要点宅地建物取引業法 64 条の 12 は、保証協会に弁済業務保証金準備金の積立てを義務づける。準備金が不足すると、全社員が分担金額に応じた特別分担金を 1 月以内に納付する義務を負う。
Q · 自分の会社は何もしていないのに、保証協会から追加のお金を請求されることがあるの?
ある。通知が届けば 1 月以内の納付義務が生じる
宅地建物取引業法 64 条の 12 は、還付が続いて弁済業務保証金準備金が尽きたとき、保証協会が全社員に対し、その者の分担金額に応じた特別弁済業務保証金分担金の納付を通知しなければならないと定めます(3 項)。自社の落ち度は要件ではありません。通知を受けた社員は、その通知を受けた日から 1 月以内に納付する義務を負い(4 項)、納付しないときは 64 条の 10 第 3 項の準用により社員の地位を失います(5 項)。地位を失えば 1 週間以内に営業保証金を供託しなければ免許取消しの対象になります。
協会に加入するとき納めた60万円が自分の負担の上限だ、と思っているなら本条で覆る。弁済業務保証金は、被害者への還付が起きるたびに協会が穴を埋める仕組みだが、その原資は二段構えになっている。一段目が本条の弁済業務保証金準備金。供託金から生まれる利息と配当金、回収できた還付充当金を積み立てた、いわば業界の内部留保である(2項、6項)。問題は二段目だ。準備金を充ててなお足りないとき、協会は全社員に対し、各自の分担金額に応じた特別弁済業務保証金分担金を納付せよと通知する(3項)。あなたが一切関与していない他社の不祥事でも、通知は届く。そして通知を受けた日から1月以内に納めなければ、64条の10第3項が準用され、社員の地位を失う(4項、5項)。地位を失えば1週間以内に営業保証金を供託しなければ免許が飛ぶ。60万円の話が1000万円の話に化ける経路が、ここに書かれている。
宅地建物取引業法 64 条の 12 が定める弁済業務保証金準備金とは、宅地建物取引業保証協会が還付充当金の未納により弁済業務保証金を再供託する場合に備えて積み立てる内部原資をいう。供託金から生ずる利息・配当金と、回収された還付充当金がその財源となり、これを充ててなお不足する場合には、社員に対する特別弁済業務保証金分担金の納付通知によって補填される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
宅地建物取引業保証協会が、還付充当金の未納で弁済業務保証金を再供託する事態に備えて積み立てる内部原資です。供託金の利息・配当金と回収した還付充当金が財源になります(宅建業法 64 条の 12 第 1 項、2 項、6 項)。
定額ではありません。不足額を、各社員の弁済業務保証金分担金の額に応じて按分した額が通知されます(64 条の 12 第 3 項)。上限額の定めはなく、事務所数が多い業者ほど負担額が大きくなります。
取引相手が保証協会の社員であれば、協会に認証を申し出て弁済業務保証金からの還付を受けられます(64 条の 8)。供託所に直接請求するのではなく、まず協会への認証申出が入口になります。
あります。その業者が保証協会の社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額が上限です。主たる事務所 1000 万円、その他の事務所は 1 か所につき 500 万円が目安で、超過部分は還付されません。
地位を失った日から 1 週間以内に営業保証金を供託しなければなりません(64 条の 15)。供託しないまま放置すると免許取消しの対象になります(66 条 1 項)。
受けられません。64 条の 8 第 1 項は還付を受けられる者から宅地建物取引業者に該当する者を除いています。プロ同士の取引は、この安全網の外に置かれています。
必須ではありません。契約書、領収書、振込記録などの疎明資料を添えて保証協会に認証を申し出る運用です。判決や和解調書があれば認証はより確実になります。
供託所ではなく、取引相手が加入している宅地建物取引業保証協会です。相手方の事務所の標識や免許証の記載から加入先を特定してから申し出ます(64 条の 8 第 2 項)。
協会は被害者へ弁済業務保証金から還付するが(64条の8第1項)、それは立替えであって免責ではない。還付後、協会はあなたに還付充当金の納付を通知し、2週間以内に納めなければ社員の地位を失う(64条の10第2項、3項)。業界裏話ヒント:還付の上限は営業保証金相当額、つまり主たる事務所1000万円に事務所ごと500万円を加えた額。被害額がこれを超える部分は誰も埋めない
払う。3項は、他社への還付で準備金が不足したとき、全社員に対しその者の分担金額に応じた特別弁済業務保証金分担金の納付を通知すると定める。落ち度の有無は要件ではない。業界裏話ヒント:だから協会は入会審査と研修に神経を使う。同業者の与信管理が自分の財布に直結する制度設計であり、支部の入会推薦が形式的でない理由がここにある
返らない。7項は、国土交通省令で定める額を超える場合に、国土交通大臣の承認を受けて超過額を取り崩し、64条の3第1項から第3項の業務費用または宅地建物取引業の健全な発達に寄与する事業への出えんに充てられると定めるだけである。業界裏話ヒント:無料の相談窓口や研修の原資はここから出ている。会費が上がらない年は、この取崩しが効いていることが多い
5項が64条の10第3項を準用するため、期間内に納付しないときは社員の地位を失う。行政処分ではなく法律上当然の効果で、弁明の機会も猶予もない。業界裏話ヒント:地位喪失後の営業保証金供託は金銭に限らず国債等の有価証券でも可能(25条3項)。手元現金がなくても社債や国債を持っていれば1週間の壁を越えられる場合がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 納付が発生する原因 | 64 条の 12:他社を含む還付で準備金が不足したとき | — |
| 自社の落ち度との関係 | 無関係。全社員が分担金額に応じて按分負担 | — |
| 納付期限 | 通知を受けた日から 1 月以内(4 項) | — |
| 未納の効果 | 社員の地位喪失(5 項、64 条の 10 第 3 項準用) | — |
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