自衛隊法 第115条の9(土地収用法の適用除外)
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土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第二十八条の三第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定は、第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により出動を命ぜられ、又は第七十七条の二の規定による措置を命ぜられた自衛隊の部隊等が応急措置として行う防御施設の構築その他の行為については、適用しない。
この条文の基本情報
土地収用法の適用除外とは何ですか?
定義土地収用法の適用除外とは、自衛隊法第115条の9に定められた規定で、「土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第二十八条の三第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第115条の9(土地収用法の適用除外)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第115条の9の条文原文は「土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第二十八条の三第一項(同法第百三十八条第一項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 自衛隊法第115条の9は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第115条の9の前の条は自衛隊法第115条の8です。
- 自衛隊法第115条の9の次の条は自衛隊法第115条の10です。
- 自衛隊法第115条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第115条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/115_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法115条の9は、防衛出動等を命じられた自衛隊の部隊が応急措置として行う防御施設の構築について、土地収用法28条の3の知事許可を不要とする規定。
Q · 事業認定された起業地で、自衛隊は知事の許可なしに陣地を掘れるの?
防衛出動等の応急措置に限り、許可なしで可能
自衛隊法115条の9により、76条1項1号の防衛出動または77条の2の防御施設構築の措置を命じられた部隊等が、応急措置として行う防御施設の構築その他の行為には、土地収用法28条の3第1項の知事許可が不要となります。ただし、存立危機事態(76条1項2号)での出動や平時の工事には及びません。また本条は許可手続を外すだけで、土地を使用する権限や損失補償は自衛隊法103条などの別の規定によります。
解説
道路の拡幅や河川改修のために「事業認定」(国や知事が「この公共事業のためなら土地を強制的に取得してよい」と公に認める手続)が告示されると、その区域(起業地)の土地は凍結に近い状態になる。土地収用法28条の3により、事業の妨げになるような造成や掘削は、たとえ所有者本人でも都道府県知事の許可なしにはできない。ところが本条は、この凍結ルールを自衛隊だけに外す。条件は二つ。一つ目は、自衛隊法76条1項1号の防衛出動(日本への武力攻撃が起きた、または攻撃の危険が明白に迫っている事態)を命じられたか、77条の2の防御施設構築の措置を命じられた部隊であること。二つ目は、応急措置として行う陣地構築などに限られること。平時の基地建設にも、集団的自衛権に関わる存立危機事態(76条1項2号)での出動にも、この例外は使えない。もう一つ押さえておくべき点がある。本条が消すのは「知事の許可」という手続だけである。自衛隊が他人の土地を使える権限そのものは、別の条文(103条など)から来る。本条を読むとき、この区別をつけられるかどうかで見え方が大きく変わる
法的な位置づけ
自衛隊法第115条の9は、土地収用法28条の3第1項(同法138条1項による準用を含む)の適用除外を定める規定である。76条1項1号の防衛出動または77条の2の措置を命じられた部隊等が応急措置として行う防御施設の構築等について、起業地の形質変更に係る都道府県知事の許可を不要とする。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法115条の9とは?
防衛出動等を命じられた自衛隊の部隊が応急措置として行う防御施設の構築等について、土地収用法28条の3の知事許可を不要とする適用除外規定です。
Q2土地収用法28条の3とはどんな規定?
事業認定の告示後、起業地で事業の妨げとなる形質の変更などを行うには都道府県知事の許可が必要と定める、起業地保全のための規定です。
Q3起業地とは何ですか?
事業認定を受けた公共事業のために収用・使用の対象となる土地の区域です。告示後は所有者でも自由に造成や掘削ができなくなります。
Q4存立危機事態でも本条の例外は使える?
使えません。本条は76条1項のうち1号(武力攻撃事態等)に限っているため、2号の存立危機事態での出動には知事許可が原則どおり必要です。
Q5平時の基地工事にも知事許可は不要?
不要にはなりません。本条の例外は防衛出動等を命じられた部隊が応急措置として行う行為に限られ、平時の施設整備は通常の手続に従います。
Q6土地収用法138条の準用とは?
土地収用法138条1項は28条の3などを他の場面に準用しています。本条はその準用される場合も含めて適用除外としています。
Q7防御施設構築の措置(77条の2)とは?
防衛出動命令が予測される場合に、展開予定地域内で部隊に陣地などの防御施設を構築させる措置です。出動前の準備段階で行われます。
Q8本条は自衛隊の土地使用権限を定めている?
定めていません。本条は知事許可という手続を外すだけです。土地の使用権限や損失補償は自衛隊法103条などの別の規定が根拠になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1起業地の中なら、自衛隊はいつでも許可なしで工事できるってことですか?
いいえ。本条の例外は、76条1項1号の防衛出動または77条の2の防御施設構築の措置を命じられた部隊が、応急措置として行う行為に限られる。平時の基地整備や存立危機事態での出動には及ばない。実務のポイント:条文の「第一号に係る部分に限る」という括弧書きは読み飛ばされやすい。しかし実務ではこの一句で、どの事態なら許可が要るかが分かれる
Q2勝手に掘られた土地の補償は、どこに請求すればいいんですか?
