道路法 第68条(非常災害時における土地の一時使用等)
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- 道路管理者は、道路に関する非常災害のためやむを得ない必要がある場合においては、災害の現場において、必要な土地を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、収用し、若しくは処分することができる。
- 2.道路管理者は、非常災害に因り道路の構造又は交通に対する危険を防止するためやむを得ないと認められる場合においては、災害の現場に在る者又はその附近に居住する者を防ぎよに従事させることができる。
この条文の基本情報
非常災害時における土地の一時使用等とは何ですか?
定義非常災害時における土地の一時使用等とは、道路法第68条に定められた規定で、「道路管理者は、道路に関する非常災害のためやむを得ない必要がある場合においては、災害の現場において、必要な土地を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、収…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路法第68条(非常災害時における土地の一時使用等)は、日本の道路法に含まれる条文です。
- 道路法第68条の条文原文は「道路管理者は、道路に関する非常災害のためやむを得ない必要がある場合においては、災害の現場において、必要な土地を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、収…」で始まります。
- 道路法第68条は第四章 道路に関する費用、収入及び公用負担に置かれています。
- 道路法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 道路法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路法第68条の前の条は道路法第67条の2です。
- 道路法第68条の次の条は道路法第69条です。
- 道路法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180 - 本サイト収録
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000180/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路法68条は、道路に関する非常災害でやむを得ない場合、道路管理者が災害現場で土地を一時使用し、土石・竹木等を使用・収用・処分し、住民を防ぎょに従事させることを認める規定。
Q · 道路が土砂崩れで塞がったとき、役所は自分の土地を勝手に使っていいの?
非常災害の現場でやむを得なければ、同意なしで一時使用されうる
道路法68条1項により、道路管理者は道路に関する非常災害でやむを得ない必要がある場合、災害の現場で必要な土地を一時使用し、土石や竹木などの物件を使用・収用・処分できます。所有者の事前同意や裁判所の許可は不要です。ただし「災害の現場」「やむを得ない必要」という限定があり、処分で損失を受けた者には同法69条で補償が予定されています。使われた範囲や物件を記録しておくことが、後の補償協議で重要になります。
解説
土砂崩れで道路が塞がれた現場では、沿道にあるあなたの空き地も、庭に積んだ材木も、そしてあなた自身の労力さえも、道路管理者(その道路を管理する国・都道府県・市町村)が使える資源に変わる。道路法68条は、道路に関する非常災害でやむを得ない場合に限り、現場の土地を一時使用し、土石や竹木などの物件を使用・収用・処分する権限を定める。さらに、現場にいる人や付近の住民を防ぎょ作業(被害の拡大を食い止める作業)に従事させる権限も定めている。裁判所の許可も、所有者の事前同意も要らない。ただし白紙委任ではない。「災害の現場」と「やむを得ない」という二重の絞りがかかっており、1項の処分で損失を受けた者には同法69条で補償が予定されている。知らない人は「災害だから仕方ない」で終わる。知っている人は、現場で写真を撮り、何がどれだけ使われたかを記録し、数か月後の補償協議に備える。
法的な位置づけ
道路法68条は、道路に関する非常災害時における道路管理者の応急公用負担を定める規定である。やむを得ない必要がある場合に限り、災害の現場において土地の一時使用、土石・竹木その他の物件の使用・収用・処分を認め、さらに現場に在る者または付近の居住者を防ぎょ作業に従事させる権限を道路管理者に付与する。
手順
- 1.現場で権限の主体を確認する 土地や物件が使われ始めたら、作業を指示している職員の所属・氏名、道路管理者が誰か(国・都道府県・市町村)、使用の目的と範囲を確認する。業者だけの場合は、道路管理者の指示によるものかを尋ねる
- 2.使用状況を写真・動画で記録する 使用された土地の範囲、持ち出された土石・竹木・資材の種類と数量、重機の進入経路を日時入りで撮影する。災害前の状態がわかる過去写真もあわせて保管する
- 3.損失の根拠資料を集める 物件の購入時の領収書、近隣の地代・賃料相場、貸せなかった期間の契約書、原状回復の見積書など、損失額を裏付ける資料を整理する
- 4.道路管理者に損失補償を書面で申し出る 災害が落ち着いたら、国道事務所・都道府県の土木事務所・市町村の担当課など道路管理者に対し、道路法69条に基づく損失補償を文書で申し出る。協議が整わない場合は次の手続を弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1応急公用負担とは何ですか?
