道路法 第69条(損失の補償)
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- 道路管理者は、第六十六条又は前条の規定による処分に因り損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
- 2.第四十四条第六項及び第七項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。
この条文の基本情報
損失の補償とは何ですか?
定義損失の補償とは、道路法第69条に定められた規定で、「道路管理者は、第六十六条又は前条の規定による処分に因り損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路法第69条(損失の補償)は、日本の道路法に含まれる条文です。
- 道路法第69条の条文原文は「道路管理者は、第六十六条又は前条の規定による処分に因り損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。」で始まります。
- 道路法第69条は第四章 道路に関する費用、収入及び公用負担に置かれています。
- 道路法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 道路法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路法第69条の前の条は道路法第68条です。
- 道路法第69条の次の条は道路法第70条です。
- 道路法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000180 - 本サイト収録
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000180/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路法69条は、道路管理者が66条・68条の土地の一時使用や物件収用等で損失を与えた者に、通常生ずべき損失を補償する義務を定める。額に不服なら収用委員会へ裁決申請できる。
Q · 災害や測量で役所に土地を使われたら、お金はもらえるの?
道路管理者に補償義務があり、額に不服なら裁決申請できる
道路法69条により、66条の土地の立入り・一時使用や、68条の非常災害時の土地使用・物件の使用収用で損失を受けた人は、道路管理者(国・都道府県・市町村)から「通常生ずべき損失」の補償を受けられます。手続は44条6項・7項の準用で、まず協議し、まとまらなければ道路管理者が見積額を支払います。その額に不服なら、支払を受けた日から30日以内に収用委員会へ裁決を申請できます。
解説
道路の非常災害で崩れた土砂を取り除くとき、役所はあなたの土地を一時的に使えるし、裏山の土石や竹木を使ったり取り上げたりもできる(68条)。測量や工事のためなら、他人の土地に立ち入り、空き地を資材置場や作業場として一時的に使うこともできる(66条)。法律の要件を満たしていれば、これらは適法な行為である。「勝手に使うな」と抗議しても、まず通らない。その代わりに法律が用意したのが本条だ。道路管理者(国道なら国、県道なら県、市道なら市というように、その道路を管理する役所)は、「通常生ずべき損失」、つまりその処分から普通に考えて当然出てくる損失を補償しなければならない。手続は沿道区域の規定(44条6項・7項)をそのまま借りている。まず役所と協議し、まとまらなければ役所が自分で見積もった額を支払う。その額に不満があれば、支払を受けた日から30日以内に収用委員会へ裁決を申請できる。お金を受け取っても、金額に納得したことにはならない。損失の証拠をいつ残したかで、交渉で使える材料が決まる。
法的な位置づけ
道路法69条は、道路管理者が同法66条による土地への立入り・一時使用、または68条による非常災害時の土地の一時使用や土石・竹木等の物件の使用・収用を行った場合に、当該処分により損失を受けた者に対して通常生ずべき損失を補償する義務を課す規定である。補償の協議及び裁決申請の手続には同法44条6項・7項が準用される。
手順
- 1.処分の現場で記録を残す 土地の立入り・一時使用や物件の使用・収用が行われている最中または直後に、使用範囲・期間・物件の状態を日時入りの写真や動画で記録する。現場職員に処分の範囲と予定期間を確認しメモしておく
- 2.道路管理者と根拠条文を特定する 当該道路の管理者(国・都道府県・市町村)を確認し、担当課に対し処分の根拠(66条か68条か)、使用範囲、期間を書面で示すよう求める
- 3.通常生ずべき損失の資料を揃える 作物の出荷実績、賃貸借契約書と賃料入金記録、樹木・資材の購入記録など、処分から普通に生じた損失を裏付ける資料を集め、損失額の試算をまとめる
- 4.協議に臨む 道路管理者との補償協議で、自ら集めた資料を根拠に損失額を提示する。役所側の算定根拠の開示も求め、差額の理由を確認する
- 5.見積額に不服なら30日以内に裁決申請 協議がまとまらず見積額が支払われた場合、通帳で入金日を確認し、支払を受けた日から30日以内に都道府県の収用委員会へ裁決を申請するかを判断する
よくある質問 AI による整理
Q1道路法69条の損失補償とは何ですか?
道路管理者が66条の土地立入り・一時使用や68条の災害時の土地使用・物件収用を行ったとき、所有者等に通常生ずべき損失を金銭で補償する制度です。
Q2道路法の損失補償は誰に請求すればいい?
