利息制限法 第4条(賠償額の予定の制限)
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- 金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
- 2.前項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす。
この条文の基本情報
賠償額の予定の制限とは何ですか?
定義賠償額の予定の制限とは、利息制限法第4条に定められた規定で、「金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 利息制限法第4条(賠償額の予定の制限)は、日本の利息制限法に含まれる条文です。
- 利息制限法第4条の条文原文は「金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、…」で始まります。
- 利息制限法第4条は第一章 利息等の制限に置かれています。
- 利息制限法の公布日は昭和29年5月15日です。
- 利息制限法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 利息制限法第4条の前の条は利息制限法第3条です。
- 利息制限法第4条の次の条は利息制限法第5条です。
- 利息制限法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100 - 本サイト収録
利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000100/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点利息制限法4条は、金銭消費貸借の遅延損害金など賠償額の予定について、1条の利率の1.46倍(年21.9〜29.2%)を超える部分を無効とし、違約金も同様に扱う。
Q · 借金を延滞したら、遅延損害金は契約書に書いてある率をそのまま払わないといけないの?
上限超過分は無効。元本と貸主次第で年20〜29.2%が天井
利息制限法4条により、遅延損害金などの賠償額の予定は、1条の利率の1.46倍を超える部分が無効になります。元本10万円未満は年29.2%、10万円以上100万円未満は年26.28%、100万円以上は年21.9%が上限です。「違約金」と名付けても2項で賠償額の予定とみなされ、合算で判断されます。貸主が業者の場合は7条により一律年20%が上限です。
解説
日歩八銭。昭和の金貸しが使った言い回しを年利に直すと29.2% になり、利息制限法4条が元本10万円未満の借金に許す遅延損害金の上限とぴたり一致する。本条の物差しは単純で、1条の利息上限の1.46倍が天井である。元本10万円未満なら年29.2%、10万円以上100万円未満なら年26.28%、100万円以上なら年21.9%。契約書に「遅延損害金 年40%」と書かれ、あなたがそこに判を押していても、上限を超えた部分は最初から無効であり、払う義務はない。抜け道も塞がれている。「違約金」「ペナルティ」と名前を変えても、2項によって賠償額の予定とみなされ、同じ物差しで切り落とされる。さらに貸主が貸金業者など、業として貸す側であれば、7条によって上限は一律年20% まで下がる。延滞した瞬間に「言い値で払うしかない」と思い込む人と、まず元本の区分と貸主の属性を確かめる人とでは、最終的に払う額が大きく変わる。
法的な位置づけ
利息制限法4条は、金銭を目的とする消費貸借上の債務不履行について当事者が予め定めた賠償額の予定(遅延損害金)を制限する規定である。賠償額の元本に対する割合が同法1条所定の利率の1.46倍を超える場合は超過部分を無効とし、2項により違約金も賠償額の予定とみなして同一の上限に服させる。
手順
- 1.損害金・違約金の名目をすべて洗い出す 契約書・借用書・督促状から、遅延損害金、違約金、ペナルティ、事務手数料など延滞に関連する名目をすべて書き出し、元本に対する年率に換算して合算する
- 2.元本区分と貸主の属性から上限を確定する 元本が10万円未満・10万円以上100万円未満・100万円以上のどれかを確認し、上限(29.2%・26.28%・21.9%)を当てはめる。貸主が業として貸す者であれば、7条により年20%を上限とする
- 3.上限内で再計算し、超過部分を書面で通知する 上限の年率で延滞期間の損害金を再計算し、上限内の金額は支払う意思を示しつつ、超過部分は利息制限法4条により無効である旨を書面(内容証明郵便など)で伝える
- 4.支払済みの超過分は返還を求める すでに超過分を支払っている場合は、振込記録などで支払額を特定し、不当利得として返還を請求する。業者相手や金額が大きい場合は司法書士・弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1遅延損害金とは何ですか?
返済期日に遅れたことによる損害の賠償として支払う金銭です。約定があれば約定率、なければ法定利率で計算され、約定率には利息制限法4条の上限があります。
Q2遅延損害金の上限は何パーセントですか?
利息制限法4条により、元本10万円未満は年29.2%、100万円未満は年26.28%、100万円以上は年21.9%です。業者からの借入れは7条で年20%です。
Q3遅延損害金が上限を超えていたらどうなる?
上限を超えた部分だけが無効になり、上限内の部分は有効です。契約全体や損害金条項全体が無効になるわけではありません。
Q4払いすぎた遅延損害金は取り戻せる?
