自衛隊法 第93条の3(弾道ミサイル等に対する破壊措置のための武器の使用)
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第八十二条の三第一項又は第三項の規定により措置を命ぜられた自衛隊の部隊は、弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器を使用することができる。
この条文の基本情報
弾道ミサイル等に対する破壊措置のための武器の使用とは何ですか?
定義弾道ミサイル等に対する破壊措置のための武器の使用とは、自衛隊法第93条の3に定められた規定で、「第八十二条の三第一項又は第三項の規定により措置を命ぜられた自衛隊の部隊は、弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器を使用することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第93条の3(弾道ミサイル等に対する破壊措置のための武器の使用)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第93条の3の条文原文は「第八十二条の三第一項又は第三項の規定により措置を命ぜられた自衛隊の部隊は、弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器を使用することができる。」で始まります。
- 自衛隊法第93条の3は第七章 自衛隊の権限に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第93条の3の前の条は自衛隊法第93条の2です。
- 自衛隊法第93条の3の次の条は自衛隊法第94条です。
- 自衛隊法第93条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第93条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第93条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/93_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法93条の3は、82条の3の破壊措置命令を受けた部隊に限り、弾道ミサイル等の破壊に必要な武器使用を認める。対象は日本に向け飛来する物体に限られる。
Q · 自衛隊がミサイルを撃ち落とせるのは、どんな法律の根拠があるから?
命令を受けた部隊のみ、ミサイル破壊に必要な範囲で撃てる
自衛隊法93条の3により、同法82条の3第1項(内閣総理大臣の承認を得た防衛大臣の命令)又は第3項(緊急対処要領に基づき期間を定めた事前命令)で破壊措置を命ぜられた部隊は、弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器を使用できます。命令のない部隊は撃てません。対象は、日本の領域又は公海(排他的経済水域を含む)の上空で、日本に向けて現に飛来する弾道ミサイル等に限られます。
解説
ミサイルを撃ち落とす法的根拠は、わずか一文に収まっている。自衛隊法93条の3が認めるのは「弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器」の使用であり、撃つ対象は人ではなく飛来する物体である。そのため他の武器使用規定にある警察官職務執行法7条の準用(人に危害を加えてよい場面を正当防衛などに絞る縛り)は、本条には書かれていない。ただし引き金を引けるのは、82条の3に基づき防衛大臣から破壊措置命令を受けた部隊だけである。命令は原則として内閣総理大臣の承認を経て出される。事態が急変して承認を得る時間がない場合に備え、閣議決定された緊急対処要領に従い、期間を定めてあらかじめ命じておく「事前命令」も用意されている。撃てる場所は日本の領域か公海(排他的経済水域を含む)の上空に限られ、対象も日本に向けて現に飛来するものだけだ。ニュースで「破壊措置命令」と聞いても、それは開戦の合図ではない。防衛出動(76条)とは別枠の、人命と財産を守るための限定された手続が動いたという意味である。
法的な位置づけ
自衛隊法93条の3は、弾道ミサイル等に対する破壊措置における武器使用権限を定める規定であり、同法82条の3第1項又は第3項により措置を命ぜられた自衛隊の部隊が、弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器を使用できる旨を定める。防衛出動時の武力の行使(同法88条)とは別枠の権限である。
よくある質問 AI による整理
Q1破壊措置命令とは何ですか?
自衛隊法82条の3に基づき、防衛大臣が自衛隊の部隊に弾道ミサイル等の破壊を命じる命令です。この命令を受けた部隊だけが93条の3により武器を使用できます。
Q2自衛隊法93条の3とはどんな規定?
破壊措置を命ぜられた部隊に、弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器の使用を認める一文だけの規定です。迎撃の実力行使の直接の法的根拠になります。
Q3破壊措置命令はいつまで有効ですか?
82条の3第3項の事前命令は、防衛大臣が定めた期間に限り効力を持ちます。報道によれば、期間を更新しながら長く継続されているとされます。
Q4ミサイルを撃ち落とさないのはなぜ?
対象は日本に向けて現に飛来し、日本の領域か公海の上空にある物体に限られるためです。日本を越えて海に落ちると見込まれるものは要件を満たしません。
Q5破壊措置命令に総理大臣の承認は必要?
