農地法 第38条(意見書の提出)
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- 都道府県知事は、前条の規定による申請があつたときは、農林水産省令で定める事項を公告するとともに、当該申請に係る農地の所有者等にこれを通知し、二週間を下らない期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
- 2.前項の意見書を提出する者は、その意見書において、その者の有する権利の種類及び内容、その者が前条の規定による申請に係る農地について農地中間管理機構との協議が調わず、又は協議を行うことができない理由その他の農林水産省令で定める事項を明らかにしなければならない。
- 3.都道府県知事は、第一項の期間を経過した後でなければ、裁定をしてはならない。
この条文の基本情報
意見書の提出とは何ですか?
定義意見書の提出とは、農地法第38条に定められた規定で、「都道府県知事は、前条の規定による申請があつたときは、農林水産省令で定める事項を公告するとともに、当該申請に係る農地の所有者等にこれを通知し、二週間を下らない期間…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第38条(意見書の提出)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第38条の条文原文は「都道府県知事は、前条の規定による申請があつたときは、農林水産省令で定める事項を公告するとともに、当該申請に係る農地の所有者等にこれを通知し、二週間を下らない期間…」で始まります。
- 農地法第38条は第四章 遊休農地に関する措置に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第38条の前の条は農地法第37条です。
- 農地法第38条の次の条は農地法第39条です。
- 農地法第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第38条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法38条は、機構の裁定申請があったとき、知事が公告・通知し、二週間以上の期間を定めて所有者等に意見書提出の機会を与え、期間経過前の裁定を禁じる規定である。
Q · 県から農地の裁定の通知が来たけど、反論する方法はあるの?
期間内に意見書を出せるが、裁定を止める拒否権ではない
農地法38条により、都道府県知事は機構の裁定申請を公告し、所有者等に通知したうえで、二週間以上の期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければなりません。意見書には、自分の権利の種類と内容、機構との協議が調わなかった理由などを明らかにする必要があります(同条2項)。知事は期間経過後でなければ裁定できません(同条3項)。ただし意見書は判断材料であり、裁定そのものを拒否する権利ではありません。
解説
相続で受け継いだ田んぼを数年放置していると、県から一通の封筒が届くことがある。差出人は都道府県知事で、中身には「裁定」の文字がある。農地中間管理機構(県ごとに置かれた農地の貸し借りの仲介機関、通称「農地バンク」)が、あなたの農地を借り受ける権利の設定を知事に申請した、という知らせである。農地法38条によると、知事は裁定(当事者の合意に代わって、役所が権利関係を決める行政処分)を下す前に、申請内容を公告し、所有者等に通知しなければならない。さらに二週間以上の期間を指定して、意見書を出す機会を与える義務がある。その期間が終わるまで、知事は裁定できない。この期間が、あなたの言い分を公式の記録に残せる窓口になる。ただし意見書には、自分が持つ権利の種類と内容、機構との協議がまとまらなかった理由などを明記する必要がある。「勝手に決めるな」と書くだけでは、知事の判断材料にならない。
法的な位置づけ
農地法38条は、遊休農地に関する裁定手続のうち、所有者等の意見聴取手続を定める規定である。都道府県知事は、農地中間管理機構による裁定申請(同法37条)を受けると、農林水産省令で定める事項を公告し、所有者等に通知し、二週間以上の期間を指定して意見書提出の機会を与える。知事はこの期間の経過前に裁定をすることができない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.指定期間の最終日を確認する 知事からの通知書と公告を確認し、意見書の提出期間の最終日を特定する。その日から逆算して、資料収集と書面作成の日程を組む
- 2.自分の権利と協議不調の理由を整理する 所有権か賃借権かなど、自分の権利の種類と内容を登記事項証明書や契約書で確認する。機構との協議が調わなかった、または協議できなかった具体的な理由を時系列でまとめる
- 3.裁定を見送る判断材料となる証拠を集める 耕作を再開した写真、具体的な作付計画、他の担い手との賃貸借の資料(3条許可の申請書の写し)など、遊休状態が解消された、または解消される見込みを示す資料を集める
- 4.意見書を作成し、提出日が分かる方法で出す 38条2項と省令で定める事項を漏れなく記載した意見書を作成し、証拠を添付する。写しを手元に残し、簡易書留など提出日を証明できる方法で提出する
- 5.裁定後の不服申立て期限を管理する 裁定が出た場合に備え、審査請求(原則3か月)と取消訴訟(原則6か月)の期限を手帳に記入し、必要に応じて弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1遊休農地の裁定とは何ですか?
