農地法 第2条の2(農地について権利を有する者の責務)
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農地について所有権又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者は、当該農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保するようにしなければならない。
この条文の基本情報
農地について権利を有する者の責務とは何ですか?
定義農地について権利を有する者の責務とは、農地法第2条の2に定められた規定で、「農地について所有権又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者は、当該農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保するようにしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第2条の2(農地について権利を有する者の責務)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第2条の2の条文原文は「農地について所有権又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者は、当該農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保するようにしなければならない。」で始まります。
- 農地法第2条の2は第一章 総則に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第2条の2の前の条は農地法第2条です。
- 農地法第2条の2の次の条は農地法第3条です。
- 農地法第2条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第2条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第2条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/2_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法2条の2は、農地の所有者や賃借人など使用収益権を持つ者に、農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保する責務を課す。罰則はないが、遊休化すれば調査・勧告の起点となる。
Q · 相続した畑を耕さずに放っておくと、法律上なにか問題になるの?
罰則はないが、放置すれば勧告と固定資産税増額につながる
農地法2条の2は、農地の所有者だけでなく賃借人などにも、農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保する責務を課しています。本条自体に罰則はありませんが、遊休化すると農業委員会の利用状況調査(30条)、利用意向調査(32条)を経て、農地中間管理機構との協議の勧告(36条)に進みます。勧告を受けると固定資産税の評価軽減が外れ、税額はおよそ1.8倍になります。責務は自分で耕さなくても、機構への貸付や管理委託で果たせます。
解説
田舎の田んぼを相続したが、耕す予定はない。遠いのでそのままにしている。多くの人はそれで問題ないと考えている。農地法2条の2は、農地の所有者だけでなく、借りている人にも「農業上の適正かつ効率的な利用を確保する」責務を課している。この条文には罰則がない。それでも、法律の他の仕組みはこの条文を前提に動いている。農業委員会(市町村に置かれ、農地の売買・貸借の許可や利用状況の調査を担う行政委員会)は毎年、農地の利用状況を調べる(30条)。放置が続けば利用意向調査(32条)、さらに勧告(36条)へ進む。勧告を受けると、固定資産税の軽減がなくなり、税額はおよそ1.8倍に上がる。押さえておくべきなのは、この責務は「自分で耕すこと」に限られないという点である。貸すこと、管理を任せること、手放すことでも果たせる。打つ手は、勧告より前のほうが多い。
法的な位置づけ
農地法2条の2は、農地について所有権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利を有する者に対し、当該農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保する責務を定める一般的責務規定である。平成21年改正で新設され、罰則を伴わないが、遊休農地に関する利用状況調査・利用意向調査・勧告等の措置の前提となる。
手順
- 1.農業委員会からの書面の回答期限を確認する 利用状況調査の結果通知や利用意向調査の書面が届いたら、まず回答期限と選択肢(自ら耕作・機構に貸付・所有権移転など)を確認する。無回答のまま放置しない
- 2.家族で農地の方針を決める 自分で耕す、機構に貸す、地域の担い手に任せる、売却する、相続土地国庫帰属制度を使う、の中から家族で方針を話し合う。将来子どもが使う可能性があるなら、期間満了で返還される機構経由の貸付を優先して検討する
- 3.農業委員会・農地中間管理機構に相談する 市町村の農業委員会窓口で貸付先のあっせんを相談し、農地中間管理機構への貸付の協議に入る。相続で取得した場合は3条の3の届出もこの時点で済ませる
- 4.保全管理の記録を残す 貸付先が決まるまでの間は、草刈りなどの保全管理を行い、作業日と写真を記録する。指導を受けたときに説明の材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1農地法2条の2とは何ですか?
農地の所有者や賃借人など、農地を使う権利を持つ人に、農地を農業上適正かつ効率的に利用する責務を定めた条文です。平成21年改正で新設されました。
Q2遊休農地とはどんな農地ですか?
現に耕作されておらず今後も耕作される見込みがない農地や、周辺と比べて利用の程度が著しく劣る農地を指します。判断は農業委員会の利用状況調査で行われます。
Q3遊休農地の固定資産税はいくら上がる?
36条の勧告を受けると、農地評価に適用される軽減補正が外れ、税額はおよそ1.8倍になります。勧告を受けなければこの課税強化は適用されません。
Q4農地を借りている人にも責務はある?