本条が外すのは知事の形質変更許可だけで、補償の仕組みは定めていない。防衛出動時の土地使用とその補償は自衛隊法103条の枠組みで扱われ、都道府県知事が関与する(手続の詳細は最新の法令をご確認ください)。実務のポイント:補償額の争いでは、工事前の現況を示す証拠があるかどうかが決め手になる。報道が出た段階で記録を始めた人と、何もしていなかった人では、交渉の立ち位置が大きく違ってくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「本条があるから、自衛隊は有事に誰の土地でも自由に使える」と読むのは前提から誤っている。本条が外すのは、事業認定後の起業地で形質を変えるときの知事許可という一つの手続だけである。土地を使う権限や所有者への補償は、自衛隊法103条などの別の仕組みで決まる。本条を土地使用の根拠条文と取り違えると、補償請求の相手も手続も見失う
- 有事の特例なのだから、自衛隊が出動すればどんな場面にも適用されると考えがちである。しかし例外が及ぶのは、76条1項1号(武力攻撃事態等)の出動と77条の2の措置に限られる。しかも対象は「応急措置として」の防御施設構築などにとどまる。平成27年(2015年)の平和安全法制で加わった存立危機事態の出動には及ばない。「有事」と一括りにする感覚と、条文が引いている線の細さの差を知らないと、議論も交渉もかみ合わない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 115条の9:土地収用法28条の3の知事許可を外す手続特例 | 103条:出動時の土地使用とその損失補償の根拠 77条の2:防御施設構築の措置の発令根拠 |
| 適用される事態 | 76条1項1号の防衛出動、または77条の2の措置(2号出動は除く) | 防衛出動時の土地使用等(詳細は条文・政令で確認) 防衛出動命令が予測される場合の展開予定地域 |
| 所有者から見た意味 | 起業地でも許可なしで形質変更が行われうる | 損失補償を請求する際の根拠となる 自衛隊の工事が出動前から始まりうる根拠となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は動員や戒厳の枠組みで土地等の徴用を定める。日本のように個別法の許可制を条文ごとに外す方式とは構造が異なる
韓国は戦時等の軍事目的の土地・物資の徴発を単独の法律で規律し、補償も同法で定める
中国は国防動員の一環として民間資源の徴用と補償を包括的に定める
ドイツは防衛目的の給付要求と土地調達を別々の法律で定め、補償規定を備える
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自宅の隣の畑が県道バイパスの起業地に指定され、地主は「知事の許可がないと土も盛れない」と嘆いていた。その同じ畑に、ある朝、自衛隊の部隊が塹壕を掘り始めた。許可はどうなっているのか? 答えは本条にある。防衛出動下の応急措置なら、許可は要らない
- あなたは県の用地担当として収用事業を進めている。武力攻撃予測事態で展開予定地域が指定され、あと数日で防御施設の構築が始まるという連絡が入った。事業区域と重なる部分の現況写真と測量記録を、工事が始まる前に残しておかなければ、後の損失補償や事業費の精算で「どこまでが自衛隊の造成か」を証明できなくなる
- 存立危機事態で出動した部隊が、起業地内で同じ陣地構築をしようとした。本条の例外は76条1項1号に限られるため、この場合は土地収用法28条の3の許可が原則どおり必要になる。条文の括弧書き一つで結論が逆になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の土地が事業認定の起業地に含まれているか、市町村・都道府県の告示で確認する2. 自衛隊の工事が始まったら、日時・範囲・変更内容を写真と記録で残す3. 形質変更の許可が不要になっても、土地使用に伴う損失補償は別の規定(自衛隊法103条など)で扱われる。請求先と手続を都道府県に確認する4. 補償額に不服があれば、弁護士や土地家屋調査士に相談して証拠をそろえる
訴えられた側:1. 起業者(事業主体)や自治体の立場では、適用が76条1項1号の出動または77条の2の措置によるものか、応急措置の範囲内かを部隊側に書面で確認する2. 範囲外の行為(恒久施設、存立危機事態での構築)であれば、土地収用法28条の3の許可手続を求める3. 事業計画への影響を記録し、事業費の変更や精算の資料として保存する
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の期限はない。損失補償の請求手続・期間は自衛隊法103条と関係政令に従う(最新の改正状況をご確認ください)。民事上の請求には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)武力攻撃事態対処関連法整備(要検証) 防衛出動時等の他法令適用除外規定群の一つとして新設されたとみられる。当時の条番号が現行と同じかは未確認
- 平成27年(2015年)平和安全法制(要検証) 76条1項の号分けに伴い、「第一号に係る部分に限る」の限定が付されたとみられる
- 自衛隊法 第76条防衛出動、例外の発動要件
- 自衛隊法 第77条の2防御施設構築の措置の根拠
- 自衛隊法 第103条出動時の土地使用と損失補償
- 土地収用法 第28条の3適用除外される起業地保全規定
- 土地収用法 第138条28条の3を準用する規定
- 武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律 第9条対処基本方針、事態認定の枠組み
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