所有者の合意がなくても、都道府県知事が行政処分によって農地中間管理機構に農地中間管理権を設定させる手続です。農地法37条から40条に定められています。
Q2農地の意見書の提出期限はいつまで?
知事が公告と通知で指定する期間内です。農地法38条1項により、その期間は二週間を下らないものとされ、具体的な最終日は通知書に記載されます。
Q3農地の裁定の通知を無視するとどうなる?
期間が過ぎれば、意見書がなくても知事は裁定に進めます。裁定が公告されると、機構が農地中間管理権を取得し、期間や借賃も裁定の内容で決まります。
Q4農地の意見書に書くべき事項は?
農地法38条2項により、自分の権利の種類と内容、機構との協議が調わなかった理由または協議できなかった理由、その他の省令事項を明らかにする必要があります。
Q5相続した農地も裁定の対象になる?
なりえます。相続で取得した農地でも、遊休農地として利用意向調査や勧告の対象となり、機構との協議が調わなければ裁定申請に進む可能性があります。
Q6農地を借りている人も意見書を出せる?
使用・収益をする権原を持つ者も「所有者等」に含まれうるため、通知と意見書提出の対象となりえます。ただし権利の種類と内容を示す必要があります。
Q7裁定に不服があるときはどうする?
審査請求は処分を知った日の翌日から原則3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は原則6か月以内(行政事件訴訟法14条)に検討します。
Q8意見書を出しても裁定される?
されることがあります。38条が保障するのは意見を述べる機会であり、拒否権ではありません。耕作の再開など、裁定を見送る根拠となる事実を示すことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1意見書って、何を書けば効くんですか?
38条2項により、持っている権利の種類と内容、機構との協議がまとまらなかった理由、その他の省令で定める事項を明らかにする必要がある。感情的な反対を並べるより、事実を書く方が効く。実務のポイント:協議がまとまらなかった理由として、機構が示した借賃や期間の具体的な問題点を数字で書いておくと、裁定で条件を決めるときの材料として残る。理由欄は、条件交渉の最後の場でもある
Q2期間内に出せなかったら、もう手遅れですか?
38条3項は、期間が終わるまで知事は裁定できないと定めているにすぎない。期間が過ぎれば、意見書がなくても裁定に進める。実務のポイント:期間が過ぎても裁定前であれば、担当課に事実上の資料提出や相談ができることがある。ただし法的な保障はなく、扱いは自治体によって違う。裁定が出た後は、審査請求や取消訴訟の期限との勝負になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「意見書を出せば裁定を止められるのか」と問う人が多い。だが問いの立て方がずれている。38条が保障しているのは意見を述べる機会であり、拒否権ではない。知事は意見書を踏まえたうえで裁定するかどうかを判断する。問うべきは「裁定を見送る理由になる事実を、自分は書面で示せるか」である
- 通知を無視すれば不利になることは、多くの人がなんとなく分かっている。本当に深刻なのはその先である。裁定が公告されると、機構は裁定の内容どおりに農地中間管理権を取得し、存続期間や借賃も裁定の中で決まる。あとから「貸すつもりはなかった」と言っても、交渉の余地はほとんど残っていない
- 所有者から見れば「自分の土地を休ませておくのは自由」である。しかし法律から見れば、農地の所有者等には農業上の適正かつ効率的な利用を確保する責務がある(農地法2条の2)。遊休農地は「放っておいてよい私物」ではなく「利用が止まっている地域の資源」とみなされる。この見方の差が、通知を受けたときの準備不足となって表れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の段階 | 農地法38条:裁定申請後の公告・通知・意見書提出機会 | 農地法37条:機構による知事への裁定申請 農地法39条:意見書を踏まえた知事の裁定 |
| 主な行為者 | 都道府県知事(公告・通知)と所有者等(意見書提出) | 農地中間管理機構 都道府県知事 |