あります。本条は所有者に限らず、賃借権など使用収益権を持つ人も対象です。借り手が耕作をやめて放置すれば、借り手自身も責務を果たしていないと評価されます。
Q5利用意向調査に回答しないとどうなる?
回答がなければ、農地を自ら活用する意思がないものと扱われやすくなります。その結果、機構との協議の勧告に進む可能性が高まり、自分で選べる手段が減ります。
Q6農地中間管理機構に貸すメリットは?
担い手とのマッチングを機構が担い、契約期間が満了すれば原則として農地が返ってきます。個人間の賃貸借より返還トラブルを避けやすく、本条の責務も果たせます。
Q7いらない農地は国に引き取ってもらえる?
相続土地国庫帰属制度を使えば、要件を満たす農地を国に引き取ってもらえる場合があります。審査手数料と10年分相当の負担金が必要で、承認されない土地もあります。
Q8農地を放置すると近所に迷惑がかかる?
雑草の繁茂、病害虫の発生、イノシシなど鳥獣の住みかになることで、周辺の農地に被害が及ぶことがあります。地域の農地集約の計画にも支障が出ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1遠くの畑を相続しちゃったんですけど、耕さないと罰金ですか?
本条(農地法2条の2)に罰則はない。ただ、遊休農地として36条の勧告を受けると、固定資産税の軽減がなくなる。実務のポイント:農業委員会には借り手の情報が集まっており、条件の悪くない農地なら、相談に行くだけで農地中間管理機構を通じた貸付先が見つかることがある。勧告の前に自分から窓口へ行った人ほど、選べる手が多い
Q2一度人に貸したら、もう返してもらえないって聞いたんですが本当?
農地法上の賃貸借は、解約に原則として知事の許可が必要である(18条)。そのため、個人間で貸すと返還交渉が難しくなることがある。実務のポイント:農地中間管理機構を通した貸付は、設定した期間が満了すれば原則として返ってくる設計になっている。将来、子どもが使うかもしれないなら、個人間で直接貸すより機構経由のほうが安全である
Q3草刈りだけしておけば、遊休農地扱いされずに済みますか?
耕作されていなくても、すぐに耕作を再開できる状態に保全管理されていれば、遊休農地とは判断されにくい。判断するのは農業委員会の利用状況調査(30条)である。実務のポイント:調査は例年夏から秋に行われることが多い。その前に草刈りをし、作業日と写真を残しておくと、指導を受けたときに説明しやすい。ただし、これは時間稼ぎであって、本条の求める効率的な利用そのものではない
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰則がないのだから、守らなくても何も起きない」と考えがちだが、本条そのものに罰則がなくても、利用状況調査(30条)、利用意向調査(32条)、勧告(36条)という手続がこの責務を前提に進む。勧告を受ければ固定資産税の軽減がなくなる。罰金はないが、税負担として跳ね返ってくる
- 「農地を持っている以上、自分で耕さなければならない」という思い込みが、多くの相続人を追い詰めている。本条が求めているのは「適正かつ効率的な利用の確保」であり、農地中間管理機構に貸す、地域の担い手に任せることでも果たせる。「自分で耕すか、放置するか」の二択だと思っているなら、問いの立て方が間違っている
- 所有者の目には「草が生えているだけで誰にも迷惑はかけていない」と映る。だが法律は、地域の農地をまとめて担い手に集める政策の観点から見ている。一枚の荒れた農地が、周辺の集約計画や病害虫・鳥獣被害の問題に影響する。この見方の違いを知らないまま、農業委員会との話し合いに臨むのは危うい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 2条の2:権利者の一般的な利用責務(罰則なし) | 30条・32条:農業委員会による利用状況調査・利用意向調査 36条:農地中間管理機構との協議の勧告 |
| 対象者 | 所有者・賃借人など使用収益権を持つすべての者 | 農地全般(調査)、遊休農地の所有者等(意向調査) 利用意向調査後も利用増進が見込まれない遊休農地の所有者等 |
| 不利益の内容 | 本条単独では直接の不利益なし | 調査対象となり、意向表明を求められる 勧告後、固定資産税の評価軽減が外れ税額およそ1.8倍 |
| 権利者が取れる手 | 自ら耕作・貸付・管理委託・譲渡で責務を果たせる | 意向調査で機構への貸付等を選択できる 勧告後に動いても課税強化の回避は難しくなる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は私有荒地について期限付きで使用を通知し、期限を過ぎても未使用なら荒地税を課す仕組みを持つ。税負担で利用を促す点は日本の勧告後の課税強化と発想が近い
