受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 6 分6 分6 分

自衛隊法 第81条(要請による治安出動)

クイックジャンプ
  1. 都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県の都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動を要請することができる。
  2. 2.内閣総理大臣は、前項の要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等の出動を命ずることができる。
  3. 3.都道府県知事は、事態が収まり、部隊等の出動の必要がなくなつたと認める場合には、内閣総理大臣に対し、すみやかに、部隊等の撤収を要請しなければならない。
  4. 4.内閣総理大臣は、前項の要請があつた場合又は部隊等の出動の必要がなくなつたと認める場合には、すみやかに、部隊等の撤収を命じなければならない。
  5. 5.都道府県知事は、第一項に規定する要請をした場合には、事態が収つた後、すみやかに、その旨を当該都道府県の議会に報告しなければならない。
  6. 6.第一項及び第三項に規定する要請の手続は、政令で定める。

この条文の基本情報

要請による治安出動とは何ですか?

定義要請による治安出動とは、自衛隊法第81条に定められた規定で、「都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県の都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動を…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 自衛隊法第81条(要請による治安出動)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
  2. 自衛隊法第81条の条文原文は「都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要があると認める場合には、当該都道府県の都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動を…」で始まります。
  3. 自衛隊法第81条は第六章 自衛隊の行動に置かれています。
  4. 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
  5. 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 自衛隊法第81条の前の条は自衛隊法第80条です。
  7. 自衛隊法第81条の次の条は自衛隊法第81条の2です。
  8. 自衛隊法第81条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第81条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165
  • 本サイト収録自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第81条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/81

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点自衛隊法81条は、知事が公安委員会と協議の上で首相に自衛隊の治安出動を要請できると定める。首相が認めれば出動が命じられ、国会承認は不要で、事後に県議会へ報告する。

Q · 自衛隊の治安出動って、知事が呼ぶこともできるの?

できる。知事が要請し、首相が命じる。国会承認は不要

自衛隊法81条により、都道府県知事は治安維持上重大な事態でやむを得ない必要があると認めるとき、都道府県公安委員会と協議の上で内閣総理大臣に部隊等の出動を要請できます。首相が事態やむを得ないと認めれば出動が命じられます。首相の命令による78条の出動と異なり国会承認の手続はなく、知事は事態が収まった後、すみやかに都道府県議会へ報告しなければなりません。

解説

戦後、自衛隊の治安出動は一度も発令されていない。だから多くの人は、仕組みそのものを知らない。自衛隊を治安維持のために街へ出す道は二本ある。一本は内閣総理大臣が自ら命じる78条。もう一本が本条で、出発点に立つのは首相ではなく、あなたが選挙で選んだ都道府県知事である。知事は、治安維持上の重大な事態でやむを得ないと判断すれば、都道府県公安委員会と協議した上で首相に出動を要請できる。首相が事態やむを得ないと認めれば、出動が命じられる。見落とされがちな点が三つある。第一に、78条と違って本条の出動には国会承認の手続がない。第二に、事後の報告先は国会ではなく都道府県議会で、報告は事態が収まった後でよい。第三に、出動した自衛官は警察官職務執行法の権限を準用して行使できる(89条)。要するに、あなたの県で自衛隊が治安出動するかどうかを最初に左右するのは知事であり、事後にそれを検証できる場は県議会しかない。

法的な位置づけ

自衛隊法81条は、要請による治安出動を定める規定である。都道府県知事が都道府県公安委員会と協議の上で内閣総理大臣に部隊等の出動を要請し、内閣総理大臣が事態やむを得ないと認めるときに出動を命ずる二段階の手続を定める。あわせて撤収の要請・命令義務と、事態収束後の都道府県議会への報告義務を規定する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.根拠条文を確認する 「自衛隊出動」の報道に接したら、防衛省や都道府県の発表文で根拠条文を確認する。78条(首相命令の治安出動)、81条(知事要請の治安出動)、83条(災害派遣)のどれかで、部隊の権限も検証の場も変わる
  2. 2.現場の状況を記録する 出動中の部隊の行動で影響を受けた場合、日時・場所・部隊の様子・目撃者を記録し、写真や動画を保全する。後の国家賠償請求や議会での検証の基礎資料になる
  3. 3.要請・協議文書の情報公開請求 事態の直後に、知事の要請文書や都道府県公安委員会との協議記録について、都道府県の情報公開条例に基づく開示請求を行う。時間がたつほど記録の特定や開示判断が難しくなる
  4. 4.県議会の報告機会に合わせて議員へ情報提供 知事が事態収束後に行う県議会への報告(81条5項)に先立ち、地元議員に疑問点と資料を提供し、定例会での質疑につなげる
  5. 5.損害があれば国家賠償を検討 出動中の自衛官の行為で損害を受けた場合、国家賠償法1条に基づく国への請求を検討する。消滅時効に注意し、早めに弁護士会の法律相談を利用する