| 所有者側にとっての意味 | 自分の言い分を公式記録に残せる唯一の法定窓口 | 勧告後の協議が調わないと申請が行われうる段階 権利関係が行政処分で決まる段階 |
| 時間的制約 | 二週間を下らない指定期間、経過前の裁定は禁止 | 勧告から二か月以内に申請 38条の期間経過後に限り裁定可能 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は私有荒地に期限を定めて使用を命じ、従わなければ荒地税の課税や照価収買を行う仕組みで、機構への貸付けを強制する日本型の裁定とは手法が異なる
韓国は農地を耕作しない所有者に処分義務・処分命令を課し、履行強制金で担保する。所有権の移転まで迫る点で日本より強い
フランスは耕作されていない土地について、県知事の手続を経て第三者に耕作権を付与する制度を持ち、日本の裁定制度と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 東京で会社員をしているあなたの実家の畑は、父が亡くなってから五年間、草に覆われたままだ。県から意見書提出の通知が届き、期限まで残り十日しかない。何も出さなければ、機構への貸付けに向けて裁定の手続が進みうる。来春から自分で耕すつもりなら、作付計画と準備の状況を今週中に書面にまとめるべきである
- その農地を、あなたが口約束で近所の農家に貸していたら、どうなるのか? 使用・収益の権原を持つ者も「所有者等」として通知の対象になりうる。ただし意見書で権利の種類と内容を示せなければ、その権利は埋もれてしまう。しかも農地の賃貸借は農地法3条の許可がなければ効力を生じないため、口約束の弱さがここで一気に表に出る
- 利用意向調査にも勧告にも答えなかった地主が、通知を見てようやく専門家に電話をかける。最初に聞かれるのは「指定期間はいつまでか」である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知に書かれた指定期間の最終日を確認し、逆算して準備を始める。2. 38条2項に沿って、自分の権利の種類と内容(所有権か、賃借権か)、機構との協議がまとまらなかった理由を具体的に書く。3. 耕作再開の証拠や作付計画、他の担い手との契約資料を添付する。4. 写しを手元に残し、提出日が分かる方法で出す。5. 裁定に不服があれば、行政不服審査や取消訴訟を検討する。
訴えられた側:遊休化を指摘された側として、まず現状を認めるか争うかを決める。争うなら、利用している事実や近く再開する具体的な見込みを証拠で示す。争わないなら、意見書の中で借賃や存続期間についての希望と根拠を具体的に書き、裁定内容に反映させることを狙う。どちらの場合も、期間内に何も出さないことが最悪の選択である。
時効(請求できる期限):意見書の提出期間は、知事が指定する二週間以上の期間(農地法38条1項)で、具体的な期限は公告と通知で示される。知事はこの期間が終わるまで裁定できない(同条3項)。前段階として、機構の裁定申請は勧告から二か月以内である(同法37条)。裁定に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)が原則である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:農地法制定。現行の第38条は、その後の改正で遊休農地に関する措置が整備される中で現在の内容となった
- 2.平成25年(2013年) 改正:農地中間管理事業の推進に関する法律の制定に伴い、遊休農地に関する措置が見直され、裁定の相手方が農地中間管理機構とされた
- 農地法 第36条機構との協議の勧告、裁定手続の前提
- 農地法 第37条機構による裁定申請、本条の起点
- 農地法 第39条意見書を踏まえた知事の裁定
- 農地法 第40条裁定の公告と農地中間管理権の取得
- 農地法 第2条の2農地の所有者等の適正利用責務
- 農地中間管理事業の推進に関する法律 第2条機構と農地中間管理権の定義
- 行政不服審査法 第18条裁定への審査請求期間
- 行政事件訴訟法 第14条裁定取消訴訟の出訴期間
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