農地法 第1条(目的)
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この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もつて国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。
この条文の基本情報
目的とは何ですか?
定義目的とは、農地法第1条に定められた規定で、「この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第1条(目的)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第1条の条文原文は「この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによ…」で始まります。
- 農地法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第1条の次の条は農地法第2条です。
- 農地法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法第1条は、農地を国民のための限られた資源と位置づけ、転用の規制と効率的に利用する耕作者への権利取得の促進を通じ、食料の安定供給の確保を図ることを目的とする規定である。
Q · 自分の畑なのに、なぜ自由に売ったり駐車場にしたりできないの?
農地は国民の限られた資源とされ、売買も転用も許可制だから
農地法第1条は、農地を国内農業生産の基盤であり、現在及び将来の国民のための限られた資源と位置づけています。この目的を実現するため、農地の売買・賃貸には農業委員会の許可(3条)、駐車場や資材置き場などへの転用には都道府県知事等の許可(4条・5条)が必要とされます。許可を得ないまま売買しても所有権は移転せず、無許可転用は原状回復命令(51条)の対象となります。
解説
田んぼや畑の持ち主が「売れない」「変えられない」と困るとき、その理由はこの長い一文にまとめられている。本条は、農地を所有者の財産である前に、今の国民と将来の国民のための「限られた資源」だと位置づける。そのため持ち主であっても、農地を自由に売ったり貸したりはできない(3条:農業委員会の許可が必要)。駐車場や資材置き場、太陽光発電用地にも勝手には変えられない(4条・5条:転用許可が必要)。目的規定は飾りではない。農業委員会や都道府県知事(または指定市町村長)が個別の要件をどう読むか迷ったとき、立ち返る判断軸がここにある。特に重要なのは平成21年(2009年)の改正である。それまで条文にあった「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当である」という自作農主義の文言が消え、「効率的に利用する耕作者」による権利取得を後押しする方向に変わった。一般法人が農地を借りて参入できるようになったのはこのためである。相続した実家の畑をどうするか考えるとき、最初に向き合う相手は買主ではなく、この一条の考え方である。
法的な位置づけ
農地法第1条は同法の目的規定であり、農地を国内農業生産の基盤かつ国民のための限られた資源と位置づけたうえで、農地転用の規制、効率的に利用する耕作者による権利取得の促進、農地の利用関係の調整及び農業上の利用確保を手段として、耕作者の地位の安定、農業生産の増大及び食料の安定供給の確保を図る旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1農地法とは何ですか?
農地の売買・賃貸や転用を許可制で規制し、農地を農業に使い続けられるよう守る法律です。目的は第1条に定められ、最終的には食料の安定供給の確保を目指します。
Q2農地法の目的は何条に書いてありますか?
第1条です。転用規制、効率的な耕作者による権利取得の促進、利用関係の調整などを通じ、耕作者の地位の安定と食料の安定供給の確保を図ると定めています。
Q3農地 売買 許可なし どうなる?
3条の許可を受けない農地の売買は効力を生じず、所有権は移転しません。所有権移転登記の申請にも許可書が必要になるため、登記もできません。
Q4登記簿の地目が宅地なら農地法は関係ない?
関係あります。農地かどうかは登記簿の地目ではなく現況で判断されます(2条)。実際に耕作されていれば、地目が宅地でも農地法上の農地として扱われます。
Q5自作農主義とは何ですか?
農地は耕作者自らが所有するのが最も適当だとする考え方です。農地改革の成果を守るため旧1条に明記されていましたが、2009年改正で文言が削られました。
Q6農地法2009年改正で何が変わった?
目的規定が全面改正され、農地を限られた資源と位置づけて効率的な利用を重視する方向に変わりました。一般法人も貸借なら農地を利用できるようになりました。
Q7農地を無断で転用したら罰則はありますか?
あります。無許可転用は原状回復命令(51条)の対象となり、命令違反や無許可転用そのものに刑事罰が科される可能性があります。早めに農業委員会へ相談を。
Q8農地法の許可はどこに申請する?
売買・賃貸(3条)は市町村の農業委員会、転用(4条・5条)は都道府県知事または指定市町村長が許可権者です。窓口はいずれも農業委員会になるのが一般的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相続した田んぼ、農家じゃないけど持ってても違法じゃないですか?
違法ではありません。相続で農地を取得する場合、3条の許可は要りません。ただし農業委員会への届出(3条の3)が必要で、届け出なかったり、うその届出をしたりすると10万円以下の過料の対象になります(69条)。実務のポイント:相続登記をしても、この届出は自動では済みません。法務局と農業委員会は別の窓口なので、届出漏れは後で売却や貸し出しを相談するときに初めて見つかることが多い。登記と同じタイミングで届出も出しておくこと
Q2目的の条文なんて、実際の許可の審査に関係あるんですか?
