農地法 第39条(裁定)
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- 都道府県知事は、第三十七条の規定による申請に係る農地が、前条第一項の意見書の内容その他当該農地の利用に関する諸事情を考慮して引き続き農業上の利用の増進が図られないことが確実であると見込まれる場合において、農地中間管理機構が当該農地について農地中間管理事業を実施することが当該農地の農業上の利用の増進を図るため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、農地中間管理権を設定すべき旨の裁定をするものとする。
- 2.前項の裁定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一農地中間管理権を設定すべき農地の所在、地番、地目及び面積
- 二農地中間管理権の内容
- 三農地中間管理権の始期及び存続期間
- 四借賃
- 五借賃の支払の相手方及び方法
- 3.第一項の裁定は、前項第一号から第三号までに掲げる事項については申請の範囲を超えてはならず、同号に規定する存続期間については四十年を限度としなければならない。
- 4.都道府県知事は、第一項の裁定をしようとするときは、あらかじめ、都道府県機構の意見を聴かなければならない。ただし、農業委員会等に関する法律第四十二条第一項の規定による都道府県知事の指定がされていない場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
裁定とは何ですか?
定義裁定とは、農地法第39条に定められた規定で、「都道府県知事は、第三十七条の規定による申請に係る農地が、前条第一項の意見書の内容その他当該農地の利用に関する諸事情を考慮して引き続き農業上の利用の増進が図られな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第39条(裁定)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第39条の条文原文は「都道府県知事は、第三十七条の規定による申請に係る農地が、前条第一項の意見書の内容その他当該農地の利用に関する諸事情を考慮して引き続き農業上の利用の増進が図られな…」で始まります。
- 農地法第39条は第四章 遊休農地に関する措置に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第39条の前の条は農地法第38条です。
- 農地法第39条の次の条は農地法第40条です。
- 農地法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法39条は、遊休農地について都道府県知事が農地中間管理機構に農地中間管理権を設定させる裁定を定める。所有権は残り、存続期間は40年が上限となる。
Q · 放置している相続農地、知事の裁定で勝手に貸し出されることってあるの?
所有権は残るが、使う権利が最長40年機構へ移りうる
農地法39条により、都道府県知事は、農地中間管理機構の申請に係る遊休農地について、所有者の意見書などを考慮しても引き続き農業上の利用の増進が図られないことが確実と見込まれる場合、必要の限度で農地中間管理権を設定すべき旨の裁定をします。所有権は移りませんが、使用収益の権利が機構に設定され、借賃・支払方法・存続期間(上限40年)は裁定で定められます。所有者の同意は要件ではありません。
解説
相続した田舎の田んぼを「そのうち考える」と放置しているなら、この条文は他人事ではない。所有権は手元に残る。それでも都道府県知事の一枚の裁定で、その土地を使う権利が最長40年、農地中間管理機構(いわゆる農地バンク、都道府県ごとに指定された農地の貸し借りの仲介役)へ移る。仕組みは段階的に進む。遊休農地(耕作されていない農地)と判定され、利用意向調査を経て、機構との協議を勧告され、協議がまとまらないと機構が知事に裁定を申請する。本条は、その最終段で知事が何を判断し、何を決めるかを定めている。知事が裁定できるのは、所有者が出した意見書などを考えても今後も農業に使われないことが「確実」と見込まれる場合に限られる。しかも必要な限度でしか裁定できず、面積と期間は申請の範囲を超えられない。つまり、あなたが出す意見書の中身が分かれ道になる。自分で耕す計画、誰かに貸す具体的な段取りを書面で示せば、「確実に利用されない」という前提が崩れる。黙っていれば、借賃(賃料)の額も支払方法も知事が決める。
法的な位置づけ
農地法第39条は、遊休農地に関する都道府県知事の裁定を定める規定である。所有権を移転させずに農地中間管理機構へ農地中間管理権(農地を使用収益する権利)を設定させる行政処分であり、裁定では農地の所在・面積、権利の内容、始期と存続期間、借賃、その支払の相手方と方法を定め、存続期間は40年が上限とされる。
手順
- 1.届いた書類の段階を確認する 農業委員会や都道府県から届いた書類を開封し、利用意向調査・協議の勧告・裁定申請の通知・意見書提出の機会の通知のどれに当たるかを確認する。段階ごとに取れる手段と期限が異なる
- 2.協議の段階で機構と条件を交渉する 協議の勧告を受けたら農地中間管理機構に連絡し、貸付期間・借賃・面積の条件を自分から提示する。裁定に進むと条件は知事が決めるため、主導権を持てるのはこの段階まで
- 3.意見書に客観資料を添えて期間内に提出する 裁定申請の通知が来たら、知事が指定した期間内に意見書を提出する。自ら耕作する計画や、地元農家との耕作委託・賃貸借の合意書など、第三者が関わる書面を添付して「確実に利用されない」という見込みを崩す
- 4.裁定内容を点検し不服申立てを検討する 裁定書の面積・期間・借賃が申請の範囲内か、存続期間が40年以内かを確認する。要件不備や範囲超過が疑われる場合は、期限内に審査請求または取消訴訟を行政書士・弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1遊休農地とは何ですか?