韓国は耕者有田の原則のもと、農業経営に利用しない農地に処分義務を課し、処分命令・履行強制金まで用意する。罰則のない日本の責務規定より直接的な強制手段をとる
フランスは耕作されていない土地について、県の手続を通じて第三者に利用させる仕組みを持つ。所有者の意思に関わらず利用を確保する点で日本より介入度が高い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が亡くなり、隣の県にある畑2反を相続した。草刈りに行く時間はなく、3年が過ぎた。ある日、農業委員会から「利用意向調査」の書面が届く。回答を放っておくと、次に来るのは勧告である
- 遊休農地として勧告を受けたら、固定資産税はどうなるのか? 評価額の軽減がなくなり、税額はおよそ1.8倍になる。毎年の負担なので、放置した年数がそのまま損失として積み上がる
- あなたは近所の農家から田んぼを借り、10年耕してきた。高齢になり体力が落ちたので、作付けをやめて草地のままにしている。所有者ではなく借り手であっても、本条の責務はあなたにかかる。耕作の実態を失った借り手だと見られると、賃貸借の解約許可(18条)を判断する場面で不利な事情になりうる
- 就農を目指して農地を買おうとしたら、農業委員会に「その面積を本当に全部使えますか」と聞かれた。3条の許可審査で見られる全部効率利用要件は、本条の責務と表裏の関係にある
- 利用意向調査には「自ら耕作する」「農地中間管理機構に貸す」「所有権を移す」などの選択肢がある。回答期限が近いのに、何を選べばよいか家族の意見がまとまらない。ここで無回答のまま期限を過ぎると、選択肢を自分で選ぶ余地が狭まる
取るべき行動
被害を受けた側:隣の農地が荒れて雑草や害虫、イノシシの被害が出ている場合:1. 被害の写真と日付を記録する2. 市町村の農業委員会に、所在地を示して利用状況調査(30条)の対象として情報を提供する3. 所有者が分かるなら、直接の苦情より先に「機構に貸す選択肢がある」と伝えると、話が進みやすい4. 具体的な損害が出ているなら、民法上の請求は弁護士に相談する
訴えられた側:農業委員会から利用意向調査や指導を受けた場合:1. 回答期限を確認し、無回答は避ける2. 自分で耕せないなら「農地中間管理機構に貸す」意思を示し、機構と貸付の協議に入る3. 草刈りなど最低限の保全管理の記録(写真、作業日)を残す4. どうしても維持できないなら、売却や相続土地国庫帰属制度の利用を検討し、司法書士または行政書士に相談する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。ただし、相続などで許可なく農地を取得した場合は、取得を知った時から概ね10か月以内に農業委員会へ届出が必要である(農地法3条の3、違反は10万円以下の過料、69条)。利用意向調査には回答期限が示されるので、書面の記載を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条は訓示的な一般的責務規定であり、直接の法的強制力や罰則を伴わない。ただし遊休農地対策(30条以下)や3条許可の全部効率利用要件の解釈指針として機能し、農地制度全体の基本理念を示す規定と位置付けられる
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)改正 農地法の目的を「所有から利用へ」転換した改正で、農地の権利を有する者の責務規定として新設された。所有者だけでなく賃借人など使用収益権者も対象とされた
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:農地法等の一部を改正する法律により、農地制度の基本を「所有から利用へ」転換する改正の一環として新設された。責務の対象を所有者に限らず、賃借人など使用収益権を有する者にも広げた
- 農地法 第1条耕作者の地位安定と効率的利用の目的
- 農地法 第3条権利取得許可、全部効率利用要件
- 農地法 第30条農業委員会による利用状況調査
- 農地法 第32条遊休農地所有者への利用意向調査
- 農地法 第36条機構との協議勧告、課税強化の起点
- 農地中間管理事業の推進に関する法律 第2条機構を通じた貸付で責務を果たす経路(現行効力を要確認)
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