農地法 第37条(裁定の申請)
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農業委員会が前条第一項の規定による勧告をした場合において、当該勧告があつた日から起算して二月以内に当該勧告を受けた者との協議が調わず、又は協議を行うことができないときは、農地中間管理機構は、当該勧告があつた日から起算して六月以内に、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、当該勧告に係る農地について、農地中間管理権(賃借権に限る。第三十九条第一項及び第二項並びに第四十条第二項において同じ。)の設定に関し裁定を申請することができる。
この条文の基本情報
裁定の申請とは何ですか?
定義裁定の申請とは、農地法第37条に定められた規定で、「農業委員会が前条第一項の規定による勧告をした場合において、当該勧告があつた日から起算して二月以内に当該勧告を受けた者との協議が調わず、又は協議を行うことができな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第37条(裁定の申請)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第37条の条文原文は「農業委員会が前条第一項の規定による勧告をした場合において、当該勧告があつた日から起算して二月以内に当該勧告を受けた者との協議が調わず、又は協議を行うことができな…」で始まります。
- 農地法第37条は第四章 遊休農地に関する措置に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第37条の前の条は農地法第36条です。
- 農地法第37条の次の条は農地法第38条です。
- 農地法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法37条は、遊休農地の所有者が勧告後2か月以内に機構との協議が調わないとき、農地中間管理機構が勧告日から6か月以内に知事へ賃借権設定の裁定を申請できると定める。
Q · 遊休農地の勧告を放っておくと、農地はどうなるの?
所有権は残るが、知事の裁定で機構に貸し出されうる
農地法37条により、農業委員会の勧告(36条)から2か月以内に農地中間管理機構との協議が調わない場合、または協議ができない場合、機構は勧告の日から6か月以内に都道府県知事へ裁定を申請できます。裁定で設定されるのは賃借権(農地中間管理権)に限られ、所有権は移りません。申請後は所有者に意見書を出す機会があります(38条)。
解説
「二月」と「六月」。条文に出てくる二つの期間が、使われていない農地の持ち主にとっての猶予の長さを決めている。農業委員会から「農地中間管理機構に貸すための協議をしなさい」という勧告(36条)を受けた日から数えて、2か月以内に機構との話し合いがまとまらない場合、または話し合い自体ができない場合、機構は勧告の日から6か月以内に都道府県知事へ「裁定」(知事が当事者の合意に代わって権利関係を決める行政上の決定)を申請できる。ここで設定されるのは賃借権に限られ、所有権を取られるわけではない。ただし、あなたが同意しなくても、知事の決定によって農地が貸し出される道が法律上用意されている。相続した田畑を放置し、届いた手紙を開けずにいるだけで、話は自分の知らないところで次の段階へ進んでいく。実際に知事の裁定まで進んだ例は全国でもごく少ないとされる。ただしそれは、ほとんどの所有者がこの2か月のうちに自分で手を打っているからである。
法的な位置づけ
農地法37条は、農業委員会が遊休農地の所有者等に農地中間管理機構との協議を勧告した後、勧告日から2か月以内に協議が調わず又は協議を行うことができない場合に、農地中間管理機構が勧告日から6か月以内に、都道府県知事へ農地中間管理権(賃借権に限る)の設定に関する裁定を申請できる旨を定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勧告書の日付から期限を割り出す 農業委員会から届いた勧告書の日付を確認し、「勧告日+2か月」(協議期限)と「勧告日+6か月」(機構の申請期限)をカレンダーに記入する
- 2.自分の方針を決める 自分で耕作を再開するか、自分で見つけた借り手に貸すか、機構への貸付けに合意するかを決める。共有者がいる場合は、この段階で意思を統一しておく
- 3.2か月以内に機構と協議する 農地中間管理機構からの連絡に応じ、賃料・期間・返還条件を書面で確認する。合意できれば37条の裁定には進まない
- 4.裁定申請後は意見書を提出する 機構が知事に裁定を申請した場合、知事が指定する期間内に意見書を提出する(38条)。耕作再開の事実や賃料・期間の希望を、写真などの資料とともに具体的に書く
- 5.裁定に不服があれば不服申立てを検討 知事の裁定は行政処分にあたるため、内容に不服がある場合は行政不服審査法に基づく審査請求や取消訴訟を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1遊休農地の裁定とは何ですか?
所有者と農地中間管理機構の協議がまとまらない場合に、都道府県知事が合意の代わりに機構の賃借権の設定を決める行政上の決定です。根拠は農地法37条から40条です。
Q2農地中間管理機構との協議はいつまでですか?
農業委員会の勧告があった日から数えて2か月以内です。この期間内に協議が調わないと、機構は知事への裁定申請に進めるようになります(農地法37条)。
Q3機構が裁定を申請できる期限はいつまで?
勧告があった日から数えて6か月以内です。この期間を過ぎると、同じ勧告を根拠とした37条の裁定申請はできなくなると読めます。
Q4裁定で農地の所有権を取られますか?
取られません。37条で設定されるのは農地中間管理権のうち賃借権に限られます。所有権は所有者に残り、賃料は裁定の中で決められます。
Q5機構からの連絡を無視するとどうなる?
連絡がつかない状態は「協議を行うことができないとき」に当たりうるため、無視しても手続は止まりません。勧告から2か月が過ぎれば裁定申請が可能になります。
Q6裁定の申請先はどこですか?
農地が所在する都道府県の知事です。申請するのは所有者ではなく農地中間管理機構で、手続の細目は農林水産省令で定められています。
Q7共有の農地でも裁定の対象になりますか?
対象になりえます。相続で共有になったまま共有者の意思がまとまらず協議に応じられない状態も、「協議を行うことができないとき」に当たる可能性があります。
Q8裁定申請された後に反論はできますか?