現に耕作されておらず、引き続き耕作される見込みがない農地や、周辺と比べて利用の程度が著しく劣る農地を指します。農業委員会の調査で判定され、裁定手続の出発点になります。
Q2農地バンク(農地中間管理機構)とは?
都道府県ごとに指定された、農地の貸し借りを仲介する公的な組織です。所有者から農地を借り受け、規模拡大を目指す担い手などに転貸します。
Q3農地中間管理権の期間は最長何年?
知事の裁定で設定される農地中間管理権の存続期間は、40年が上限です(農地法39条3項)。しかも機構が申請した期間を超えて定めることはできません。
Q4遊休農地の裁定に所有者の同意は必要?
必要ありません。所有者の意見書は考慮要素にとどまり、要件を満たせば同意がなくても知事は裁定できます。だからこそ意見書の中身が重要になります。
Q5遊休農地の裁定に不服があるときは?
裁定は行政処分にあたるため、原則として知った日の翌日から3か月以内に審査請求、知った日から6か月以内に取消訴訟を検討します。早めに専門家へ相談しましょう。
Q6知事は裁定の前に誰の意見を聴く?
都道府県機構(農業委員会等に関する法律42条1項で知事が指定した農業委員会ネットワーク機構)の意見を事前に聴きます。指定がない場合はこの限りではありません。
Q7相続した農地を放置するとどうなる?
遊休農地と判定されると、利用意向調査、機構との協議の勧告を経て、最終的に知事の裁定で機構に使用権が設定されることがあります。固定資産税の負担が増える場合もあります。
Q8遊休農地の裁定で決められる内容は?
対象農地の所在・地番・地目・面積、農地中間管理権の内容、始期と存続期間、借賃、借賃の支払の相手方と方法の5項目が裁定で定められます(39条2項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁定されたら、自分の土地じゃなくなるんですか?
所有権はあなたに残ります。本条の裁定で設定されるのは農地中間管理権という「機構がその農地を借りて使う権利」で、借賃も支払われます(39条2項4号・5号)。ただし期間は最長40年(同条3項)。実務のポイント:40年あれば相続が一、二回は起きます。売却を考える場合、買主はこの権利付きの土地を引き継ぐことになり、値付けに大きく響きます。売るつもりがあるなら、裁定前に動いておくのが鉄則です
Q2意見書って、何を書けば効くんですか?
知事は「意見書の内容その他の事情を考慮して」今後も農業に使われないことが確実かどうかを判断します(39条1項)。だから効くのは決意表明ではなく、利用が見込まれることを示す客観的な材料です。実務のポイント:地元の農家と結んだ耕作委託の合意書、作付計画、農機の手配記録など、第三者が関わる書面は「確実に利用されない」という見込みを崩す力が強い。電話一本で頼める知り合いの農家がいるなら、今のうちに書面にしておくべきです
Q3借賃が安すぎる気がします。文句は言えますか?
