受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 8 分8 分8 分

農地法 第3条(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)

クイックジャンプ
  1. 農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第五条第一項本文に規定する場合は、この限りでない。
  2. 一第四十六条第一項又は第四十七条の規定によつて所有権が移転される場合
  3. 二削除
  4. 三第三十七条から第四十条までの規定によつて農地中間管理権(農地中間管理事業の推進に関する法律第二条第五項に規定する農地中間管理権をいう。以下同じ。)が設定される場合
  5. 四第四十一条の規定によつて同条第一項に規定する利用権が設定される場合
  6. 五これらの権利を取得する者が国又は都道府県である場合
  7. 六土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)、集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)又は市民農園整備促進法(平成二年法律第四十四号)による交換分合によつてこれらの権利が設定され、又は移転される場合
  8. 七農地中間管理事業の推進に関する法律第十八条第七項の規定による公告があつた農用地利用集積等促進計画の定めるところによつて同条第一項の権利が設定され、又は移転される場合
  9. 八特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律(平成五年法律第七十二号)第九条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第二条第三項第三号の権利が設定され、又は移転される場合
  10. 九農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律(平成十九年法律第四十八号)第九条第一項の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第五条第十項の権利が設定され、又は移転される場合
  11. 2.9_2 農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律(平成二十五年法律第八十一号)第十七条の規定による公告があつた所有権移転等促進計画の定めるところによつて同法第五条第四項の権利が設定され、又は移転される場合
  12. 十民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)による農事調停によつてこれらの権利が設定され、又は移転される場合
  13. 十一土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律によつて農地若しくは採草放牧地又はこれらに関する権利が収用され、又は使用される場合
  14. 十二遺産の分割、民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百六十八条第二項(同法第七百四十九条及び第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定による財産の分与に関する裁判若しくは調停又は同法第九百五十八条の二の規定による相続財産の分与に関する裁判によつてこれらの権利が設定され、又は移転される場合
  15. 十三農地中間管理機構が、農林水産省令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農業経営基盤強化促進法第七条第一号に掲げる事業の実施によりこれらの権利を取得する場合
  16. 十四農業協同組合法第十条第三項の信託の引受けの事業又は農業経営基盤強化促進法第七条第二号に掲げる事業(以下これらを「信託事業」という。)を行う農業協同組合又は農地中間管理機構が信託事業による信託の引受けにより所有権を取得する場合及び当該信託の終了によりその委託者又はその一般承継人が所有権を取得する場合
  17. 3.14_2 農地中間管理機構が、農林水産省令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地中間管理事業(農地中間管理事業の推進に関する法律第二条第三項に規定する農地中間管理事業をいう。以下同じ。)の実施により農地中間管理権又は経営受託権(同法第八条第三項第三号ロに規定する経営受託権をいう。)を取得する場合
  18. 4.14_3 農地中間管理機構が引き受けた農地貸付信託(農地中間管理事業の推進に関する法律第二条第五項第二号に規定する農地貸付信託をいう。)の終了によりその委託者又はその一般承継人が所有権を取得する場合
  19. 十五地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下単に「指定都市」という。)が古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)第二十条の規定に基づいてする同法第十二条第一項の規定による買入れによつて所有権を取得する場合
