自衛隊法 第124条
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第百三条第一項又は第二項の規定による取扱物資の保管命令に違反して当該物資を隠匿し、毀棄し、又は搬出した者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第124条は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第124条の条文原文は「第百三条第一項又は第二項の規定による取扱物資の保管命令に違反して当該物資を隠匿し、毀棄し、又は搬出した者は、六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 自衛隊法第124条は第九章 罰則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第124条の前の条は自衛隊法第123条です。
- 自衛隊法第124条の次の条は自衛隊法第125条です。
- 自衛隊法第124条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第124条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第124条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/124
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法124条は、103条の保管命令を受けた物資を隠匿・毀棄・搬出した者を、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すと定める。対象は物資を業として扱う事業者である。
Q · 有事に保管命令が出た倉庫の荷物を出荷したら、罪になるの?
なりうる。命令対象物資の搬出は本条で処罰される
自衛隊法124条は、103条1項・2項の保管命令に違反して対象物資を隠匿・毀棄・搬出した者を、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すと定めています。取引先への通常の出荷や自社の別倉庫への移送でも、命令後に対象物資を動かせば「搬出」にあたりえます。ただし故意がなければ罪は成立せず、命令への不服は審査請求や取消訴訟で、損失は103条の補償規定で争う道があります。
解説
自衛隊法には、戦後一度も使われたことのない条文がある。防衛出動が命じられた局面で、都道府県知事が物資を扱う事業者に「その在庫を動かすな」と命じる保管命令(103条1項・2項)だ。本条はその命令の裏付けになる罰則で、命令された物資を隠す、壊す、運び出すのいずれかをすれば、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処される。対象は国民全員ではなく、物資の生産・集荷・販売・配給・保管・輸送を「業とする者」である。つまり物流倉庫、卸売業者、スーパー、農協、運送会社がこの網に入る。見落とされやすい点は「搬出」も処罰対象になることだ。得意先への出荷や、自社の別倉庫への移送のように善意の行動でも、命令後であれば処罰されうる。有事に会社を守るつもりで取った行動が、刑事責任に変わる境界線がここに引かれている。
法的な位置づけ
自衛隊法124条は、防衛出動の局面で同法103条1項または2項に基づき都道府県知事が発した取扱物資の保管命令について、対象物資を隠匿し、毀棄し、または搬出する行為を処罰する罰則規定である。法定刑は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金であり、保管命令の実効性を刑罰で担保する機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法124条とは?
防衛出動時に知事が出す物資の保管命令(103条)に違反し、対象物資を隠匿・毀棄・搬出した者を処罰する規定です。6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。
Q2保管命令 違反 罰則はどのくらい?
自衛隊法124条により、6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です。2025年6月施行の刑法改正で「懲役」から「拘禁刑」に改められました。
Q3保管命令は誰が出す?
自衛隊法103条に基づき都道府県知事が出します。防衛大臣等の要請を受け、公用令書を交付して行う行政処分です。
Q4保管命令はいつ出される?
防衛出動(自衛隊法76条)が命じられた局面など、自衛隊の任務遂行上必要と認められる場合に限られます。平時に出されることはありません。
Q5保管命令の対象になる業者は?
物資の生産・集荷・販売・配給・保管・輸送を業とする者です。卸売業、倉庫業、運送業、小売業、農協などが該当しえます。
Q6保管命令 違反 時効は?
法定刑の上限が6月の拘禁刑のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から起算します。
Q7保管命令に従わないと必ず逮捕される?
本条が処罰するのは対象物資を隠す・壊す・運び出す行為で、故意が必要です。命令の存在を知らなかった場合などは罪が成立しません。
Q8保管命令 取消 できる?
行政処分なので、審査請求(知った日の翌日から3か月以内)や取消訴訟(知った日から6か月以内)で争うことができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは小さな八百屋だけど、保管命令の対象になることはあるの?
103条は物資の販売を「業とする者」を対象としているため、規模に関係なく対象になりうる。ただし命令が出るのは防衛出動の局面で、自衛隊の任務遂行上必要と認められる場合に限られる。実務のポイント:実際に狙われやすいのは、燃料、食料、医療物資をまとまった量で抱える卸・倉庫・物流拠点である。小売店より、その上流の配送センターの方が現実的な対象になる
Q2保管命令が出たら、在庫の代金はもらえないの?
103条には、保管命令などの処分によって生じた損失を補償する規定が置かれている。泣き寝入りが前提ではない。実務のポイント:補償請求で決め手になるのは、命令を受けた時点の在庫数量と状態の記録である。受領当日に写真と一覧を残した事業者と残さなかった事業者では、請求できる金額の根拠の強さが大きく違ってくる
Q3社長に言われて荷物を動かしただけの社員も罰せられるの?