原則として必要です(82条の3第1項)。ただし承認を得る時間がない急変に備え、閣議決定の緊急対処要領に従う事前命令が別に用意されています。
Q6ミサイル迎撃は違法になりますか?
有効な破壊措置命令のもとで必要な範囲の武器使用であれば、法令に基づく行為として刑法35条により違法性が阻却される方向で評価されます。
Q7破壊措置命令に国会の承認は必要?
事前の国会承認は要件ではありません。82条の3は措置がとられた場合の国会への報告を定めており、政治統制は事後報告の形で置かれています。
Q8人工衛星の打ち上げでも撃ち落とせる?
対象の「弾道ミサイル等」は、落下で人命・財産に重大な被害を生じうる航空機以外の物体を含みます。日本に向け落下するロケットや残骸も対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1迎撃した破片がうちの屋根に落ちてきたら、誰が弁償してくれるの?
本条は迎撃を認めるだけで、補償については何も定めていません。合法な迎撃には国家賠償法1条の「違法性」が認められにくく、憲法29条3項に基づく損失補償が主張できるかどうかも実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:補償の議論は、原因物体の特定から始まります。破片を捨てる前に、写真と位置記録を残せるかどうかで交渉の出発点が変わります
Q2J アラートが鳴ったときって、自衛隊はもう撃つ準備ができてるの?
J アラートは住民に情報を伝える仕組みで、迎撃の権限とは別系統です。迎撃には82条の3の命令が必要ですが、事態急変に備えた事前命令(同条3項)が出ていれば、発射の探知から即座に対処できます。実務のポイント:報道によれば、2016年以降、事前命令は期間を更新しながら長期間続いているとされ、その都度公表されるとは限りません。「発令のニュースがない=撃てない」ではありません
Q3グアムに向かうミサイルが日本の上を飛んでたら、自衛隊は撃ち落とせないの?
82条の3と本条の枠組みでは撃てません。対象は「我が国に向けて現に飛来する」ものに限られるからです。他国に向かうミサイルへの対処は、2015年の平和安全法制で導入された存立危機事態の防衛出動(76条1項2号)と、それに基づく武力の行使(88条)の問題になります。実務のポイント:同じ迎撃でも、本条による「破壊措置」と集団的自衛権の行使では、国会承認の要否などが根本的に異なります
間違えやすい点 AI による整理
- 「自衛隊は日本の上を飛ぶミサイルなら何でも撃ち落とせる」と思われがちだが、実際は違う。82条の3第1項が対象とするのは「我が国に向けて現に飛来する」弾道ミサイル等に限られる。2017年の北海道上空通過のように、日本を越えて太平洋に落ちると見込まれるものは、本条の枠組みでは迎撃の対象にならない
- 「破壊措置命令が出た=日本が戦争状態に入った」と受け止める人がいるが、立てている問いそのものがずれている。本条の仕組みは、武力攻撃事態の認定や防衛出動を前提としない。事故による誤射のように武力攻撃と認定されない飛来物にも対処できるよう、あえて防衛出動とは切り離して設計されている。命令は戦時の合図ではなく、平時の防護網を張る手続なのである
- 市民から見れば、迎撃は「成功したかどうか」だけの問題に見える。しかし法律の目で見ると、迎撃が成功しても破片の落下による被害が残りうる。その被害を誰がどう補償するかは、迎撃を認める本条には一行も書かれていない。合法な迎撃から生じた損害には国家賠償法1条の「違法」要件が当てはまりにくく、憲法29条3項に基づく損失補償で救済できるかどうかも実務上、解釈が分かれている。この空白が、被害を受けた人を立ち往生させる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 93条の3:日本に向けて現に飛来する弾道ミサイル等(航空機以外の物体) | 84条:領空を侵犯した外国の航空機 88条:武力攻撃等を行う相手方 |
| 発動の前提 | 82条の3の破壊措置命令(総理承認又は緊急対処要領に基づく事前命令) | 防衛大臣の命令による領空侵犯措置 76条の防衛出動命令(原則として国会承認を要する) |
| 実力行使の中身 | 弾道ミサイル等の破壊のため必要な武器の使用 | 着陸させ又は退去させるため必要な措置(武器使用は正当防衛・緊急避難の範囲と解されている) わが国を防衛するため必要な武力の行使 |