  20. 十六その他農林水産省令で定める場合
  21. 5.前項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。ただし、民法第二百六十九条の二第一項の地上権又はこれと内容を同じくするその他の権利が設定され、又は移転されるとき、農業協同組合法第十条第二項に規定する事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会が農地又は採草放牧地の所有者から同項の委託を受けることにより第一号に掲げる権利が取得されることとなるとき、同法第十一条の五十第一項第一号に掲げる場合において農業協同組合又は農業協同組合連合会が使用貸借による権利又は賃借権を取得するとき、並びに第一号、第二号及び第四号に掲げる場合において政令で定める相当の事由があるときは、この限りでない。
  22. 一所有権、地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする者又はその世帯員等の耕作又は養畜の事業に必要な機械の所有の状況、農作業に従事する者の数及び配置の状況、この法律その他の農業に関する法令の遵守の状況等からみて、これらの者がその取得後において耕作又は養畜の事業に供すべき農地及び採草放牧地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められない場合
  23. 二農地所有適格法人以外の法人が前号に掲げる権利を取得しようとする場合
  24. 6.2_2 農業経営基盤強化促進法第十六条の三第一項に規定する認定経営発展法人(第五条第二項第九号において単に「認定経営発展法人」という。)から第一号に掲げる権利を取得しようとする場合(当該認定経営発展法人がその農業経営発展計画(同法第十六条の二第一項に規定する農業経営発展計画をいう。第五条第二項第九号において同じ。)に記載する同法第十六条の二第二項第五号イ及びロに掲げる事項としてこれらの権利の設定又は移転について同条第一項又は同法第十六条の三第一項の認定を受けている場合を除く。)
  25. 三信託の引受けにより第一号に掲げる権利が取得される場合
  26. 四第一号に掲げる権利を取得しようとする者(農地所有適格法人を除く。)又はその世帯員等がその取得後において行う耕作又は養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
  27. 五農地又は採草放牧地につき所有権以外の権原に基づいて耕作又は養畜の事業を行う者がその土地を貸し付け、又は質入れしようとする場合(当該事業を行う者又はその世帯員等の死亡又は第二条第二項各号に掲げる事由によりその土地について耕作、採草又は家畜の放牧をすることができないため一時貸し付けようとする場合、当該事業を行う者がその土地をその世帯員等に貸し付けようとする場合、その土地を水田裏作(田において稲を通常栽培する期間以外の期間稲以外の作物を栽培することをいう。以下同じ。)の目的に供するため貸し付けようとする場合及び農地所有適格法人の常時従事者たる構成員がその土地をその法人に貸し付けようとする場合を除く。)
  28. 六第一号に掲げる権利を取得しようとする者又はその世帯員等がその取得後において行う耕作又は養畜の事業の内容並びにその農地又は採草放牧地の位置及び規模からみて、農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合
  29. 7.農業委員会は、農地又は採草放牧地について使用貸借による権利又は賃借権が設定される場合において、次に掲げる要件の全てを満たすときは、前項(第二号及び第四号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、第一項の許可をすることができる。
  30. 一これらの権利を取得しようとする者がその取得後においてその農地又は採草放牧地を適正に利用していないと認められる場合に使用貸借又は賃貸借の解除をする旨の条件が書面による契約において付されていること。
  31. 二これらの権利を取得しようとする者が地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。
  32. 三これらの権利を取得しようとする者が法人である場合にあつては、その法人の業務を執行する役員又は農林水産省令で定める使用人(次条第一項第三号において「業務執行役員等」という。)のうち、一人以上の者がその法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められること。
  33. 8.農業委員会は、前項の規定により第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、その旨を市町村長に通知するものとする。この場合において、当該通知を受けた市町村長は、市町村の区域における農地又は採草放牧地の農業上の適正かつ総合的な利用を確保する見地から必要があると認めるときは、意見を述べることができる。
  34. 9.第一項の許可は、条件をつけてすることができる。
  35. 10.第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。

