利息制限法 第2条(利息の天引き)
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利息の天引きをした場合において、天引額が債務者の受領額を元本として前条に規定する利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分は、元本の支払に充てたものとみなす。
この条文の基本情報
利息の天引きとは何ですか?
定義利息の天引きとは、利息制限法第2条に定められた規定で、「利息の天引きをした場合において、天引額が債務者の受領額を元本として前条に規定する利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分は、元本の支払に充てたものとみ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 利息制限法第2条(利息の天引き)は、日本の利息制限法に含まれる条文です。
- 利息制限法第2条の条文原文は「利息の天引きをした場合において、天引額が債務者の受領額を元本として前条に規定する利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分は、元本の支払に充てたものとみ…」で始まります。
- 利息制限法第2条は第一章 利息等の制限に置かれています。
- 利息制限法の公布日は昭和29年5月15日です。
- 利息制限法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 利息制限法第2条の前の条は利息制限法第1条です。
- 利息制限法第2条の次の条は利息制限法第3条です。
- 利息制限法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100 - 本サイト収録
利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000100/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点利息制限法2条は、利息を天引きした場合、受領額を元本として1条の上限利率で計算し、天引額がこれを超える部分は元本の支払に充てたものとみなすと定める。
Q · 借りるときに利息を先に引かれたら、借金はいくらになるの?
受領額基準で計算し直し、超過分は元本返済扱い
利息制限法2条により、天引きがあった場合は、借用書の金額ではなく実際に受け取った額を元本として1条の上限利率(10万円未満20%、100万円未満18%、それ以上15%)で利息を計算します。天引額がこの金額を超える部分は、元本の支払に充てたものとみなされます。例えば30万円の借用書で27万円を受け取り3か月分3万円を天引きされた場合、残債は282,150円になります。
解説
30万円の借用書にサインしたのに、手渡されたのは27万円だった。差額の3万円は「3か月分の利息を先にいただきました」と説明される。この瞬間、多くの人は自分の借金を30万円だと思い込む。だが利息制限法2条によれば、上限利息は借用書の30万円ではなく、実際に受け取った27万円を元本として計算し直す。27万円に年18%(同法1条の上限)を3か月分かけると12,150円になる。天引きされた3万円との差額17,850円は、利息ではなく元本を返したものとみなされる。つまり初日の時点で、あなたの借金は30万円ではなく282,150円である。貸し手の言い値どおりに返し続けた人と、この計算を一度でもした人とでは、完済までの総額も、払いすぎたお金を取り返せるかどうかも変わってくる。
法的な位置づけ
利息制限法2条は利息の天引きに関する規定であり、天引額が債務者の受領額を元本として同法1条所定の利率で計算した金額を超える場合、その超過部分を元本の支払に充てたものとみなす旨を定める。名目上の元本を水増しして上限利率を潜脱することを防ぐため、計算基準を現実の受領額に置き換える特則である。
手順
- 1.名目元本と実際の受領額を確定する 借用書・契約書に記載された元本額と、通帳の入金記録や受領書から実際に受け取った額を突き合わせ、差額(天引額)を確定させる
- 2.手数料など利息とみなされる金額を合算する 事務手数料・礼金・調査料など名目を問わず差し引かれた金額を拾い出し、利息制限法3条によりみなし利息として天引額に合算する。印紙代等の契約締結・弁済費用は除外する
- 3.受領額基準で上限利息を計算する 受領額を元本として1条の上限利率(20%/18%/15%)を当てはめ、天引きの対象期間分の上限利息を算出する。天引額との差額が元本充当額となる
- 4.正しい残債で以後の返済を引き直す 名目元本から元本充当額を差し引いた残債を出発点に、その後の返済履歴を順に引き直す。過払いが出れば書面で返還を請求し、必要に応じて司法書士・弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1利息の天引きとは何ですか?
貸付時に利息を先に差し引いて残額だけを交付する方法です。利息制限法2条は、この場合の上限計算を実際の受領額基準で行うと定めています。
Q2天引きは違法ですか?