許可の直接の基準は、3条2項や4条6項などの個別の規定に書かれています。ただ、それらをどう解釈し運用するかで迷う場面では、本条の目的が判断の拠り所になります。2009年の改正で「効率的な利用」が前面に出たことで、借りる形での参入の扱いも変わりました。実務のポイント:不許可に納得できないときは、行政手続法8条に基づいて理由の具体的な説明を求め、その判断が本条の目的とどう合っているのかを書面で尋ねる。行政側は説明を具体的にせざるを得なくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の土地なのに、なぜ許可が要るのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。農地法は、農地の所有権を国民の食料供給を支える資源を預かる立場に近いものとして扱う。財産権の中身は公共の福祉に合うように法律で決められる(憲法29条2項)。所有の自由を前提に交渉するほど、行政との話は平行線になる
- 「農地は農家しか買えない」と思われがちだが、2009年の改正で、借りる形なら一般法人も参入できるようになった。さらに令和5年(2023年)4月には、取得時の下限面積要件(原則50アール)が廃止された。会社員が週末農業のために小さな農地を手に入れる道は、以前より確実に広がっている。ただし、取得する農地すべてを効率的に使う要件や、農作業に常に従事する要件などは残っている(最新の改正状況をご確認ください)
- あなたにとって耕作をやめた畑はただの空き地かもしれない。しかし法律上はなお「限られた資源」であり、農業委員会による利用状況調査(30条)や利用意向調査(32条)の対象になる。放っておくことは何もしないことと同じではなく、行政手続が始まるきっかけになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 農地法1条:個別規制ではなく法全体の目的と判断軸を示す | 農地法3条:農地のまま売買・賃貸する権利移動 農地法4条・5条:農地を農地以外にする転用(5条は権利移動を伴う転用) |
| 許可権者 | なし(各許可の解釈・運用の拠り所) | 農業委員会 都道府県知事または指定市町村長 |
| 違反時の効果 | 直接の効果なし(個別規定を通じて実現) | 許可のない権利移動は効力を生じない 原状回復命令(51条)・刑事罰の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も農業発展条例で農地の農業使用を確保し、非都市土地の使用区分の変更を区域計画法等で規制する。2000年改正で農地の自然人取得制限を緩和した点は日本の流動化と方向が近い
韓国の農地法も目的規定を置き、憲法上の耕者有田原則を背景に農地取得資格証明制度で取得を規制する。所有規制は日本より強い
ドイツは農林地の売買に官庁の許可を要求し、農業構造の改善を理由に不許可とする余地を認める点で、日本の3条許可に近い
米国の連邦法は連邦事業による農地転用の抑制にとどまり、私人間の農地取引そのものを許可制にはしていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親から相続した田舎の畑について、不動産会社に「宅地にして売りましょう」と言われたらどうなる? 登記簿の地目に関係なく、実際に耕作に使われている土地は農地法上の農地として扱われる(2条)。転用許可が下りるまでは所有権が移らず、登記もできない。業者の楽観的な説明を聞く前に、まず農業委員会へ事前相談に行く必要がある
- 自分の畑に砂利を敷いて資材置き場にした。近所の人の通報で農業委員会から是正を求める指導が届き、期限は来月末である。無許可の転用は原状回復命令(51条)の対象になり、従わなければ刑事罰の可能性もある。
学説
一般的理解:平成21年改正により、目的規定の重心は自作農主義に基づく「所有」の保護から、農地の効率的な「利用」の確保へ移ったと理解されている。ただし耕作者自らによる所有の役割を踏まえる一節が残され、所有と利用の調整が引き続き課題とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)改正 目的規定を全面的に改正した。「農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当である」とする自作農主義の文言を削り、農地を国民のための限られた資源と位置づけた。そのうえで、効率的に利用する耕作者による権利取得の促進と、農地の農業上の利用の確保を目的に加えた
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:農地法制定。戦後農地改革の成果を維持するため、農地は耕作者自らが所有することを最も適当であると認める自作農主義を目的規定に明記
- 2.平成21年(2009年) 改正:目的規定を全面改正。自作農主義の文言を削り、農地を国民のための限られた資源と位置づけ、効率的に利用する耕作者による権利取得の促進と農業上の利用確保を目的に加えた
- 農地法 第2条農地の定義、現況で判断する基準
- 農地法 第3条権利移動の農業委員会許可
- 農地法 第4条所有者自身による転用の許可制
- 農地法 第5条転用目的の権利移動の許可制
- 農地法 第51条違反転用への原状回復命令
- 農業振興地域の整備に関する法律 第15条の2農用地区域内の開発行為制限の特則(現行効力を要確認)
- 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律 第2条相続農地を国庫に帰属させる出口(通称 相続土地国庫帰属法)
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