利息制限法 第5条(元本額の特則)
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- 次の各号に掲げる利息に関する第一条の規定の適用については、当該各号に定める額を同条に規定する元本の額とみなす。
- 一営業的金銭消費貸借(債権者が業として行う金銭を目的とする消費貸借をいう。以下同じ。)上の債務を既に負担している債務者が同一の債権者から重ねて営業的金銭消費貸借による貸付けを受けた場合における当該貸付けに係る営業的金銭消費貸借上の利息false1当該既に負担している債務の残元本の額と当該貸付けを受けた元本の額との合計額false2
- 二債務者が同一の債権者から同時に二以上の営業的金銭消費貸借による貸付けを受けた場合におけるそれぞれの貸付けに係る営業的金銭消費貸借上の利息false1当該二以上の貸付けを受けた元本の額の合計額false2
この条文の基本情報
元本額の特則とは何ですか?
定義元本額の特則とは、利息制限法第5条に定められた規定で、「次の各号に掲げる利息に関する第一条の規定の適用については、当該各号に定める額を同条に規定する元本の額とみなす。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 利息制限法第5条(元本額の特則)は、日本の利息制限法に含まれる条文です。
- 利息制限法第5条の条文原文は「次の各号に掲げる利息に関する第一条の規定の適用については、当該各号に定める額を同条に規定する元本の額とみなす。」で始まります。
- 利息制限法第5条は第二章 営業的金銭消費貸借の特則に置かれています。
- 利息制限法の公布日は昭和29年5月15日です。
- 利息制限法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 利息制限法第5条の前の条は利息制限法第4条です。
- 利息制限法第5条の次の条は利息制限法第6条です。
- 利息制限法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000100 - 本サイト収録
利息制限法(昭和二十九年法律第百号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000100/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点利息制限法5条は、業として貸す同一の債権者から追加借入や同時借入をした場合、上限金利を決める元本を合計額とみなす規定。別の債権者からの借入残高は合算しない。
Q · カードローン残高80万円のときに30万円を追加で借りたら、金利18%は合法?
合法ではない。合計110万円で上限は年15%
利息制限法5条1号により、同じ貸金業者から追加で借りた場合、上限金利を決める元本は「残っている元本+追加の借入額」の合計とみなされます。80万円+30万円=110万円なので、1条の区分では100万円以上の帯に入り、追加の30万円の上限は年15%です。18%の約定のうち15%を超える部分は無効で、払いすぎた利息は元本に充当され、なお余れば返還請求の対象になります。
解説
利息制限法の上限金利は、借りた元本の大きさで三段に分かれる。10万円未満なら年20%、100万円未満なら年18%、100万円以上なら年15%である(1条)。貸す側にしてみれば、小分けにして貸せば高い金利帯を使える。5条はこの抜け道を塞いでいる。貸金業者のように業として貸す債権者(営業的金銭消費貸借の債権者)から、すでに借金があるのに追加で借りた場合、上限金利を決める「元本」は、残っている元本と新しく借りた額の合計とみなされる。同時に何口かに分けて借りた場合も、合計額で判定する。たとえば同じ会社のカードローン残高が80万円あるときに30万円を追加で借りたなら、その30万円の上限は年15%になる。契約書に18%と書いてあっても、上限を超える部分の利息の約定は無効になる。すでに払いすぎていれば、元本への充当や返還を求められる。ただし合算されるのは同じ債権者からの借入だけで、別の会社の残高は足されない。借りた時点の残高と利率欄を並べて見れば、自分で検算できる
法的な位置づけ
利息制限法5条は、営業的金銭消費貸借における元本額のみなし規定である。債務者が同一の債権者から重ねて貸付けを受けた場合は既存債務の残元本と当該貸付けの元本の合計額を、同時に二以上の貸付けを受けた場合はそれらの元本の合計額を、1条の上限利率を定める元本の額とみなす。
手順
- 1.取引履歴の開示を請求する 借入先の貸金業者に、借入日・借入額・返済額・残高がすべて載った取引履歴の開示を求める(貸金業法19条の2)。電話やウェブ窓口で請求でき、郵送で届くことが多い
- 2.貸付けごとの合算元本を出す 履歴の借入日ごとに、その直前の残元本と新たな借入額を足し、合算元本を出す。同じ日に複数口を借りた場合は、その合計も加える。別の業者の残高は足さない
- 3.約定利率と上限を突き合わせる 合算元本が10万円未満なら20%、100万円未満なら18%、100万円以上なら15%を上限として、各貸付けの約定利率と比べる。上限を超えた回に印を付け、超過利息の概算額を出す
- 4.専門家に相談し請求する 超過が見つかったら、計算表を持って弁護士に相談する。請求額が140万円以下なら認定司法書士も代理できる。時効が迫っている場合は、完済日を確認したうえで速やかに動く
よくある質問 AI による整理
Q1利息制限法5条とは?