天引きそのものは直ちに違法ではありません。ただし受領額を元本とした上限利息を超える部分は、利息として認められず元本の支払に充てたものとみなされます。
Q3天引きされた場合の残債の計算方法は?
受領額×1条の上限利率×期間で上限利息を出し、天引額との差額を名目元本から差し引きます。その残額が法律上の残債となります。
Q4天引きの上限利率はいくらですか?
利息制限法1条により、元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%が上限です。
Q5個人間の借金でも天引きの規制はありますか?
あります。利息制限法は金銭消費貸借全般に適用され、貸し手が業者か個人かを問いません。友人間の「お礼の先取り」も対象です。
Q6天引きで払いすぎたお金はいつまで請求できる?
過払金は不当利得返還請求権として、知った時から5年、行使できる時から10年で時効にかかります(2020年4月以降発生分)。
Q7振込手数料や印紙代も天引き利息に含まれますか?
契約締結や弁済の費用(印紙代等)は利息から除かれます(3条ただし書)。一方で事務手数料や礼金は原則として利息とみなされます。
Q8天引きされた借金の交渉は誰に相談すべき?
請求額が140万円以下なら認定司法書士、それを超える場合は弁護士が代理できます。まず引き直し計算表を持参すると話が早く進みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1借りたのは友だちからなんですけど、それでも利息制限法って関係あるんですか?
関係します。利息制限法は「金銭を目的とする消費貸借」すべてに適用され、貸し手が業者かどうかを問いません。友人に先に引かれた「お礼」も、同法2条と3条によって上限を超えた分は元本の返済に回ります。実務のポイント:個人間の貸し借りは借用書がないことが多く、のちの争いでは LINE の「先に5万引いとくね」という一文が最強の証拠になります。消さずにスクショを残しておくことです
Q2「事務手数料」で引かれたぶんは利息じゃないから、計算に入れなくていいんですよね?
いいえ。同法3条は、礼金、割引金、手数料、調査料など、名目を問わず債権者が受け取る元本以外の金銭を利息とみなします。除かれるのは契約締結や弁済の費用(印紙代など)に限られます。実務のポイント:業者側の明細では「保証料」と「手数料」が分けて記載されがちですが、保証料にも同法8条以下で別の上限があります。明細の行ごとに根拠条文を当てはめると、合算額が上限を超えていることがよくあります
Q3もう全部返し終わったあとでも、天引きのぶんって取り戻せるんですか?
可能性はあります。2条で元本に充当されたとみなされる結果、実際には借金を払いすぎていたことになり、その超過分は不当利得として返還を請求できます(民法703条、704条)。ただし時効があります。実務のポイント:完済から10年近く経っていても、複数の借入れが一連の取引と評価されれば、時効の起算点は最後の取引の終了時になります。「古い借入れだから無理」と思い込んで、自分で門前払いにしないことです
間違えやすい点 AI による整理
- 「先に引かれた分を返してほしい」と考えるのは、問いの立て方がずれている。2条は超過分を返還させる規定ではなく、元本の支払に充てたものとみなす規定である。取り戻すべきお金を探す前に、まず残っている借金そのものが最初から少ないと気付くことが出発点になる
- 天引きの違法性は、名目が「利息」の場合だけだと思われがちだ。実際には手数料、礼金、調査料など、元本以外に債権者が受け取る金銭は同法3条で原則として利息とみなされる(契約締結や弁済の費用は除く)。名目を変えても、計算の土俵からは逃げられない
- 借り手から見れば「27万円を受け取って30万円を返す約束をした」だけの話である。だが法律から見れば、契約で決めた元本の額よりも、現実に動いたお金の額のほうが重い。署名した数字を信じて払い続けると、その落差が毎回の返済額に上乗せされていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 利息制限法2条:利息を天引きした場合の計算方法 | 利息制限法1条:利息の上限利率そのもの 利息制限法3条:手数料等を利息とみなす範囲 |
| 計算の基準となる元本 | 債務者が実際に受け取った額 | 契約上の元本額(10万・100万円で利率区分) (基準ではなく、利息に算入する金銭の範囲を定める) |
| 超過した場合の効果 | 超過部分は元本の支払に充てたものとみなす | 超過部分について利息契約は無効 みなし利息として1条・2条の計算に合算される |
他国ではどう定めているか 4 か国