この条文の基本情報

農地又は採草放牧地の権利移動の制限とは何ですか?

定義農地又は採草放牧地の権利移動の制限とは、農地法第3条に定められた規定で、「農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 農地法第3条(農地又は採草放牧地の権利移動の制限)は、日本の農地法に含まれる条文です。
  2. 農地法第3条の条文原文は「農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移…」で始まります。
  3. 農地法第3条は第二章 権利移動及び転用の制限等に置かれています。
  4. 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
  5. 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 農地法第3条の前の条は農地法第2条の2です。
  7. 農地法第3条の次の条は農地法第3条の2です。
  8. 農地法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第3条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229
  • 本サイト収録農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/3
裁判例 44件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点農地法3条により、農地の売買・賃貸・使用貸借には農業委員会の許可が必要で、許可のない権利移動は効力を生じない。相続や遺産分割による取得は許可不要とされる。

Q · 代金を払って契約したのに、農業委員会の許可がないと畑は自分のものにならないの?

なりません。許可がなければ所有権は移りません

農地法3条1項により、農地の売買、賃貸借、使用貸借、地上権の設定などには、当事者が農業委員会の許可を受ける必要があります。同条6項は、許可を受けないでした行為は「その効力を生じない」と定めているため、代金を支払い引渡しを受けていても所有権は移転しません。一方で、相続や遺産分割による取得は許可が不要で、農業委員会への届出(3条の3)で足ります。

解説

代金を払い、契約書に判を押し、土地の引渡しまで終えていても、農業委員会の許可がなければ、その畑の所有権はあなたに一歩も移らない。農地法3条6項は、許可を受けないでした行為を「その効力を生じない」と定めている。売買だけが対象ではない。賃貸も、無償で貸す使用貸借も、地上権の設定も同じように許可が必要である。しかも「農地」かどうかは、登記簿の地目ではなく、実際に耕されているかどうか(現況)で判断される(2条1項)。許可の基準は2項にある。取得した後に農地をすべて効率的に使うか、本人か世帯員が農作業に常時従事するか、周辺の農地利用に支障を生じさせないか、の三点である。2023年4月に下限面積要件が廃止され、小さな畑を買える道は広がった。ただし誰でも買えるようになったわけではない。一般の会社は農地を所有できないが、解除条件付きの賃借(3項)であれば参入できる。この線引きを知っているかどうかで、相続した田んぼの手放し方も、移住先での就農計画も、まったく違ってくる。

法的な位置づけ

農地法3条の許可とは、農地又は採草放牧地について、所有権の移転、または地上権・永小作権・質権・使用貸借による権利・賃借権その他の使用収益権の設定・移転を行う際に、当事者が農業委員会から受けなければならない行政上の許可をいう。許可を欠く権利移動は効力を生じない。

手順

  1. 1.農地かどうかと許可の要否を確認 登記簿の地目だけでなく現況を確認し、農地に当たるかを判断する。そのうえで、相続や遺産分割など1項ただし書の許可不要事由に当たらないか、転用目的で5条の許可ルートにならないかを確かめる
  2. 2.農業委員会で事前相談 市町村の農業委員会の窓口で、取得者の営農計画、機械の保有状況、農作業に従事する人員の体制を説明し、許可の見込みと申請締切日を確認する
  3. 3.許可を条件とする契約を締結 売買契約書には、農業委員会の許可を停止条件とし、許可後に残代金を支払う旨を定める。法人が賃借する場合は、適正に利用しないときに解除する旨の条件を書面で付す(3項1号)
  4. 4.当事者双方で許可申請書を提出 譲渡人と譲受人が共同で許可申請書を作成し、添付書類とともに締切までに提出する。必要に応じて、許可を条件とする所有権移転の仮登記で順位を確保する
  5. 5.許可書受領後に決済と登記 総会で審議され許可書が交付されたら、残代金を決済し、許可書を添付して所有権移転登記を申請する。不許可の場合は理由を確認し、再申請か審査請求を検討する

よくある質問 AI による整理

Q1農地法3条の許可とは?

農地や採草放牧地を、農地のまま売買・賃貸・使用貸借するときに、当事者が農業委員会から受ける許可です。許可がなければ権利移動は効力を生じません。

Q2農地法3条許可 何日かかる?

多くの農業委員会は月1回の総会で審議するため、申請締切から許可書の交付まで1か月前後が目安です。事前相談の期間も見込んでおく必要があります。

Q3農地 個人間売買 できる?

できます。ただし買主が農地の全部を効率的に利用し、農作業に常時従事すると認められて、農業委員会の許可を受けることが条件です。

Q4農地法3条 許可不要な場合は?

相続・遺産分割、国や都道府県による取得、土地収用、農事調停、農地中間管理事業の促進計画による設定などは、1項ただし書により許可が不要です。

Q5農地 無許可 売買 罰則は?

無許可の権利移動は効力を生じないうえ、64条により3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金の対象になりえます。

Q6農地法3条 申請者は誰?

原則として譲渡人と譲受人(貸主と借主)の双方が当事者として共同で申請します。条文も「当事者が」許可を受けると定めています。

Q7農地 宅地 現況 どっちで判断?

農地かどうかは登記簿の地目ではなく、実際に耕作されているかという現況で判断されます。地目が宅地でも農地法の許可が必要になることがあります。

Q8農地法3条 不許可 どうする?

理由を確認したうえで、営農計画を補強して再申請するか、処分を知った日の翌日から3か月以内の審査請求や、取消訴訟を検討します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1移住して、家庭菜園くらいの小さい畑を買いたいんですけど、許可は取れますか?

2023年4月に下限面積要件が廃止されたので、面積が小さいことだけを理由に断られることはなくなった。ただし、常時従事(3条2項5号)、全部効率利用(同1号)、地域との調和(同7号)は審査される。実務のポイント:多くの農業委員会は月1回の総会で審議し、申請の締切も月ごとに決まっている。事前相談で営農計画を見てもらえば、通る見込みがその場で分かることが多い

Q2親から相続した畑、名義を変えるのに許可は要りますか?