できます。申請後、知事は所有者に意見書を提出する機会を与えます(農地法38条)。耕作再開の事実や賃料・期間の希望は書面で具体的に示すことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勧告を無視してたら、畑そのものを取られちゃうんですか?
取られるのは所有権ではありません。37条の裁定で設定されるのは、機構の賃借権(農地中間管理権)に限られます。賃料も裁定の中で決められ、所有者に支払われます。実務のポイント:所有権が残るとはいえ、裁定で決まった期間は自分で耕すことも売ることも事実上難しくなります。合意で貸す場合のほうが、期間や返還の条件を交渉しやすいのが実情です
Q2遠方に住んでいて相続した畑の管理なんてできない。どうすればいい?
2か月の協議期間のうちに、機構に自分から貸付けを申し出るのが最も合理的です。36条の勧告は機構に貸すための協議を求めるものなので、合意すれば37条の裁定まで進みません。実務のポイント:同じ「機構に貸す」でも、合意で貸すか裁定で貸されるかによって、条件交渉の余地も地域での扱われ方も変わります。自分から動いた所有者のほうが、話を進めやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「勧告は単なるお願いだから無視しても実害はない」と考える人が多い。しかし勧告から2か月で裁定申請への道が開くだけでなく、勧告を受けた遊休農地は固定資産税の評価でも優遇補正が外される。手続面と財布の両方に、同時に影響が出る
- 「農地を取り上げられるのか」と身構えるのは、問いの立て方がずれている。37条で設定されるのは機構の賃借権(農地中間管理権)に限られ、所有権は動かない。本当に考えるべきなのは「取られるかどうか」ではない。「誰に、何年、いくらで貸すことになるかを、自分で決めるか知事に決められるか」である
- 所有者から見れば、勧告から6か月以内という期限は機構を縛る足かせに見える。法律から見れば、これは機構に申請の権限を与えた期間である。この6か月の間、所有者は「いつ申請されてもおかしくない」状態に置かれ続ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の役割 | 農地法37条:機構が知事に裁定を申請できる要件と期限 | 農地法36条:農業委員会による協議の勧告 農地法39条:知事による裁定の内容 |
| 主体 | 農地中間管理機構(申請者) | 農業委員会(勧告者) 都道府県知事(裁定者) |
| 期間・時期 | 勧告日から2か月で協議不調→6か月以内に申請 | 利用意向調査(32条)等を経た後に勧告 意見書提出(38条)の機会を経て裁定 |
| 所有者への影響 | 裁定申請の可能性が生じる段階(権利はまだ動かない) | 機構との協議を求められる段階 賃借権の内容(期間・賃料等)が決まる段階 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は私有荒地について期限を定めて使用を求め、期限内に使用しない場合は荒地税を課す。日本のように第三者への賃借権を行政決定で設定する仕組みではなく、税による誘導が中心
韓国は農業経営に利用しない農地に処分義務を課し、処分命令に至る。賃借権設定にとどめる日本より所有権への介入が強い
フランスは未耕作地について知事(préfet)が第三者に耕作権を認めうる手続を持ち、所有権を残しつつ利用権を設定する点で日本の裁定に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勧告書が届いてから、もう七週間が過ぎている。機構から何度か電話があったが、忙しくて折り返していない。あと一週間ほどで「協議が調わない」状態が確定し、機構は知事への裁定申請に進めるようになる
- あなたが地方の農地を相続した都会のサラリーマンで、機構から届いた「協議のお願い」を無視したら、どうなるのか。連絡がつかないこと自体が、条文の「協議を行うことができないとき」に当たりうる。黙っていても、手続が止まる理由にはならない
- 隣の荒れた畑から雑草の種と害虫が毎年飛んでくる。あなたは困り果てた農家として、農業委員会に相談した。利用状況調査から勧告、裁定申請へと続くこの手続の流れが、あなたにとって近所トラブルを公的に解決するルートになる
取るべき行動
被害を受けた側:周辺の農地が荒れて被害を受けている農家や、農地を借りたい担い手の立場の場合:1. 荒れている状況(雑草、害虫、不法投棄)を日付入りの写真で記録する2. 市町村の農業委員会に、遊休農地としての利用状況調査や申出(31条)を書面で求める3. 勧告が出たら、地元の農地中間管理機構に借受け希望者として登録しておく4. 雑草などで具体的な損害が出ている場合は、民法上の請求を別に検討する
訴えられた側:勧告を受けた所有者の場合:1. 勧告書の日付を確認し、2か月後と6か月後の日付を控える2. 機構からの連絡には必ず応じ、賃料・期間・返還条件を書面で確認する3. 自分で耕作を再開するか、別の借り手に貸すなら、その計画を具体的に示す4. 共有者がいる場合は早めに意思をまとめる5. 知事の裁定は行政処分にあたるため、内容に不服があれば審査請求や取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):協議の期間は勧告の日から2か月。機構が裁定を申請できるのは勧告の日から6か月以内。申請後は、知事が所有者に意見書を出す機会を与える(38条、期間は2週間以上で指定、最新の改正状況をご確認ください)。裁定に不服がある場合は、行政不服審査法に基づき、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求できる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 改正:農地中間管理事業の推進に関する法律の制定にあわせ、遊休農地に関する措置の協議・裁定の相手方を農地中間管理機構とする仕組みに改められた
- 農地法 第36条前提となる協議の勧告
- 農地法 第38条所有者の意見書提出の機会
- 農地法 第39条知事による裁定の内容
- 農地法 第40条裁定の公告と権利設定の効果
- 農地法 第32条勧告に先立つ利用意向調査
- 農地中間管理事業の推進に関する法律 第2条農地中間管理権と事業の定義
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