| 政治統制 | 事前の総理承認・閣議決定の要領と事後の国会報告 | 防衛大臣の命令 国会承認と対処基本方針(事態対処法) |
他国ではどう定めているか 2 か国
國軍の防衛任務を一般的に定めるにとどまり、日本のように迎撃の武器使用権限を命令と一体で個別に書き分ける構造は見当たらない
ミサイル防衛システムの配備を国家政策として宣言する立法であり、個々の迎撃の権限要件を定める日本の構造とは性格が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし早朝にスマホの J アラートがけたたましく鳴り、「ミサイル発射」と表示されたら、その瞬間に自衛隊は撃てる状態にあるのか? 答えは、事前命令が出ていれば撃てる、である。報道によれば2016年以降、破壊措置命令は長期にわたって出されたままの状態が続いているとされる
- あなたは PAC-3部隊の自衛官で、迎撃ミサイルを発射した。その結果、市街地に破片が落ちて負傷者が出た。あなたの行為は93条の3による法令上の武器使用であり、刑法35条(法令又は正当な業務による行為は罰しない)で違法性が阻却される方向で評価される。問われるのは「破壊のため必要な」範囲に収まっていたかどうかである
- 北朝鮮が「人工衛星を打ち上げる」と予告した。衛星なら撃てないと思うかもしれない。しかし法律上の対象は、落下によって人命や財産に重大な被害を生じうる航空機以外の物体まで含む。過去の衛星打ち上げ予告の際にも破壊措置命令は出されている
- 発射予告の期間まで、あと5日。沖縄の先島諸島では PAC-3の展開が報じられ、地元の公園や駐屯地に部隊が入る。あなたが自治体の防災担当なら、住民への説明、避難施設の確認、落下物の通報窓口の設定を、この5日間で終わらせなければならない
- 日本の上空を越えて太平洋に落ちるミサイル。撃たなかったのは怠慢ではなく、条文の要件どおりの判断である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 迎撃ミサイルや飛来物の破片が落ちた場合、まず触らずに警察・消防へ通報する(燃料などの有害物質が残っている可能性がある)2. 被害状況を写真・動画・位置情報付きで記録し、落下物の回収前に証拠を確保する3. 自治体の窓口と防衛省に被害を申告し、補償の枠組みを確認する4. 加入している保険の免責条項を確認する5. 国家賠償法1条か、憲法29条3項の損失補償かで法的構成が変わるため、早い段階で弁護士に相談する
訴えられた側:1. 迎撃を実施した部隊の側で問われるのは、82条の3に基づく有効な命令の存否と、「破壊のため必要な」範囲に収まっていたかどうかの二点である2. 命令書、緊急対処要領との整合性、交戦記録を保全しておく3. 法令に基づく武器使用は刑法35条の正当行為として違法性が阻却される方向で評価されるが、命令の範囲外(領域外の空域、日本に向かっていない物体)での使用は根拠を失う
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし破片などの被害について国家賠償を求める場合、国家賠償法4条により民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)となる(最新の改正状況をご確認ください)。事前命令は防衛大臣が定めた期間に限って効力を持つ
学説
政府解釈:本条の武器使用は飛来する物体の破壊を目的とするもので、防衛出動時の武力の行使とは区別される。武力攻撃と認定されない誤射や落下物にも対処できるよう、武力攻撃事態の認定を前提としない設計とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年) 弾道ミサイル防衛の法整備に伴い、破壊措置のための武器使用規定を新設(当時は93条の2、要確認)
- 平成21年(2009年) 海賊対処法の制定に伴う条文整理で93条の3に繰り下げられたとされる(要確認)
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:弾道ミサイル防衛の法整備に伴い、破壊措置と武器使用の規定を新設したとされる(当時の条番号は要確認)
- 2.平成21年(2009年) 改正:海賊対処法の制定に伴う条文整理で、現行の93条の3に繰り下げられたとされる(要確認)
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