よくある質問 AI による整理

Q1要請による治安出動とは何ですか?

都道府県知事の要請を受けて内閣総理大臣が自衛隊の部隊等に出動を命じる仕組みです。根拠は自衛隊法81条で、首相が自ら命じる78条の命令による治安出動と区別されます。

Q2自衛隊の治安出動は誰が決めるのですか?

最終的な出動命令は内閣総理大臣が出します。ただし81条ルートでは、知事の要請がなければ手続が始まりません。知事が起点、首相が決定権者という二段構えです。

Q3知事が治安出動を要請する条件は?

治安維持上重大な事態につき、やむを得ない必要があると知事が認めることが必要です。さらに要請の前に、都道府県公安委員会と協議しなければなりません(81条1項)。

Q4知事の要請があれば必ず自衛隊は出動しますか?

必ずではありません。内閣総理大臣が「事態やむを得ない」と認めた場合に限り出動を命じることができます(81条2項)。要請だけで出動が確定するわけではありません。

Q5治安出動した自衛隊はいつ撤収しますか?

知事は事態が収まり必要がなくなったと認めればすみやかに撤収を要請し、首相は要請があるか自ら不要と認めたとき、すみやかに撤収を命じなければなりません(3項・4項)。

Q6要請による治安出動の報告先はどこですか?

知事が事態収束後、すみやかに当該都道府県の議会へ報告します(81条5項)。国会への付議・承認の手続は本条には定められていません。

Q7治安出動は過去に発令されたことがありますか?

戦後、自衛隊の治安出動は一度も発令されていません。1960年の安保闘争時に検討されたと伝えられますが、見送られています。

Q8治安出動中の自衛官に職務質問されたら従う義務は?

出動した自衛官は警察官職務執行法を準用して権限を行使します(89条)。職務質問は警察官の場合と同様、任意が原則です。所属と氏名を確認し記録しておきましょう。

この条文についての質問 AI による整理

Q1災害派遣も知事が頼むんですよね? 治安出動と何が違うんですか?

要請するのが知事である点は同じですが、目的と権限が違います。災害派遣(83条)は人命や財産の保護が目的で、自衛官の権限は限定的です(94条)。本条の治安出動では警察官職務執行法が準用され(89条)、武器使用の特則もあります(90条)。実務のポイント:報道が「知事の要請で出動」とだけ伝えたら、根拠条文を確かめるまで中身は判断できません。防衛省の発表文で条番号を探すのが一番早い方法です

Q2治安出動って、実際に使われたことはあるんですか?

戦後、治安出動は一度も発令されていません。1960年の安保闘争の際には、首相の命令による出動(78条)が政府内で検討されたと伝えられていますが、見送られました。実務のポイント:出動そのものがなくても、その前段階として治安出動待機命令(79条)や、下令前の情報収集(79条の2)の規定が用意されています。「出動ゼロ=何も動いていない」とは限りません