相続そのものには3条の許可は不要で、農業委員会への届出(3条の3)で足りる。遺産分割による取得も許可不要とされている(1項12号)。ただし、相続人以外への特定遺贈は原則として許可が必要になる。実務のポイント:届出を怠ると過料の対象になりうる。届出の時点で農地中間管理機構への貸付を希望しておけば、管理の負担を早めに手放す道が開ける

Q3許可が出る前にお金を払って、もう畑を使い始めてもいいですか?

許可のない権利移動は効力を生じないので(3条6項)、使い始めても法的な権原はない。無許可の権利移動は罰則の対象にもなりうる(64条)。実務のポイント:実務では、許可を条件とする所有権移転の仮登記で、ほかの人に先を越されないよう押さえる方法がある。ただし、許可が下りる見込みのない買主がこれで事実上の所有を続けると、脱法的な利用として問題視される

Q4会社で農業を始めたいんですが、農地は買えますか?

農地所有適格法人の要件を満たさなければ、所有はできない(3条2項2号)。ただし、使用貸借か賃借であれば、3項の要件(適正に利用しない場合に解除する旨の書面契約、地域での役割分担、業務執行役員等1人以上の常時従事)を満たすことで許可を受けられる。実務のポイント:参入後に適正な利用をしていないと、許可が取り消される場合がある(3条の2)。最初の数年の営農実績を記録として残しておくのが防御になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 2023年4月に下限面積要件が廃止されて、誰でも小さな畑を買えるようになったと受け止めた人は多い。しかし、常時従事要件(2項5号)、全部効率利用要件(同1号)、地域との調和要件(同7号)は今も残っている。週末にしか通えない会社員が、自宅から遠い畑を買う申請は、今でも通りにくい
  • 「相続した農地を売るのに許可は要るか」という問いは、立て方がずれている。相続そのものは許可不要で、届出で足りる。本当の問題は売り先である。地域に許可要件を満たす買主がいるかどうかが先に問われ、いなければ価格を話し合う前に売買自体が成り立たない。出口は「誰になら許可が下りるか」から逆算するものである
  • 当事者から見れば、お互い納得したうえでの貸し借りでも、法律から見れば無許可の賃貸借は効力を生じない。一方で、許可を得た賃貸借は期間が満了しても法定更新され(17条)、解約には知事の許可が必要になる(18条)。地主がこの強い保護を嫌って許可を避ける、いわゆるヤミ小作が生まれる構造がここにある。返してもらう段階で紛争になるのは、たいてい貸主側である
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる場面農地法3条:農地を農地のまま売買・賃貸・使用貸借する農地法5条:転用目的で農地の権利を移動する
農地法3条の3:相続等で許可不要の権利取得をした
手続の種類農業委員会の許可都道府県知事等の許可
農業委員会への届出
主な審査・要件全部効率利用、常時従事、法人要件、地域との調和農地区分による立地基準と事業の確実性などの一般基準
審査なし(取得の事実を届け出る)
違反した場合行為は効力を生じない(6項)、64条の罰則無断転用として原状回復命令などの対象
届出懈怠は過料の対象になりうる

