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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

自衛隊法 第89条(治安出動時の権限)

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  1. 警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号。第六条の二を除く。)の規定は第七十八条第一項又は第八十一条第二項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の自衛官の職務の執行について、同法第六条の二第二項から第十一項までの規定は当該自衛官のうちこの項において準用する同条第二項の規定による処置を適正にとるために必要な能力を有する部隊等として防衛大臣が指定する部隊等に属するものの職務の執行について、それぞれ準用する。この場合において、同法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは「防衛大臣の指定する者」と、同法第六条の二第三項中「処置は、警察庁の警察官であるサイバー危害防止措置執行官に限り、とることができるものとする。この場合において、当該」とあるのは「処置をとる」と、「警察庁長官」とあるのは「防衛大臣」と、同条第四項中「あらかじめ」とあるのは「あらかじめ、防衛大臣を通じて」と、同条第八項中「国家公安委員会規則」とあるのは「防衛省令」と、「その旨を」とあるのは「その旨を部隊等の長を通じて」と、同条第九項中「サイバー通信情報監理委員会に」とあるのは「防衛大臣を通じてサイバー通信情報監理委員会に」と、同条第十項中「当該通知を行つたサイバー危害防止措置執行官が所属する警察庁又は都道府県警察の警察庁長官又は警視総監若しくは道府県警察本部長(次項において「警察庁長官等」という。)」とあり、及び同条第十一項中「警察庁長官等(第三項に規定する場合にあつては、警察庁長官)」とあるのは「防衛大臣」と読み替えるものとする。
  2. 2.前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により自衛官が武器を使用するには、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条に該当する場合を除き、当該部隊指揮官の命令によらなければならない。

この条文の基本情報

治安出動時の権限とは何ですか?

定義治安出動時の権限とは、自衛隊法第89条に定められた規定で、「警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 自衛隊法第89条(治安出動時の権限)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
  2. 自衛隊法第89条の条文原文は「警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号。」で始まります。
  3. 自衛隊法第89条は第七章 自衛隊の権限に置かれています。
  4. 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
  5. 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 自衛隊法第89条の前の条は自衛隊法第88条です。
  7. 自衛隊法第89条の次の条は自衛隊法第90条です。
  8. 自衛隊法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第89条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165
  • 本サイト収録自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/89

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点自衛隊法89条は、治安出動を命じられた自衛官に警察官職務執行法を準用する規定。武器使用は正当防衛・緊急避難を除き部隊指揮官の命令が必要となる。

Q · 治安出動した自衛官は、街でどこまでの権限を持っているの?

警察官と同じ権限。ただし武器使用は原則として指揮官の命令が必要

自衛隊法89条1項により、78条1項(命令による治安出動)または81条2項(要請による治安出動)で出動した自衛官には、警察官職務執行法が準用されます。職務質問、保護、避難等の措置、犯罪の制止、立入り、武器使用が可能です。ただし2項により、武器使用は刑法36条・37条に当たる場合を除き、部隊指揮官の命令が必要です。逮捕や捜査の権限(司法警察権)は含まれません。

解説

自衛官は、治安出動を命じられた瞬間に「警察官の道具箱」を丸ごと手渡される。職務質問(警察官職務執行法2条)、保護(同3条)、避難させる措置(同4条)、犯罪の制止(同5条)、立入り(同6条)、武器の使用(同7条)である。対象は、内閣総理大臣の命令による出動(自衛隊法78条1項)と、都道府県知事の要請による出動(同81条2項)の二つに限られる。災害派遣の自衛官にはこの道具箱は渡されない。見落とされやすいのは第2項である。警察官は武器を使うかどうかを自分で判断できる。治安出動の自衛官は、正当防衛(刑法36条)か緊急避難(同37条)に当たる場面でなければ、部隊指揮官の命令なしに武器を使えない。個人の判断ではなく、組織の命令で撃つ。軍隊的な指揮系統を、警察の法律の枠にはめ込んだ設計になっている。さらに、警察官なら公安委員会に報告するところ(警察官職務執行法4条2項)を、自衛官は「防衛大臣の指定する者」に報告する。街頭で迷彩服の隊員に呼び止められたとき、相手がどの法律に基づいて何をどこまでできるのか。その答えは、この2項に詰まっている

法的な位置づけ

自衛隊法89条は、同法78条1項または81条2項により治安出動を命じられた自衛官の職務執行に警察官職務執行法を準用し、同法4条2項の報告先を防衛大臣の指定する者に読み替える規定である。準用される武器使用は、刑法36条・37条に該当する場合を除き、部隊指揮官の命令を要する。

よくある質問 AI による整理

Q1自衛隊の治安出動とは?