その道路の道路管理者です。国道なら国(地方整備局等)、都道府県道なら都道府県、市町村道なら市町村の道路担当課が窓口になります。
Q3測量のために土地に立ち入られた場合も補償の対象?
66条の立入りや一時使用で損失が生じていれば対象です。植木の抜去や作物の損傷など、処分から普通に生じた損失が補償されます。
Q4道路法の補償額に納得できないときはどうする?
協議不成立で道路管理者が見積額を支払った後、その額に不服なら支払を受けた日から30日以内に収用委員会へ裁決を申請できます(44条7項準用)。
Q5災害で土地を一時使用された期間の賃料収入も補償される?
駐車場の賃料収入のように、一時使用から普通に生じる逸失利益は「通常生ずべき損失」に当たる可能性があります。契約書や入金記録で立証します。
Q6道路法の損失補償に請求期限はある?
69条自体に期限の定めはありませんが、公法上の金銭債権として原則5年で消滅すると解されることが多く、早めの請求が安全です。
Q768条で竹木を収用された場合の補償額はどう決まる?
収用された竹木の時価相当額が基本となり、通常生ずべき範囲で算定されます。本数・樹齢・購入記録などの資料が金額の根拠になります。
Q8相続した土地が使われていたのを後から知った場合も請求できる?
損失を受けた所有者であれば請求できる余地があります。ただし時間の経過で損失の立証が難しくなるため、気付いた時点で速やかに道路管理者へ照会しましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害のときに県が勝手にうちの土地を使ったんだけど、違法じゃないの?
道路の非常災害で障害を取り除いたり交通の危険を防いだりするためにやむを得ない必要があれば、68条により道路管理者は現場で土地を一時使用し、土石や竹木などを使用・収用できる。要件を満たす限り適法であり、所有者は本条によって通常生ずべき損失の補償を求めることになる。実務のポイント:災害対応のさなか、役所側の使用記録は粗くなりがちだ。所有者のほうから使用範囲と期間を書面で確認しておけば、後の協議で役所の記録より強い資料になる
Q2補償金が振り込まれたけど少なすぎる。もう受け取っちゃったから、あきらめるしかない?
あきらめる必要はない。本条2項が準用する44条7項により、協議がまとまらないとき道路管理者は自分の見積額を支払い、その額に不服な者は、政令の定めに従って、支払を受けた日から30日以内に収用委員会へ土地収用法94条の裁決を申請できる。実務のポイント:30日はあっという間に過ぎる。起算点は支払を受けた日なので、通帳を記帳した日ではなく入金日を確認すること
Q3道路工事の振動で家にヒビが入った。これも69条で補償してもらえる?
本条の対象は66条・68条の処分による損失に限られるため、工事の振動による建物被害は原則として別枠になる。道路の設置・管理に瑕疵があれば国家賠償法2条、公共工事に伴う地盤変動などの被害であれば事業損失として、工事を行う側の事務処理の中で扱われることが多い。実務のポイント:勝負を分けるのは、工事前に家屋の状態を調べてあるかどうかだ。工事の告知を受けたら、着工前に自分でも壁や基礎の写真を残しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 道路工事の振動で家の壁にひびが入ったから本条で補償してもらおう、という発想は、問いの立て方がずれている。本条が対象にするのは、66条・68条の「処分」(土地への立入り、一時使用、物件の使用・収用など)による損失だけだ。工事そのものが原因の被害は、国家賠償法2条や、公共事業に伴う事業損失の事務処理という別の枠組みで扱われる。窓口を間違えると、時間だけが過ぎていく
- 役所が見積もった額を受け取ったら合意したことになる、と思われがちだが、そうではない。準用される44条7項の仕組みでは、協議がまとまらないまま役所が見積額を支払い、その額に不服な者が収用委員会に裁決を申請できる。受け取ることは降伏ではない。ただし30日の期限は、支払を受けた日から走り出す
- 「通常生ずべき損失」という言葉の重さを知る人は少ない。処分から普通に生じる損失は補償されるが、あなたにだけ特有の事情で膨らんだ損失(たまたま予定していた特別な取引を逃した、など)は範囲外とされうる。何が「通常」なのかを、相場や過去の実績で示せるかどうかが金額を左右する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 補償の原因 | 道路法69条:66条の立入り・一時使用、68条の非常災害時の土地使用・物件の使用収用 | 道路法44条:沿道区域内の土地等の管理者に対する措置命令 道路法70条:道路の新設・改築に伴う通路・みぞ・かき等の工事の必要 |
| 補償の範囲 | 処分により通常生ずべき損失 | 措置命令により通常生ずべき損失 通路・みぞ・かき等の工事に要する費用の全部又は一部 |