同じ貸金業者から追加で借りたり、同時に複数口を借りたりした場合に、上限金利を決める元本を合計額で判定すると定めた規定です。2010年6月18日に施行されました。
Q2利息制限法の上限金利はいくら?
元本10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%です(1条)。5条の合算により、追加の借入でも低い方の帯が当てはまることがあります。
Q3追加で借りると金利が下がるのはなぜ?
5条が残元本と追加額を合計して元本とみなすためです。合計が10万円や100万円の線を超えると、追加の借入には1条のより低い上限が当てはまります。
Q4同じ日に2口借りたら金利はどう判定される?
5条2号により、同時に受けた複数の貸付けの元本を合計して判定します。50万円を2口借りれば合計100万円とみなされ、どちらの上限も年15%になります。
Q5友人間の貸し借りにも5条は適用される?
5条は債権者が業として貸す営業的金銭消費貸借が対象で、一回きりの友人間の貸借には適用されません。ただし反復継続して貸していれば、業として貸す債権者に当たりえます。
Q6上限を超えた利息は払わなくていい?
上限を超える部分の利息の約定は無効なので、その支払義務はありません。すでに払っていれば、まず元本に充当され、元本を超えた分は過払金として返還を求められます。
Q7利息制限法5条はいつから施行?
平成18年(2006年)の貸金業法等改正で新設され、平成22年(2010年)6月18日に施行されました。施行前の取引には、判例上の合算の扱いが問題になります。
Q8過払い金はいつまで請求できる?
権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年です(民法166条1項)。2020年4月1日より前に発生した債権は10年です。継続的な取引では、原則として取引終了時から起算します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1別々のカード会社から借りてる分も合計されるんですか?
合計されません。5条が合算するのは「同一の債権者」からの借入だけで、A社とB社の残高はそれぞれ1条の金利帯で判定されます。実務のポイント:同じグループ会社でも、法人が違えば原則として別の債権者です。ただ、金利帯を下げないためだけに貸付けを別会社に振り分けたような事案では、脱法として争う余地があります。この点は実務上、解釈が分かれています
Q2返済して残高が減ったら、金利って元の高い方に戻されちゃうの?
戻りません。5条による上限は、その貸付けを受けた時点の合算元本で決まり、後で残高が減っても引き上がりません。旧法の下での継続的な取引についても、最判平成22.4.20が同じ趣旨の判断を示しています。実務のポイント:業者が出す再計算書には、残高が減った後に高い金利帯へ戻して計算しているものがあります。数字を受け取ったら、どの時点でどの金利帯を当てはめたのか、計算の前提から確認することです
Q3年18%と15%って、たった3%の差でしょ? 争う意味あります?
元本100万円なら年3万円の差です。数年続いた取引なら返還額が十万円単位になることも珍しくありません。上限を超えた部分の約定は無効で(1条)、払いすぎた利息はまず元本に充当され、元本を超えれば返還請求の対象になります。実務のポイント:過払金には、業者が悪意の受益者と認められれば年3%の利息が付きます(民法704条、法定利率は変動制)。請求が遅れるほど、この利息分も積み上がっていきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「年20%以下なら合法」と思われがちだが、20%は出資法の刑事罰の線にすぎない。民事上の上限は元本の額で決まり、100万円以上なら年15%である。5条で合算した結果この帯に入った貸付けに18%を付けると、刑罰の対象にはならなくても超過分の利息の約定は無効になる
- 合算されることは知っていても、その範囲が「同一の債権者」に限られることは見落とされやすい。A社に80万円、B社に30万円の借入があっても、B社の30万円は単独で判定され、上限は年18%のままである。借入の総額がいくら膨らんでも、利息制限法の金利帯は下がらない。借りすぎの歯止めは貸金業法の総量規制(年収の3分の1)が担っている
- 借りる側からすれば、返済が進んで残高が減ったのだから金利帯も元に戻るように思える。しかし法律上、上限はその貸付けを受けた時点の合算元本で決まり、後から残高が減っても引き上がらない。旧法の下での継続的な取引についても、最判平成22.4.20が、いったん下がった制限利率は残元本が減っても上がらないという趣旨の判断を示している。この食い違いを知らないと、業者が示す再計算書をそのまま受け入れてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 5条:上限利率を判定する「元本の額」を合算でみなす | 1条:元本額別の上限利率(20%・18%・15%) 6条:営業的貸付けのみなし利息の特則 |