債権者は約定利率上限の利息以外に、折扣その他の方法で利益を巧取してはならないと定め、天引きによる潜脱を同趣旨で禁じる
선이자를 공제한 경우 실제 수령액을 원본으로 최고이자율을 계산하고, 초과분은 원본에 충당한 것으로 본다는 점で日本2条とほぼ同構造
利息を元本から事前に差し引くこと自体を禁止し、差し引いた場合は実際の借入額で返済額と利息を計算すると定める
前払の金融手数料を finance charge として開示させる開示規制が中心で、上限利率は各州の usury law に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 知人の社長から「100万貸すよ。ただし1年分の利息25万は先に引いておく」と言われ、75万円を受け取った。貸し手が個人でも、金銭の貸し借りであれば利息制限法は適用される。75万円に年18%をかけると13万5千円。残りの11万5千円は元本の返済として扱われ、返すべき額は100万円ではなく88万5千円になる
- 中小企業の経営者として、資金繰りのために事業者金融から500万円を借りた。「保証料」「事務手数料」の名目で60万円が差し引かれていた。手数料なので利息ではないと思うだろうか? 実際には同法3条により、礼金や手数料といった名目の受領金も原則として利息とみなされ、天引き額に合算して計算される
- あなたが貸す側だったとする。友人に50万円を貸し、「お礼として先に10万もらうね」と40万円だけ渡した。1年後、50万円全額を返すよう求めたが、法律上は47万2千円しか請求できない。善意のつもりの「お礼」が、裁判では元本の一部として消える
- 完済して9年半が経った。昔の借入れでずっと天引きされていたことを思い出したが、返還を請求できる期限まであと半年しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 借用書、振込記録、通帳、受領書を集め、名目上の元本と実際に受け取った額を確定させる2. 天引き額と手数料等の名目の金額を合算し、受領額を元本として利息制限法1条の利率(10万円未満は20%、100万円未満は18%、それ以上は15%)で期間分の利息を計算する3. 超過分を元本から差し引いた残高で、その後の返済を引き直し計算する4. 過払いが出ていれば、貸金業者には書面で返還を請求する。140万円以下は認定司法書士、それを超える場合は弁護士への相談を検討する
訴えられた側:1. 貸した側なら、天引きや「お礼」の受領が利息とみなされることを前提に、請求額を自分で引き直す2. 言い値で請求を続けると、超過分について不当利得の返還を求められるうえ、貸金業者であれば貸金業法12条の8違反として行政処分の対象になりうる3. 契約書を作り直す際は、天引きをやめて全額を交付し、利息は後払いにして上限内に収める4. 年109.5%を超えると、業者でなくても出資法違反として刑事罰の対象になる(業者は年20%超)
時効(請求できる期限):本条そのものに特有の時効はない。過払金の返還請求権は不当利得返還請求権として、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で消滅する(民法166条。2020年4月1日以降に発生した債権に適用。それ以前は10年)。継続的な借入れでは、原則として取引終了時から起算する(最判平成21.1.22)
学説
通説(実質受領額主義):利息の上限は債務者が現実に利用できた金額を基準に判断すべきであり、本条は名目元本の水増しによる1条の潜脱を防ぐため、契約を無効とせず計算基準のみを置き換える最小限の介入規定と理解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:明治10年の旧利息制限法を全面改正して現行利息制限法が制定され、利息の天引きに関する本条が置かれた
- 2.平成18年(2006年) 改正:貸金業法等の改正に伴い利息制限法も改正され、みなし利息や保証料の制限などが整備された(2010年6月完全施行)
- 利息制限法 第1条天引き計算に用いる上限利率
- 利息制限法 第3条手数料等を利息とみなす規定
- 利息制限法 第4条賠償額予定(遅延損害金)の上限
- 利息制限法 第8条保証料の制限、天引きとの合算判断
- 貸金業法 第12条の8業者による上限超過契約の禁止
- 貸金業法 第42条年109.5%超の消費貸借契約の無効
- 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 第5条高金利の刑事罰(通称 出資法)
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