自衛隊法 第115条の3(麻薬及び向精神薬取締法等の特例)
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- 自衛隊の部隊又は補給処で政令で定めるものは、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二十六条第一項及び第二十八条第一項又は覚醒剤取締法(昭和二十六年法律第二百五十二号)第三十条の九及び第三十条の七の規定にかかわらず、麻薬又は医薬品である覚醒剤原料を譲り受け、及び所持することができる。この場合においては、当該部隊の長又は補給処の処長は、麻薬及び向精神薬取締法又は覚醒剤取締法の適用については、麻薬管理者又は覚醒剤原料取扱者とみなす。
- 2.前項の部隊が第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた場合における麻薬及び向精神薬取締法の規定の適用については、前項後段に規定するもののほか、当該部隊が撤収を命ぜられるまでの間は、当該部隊の医師又は歯科医師は、麻薬施用者とみなす。
- 3.麻薬及び向精神薬取締法第二十四条第一項及び第五十条の十六第一項の規定は、第一項の部隊又は補給処が、この法律又は他の法律の規定により自衛隊に属する物品の提供として外国の軍隊に対し麻薬又は向精神薬を譲り渡す場合及び当該譲渡しのため向精神薬を所持する場合には、適用しない。
- 4.防衛大臣は、第一項の部隊又は補給処が前項の規定による麻薬の譲渡しを行つたときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に通知するものとする。
この条文の基本情報
麻薬及び向精神薬取締法等の特例とは何ですか?
定義麻薬及び向精神薬取締法等の特例とは、自衛隊法第115条の3に定められた規定で、「自衛隊の部隊又は補給処で政令で定めるものは、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二十六条第一項及び第二十八条第一項又は覚醒剤取締法(昭和二十六年…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第115条の3(麻薬及び向精神薬取締法等の特例)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第115条の3の条文原文は「自衛隊の部隊又は補給処で政令で定めるものは、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二十六条第一項及び第二十八条第一項又は覚醒剤取締法(昭和二十六年…」で始まります。
- 自衛隊法第115条の3は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第115条の3の前の条は自衛隊法第115条の2です。
- 自衛隊法第115条の3の次の条は自衛隊法第115条の4です。
- 自衛隊法第115条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/115_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法115条の3は、政令で定める部隊・補給処が麻薬と医薬品である覚醒剤原料を譲り受け所持できる特例を定める。部隊長等は麻薬管理者等とみなされる。
Q · 自衛隊の医師は、麻薬施用者の免許がなくてもモルヒネを使えるの?
防衛出動中だけ。災害派遣では使えない
自衛隊法第115条の3第2項により、政令で指定された部隊が第76条第1項の防衛出動を命じられた場合に限り、その部隊の医師・歯科医師は撤収を命じられるまでの間、麻薬施用者とみなされます。災害派遣(第83条)や治安出動はこの項の対象ではありません。また、部隊長等は麻薬管理者等とみなされるため、帳簿や保管の義務はそのまま残ります。
解説
モルヒネは負傷者の激痛を抑える代表的な薬である。一方で、日本の麻薬及び向精神薬取締法は、免許を持つ麻薬業者や医療施設のほかに麻薬を受け取ったり持ったりすることを原則として認めていない。移動する部隊や補給処は病院ではないため、そのままでは前線に痛み止めを届けられない。本条はこの問題を解消するために置かれた。政令で指定された部隊と補給処は、麻薬と医薬品である覚醒剤原料を受け取って保管できる。ただし、部隊長や補給処の処長は麻薬管理者などとみなされ、帳簿や保管の義務をそのまま負う。見落とされやすいのは適用範囲である。医師を免許なしで麻薬施用者とみなす第2項は、防衛出動(第76条第1項)の間だけに限られる。外国軍隊への譲渡しを認める第3項も、麻薬と向精神薬だけが対象である。例外は必要な範囲に絞って設けられている。
法的な位置づけ
自衛隊法第115条の3は、政令で定める自衛隊の部隊又は補給処について、麻薬及び向精神薬取締法と覚醒剤取締法の譲受け・所持制限の特例を定める規定である。部隊の長又は補給処の処長を麻薬管理者又は覚醒剤原料取扱者とみなし、防衛出動中は部隊の医師・歯科医師を麻薬施用者とみなし、外国軍隊への麻薬・向精神薬の譲渡しを認める。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法115条の3とは?