災害などの緊急時に、行政が私人の土地・物件・労力を一時的に強制的に利用する制度です。道路災害の場面では道路法68条がその根拠となります。
Q2道路法68条の権限を使えるのは誰ですか?
道路管理者です。国道は国、都道府県道は都道府県、市町村道は市町村が原則として管理者で、工事業者や警察官が独自に行使できる権限ではありません。
Q3災害時に私有地を使われたら拒否できる?
道路に関する非常災害でやむを得ない必要がある現場では、原則として拒めません。実力で作業を妨害すると公務執行妨害罪に問われるおそれがあります。
Q4土砂崩れで使われた土地の補償はいつまで請求できる?
本条固有の期限はありませんが、金銭債権として相手が国なら会計法、自治体なら地方自治法により5年の消滅時効が適用されると解されています。
Q5防ぎょに従事させられるとはどういう意味?
道路の構造や交通への危険を防ぐ作業(土のう積み、除雪、障害物の除去など)に、現場にいる人や付近の住民を参加させることを指します(68条2項)。
Q6道路の災害で竹や木を伐採されたら補償される?
68条1項に基づく物件の使用・収用・処分による損失は、同法69条の損失補償の対象となります。伐採本数や範囲の記録が算定の根拠になります。
Q7道路法68条と災害対策基本法の違いは?
道路法68条は道路管理者が道路災害の現場で使う権限、災害対策基本法64条・65条は市町村長等が災害全般の応急措置で使う権限です。
Q8道路の応急工事で使った土地は元に戻してもらえる?
本条の土地使用は一時使用で所有権は移りません。原状回復を直接定める規定はなく、回復されない部分は損失補償で金銭的に調整されるのが基本です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所の人に「手伝って」って言われたけど、断ってもいいんですか?
68条2項は、非常災害で道路の危険を防ぐためやむを得ない場合、道路管理者が現場にいる人や付近の住民を防ぎょ作業に従事させられると定めます。ただし、体調不良や家族の避難など事情がある人に危険を冒してまで従事させる趣旨とは考えにくい。実務のポイント:単なる協力依頼なのか従事命令なのかで、作業中にけがをしたときの扱いが変わりうる。返事をする前に「これは道路法68条の従事命令ですか」と一言聞いておく価値がある(実務上の取扱いは要確認)
Q2土地を勝手に使われたら、補償っていくらぐらいもらえるんですか?
道路法69条は、68条1項の処分で損失を受けた者への補償を定めています。典型は使用期間中の地代相当額、使われた物件の時価、原状回復にかかる費用などで、精神的苦痛までは含まれにくいと解されています。実務のポイント:算定は管理者側の単価表をベースに進む。近隣の賃料相場や物件の再調達価格を自分で資料にして示した人ほど、金額が上振れしやすい
Q3使われた土地、ちゃんと元通りにしてもらえるんですか?