間違えやすい点 AI による整理

  • 「自衛隊を治安出動させるには国会の承認が必要だ」とよく言われるが、それは首相の命令による78条の話である。知事の要請による本条の出動には国会承認の手続がなく、事後に都道府県議会へ報告する義務が定められているだけである
  • 住民から見れば「知事は県のトップなのだから、まず自分で県警を動かせばいい」と思える。しかし法律上、都道府県警察を管理するのは都道府県公安委員会で、知事は警察を直接指揮できない。本条が知事に公安委員会との協議を求めているのは、この組織上の断絶を埋めるためである。知事一人の判断では、警察力の限界を公式に確かめることすらできない
  • 治安出動で来るのは「応援の人手」程度だと考える人がいるが、実際の重みはもっと大きい。出動した自衛官は警察官職務執行法を準用して職務質問や立入りなどの権限を行使でき(89条)、90条は一定の場面で警察官職務執行法より広く武器の使用を認めている。住民が向き合うのは、警察に準じる権限を持った武装部隊である
比較の観点この条文ほかの条文
出動の起点81条:都道府県知事の要請(公安委員会と協議の上)78条:内閣総理大臣が自ら判断
83条:都道府県知事等の要請(災害派遣)
最終決定者内閣総理大臣(事態やむを得ないと認める場合)内閣総理大臣
防衛大臣またはその指定する者
民主的統制国会承認手続なし。事態収束後に知事が都道府県議会へ報告出動命令から20日以内に国会に付議し承認を求める
国会承認手続なし
自衛官の権限警察官職務執行法の準用(89条)、武器使用の特則(90条)81条と同じく89条・90条が適用
災害派遣時の限定的権限(94条)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
戒嚴法・國防法

台湾には地方首長の要請で軍が治安出動する明文規定は見当たらない。軍による国内治安維持は戒厳の枠組みで扱われ、1987年の戒厳解除以降は発動されていない

韓国
통합방위법

韓国では特別市長・広域市長・道知事が統合防衛協議会の審議を経て一定の統合防衛事態を宣布できる仕組みがあり、地方首長が起点となる点で本条と比較できる

ドイツ
Grundgesetz Art. 87a Abs. 4

ドイツでは州が危険に対処できない場合に連邦政府が軍を警察支援に投入できるが、連邦議会・連邦参議院の要求で中止しなければならず、議会統制が本条より強い

アメリカ
Insurrection Act, 10 U.S.C. § 251

米国では州議会または州知事の要請を受けて大統領が連邦軍等を投入できる。州側が起点となる二段構えは本条と構造が近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 県内で大規模な騒乱が数日続き、警察だけでは抑えきれなくなったら、誰が自衛隊を呼ぶのか? 本条ルートでは、口火を切るのは首相ではなく知事である。知事が公安委員会と協議して要請し、首相が事態やむを得ないと認めたときに出動命令が出る。知事が動かなければ、首相が78条で自ら命じない限り、この道は開かない
  • 県の危機管理部局で働くあなたは、深夜に「要請の段取りを確認しておけ」と指示された。要請の手続は政令で定められていて(本条6項)、公安委員会との協議を省けば要請の前提が崩れる。朝までに、誰が協議し、いつ合意したかを文書で残す流れを組んでおく必要がある。後で県議会に報告するとき、その記録が唯一の根拠になる
  • 事態が収まって一週間たつのに、県議会への報告がない。5項は「すみやかに」と書いている。議員が追及するのに十分な根拠である

取るべき行動

被害を受けた側:1. 出動中の部隊の行動で身体や財産に損害を受けたら、日時・場所・部隊の様子・目撃者を記録し、写真や動画を確保する2. 自衛官は公務員なので、損害賠償は国家賠償法1条に基づいて国に請求するのが基本となる3. 知事の要請判断そのものに疑問があれば、県議会への報告(本条5項)の時期に合わせて議員へ情報提供し、要請や協議の文書について情報公開請求を行う4. 早い段階で弁護士会の相談窓口を使い、請求の筋道を確認する

訴えられた側:1. 出動した自衛官から職務質問を受けた場合、根拠は警察官職務執行法の準用(89条)なので、警察官による職務質問と同じく任意が原則である。相手の所属と氏名を確認し、やり取りを記録する2. 身柄を拘束されたら、弁護人の選任を求め、当番弁護士を呼ぶ3. 集会やデモに参加していただけなら、その目的と平穏な経過を示す証拠(主催者の告知、自分の動画)を保全する

時効(請求できる期限):本条自体に住民の権利行使の期限はない。撤収要請と撤収命令は「すみやかに」、県議会への報告は事態収束後「すみやかに」とされているだけで、日数の定めはない。出動中の損害について国家賠償を請求する場合は国家賠償法4条により民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年で消滅する(民法724条、724条の2。最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法(昭和29年法律第165号)の制定により、知事の要請による治安出動の規定として新設された

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

自衛隊法の全文を見る所属する編章節を開く:第六章 自衛隊の行動

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›