政令で指定された自衛隊の部隊・補給処に、麻薬と医薬品である覚醒剤原料の譲受け・所持を認める特例規定です。部隊長等は麻薬管理者等とみなされます。
Q2みなし麻薬施用者とは?
都道府県知事の麻薬施用者免許がなくても、法律上施用者として扱われる者です。本条第2項では防衛出動中の部隊の医師・歯科医師が該当します。
Q3自衛隊で麻薬管理者とみなされるのは誰?
政令で指定された部隊の長、または補給処の処長です。麻向法上の保管・記録などの義務は、この人たちが負うことになります。
Q4防衛出動が終わったら医師は麻薬を使える?
撤収を命じられた時点で、第2項の麻薬施用者のみなしは終わります。その後の施用は、通常の免許などの根拠が必要になります。
Q5麻薬を所持できる自衛隊の部隊はどこで決まる?
本条第1項が「政令で定めるもの」としており、具体的な部隊・補給処は政令で指定されます。すべての部隊が対象になるわけではありません。
Q6外国軍隊に麻薬を渡した後の通知はいつまで?
本条第4項により、防衛大臣は麻薬の譲渡しを行ったとき「遅滞なく」厚生労働大臣に通知します。具体的な日数は条文に定められていません。
Q7自衛隊の麻薬は帳簿義務が免除される?
免除されません。部隊長・処長が麻薬管理者等とみなされるため、麻向法の帳簿・保管のルールがそのまま適用されます。
Q8治安出動でも自衛隊の医師は麻薬施用者になる?
第2項は第76条第1項の防衛出動に限って適用されます。治安出動は根拠条文が異なるため、文言上この項の対象には含まれません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自衛隊の衛生科って、本当にモルヒネ持ってるんですか?
政令で指定された部隊と補給処は、本条第1項により麻薬を受け取り、所持できる。ただし隊員が個人で持てるわけではない。部隊長や処長が麻薬管理者とみなされ、麻向法の保管や記録の義務を負う。実務のポイント:本条は規制を外す規定ではない。麻向法上の責任者を部隊長や処長に割り当てる規定なので、帳簿の不一致はその人の責任になる
Q2大地震の災害派遣でも、自衛隊の医官は免許なしで麻薬を使えるんですか?
本条第2項の「みなし麻薬施用者」は、第76条第1項の防衛出動に限られる。第83条の災害派遣は含まれないので、この項を根拠に免許なしで施用することはできない。実際の運用は個別の免許や医療機関との連携で対応するとみられる(運用の詳細は要確認)。実務のポイント:同じ「出動」でも根拠条文によって適用が変わる。災害派遣は本条第2項の対象外である
Q3米軍に薬を渡すとき、覚醒剤原料も一緒に渡せますか?
渡せない。本条第3項で麻向法の譲渡し制限が外れるのは、麻薬と向精神薬だけである。覚醒剤原料は第1項で受け取りと所持が認められているが、第3項の対象ではない。実務のポイント:第4項の厚生労働大臣への通知が必要なのは麻薬を渡した場合だけで、向精神薬は通知の対象になっていない。項ごとに対象が違う点に注意
間違えやすい点 AI による整理
- 自衛隊は国の組織だから麻薬規制の対象外だと考える人がいるが、そうではない。本条は規制を免除しているのではない。部隊長を麻薬管理者などとみなし、麻向法の管理義務を負う人をはっきりさせる規定である。例外の中身は、義務の免除ではなく、義務を負う人の割り当てである
- 第2項があるので自衛隊の医師は出動すればどこでも麻薬を使える、と考えるのは条文の読み違いである。第2項が適用されるのは第76条第1項の防衛出動に限られ、期間も撤収命令が出るまでである。災害派遣や治安出動は第2項の対象に含まれていない。「出動」がどの条文に基づくものかによって、適用される規定が変わる
- 外国軍隊への提供が認められるなら、医薬品はすべて渡せると思いやすい。しかし第3項が対象にしているのは麻薬と向精神薬だけである。第1項で受け取りと所持が認められている覚醒剤原料は、第3項に書かれていない。さらに、厚生労働大臣への通知が必要なのは麻薬を渡した場合だけである。対象となる物ごとに、適用されるルールが分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 自衛隊法115条の3:指定部隊・補給処の麻薬等の譲受け・所持特例、防衛出動中の医師のみなし等 | 自衛隊法76条:防衛出動の命令 自衛隊法83条:災害派遣 |