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
農業發展條例第33条

台湾は2000年改正で自然人の農地取得の農民資格要件を撤廃した一方、私法人による耕地取得は原則禁止し、一定の農業企業機構などに限って認めている

韓国
농지법 제8조

韓国は農地を取得する者に市・区・邑・面長が発給する農地取得資格証明を求め、「耕者有田」の原則を憲法レベルで掲げる点で日本と近い

ドイツ
Grundstückverkehrsgesetz § 2

ドイツは農林地の譲渡に行政庁の許可を要し、農業構造の不健全な分配などを理由に不許可とできる。農業者の先買権制度も併存する

フランス
Code rural et de la pêche maritime art. L331-1以下

フランスは経営規模の統制(contrôle des structures)による経営許可と、SAFER の先買権によって農地の移転を規律する

アメリカ
Iowa Code ch. 9H

米国には連邦レベルの農地権利移動許可制はなく、一部の州が法人による農地所有を制限する州法を置いている

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 親の遺した田んぼを、隣町に住む会社員の知人に300万円で売ろうとしたらどうなる? 買主が農作業に常時従事すると認められなければ、許可は下りない。売れる相手は事実上、近隣の農家か新規就農者に絞られる。そうなると価格交渉の主導権は買い手側に移る
  • 移住先で、地主と口約束で畑を借りた。年2万円を払って野菜を作り始めたが、許可を受けていない賃貸借は効力を生じない。地主が亡くなって相続人に「出ていって」と言われても、あなたには耕作権を主張する足場がない
  • 登記簿の地目は「宅地」なのに、十年来ずっと家庭菜園として耕している土地がある。農地法は、この土地を農地として扱う可能性がある。
  • 相続で畑を取得したと知ってから、農業委員会への届出(3条の3)は運用上おおむね10か月以内とされている。相続税の申告期限と重なる時期なので、税理士との打合せで一緒に処理しないと、どちらかが漏れる。残りが2か月を切っているなら、今週中に窓口へ行く必要がある
  • 食品メーカーが、原料を確保するために農業参入を検討している。農地所有適格法人の要件を満たさない限り、農地は買えない。ただし3項の解除条件付き賃借であれば、業務執行役員等のうち1人以上が耕作に常時従事する体制を整えることで、借りて参入する道が開ける

取るべき行動

被害を受けた側:1. 契約後に売主が許可申請に協力しない場合は、許可申請協力請求権に基づいて協力を求める。応じなければ、訴訟で協力を命じる判決を求められる2. 不許可処分を受けたら理由を確認し、審査請求か取消訴訟を検討する3. 代金を先に払っていた場合は、不許可が確定した時点で返還を請求する4. 許可が出るまでの間は、許可を条件とする所有権移転の仮登記で順位を確保しておく

訴えられた側:1. 無許可で売買や賃貸をしてしまったなら、まず農業委員会に相談し、改めて許可申請を出せるかどうかを確認する。放置すると、64条により3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください) 2. 買主として不適格だと指摘されたら、農作業に従事する計画、機械の保有状況、営農計画を具体的にして再申請する3. 法人の場合は、所有にこだわらず3項の賃借ルートに切り替える

時効(請求できる期限):3条の許可そのものに申請期限はない。ただし、売買後の許可申請協力請求権は判例上、債権として消滅時効にかかる(最判昭和50.4.11。旧法下では契約成立から10年。2020年4月以降の契約は、民法166条により権利を行使できることを知った時から5年、または行使できる時から10年)。不許可処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条)。相続による取得の届出(3条の3)は、運用上おおむね10か月以内(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:3条の許可は私人間の法律行為の効力を補充する行政行為(認可)と解される。許可前の契約は当然無効ではなく、許可を法定条件として効力が生じるものと整理される

耕作者主義:農地はその耕作者みずからが所有・利用すべきだという農地法の基本理念。常時従事要件や法人の所有制限は、この理念を許可基準として具体化したものと説明される

改正沿革 AI による整理

  • 昭和27年(1952年)制定 農地改革の成果を固定するために農地法が制定され、農地の権利移動を許可制とした
  • 平成21年(2009年)改正 一般法人などが解除条件付きで賃借できる仕組み(現3項)を設け、全部効率利用要件・地域調和要件を整えた。許可権者は原則として農業委員会に一本化された
  • 平成27年(2015年)改正、平成28年(2016年)施行 「農業生産法人」を「農地所有適格法人」に改称し、法人要件を見直した
  • 令和4年(2022年)改正、令和5年(2023年)4月1日施行 許可要件の一つだった下限面積要件を廃止した

改正の年表

  1. 1.昭和27年(1952年) 新設:農地改革の成果を固定するため農地法が制定され、農地の権利移動を許可制とした
  2. 2.平成21年(2009年) 改正:一般法人などが解除条件付きで賃借できる仕組み(現3項)を設け、全部効率利用要件・地域調和要件を整えた。許可権者は原則として農業委員会に一本化された
  3. 3.平成27年(2015年) 改正:「農業生産法人」を「農地所有適格法人」に改称し、法人要件を見直した(平成28年施行)
  4. 4.令和4年(2022年) 改正:許可要件の一つだった下限面積要件を廃止した(令和5年4月1日施行)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

農地法の全文を見る所属する編章節を開く:第二章 権利移動及び転用の制限等

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›