借賃は裁定の必要的記載事項で、知事が定めます(39条2項4号)。協議の段階なら機構と交渉できますが、裁定後は不服申立ての手続によることになります。実務のポイント:地域の農地の賃料相場は農業委員会が情報を公表していることが多く、それが事実上の物差しになります。交渉では感覚ではなく、この相場資料と比べて論じた方が通りやすいです(不服申立ての具体的な手続は最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記上の所有者は自分なのだから、誰にも勝手に使わせない」と考えがちだが、本条の裁定は所有権を奪わないまま農地中間管理権(機構がその農地を借りて使う権利)を設定する。所有者の同意は要件ではない。名義を握っていても、使い道の決定権は40年を上限に手放すことになりうる
- 裁定を知事の気まぐれだと恐れる人もいるが、実際は要件がかなり絞られている。所有者の意見書などを考慮しても「引き続き農業上の利用の増進が図られないことが確実」と見込まれ、かつ機構の事業が「必要かつ適当」な場合に限られ、その必要の限度でしか裁定できない。面積・内容・期間は機構の申請の範囲を超えられない。怖がるより、どの要件を崩せるかに目を向けるべきである
- 「どうせ手続の最後の段階だから、今さら何をしても無駄」というのは問いの立て方が誤っている。本条の判断材料には、前条の意見書がはっきり書き込まれている。最終段は終着点ではなく、所有者の事情を反映させられる最後の窓口である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置づけ | 農地法39条:最終段階の知事の裁定 | 農地法36条:機構との協議の勧告 農地法38条:所有者等の意見書提出 |
| 判断・行為の主体 | 都道府県知事(都道府県機構の意見を事前聴取) | 農業委員会 所有者等(知事が提出の機会を与える) |
| 所有者が取れる行動 | 裁定内容の点検、審査請求・取消訴訟の検討 | 機構と期間・借賃・面積を自ら交渉 耕作計画や賃貸借合意書など客観資料の提出 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は私有荒地について期限を定めて使用を命じ、従わない場合は荒地税の課税などで対応する。利用権を公的機関へ強制設定する日本の裁定方式とは手法が異なる
韓国は農業経営に使わない農地に処分義務と処分命令を課し、所有そのものの移転を促す。所有権を残し利用権のみ移す日本より介入が強い
中国は耕地の閑置・荒廃を禁じ、一定期間使用されない土地の回収などを定める。土地公有制が前提で、私的所有権を前提とする日本とは構造が異なる
フランスは未耕作地・著しい低利用地について、県知事の手続を通じ第三者に耕作を認める制度を持ち、所有権を残して利用を移す点で日本の裁定に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父から相続した隣県の畑が五年以上荒れ放題。農業委員会から利用意向調査の書類が届いたが、意味が分からず放置した。その後に届いた協議の勧告も読み流し、気付けば知事の裁定で機構に借りられていた。借賃は振り込まれるが、額も期間も自分では選べない
- もし協議の勧告を受けた後、半年以内に機構が裁定を申請してきたらどうなる? 次に来るのは意見書を出す機会の通知である。指定された期間は短い。その期間に耕作計画書や賃貸借の見積りを揃えられるかどうかで、裁定の有無と範囲が左右される
- 隣の耕作放棄地から雑草の種と害虫が毎年飛んでくる。農家であるあなたは農業委員会に相談した。所有者が都会に住んでいて連絡がつかない場合でも、遊休農地の措置は手続として前に進む
- あなたは規模拡大を狙う若手農家。まとまった農地が欲しいが、地主が誰も貸してくれない。機構経由の裁定で動いた農地が、後に機構からの転貸(又貸し)であなたに回ってくることがある
- 裁定の通知が届いた。存続期間は30年。不服があるなら、審査請求は原則として処分を知った日の翌日から3か月以内に出さなければならない。読み終えるまで机に置いておく余裕はない
取るべき行動
被害を受けた側:隣の遊休農地で雑草や害虫の被害を受けている農家、または農地を借りたい担い手の立場の場合:1. 被害状況を写真と日付で記録する2. 市町村の農業委員会に遊休農地として相談し、利用状況調査の対象にしてもらう3. 規模拡大を望むなら、都道府県の農地中間管理機構に借受希望者として登録しておく。裁定で機構が取得した農地は転貸先を探す段階に入るため、登録済みの人に声がかかりやすい
訴えられた側:裁定の対象になりうる所有者の場合:1. 利用意向調査や勧告の書類を放置せず、すぐに読む2. 協議の段階で機構に連絡し、期間・借賃・面積の条件を交渉する3. 裁定の申請後は、指定された期間内に意見書を出し、自分で耕作する計画や第三者への賃貸の合意書など客観資料を添付する4. 裁定が申請の範囲を超えている、要件を満たさないと考えるなら、行政書士や弁護士に相談して審査請求や取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):機構による裁定の申請は、協議の勧告から一定期間内に協議が調わない場合に行われる(37条、期間は条文を要確認)。意見書は知事が指定する期間内に提出する(38条)。裁定は行政処分(役所が個人に直接下す具体的な決定)にあたり、審査請求は原則として処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は原則として知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。農地法独自の不服申立て規定の有無は最新の改正状況をご確認ください
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 改正:農地中間管理事業の推進に関する法律の制定に伴い遊休農地に関する措置が見直され、農地中間管理機構に農地中間管理権を設定する知事の裁定として整備された
- 農地法 第36条機構との協議の勧告、裁定の前段階
- 農地法 第37条機構による裁定の申請
- 農地法 第38条所有者等の意見書提出、裁定の考慮要素
- 農地法 第40条裁定の通知・公告とその効果(現行効力を要確認)
- 農地法 第32条利用意向調査、遊休農地措置の起点
- 農地中間管理事業の推進に関する法律 第2条農地中間管理権・農地中間管理事業の定義
- 農業委員会等に関する法律 第42条農業委員会ネットワーク機構の指定、4項の意見聴取先
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