上限超過分は無効なので、不当利得(民法703条・704条)として返還を求める余地があります。時効があるため、早めに支払記録を整理することが大切です。
Q5利息制限法は個人間の借金にも適用される?
適用されます。対象は金銭を目的とする消費貸借であり、貸主が金融業者かどうかを問いません。友人間・親族間・社内貸付の借用書も対象です。
Q6遅延損害金と利息の違いは?
利息は元本を使う対価で期日まで発生し、遅延損害金は期日を過ぎた不履行の賠償です。上限も異なり、利息は1条、損害金は4条で規律されます。
Q7遅延損害金は日割りで計算する?
一般に「元本×年率×延滞日数÷365」で日割り計算します。上限の年率も同じ方法で日割りにし、請求額と比べると超過の有無が分かります。
Q8遅延損害金の上限超過は違法?罰則はある?
利息制限法4条自体に罰則はなく、超過部分が民事上無効になるにとどまります。ただし極端な高金利は出資法など別の法律で刑事罰の対象となりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1友達に50万円貸したけど返ってこない。遅延損害金ってどのくらい取れるの?
借用書に遅延損害金の取り決めがなければ、民法419条により法定利率の年3%(3年ごとに見直し)しか請求できない。取り決めがあれば、元本50万円の場合は利息制限法4条により年26.28% までが有効である。実務のポイント:個人間の貸し借りで損害金条項を入れていない借用書は非常に多い。一行あるかないかで、請求できる率が8倍以上違ってくる
Q2消費者金融から遅延損害金年20% を請求されてる。これって違法じゃないの?
貸主が業者である営業的金銭消費貸借の場合、利息制限法7条により上限は年20% であり、20% ちょうどなら適法である。超えている部分があれば、その部分は無効になる。実務のポイント:利率そのものよりも、計算の基礎を確認すべきである。損害金は元本残高に対して計算するのが原則であり、未払いの利息や手数料まで含めた額に率を掛けていないかが、実務で争点になりやすい
Q3「1日遅れるごとに1,000円」みたいな違約金も、この制限に引っかかるの?
引っかかる。本条2項により、違約金は賠償額の予定とみなされる。元本10万円で日額1,000円なら年36万5,000円、元本の365% にあたり、上限26.28% を大きく超える。実務のポイント:定額の違約金を年率に直す方法は、事案によって解釈が分かれうる。ただ、ひとまず元本に対する年率に換算してみると、どれだけ上限を超えているかが一目で分かり、交渉の材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分でサインした契約なのだから、書かれた遅延損害金は払うしかない」と考える人が多い。しかし本条は、超過部分について合意の有無を問わず無効と定めている。サインは上限を超えた部分を有効にする力を持たない。合意の自由が届かない領域が、ここには最初から用意されている
- 貸主の側から見れば「違約金」「事務手数料」「ペナルティ」は遅延損害金とは別の費目に見える。しかし法律から見れば、2項によってすべて賠償額の予定である。民法420条3項は違約金を賠償額の予定と「推定」するにとどまり反証の余地を残すが、本条は「みなす」と定めており反証を許さない。この落差を知らずに費目を分けた貸主は、合算で上限を超えた部分を丸ごと失う
- 「上限は年29.2% なのだから、そこまでは取れるはずだ」という問いの立て方そのものが誤っている。29.2% は元本10万円未満の場合の数字にすぎず、100万円以上なら21.9% まで下がる。さらに貸主が業者なら7条によって一律20% である。元本の区分と貸主の属性を確かめる前に数字を一つだけ覚えても、役には立たない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制対象 | 4条:債務不履行による賠償額の予定(遅延損害金・違約金) | 1条:約定利息 7条:営業的金銭消費貸借の賠償額の予定 |
| 上限率 | 1条の利率の1.46倍(年29.2% / 26.28% / 21.9%) | 年20% / 18% / 15%(元本区分別) 元本区分を問わず一律年20% |
| 適用される貸主 | 個人・法人を問わずすべての貸主 | 個人・法人を問わずすべての貸主 業として貸付けを行う者(貸金業者など) |
| 名目の付け替え | 違約金も賠償額の予定とみなす(2項) | 礼金・手数料等も利息とみなす(3条) 違約金を含め賠償額の予定として一律規制 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は違約金に一律の上限を設けず、過高な違約金を裁判所が相当額まで減額する方式。約定利率は民法205条で年16%を超える部分の請求権がない
韓国も賠償額の予定が不当に過大な場合に裁判所が減額できる方式をとり、利息自体は利息制限法で別途上限を設ける
ドイツは不相当に高い違約罰を裁判所が減額でき(商人間を除く)、著しい高利は暴利として無効となる