| 第2項(医師のみなし麻薬施用者)との関係 | 第76条第1項の出動を条件に、撤収命令まで適用 | 第2項が適用される前提となる出動 文言上含まれず、第2項は適用されない |
| 第1項(譲受け・所持)との関係 | 政令指定の部隊・補給処に出動の有無を問わず適用 | 出動中も第1項は引き続き適用 派遣中も第1項は引き続き適用 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も管制薬品を許可制で管理する。軍の衛生部門に対する特例の有無と内容は要確認
ドイツは連邦軍等について麻薬法の適用に関する特則を置いており、軍の医療に対する例外を個別条文で定める点で日本と同種の構造
米国は規制物質を登録制で管理する。軍の医療に関する取扱いの詳細は要確認
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 災害派遣で被災地に入った医官が、重傷者にモルヒネを使おうとした。このとき本条第2項の「みなし麻薬施用者」は使えるのか? 第2項が適用されるのは防衛出動のときだけであり、災害派遣は含まれない。この違いを知らないまま処置を始めるのは危険である
- 補給処で麻薬の在庫を管理する担当者になった。本条で許されているのは受け取りと保管であり、管理のルールが免除されたわけではない。処長は麻薬管理者とみなされるため、帳簿の食い違いは麻向法上の問題としてそのまま扱われる
- 共同訓練中に同盟国の部隊から鎮痛薬を分けてほしいと頼まれた。麻薬なら本条第3項で渡すことができる。ただし防衛大臣は遅滞なく厚生労働大臣に通知しなければならない。覚醒剤原料は第3項の対象外なので渡せない
- 防衛出動が終わり、撤収命令が出た。その翌日から、部隊の医師は麻薬施用者とはみなされない。命令が出た日を境に、同じ医師が同じ薬を使っても適法とは限らなくなる。そのため、残った麻薬の扱いは撤収前に決めておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 部隊で麻薬の帳簿と実際の在庫が合わない、または不適切な使用を見かけたら、日時、数量、関わった人を書き留めておく2. 麻薬管理者とみなされる部隊長または処長に報告する。放置されるようなら、防衛監察本部などの内部の窓口を使う3. 報告したことで不利益な扱いを受けた場合は、公益通報者保護の枠組みで対応できるか確認する4. 治療中の隊員やその家族として疑問がある場合は、診療記録の開示を求める
訴えられた側:1. 管理責任を問われたら、まず問題の場面が本条のどの項に当たるかを確認する。受け取りと所持の問題か、防衛出動中の施用か、外国軍隊への提供か2. 帳簿、受け払いの記録、命令書を確保する。特に防衛出動命令と撤収命令の日時は、施用が適法だったかを判断する材料になる3. 対象が覚醒剤原料か麻薬か向精神薬かを確認する。第3項の対象かどうかがこれで決まる4. 早い段階で法務担当や弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし第4項の厚生労働大臣への通知は、麻薬を渡した後「遅滞なく」行う必要がある。麻向法や覚醒剤取締法の違反が問われる場合、公訴時効は法定刑に応じて刑事訴訟法第250条で決まる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正関連(要確認) 「覚せい剤取締法」の題名が「覚醒剤取締法」に改められた(2020年4月1日施行)。本条の引用もこれに合わせて改正されたとみられるが、改正の経緯と第3項・第4項がいつ加わったかは人手での確認が必要
- 自衛隊法 第76条防衛出動、第2項が適用される場面
- 自衛隊法 第83条災害派遣、第2項が適用されない場面
- 自衛隊法 第100条の6米軍への物品提供、第3項の前提(現行効力を要確認)
- 麻薬及び向精神薬取締法 第26条麻薬の譲受け制限、第1項で適用除外
- 麻薬及び向精神薬取締法 第50条の16向精神薬の譲渡し制限、第3項で適用除外
- 覚醒剤取締法 第30条の9覚醒剤原料の取扱い制限、第1項で特例
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