| 適用範囲 | 営業的金銭消費貸借、同一の債権者からの重ねての貸付けまたは同時の貸付け | 金銭消費貸借全般(個人間を含む) 営業的金銭消費貸借 |
| 借り手にとっての使い方 | 追加借入時の利率欄が正しい帯かを検算する | 借入一口の利率が上限内かを確認する 手数料名目の金銭が利息に含まれるかを確認する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は約定利率の上限を元本額にかかわらず一律年16%とし、超過部分の請求権を否定する。元本額による段階や合算の仕組みはない
韓国は大統領令で定める最高利率の一律上限方式をとり、元本額別の区分はない
ドイツは固定の上限金利を置かず、市場金利との乖離などから暴利・良俗違反として個別に無効を判断する
米国は州ごとに上限金利を定め、貸主の種類や商品により適用除外が多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし消費者金融の残高が9万5千円のときに、1万円だけ追加で借りたらどうなる? 合計は10万5千円になるので、その1万円の上限は年20%ではなく年18%になる。5千円の差で金利帯の線をまたぐ
- あなたは小さな貸金業を営んでいて、常連客から「今月だけ20万円貸してほしい」と頼まれた。既存の残高が90万円あるのを見落とし、いつもの年18%で契約書を作ってしまった。合計110万円なので上限は年15%であり、超えた3%分の利息の約定は無効になる。さらに貸金業法は利息制限法の上限を超える利息の契約そのものを禁止しているため、行政処分(役所が業者に直接下す業務改善命令などの決定)の材料にもなりうる
- 同じ日に同じ業者から50万円を二本借りた。一本ずつ見れば年18%の帯だが、5条2号で合計100万円とみなされ、上限は年15%になる
- 友人から相談があった。昔のキャッシングはもう完済したが、追加で借りるたびに残高が100万円を超えていたのに、利率がずっと18%のままだったという。完済から10年が経つと過払金の返還請求権は時効にかかりうる。完済日と取引履歴を確かめるのは今週中にやるべき作業だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 貸金業者に取引履歴の開示を求め、借入日・借入額・その時点の残元本を一覧にする2. 貸付けごとに、同じ業者への残元本との合計を出し、10万円・100万円の線をまたいだ回の約定利率が1条の上限を超えていないか確認する3. 超過があれば、その部分の利息の約定は無効で、元本への充当や過払金返還の対象になりうる4. 計算と請求は弁護士、または請求額140万円以下なら認定司法書士に相談する
訴えられた側:1. 貸付けのたびに、同じ債務者の既存の残元本を自動で合算して金利帯を判定する仕組みを社内システムに組み込む2. 同じ日や近い日に結ぶ複数口の契約は、合計額で判定する3. すでに上限を超えた約定があれば、超過分を元本に充当して債務者に通知し、過払い分は自主的な返還を検討する4. 貸金業法12条の8に違反すると行政処分の対象になりうるので、是正した記録を早めに残しておく
時効(請求できる期限):過払金返還請求権(民法703条・704条)は、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効にかかる(民法166条1項)。2020年4月1日より前に発生した債権は改正前の規定により10年。継続的な取引の起算点は、原則として取引終了時とされる(最判平成21.1.22)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:5条は1条の元本区分を一口単位で判定することによる脱法を防ぐ趣旨の規定であり、判定は貸付け時点の合算元本で行う。同一の債権者に限るのは、貸主側の予測可能性を確保するためと理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)公布、平成22年(2010年)6月18日施行 貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律により、営業的金銭消費貸借の特則として新設された。追加貸付けや同時に行う複数の貸付けについて、元本を合算して上限利率を判定する仕組みを明文化した
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律により、営業的金銭消費貸借の特則として新設。平成22年(2010年)6月18日施行。追加貸付けと同時貸付けの元本合算を明文化した
- 利息制限法 第1条元本額別の三段階の上限利率
- 利息制限法 第6条営業的貸付けのみなし利息の特則
- 利息制限法 第7条営業的貸付けの賠償額予定の上限
- 利息制限法 第8条営業的貸付けの保証料の上限規制
- 貸金業法 第12条の8上限を超える利息契約の締結禁止
- 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 第5条業として年20%超の利息への刑事罰(通称 出資法)
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