一般の警察力では治安を維持できない緊急事態に、内閣総理大臣が自衛隊に出動を命じる制度です。自衛隊法78条(命令)と81条(知事の要請)の二類型があります。

Q2治安出動中の自衛官の職務質問は拒否できる?

準用される警察官職務執行法2条の職務質問は任意です。刑事訴訟法によらない身柄拘束、連行、答弁の強要はされません。ただし暴行すれば公務執行妨害罪になりえます。

Q3治安出動で武器使用を決めるのは誰?

原則として当該部隊指揮官です。隊員個人が自分の判断で使えるのは、刑法36条(正当防衛)・37条(緊急避難)に該当する場合に限られます(自衛隊法89条2項)。

Q4治安出動の国会承認はいつまで?

命令による治安出動(78条)は、出動を命じた日から20日以内に国会に付議して承認を求めなければなりません。不承認なら速やかに撤収を命じる必要があります。

Q5自衛隊に保護された家族はいつまで保護される?

準用される警察官職務執行法3条により、保護は原則24時間以内です。延長には簡易裁判所の裁判官の許可状が必要で、通算5日を超えられません。

Q6自衛隊法89条の「防衛大臣の指定する者」とは?

警察官なら公安委員会に報告する避難等の措置(警職法4条2項)について、自衛官が報告すべき相手として読み替えられた者です。具体的な指定は防衛大臣が行います。

Q7都道府県知事は自衛隊の治安出動を要請できる?

できます。自衛隊法81条により、知事は公安委員会と協議のうえ内閣総理大臣に出動を要請でき、総理大臣が必要と認めれば出動を命じます(同条2項)。

Q8治安出動は戒厳令と同じ?

違います。日本国憲法下に戒厳制度はなく、治安出動の自衛官が持つのは警察官職務執行法の範囲の権限です。行政権や司法権が軍に移る仕組みではありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1自衛隊が出てきたら、警察より強い権限で取り締まられるってことですか?

違います。89条1項で準用されるのは警察官職務執行法なので、権限の中身は警察官と同じです。武器使用については、2項で刑法36条・37条の場合を除き部隊指揮官の命令が必要になり、むしろ警察官より縛りが強い。実務のポイント:自衛官には司法警察権がないため、治安出動の現場でも取調べや送致をするのは警察です。自衛隊が単独で「事件を作る」構造にはなっていません

Q2治安出動って、実際に発令されたことはあるんですか?

戦後、自衛隊法78条・81条による治安出動が実際に発令されたことは一度もありません。1960年の安保闘争の際に検討されたものの、見送られたと伝えられています。実務のポイント:実例がないため、89条の運用に関する裁判例も事実上ありません。発令されれば、準用の範囲や指揮官命令の手続がはじめて司法審査を受けることになり、初動の記録が決定的な意味を持ちます

Q3撃ったのが命令なしだったら、隊員個人は罪になりますか?

刑法36条・37条に当たらず、命令もないまま武器を使って人を傷つければ、89条2項の要件を欠く違法な武器使用となり、刑法上の傷害罪などが問題になりえます。命令があっても、警察官職務執行法7条の要件(必要性・相当性)を超えればやはり違法です。実務のポイント:民事上は国家賠償法1条で国が賠償し、隊員個人への直接請求は判例上認められません。ただし故意・重過失があれば、国から隊員への求償(同条2項)が残ります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「自衛隊が街に出てきたら、戒厳令のように何でもできる」と恐れる人は多い。しかし現実は逆だ。治安出動の自衛官に与えられるのは警察官職務執行法の範囲の権限だけで、武器使用には警察官以上に厳しい命令要件がかかる。軍事的な作戦行動の権限が、そのまま市街地に持ち込まれるわけではない
  • 自衛官にも警察官並みの権限があることは知っていても、「逮捕」までは与えられていないことは知られていない。89条が準用するのは警察官職務執行法であり、刑事訴訟法上の司法警察職員の地位ではない。自衛官が通常逮捕をすることはできず、身柄を拘束できるのは誰にでも許される現行犯逮捕(刑事訴訟法213条)の範囲にとどまる。捜査と送致は結局、警察の仕事である
  • 「武器使用の命令を出した指揮官か、撃った隊員か、どちらを訴えればいいのか」と考えること自体がずれている。公権力の行使による損害なら、国家賠償法1条で国が責任を負い、判例上、公務員個人は被害者に対して直接の賠償責任を負わない(最判昭和30.4.19)。攻める相手は国である。個人を訴えれば、時間と費用を失う
比較の観点この条文ほかの条文
適用場面自衛隊法89条:78条1項・81条2項の治安出動時自衛隊法90条:同じく治安出動時(89条の上乗せ)
自衛隊法94条:災害派遣時等
準用される権限警察官職務執行法の全体(職務質問・保護・制止・立入り・武器使用等)独自の武器使用要件(警護対象への侵害、多衆による暴行・脅迫の鎮圧等)
警察官がその場にいない場合に限り、警職法4条・6条の一部のみ
武器使用警職法7条の準用。正当防衛・緊急避難以外は部隊指揮官の命令が必要89条の場合のほか、所定の事態で合理的に必要な限度で使用可。命令要件は89条2項を準用
武器使用規定(警職法7条)の準用なし

