階の直前(知事による裁定)
遊休農地措置の起点
所有者への影響署名なしで機構との設定契約が成立し、無断転貸を理由とする解除もできない期間と借賃が知事の判断で決まる
調査の対象になるだけで、権利関係はまだ動かない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地法第89条・第173条

台湾は私有の空地・荒地について、行政機関が期限を定めて使用を強制し、従わなければ荒地税を課す方式をとる。日本のように利用権を公的機関へ移す擬制契約ではない

韓国
농지법 제10조・제11조

韓国は農業経営に使わない農地について処分義務・処分命令を課す。利用権の設定ではなく所有そのものの見直しを迫る点で日本より強い

中国
土地管理法 第38条

中国は耕地の閑置・荒蕪を禁止し、一定期間使われない場合の回収などを定める。土地公有制が前提のため、私的所有を前提とする日本とは構造が異なる

フランス
Code rural et de la pêche maritime art. L125-1 et s.

フランスには耕作されていない土地や著しく利用不足の土地を、行政手続を経て耕作希望者に利用させる制度があり、日本の遊休農地措置に最も近い発想をとる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父から相続した実家の田んぼ。県外で暮らして十年、草刈りもしていない。農業委員会から届く利用意向調査の封筒を「どうせアンケートだ」と開けずに捨ててきた。その先には知事の裁定があり、承諾した覚えのない契約の成立が待っている
  • 公告の翌週、見知らぬ農家のトラクターが自分の田んぼに入っていたらどうなる? 不法侵入として追い出せるかといえば、原則として追い出せない。機構から転貸を受けた耕作者には正当な使用権原がある。無断転貸を理由に解除することも、40条3項によって封じられている
  • 審査請求の期限まで残り10日。裁定書に書かれた借賃と期間に、どうしても納得がいかない。裁決で裁定の内容が変われば、その変更も改めて通知・公告される(40条1項後段)。何もしなければ、裁定どおりの契約がそのまま動き続ける
  • あなたは被害を受けている側の農家である。隣の耕作放棄地から雑草の種が飛び込み、イノシシの通り道にもなっている。所有者に何度言っても動かない。農業委員会に相談すれば遊休農地の手続が回り始め、最終的に機構を通じてその土地をあなた自身が借りる道が開ける可能性もある
  • 裁定に不服があって審査請求を出した。それでも機構による貸付けは止まらない。不服申立てをしても、原則として処分の効力は止まらないからである

取るべき行動

被害を受けた側:1. 裁定通知書を受け取った日と公告の日付を記録し、裁定書に書かれた借賃・存続期間・対象の地番を確認する2. 農業委員会が公表している近隣の賃借料の情報と比べ、不当だと考える点を書き出す3. 知った日の翌日から3か月以内に審査請求をする(行政不服審査法18条)。審査請求をしても効力は止まらないので、必要なら執行停止の申立ても検討する4. 裁決で裁定の内容が変わった場合は、改めて通知と公告がされる(40条1項後段)

訴えられた側:1. 利用意向調査や勧告の書面には、必ず期限内に回答する。回答しないことが裁定への一番の近道になる2. 耕作を再開するなら、作付けの写真や作業の記録を残す3. 自分で耕せないなら、裁定を待たずに機構への貸付けを自分から申し出る。そのほうが条件を交渉できる余地が残る4. 相続登記が済んでいなければすぐに済ませ、通知が確実に自分へ届く状態にしておく

時効(請求できる期限):審査請求は、裁定があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項。処分の日の翌日から1年を過ぎると原則として請求できない)。取消訴訟は、知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。契約は公告の時点で成立したものとみなされ、不服申立てをしても原則として効力は止まらない(行政不服審査法25条1項)

改正沿革 AI による整理

  • 平成25年(2013年)改正(要人的検証) 農地中間管理事業の推進に関する法律の制定に伴い、遊休農地に関する裁定の効果が、農地中間管理機構への農地中間管理権の設定という形に改められたとみられる。改正前の規定内容と条番号は、人の手による確認が必要

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

農地法の全文を見る所属する編章節を開く:第四章 遊休農地に関する措置

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›