| 不服がある場合の手続 | 44条6項・7項を準用し、協議不成立時は見積額支払後に収用委員会へ裁決申請 | 協議→見積額支払→支払日から30日以内に収用委員会へ裁決申請(本条が準用する元規定) 協議を経て収用委員会への裁決申請の仕組みあり(請求期間の制限に注意) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も災害応変措置による財産損失について補償請求を認める。道路に限らず災害対応全般を一般法でカバーする点が日本の個別法方式と異なる
連邦遠距離道路法は計画準備作業(測量等)のための立入りを受忍させつつ、直接の財産上の不利益に補償を認める。日本66条・69条の組合せに近い構造
公共工事のための私有地の一時占用を認め、その損害を補償させる19世紀以来の一般法。日本の一時使用補償の比較対象となる
一時的な財産利用も Takings Clause の補償対象となりうるとされ、補償範囲は公正な市場価値を基準に判断される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 豪雨で県道が崩れた翌朝、県の工事業者があなたの田んぼにバックホウを乗り入れ、刈り取り前の稲を潰して土砂の仮置き場にした。収穫は二週間後の予定だった。潰れた稲の写真と例年の出荷伝票を今日中に揃えないと、「通常生ずべき損失」を立証する材料が泥の下に消える
- 市の道路改良の測量で職員が庭に入り、杭を打つために植木を一本抜いていった。これは補償の対象になるのか? 66条の立入りや一時使用に伴って生じた損失であれば、本条によって通常生ずべき範囲の補償を求めることができる
- あなたは町役場の建設課職員。台風の直後、通行止めを解くため、近くの竹林から竹を切り出して土留めに使った。一刻を争う現場だったが、所有者への補償は避けて通れない。誰の竹を何本使ったかの記録がなければ、協議の席で役場が説明に詰まる
- 所有する月極駐車場が、三か月間、道路工事の作業場として一時使用された。契約者が次々に解約し、賃料収入が止まった。この逸失分は、通常生ずべき損失として請求の対象になる可能性が高い
- 実家の母から電話があった。「県から補償金が振り込まれたけど、思っていたより少ない。もう受け取ったから仕方ないよね?」。仕方なくはない。支払を受けた日から30日以内なら、収用委員会に裁決を申請できる。まず通帳で入金日を確かめるところから始まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処分の最中か直後に、使用・収用された範囲、期間、物件の状態を日時入りの写真で残す。2. 道路管理者がどこか(国、県、市町村)を確認し、担当課に処分の根拠条文(66条か68条か)と使用期間を書面で示すよう求める。3. 作物の出荷実績、賃料収入、樹木や資材の購入記録など、「通常生ずべき損失」を裏付ける資料を集める。4. 協議がまとまらず見積額が支払われたら、入金日を確認し、30日以内に収用委員会へ裁決を申請するかどうかを判断する。
訴えられた側:道路管理者の担当者の立場なら、1. 処分のたびに、所有者、場所、面積、期間、使用・収用した物件の数量を記録し、写真を残す。2. 事後でも速やかに所有者を特定し、協議を申し入れる。3. 見積額の算定根拠を、所有者に説明できる形で残しておく。4. 協議がまとまらなければ見積額を支払い、30日以内に裁決申請がありうることを前提に資料を保全しておく。
時効(請求できる期限):本条自体に請求期限の定めはない。損失補償請求権は公法上の金銭債権として、国に対しては会計法30条、地方公共団体に対しては地方自治法236条により原則5年で消滅すると解されることが多い(適用法条や起算点は実務上、解釈が分かれうる)。協議不成立で見積額が支払われた場合、不服申立ては支払を受けた日から30日以内に収用委員会への裁決申請(44条7項準用)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の補償は憲法29条3項の正当な補償を具体化したもので、補償範囲は処分と相当因果関係にある「通常生ずべき損失」に限られ、被処分者固有の特殊事情による損失は原則として含まれないと解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:現行道路法の制定時に、66条・68条の処分に伴う損失補償規定として置かれた
- 道路法 第66条土地立入り・一時使用、補償原因となる処分
- 道路法 第68条非常災害時の土地使用・物件収用
- 道路法 第44条補償の協議と裁決申請の手続を準用
- 道路法 第70条道路新設改築に伴うみぞかき補償
- 土地収用法 第94条収用委員会による損失補償の裁決
- 国家賠償法 第2条道路の瑕疵による損害は別枠の賠償
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