本条の土地使用は「一時使用」であり、所有権が移るわけではありません。ただし原状回復を義務付ける明文は本条になく、回復されない部分は69条の損失補償で金銭的に調整されるのが基本です。実務のポイント:補償金で受け取るか、管理者側の工事で直してもらうかは交渉で選べる余地がある。重機がまだ現場にいるうちに頼むのが、双方にとって最も安上がり
間違えやすい点 AI による整理
- 「私有地には所有者の同意なしに入れない」と考えがちだが、道路に関する非常災害の現場では、道路管理者は同意なしで土地を一時使用できる。感情的に作業を止めようとして暴行や脅迫に及べば、公務執行妨害罪(刑法95条)の問題にすら発展しうる
- 補償があること自体は知っていても、その実態の厳しさは知られていない。69条が補償するのは68条1項の処分による損失だが、損失の中身と金額を示す責任は事実上、請求する側に重くのしかかる。現場の記録がなければ、算定は管理者側の単価表と概算で進み、確実に低く見積もられる
- 「どこまで協力しなければならないのか」と悩む前に、目の前の相手が誰の権限で動いているかを確かめるべきだ。68条の権限を持つのは道路管理者であり、現場の工事業者や警察官ではない。業者が道路管理者の指示で動いているのか自社判断なのかで、補償を求める相手も根拠も変わってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 道路法68条:非常災害時の土地・物件の利用と住民の防ぎょ従事 | 道路法69条:68条1項の処分による損失の補償 道路法46条:危険時の道路の通行禁止・制限 |
| 対象 | 現場の私有地・私物、現場の者・付近の居住者 | 68条1項の処分で損失を受けた者 道路の通行者 |
| 私人の側から見た意味 | 財産と労力の負担を受忍する義務 | 負担に対する金銭的補償を求める権利 通行の自由の一時的制限 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では災害応変時の土地・物資の徴用と人員の徴調を災害一般の法律で定め、補償も同法で規律する。道路に特化した日本型とは構成が異なる
韓国の道路法にも災害発生時の土地の一時使用等の規定があり、日本と類似した構造をとる
ドイツでは災害防護は州の管轄で、物の徴用や住民の援助義務を各州法が定め、補償規定を伴う
米国では公共的緊急避難の法理により、災害時の私有財産の破壊・使用が正当化される場合があり、補償の要否は州法と判例で分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風の翌朝、県道沿いにあるあなたの月極駐車場に、土砂の仮置き場としてダンプが次々と入ってきたらどうなる? 現場の緊急性があれば原則として拒めない。ただしあくまで一時使用であり、舗装の破損や貸せなかった期間の賃料相当額は、道路管理者に補償を求める対象になりうる(道路法69条)
- 市の土木課に勤めるあなたは、豪雨で市道の法面が崩れた夜、隣の資材置き場にあった土のうと単管パイプを使って応急措置をした。68条の権限内の行為だが、誰の何をどれだけ使ったかを記録していなければ、後日の補償協議で市は相手の言い値に反論できなくなる
- 大雪で国道が立ち往生。近所に住むあなたに、職員がスコップを差し出して「手伝ってください」と言った。これはお願いか、68条2項の従事命令か。
- 仮設迂回路のために、あなたの竹林の竹が数十本伐採された。重機は明後日には撤収する。今日中に伐採範囲と切り株の本数を写真に残さないと、補償額の根拠は二度と再現できない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 現場で職員の所属・氏名、使用の目的と範囲を確認し、写真と動画で記録する2. 使われた物件の数量、購入時の領収書、土地の災害前の状態がわかる過去写真を集める3. 災害が落ち着いたら、道路管理者(国道は国道事務所等、都道府県道は都道府県の土木事務所、市町村道は市町村)に69条に基づく損失補償を文書で申し出る4. 協議が整わなければ、裁決申請などの次の手続を弁護士に相談する
訴えられた側:道路管理者側の職員や委託業者として本条の権限を使う立場なら:1. 被害状況と代替手段がなかった事情を記録し、「災害の現場」「やむを得ない」の要件充足を残す2. 使用した土地・物件の所有者、数量、期間を即日台帳化する3. 住民を従事させる場合は作業範囲と安全確保を明示し、危険作業は専門業者に回す4. 原状回復の可否と補償算定の根拠を早期に整理する
時効(請求できる期限):損失補償の請求に本条固有の期間制限はないが、金銭債権として、国が相手なら会計法30条、地方公共団体が相手なら地方自治法236条により5年の消滅時効が適用されると解される(最新の解釈をご確認ください)。起算点の争いを避けるため、損失が確定した時点で速やかに書面で申し出るのが安全
学説
通説:本条は非常災害時の応急公用負担の一類型であり、要件である「災害の現場」「やむを得ない必要」は厳格に解されるべきとされる。1項の財産的負担には補償が伴う一方、2項の人的負担の補償・安全配慮は条文上明確でない点が指摘される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:現行道路法の制定に伴い、非常災害時の道路管理者の権限として規定された
- 道路法 第69条本条1項の処分に対する損失補償
- 道路法 第46条危険時の通行禁止・制限
- 道路法 第16条市町村道の管理者の特定
- 災害対策基本法 第64条市町村長による応急公用負担
- 災害対策基本法 第65条住民等への応急措置従事命令
- 災害対策基本法 第76条の6道路管理者による放置車両の移動・破損
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