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
警械使用条例/戒厳法

台湾では警察の武器使用は警械使用条例が規律し、軍の国内治安投入は戒厳時の枠組みで扱われる。日本のように警察法規を軍に準用する平時の仕組みは一般的でない。

韓国
계엄법

韓国では軍の治安投入は戒厳法の枠組みで扱われる。かつての衛戍令は2018年に廃止された。

ドイツ
Grundgesetz Art. 87a Abs. 4

ドイツは基本法で、連邦の存立等への差し迫った危険がある場合に軍が警察を支援して民間施設の保護や武装蜂起の鎮圧にあたれると定め、投入要件を憲法レベルで限定している。

アメリカ
Insurrection Act/Posse Comitatus Act

米国は原則として連邦軍の国内法執行を禁じ(Posse Comitatus Act)、反乱法(Insurrection Act)による大統領の発動を例外とする。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 大規模な暴動を受けて治安出動が発令された。検問に立つ自衛官から「どちらへ行くのか、身分証を」と求められた。もし答えなかったら、どうなる? 準用されるのは警察官職務執行法2条の職務質問なので、原則は任意である。刑事訴訟法の規定によらなければ、身柄を拘束されたり、警察署などへ連行されたり、答弁を強要されたりすることはない(同条3項)
  • あなたは治安出動部隊の小隊長である。群衆の一部が火炎瓶を持って前進してきた。部下の一人が「撃っていいですか」と聞く。本人が正当防衛や緊急避難の状況にあるのでなければ、許可を出すのは部隊指揮官であり、その部下ではない。命令の記録と、誰が命じたかが、あとで法的責任の分かれ目になる
  • 泥酔して路上に倒れていた家族が、治安出動中の自衛官に保護された。警察官職務執行法3条の準用で、保護は原則24時間以内。延長には簡易裁判所の裁判官の許可状が必要になる。あと数時間で24時間の期限が来るなら、家族として引取りを申し出て、保護の根拠と場所を確認すべきだ
  • 知事の要請で自衛隊が出動した地域で、自宅に隊員が「危険が切迫している」と立ち入ってきた。警察官職務執行法6条が準用されるので、要件を満たせば合法である。ただし立入り時に正当な理由なく業務を妨げてはならず、理由の告知と身分証明書の呈示が求められれば示す義務がある(同条4項)

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自衛官の措置で負傷したり、財産に損害を受けたりしたら、日時・場所・部隊の標識・隊員の人数を記録し、写真や動画を残す2. 措置の根拠(警察官職務執行法の何条か)と、武器使用なら部隊指揮官の命令の有無を争点として書き留める3. 請求の相手は隊員個人ではなく国(国家賠償法1条)。弁護士を通じて防衛省に対する証拠保全や情報開示を早めに検討する4. 保護や拘束が24時間を超えそうなら、裁判官の許可状の有無を確認する

訴えられた側:1. 検問や職務質問を受けた場合、質問自体は任意(警察官職務執行法2条3項)。ただし暴行や抵抗は公務執行妨害罪(刑法95条)になりうるので、口頭で拒否の意思を示すにとどめる2. 現行犯として身柄を押さえられたら、自衛官には捜査権がないため警察に引き渡される。その時点から弁護人の選任を求め、黙秘権を行使する3. 制止や立入りを受けたら、理由の告知と身分証明書の呈示を求め、やり取りを記録する

時効(請求できる期限):本条そのものに特定の時効はない。自衛官の措置による損害は国家賠償法4条により民法の規定が適用され、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)、行為時から20年で消滅する。保護は原則24時間以内で、裁判官の許可状があっても通算5日まで(警察官職務執行法3条3項)。命令による治安出動は、命令から20日以内に国会へ付議して承認を求めなければならない(自衛隊法78条2項)

学説

通説:本条は自衛官の治安出動時の権限を警察官職務執行法に委ねることで、警察比例の原則(必要最小限度の実力行使)を自衛隊にも及ぼす構造をとる。武器使用に指揮官命令を要求する2項は、組織的統制による濫用防止の趣旨と解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法(昭和29年法律第165号)の制定により、治安出動時の権限規定として設けられた。
  2. 2.平成18年(2006年) 改正:防衛庁の省移行に伴う法改正(平成19年1月施行)により、法律全体で「長官」が「防衛大臣」に改められた。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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