本条は「搬出した者」を処罰するため、実際に物資を動かした社員も対象になりうる。指示した社長は共犯(刑法60条、61条)として問われる可能性がある。ただし命令の存在を知らなかったなど故意がなければ罪は成立しない(刑法38条1項)。実務のポイント:現場担当者を守るには、命令対象の物資の保管場所に表示を掲げ、社内に周知した記録を残しておく。それが会社全体の防御線になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事には国が何でも取り上げられる」と思われがちだが、本条が罰するのは保管命令の対象になった特定の物資を隠匿・毀棄・搬出する行為だけである。命令は公用令書の交付を前提とし、対象物資も特定される。命令に書かれていない在庫まで凍結されるわけではない
- 罰則は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金と、一見軽く見える。だが本当の打撃は刑そのものより、有事に「国の命令に背いて物資を隠した業者」として記録され、報道されることにある。地域の取引先や行政との関係は、罰金の額では測れない損傷を受ける
- 「保管命令に従うか、罰を受けるか」の二択だと考えるのは、問いの立て方がずれている。命令は行政処分なので、不服があれば審査請求や取消訴訟で争う道がある。同じ103条には損失補償の規定もある。物資を動かして抵抗するのではなく、法的な手続で争うという第三の選択肢が最初から用意されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 自衛隊法124条:保管命令違反の罰則 | 自衛隊法103条:保管命令・収用の根拠と損失補償 自衛隊法76条:防衛出動の要件 |
| 名宛人 | 命令対象物資を隠匿・毀棄・搬出した者(社員個人も含みうる) | 物資の生産・集荷・販売・配給・保管・輸送を業とする者 内閣総理大臣が自衛隊に出動を命じる |
| 事業者の救済 | 故意の不存在を主張、弁護人を通じた防御 | 損失補償の請求、審査請求・取消訴訟 国会承認の手続(直接の個人救済規定ではない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も戦時・非常時の物資徴購・徴用を法律で定め、違反に罰則を置く。行政院が動員を所管する点で知事主体の日本とは構造が異なる
韓国は戦時・事変時の物資・不動産の徴発を独立法で規律し、徴発への不応や物資の隠匿に罰則を置く
ドイツは防衛目的の給付要求(Leistungsanforderung)を連邦法で定め、経済確保法制と組み合わせている
米国は国防上指定された物資の買い占め・退蔵(hoarding)を禁じ、違反に刑事罰を科す。大統領権限による点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが管理する冷凍倉庫に知事名の公用令書が届き、「冷凍食品を保管せよ」と命じられたら、長年の取引先への出荷はどうなる? 契約上の納期が迫っていても、命令対象の物資を倉庫から出せば本条の「搬出」にあたりうる。取引先には不可抗力条項で対応するしかない
- 運送会社の配車担当が、保管命令の出た荷物について「社長の指示だから」と別の営業所へ移した。指示したのは社長でも、実際にトラックを動かした本人も「搬出した者」として責任を問われる可能性がある
- 卸売業を営むあなたは、在庫を国に押さえられるくらいならと、帳簿から外して裏の倉庫に移すことを考えた。それは「隠匿」だ。実害が出なくても、隠した時点で罪が成立しうる
- 保管命令が出てからまだ2日目。倉庫の米が湿気で傷み始めている。廃棄すれば「毀棄」と疑われかねない。今日中に知事部局の担当者へ書面で状況を報告し、指示を仰いだ記録を残す。黙って捨てるのが最悪の選択肢だ
取るべき行動
被害を受けた側:保管命令を受けた事業者の立場として:1. 公用令書の記載(根拠条文、対象物資、保管場所、期間)を確認し、原本を保存する2. 対象物資の現況を写真と一覧で記録し、知事部局へ提出する3. 劣化・腐敗の恐れがあれば、自己判断で処分せず書面で指示を求める4. 命令に不服があれば審査請求または取消訴訟を検討し、損失については103条の補償規定に基づく請求を準備する
訴えられた側:1. 行為が命令対象の物資に関するものか、公用令書の交付後の行為かを確認する2. 劣化を防ぐため、または行政の指示に従って移動した事情があれば、その記録(メール、通話記録、業務日報)を確保する3. 上司の指示による搬出であれば、指示系統を弁護人に正確に伝える4. 故意がなかったこと(命令の存在や範囲を知らなかった事情)の有無を検討する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑の上限が6月の拘禁刑のため、刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時。保管命令そのものへの審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律に伴う整理で、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。その他の改正の経緯は人による検証が必要
改正の年表
- 1.令和7年(2025年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)。その他の改正経緯は要検証
- 自衛隊法 第103条保管命令の根拠と損失補償
- 自衛隊法 第76条防衛出動、保管命令の前提
- 自衛隊法 第125条103条関連の他の罰則(現行効力を要確認)
- 武力攻撃事態等及び存立危機事態における国民の保護のための措置に関する法律 第81条国民保護上の特定物資保管命令(通称 国民保護法、現行効力を要確認)
- 刑法 第8条他法令の罪への総則の適用
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