米国は損害の合理的予測といえない予定額を penalty として執行しない。金利上限は州ごとの usury 法に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学時代の友人に50万円を借り、念のためと作った借用書に「返済が遅れた場合は年36% の損害金を支払う」と書いた。半年遅れた今、友人は36% で計算した請求書を送ってきた。元本50万円の上限は年26.28% であり、それを超える約10% 分は無効である
- あなたが貸す側だったらどうなるか? 知人に300万円を貸し、遅延時は「違約金として月5万円」と約束させた。年60万円は元本の20% にあたり、上限の年21.9% 以内に収まる。ところが別に年15% の遅延損害金も取り決めていれば、合算で上限を大きく超える。名目を分けても、法律は合計で見る
- 消費者金融の返済を2か月滞納し、督促状に「遅延損害金 年20%」とある。業者からの借入れなので、7条の上限年20% ちょうどであり適法である。違法を疑う前に、計算の基礎が元本だけか、利息にまで損害金を乗せていないかを確認する
- 勤務先から80万円の社内貸付を受けていたが、退職が決まった。規程には「退職時に残額を一括返済、遅れれば日額0.1% の損害金」とある。年に直すと36.5% で、元本80万円の上限26.28% を超えている
- 督促状の支払期限まで、あと5日。慌てて全額を振り込む前に、損害金の利率と元本額を電卓で照らし合わせる。払ってしまった超過分は取り戻せる余地があるが、手間と時間は払わない場合よりはるかにかかる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約書・借用書から遅延損害金、違約金、手数料などの名目をすべて書き出し、合算して元本に対する年率に直す2. 元本区分(10万円未満・100万円未満・それ以上)と、貸主が業者かどうか(業者なら7条で年20%)を確認する3. 上限内の金額は支払う意思があることを示しつつ、超過部分は無効であると書面で伝える4. すでに払った超過分は、不当利得(民法703条、704条)として返還を求める。業者相手なら司法書士・弁護士への相談も視野に入れる
訴えられた側:1. 自分が作った貸付契約の遅延損害金と違約金を合算し、上限内に収まっているかを確認する2. 超えている場合、超過部分は請求できない。上限内の金額に引き直して請求書を作り直すほうが、争いになるより回収が早い3. 業として貸付けを行っている場合は、7条の年20% に加え、貸金業法・出資法上の規制にも抵触していないかを確認する4. 今後の契約は、名目を問わず合算で上限内に設計する
時効(請求できる期限):超過部分を払ってしまった場合の返還請求は不当利得返還請求権であり、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効にかかる(民法166条1項、令和2年4月1日以降に生じた債権)。継続的な貸付取引による過払金は、原則として取引終了時から起算するとした判例がある(最判平成21.1.22)。改正前に生じた債権は旧法により原則10年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の効果は一部無効であり、損害金条項全体が無効となるのではなく、上限を超える部分のみが効力を失う。上限内の約定率は有効に存続する。
通説:2項の「みなす」は民法420条3項の「推定」と異なり反証を許さないため、違約金・ペナルティ等の名目にかかわらず、賠償額の予定として合算したうえで上限判断を行う。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正 賠償額の予定の上限を、1条の利息上限の「二倍」から「一・四六倍」へ引き下げる改正
- 平成18年(2006年)改正、平成22年(2010年)6月18日施行 貸金業制度の抜本改正に伴い、超過部分を任意に支払った場合の返還請求を否定する旨の規定を削除した。あわせて営業的金銭消費貸借について年20% の特則(7条)を設けた
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:利息制限法の制定により、賠償額の予定の上限を1条の利率の2倍とする規定として新設
- 2.平成11年(1999年) 改正:賠償額の予定の上限を1条の利率の2倍から1.46倍へ引き下げ
- 3.平成18年(2006年) 改正:貸金業制度の抜本改正に伴い、超過部分の任意支払に関する規定を削除し、営業的金銭消費貸借の特則(7条)を整備。平成22年(2010年)6月18日施行
- 利息制限法 第1条1.46倍の基準となる元本区分別の利息上限
- 利息制限法 第7条営業的金銭消費貸借の損害金上限を年20% とする特則
- 利息制限法 第3条名目を問わない金銭のみなし利息規定
- 民法 第420条賠償額の予定の一般原則と違約金の推定
- 民法 第419条約定がない場合の金銭債務の法定利率による損害
- 貸金業法 第42条年109.5% 超の高金利契約を全部無効とする特則
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