国民健康保険法 第124条
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医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者が、第百十四条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられ、正当な理由なしにこれに従わず、又は同条同項の規定による当該職員の質問に対して、正当な理由なしに答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、十万円以下の過料に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第124条は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第124条の条文原文は「医師、歯科医師、薬剤師若しくは手当を行つた者又はこれを使用する者が、第百十四条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を命ぜられ、正当な…」で始まります。
- 国民健康保険法第124条は第十二章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第124条の前の条は国民健康保険法第123条の2です。
- 国民健康保険法第124条の次の条は国民健康保険法第125条です。
- 国民健康保険法第124条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第124条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第124条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/124
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法124条は、施術者やその使用者が同法114条1項の提示命令に正当な理由なく従わず、質問に答弁せず、または虚偽の答弁をしたとき、10万円以下の過料を科すと定める。
Q · 保険者から施術録を出せと言われて断ったら、どうなるんですか?
10万円以下の過料。だが本当の打撃は受領委任の取扱い中止
国民健康保険法124条により、同法114条1項の提示命令や質問に正当な理由なく応じない場合、10万円以下の過料に処せられます。対象は施術者本人だけでなく「これを使用する者」、つまり開設者や経営法人も含みます。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰で前科はつきませんが、調査に応じなかったという記録は、療養費の支払い保留や受領委任の取扱い中止という、はるかに重い行政判断の材料として直接使われます。
解説
整骨院や接骨院で施術を受け、療養費の請求が市区町村に上がる。その請求が本当に正しいか、保険者や厚生労働省は施術者本人に「カルテと帳簿を出しなさい」と命じることができる。国民健康保険法124条は、この求めを正当な理由なく拒んだ場合、10万円以下の過料を科すと定めている。あなたが医師・歯科医師・薬剤師・柔道整復師など施術を行う側であれば、この条文は「診療録を出さない自由」があなたにないことを意味する。さらに見落とされやすいのが「これを使用する者」という文言だ。院を経営する法人や開設者、つまり手を動かしていない経営側も同じ過料の対象になる。勤務医が書いた診療録の提示を、理事長の判断で拒めば、拒んだ側が責任を負う。ここで科されるのは刑罰ではなく過料であり、前科はつかない。だが調査を拒んだという事実は、その後の療養費支払いの停止や受領委任の取扱い中止という、はるかに重い行政判断の引き金になる。
法的な位置づけ
国民健康保険法124条は、保険者および行政庁の報告徴収・質問検査権(同法114条1項)の実効性を担保する秩序罰規定である。施術を行つた者およびこれを使用する者が、正当な理由なく提示命令に従わず、答弁せず、または虚偽の答弁をした場合に10万円以下の過料を科す。刑罰ではなく行政上の秩序罰に位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険法124条とは何ですか?
保険者等の報告命令・質問検査に正当な理由なく応じない施術者と、その使用者に10万円以下の過料を科す規定です。同法114条1項の調査権を担保しています。
Q2過料と罰金の違いは何ですか?
過料は行政上の秩序罰で前科はつかず、非訟事件手続法に基づく裁判所の決定で科されます。罰金は刑罰で前科がつき、刑事裁判を経る点が決定的に異なります。
Q3施術録の提示命令は拒否できますか?
正当な理由がなければ拒否できません。114条1項の命令は法令に基づく開示要求であり、守秘義務を理由とする全面拒否は正当な理由と評価されにくいのが実務です。
Q4保険者の調査にはいつまでに回答すべきですか?
条文自体に固有の期限はなく、命令書に記載された提出期限が実務上の起算点です。当日中に提出可能分と要時間分を仕分け、書面で回答するのが安全策です。
Q5過料の決定に不服がある場合はどうしますか?
過料の裁判に不服があるときは、告知を受けた日から1週間以内に即時抗告ができます(非訟事件手続法120条、最新の改正状況をご確認ください)。
Q6柔道整復師も124条の対象になりますか?
条文の「手当を行つた者」に該当すれば対象です。整骨院・接骨院の受領委任による療養費請求が調査対象となる場面が、実務上もっとも多く見られます。
Q7帳簿を紛失していた場合も過料になりますか?
「正当な理由」の有無で分かれます。理由と代替資料、提出見込み日を書面で示せば拒否とは評価されにくく、逆に紛失と虚偽説明すると評価は重くなります。
Q8調査を拒否すると受領委任は中止されますか?
過料とは別に、保険者は療養費の支払い保留や受領委任の取扱い中止を検討します。調査非協力の記録は、その判断の直接的な材料として使われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調査に協力しなかったら、いきなり過料が来るんですか?
いきなりは通常来ない。実務では催告や再度の提出要請を経て、それでも応じない場合に裁判所へ通知される流れになる。過料は124条に基づき裁判所の決定で科される。実務のポイント:この催告段階での対応が記録に残る。一度でも書面で誠実に回答した履歴があると、後の受領委任の取扱い中止の判断でも情状として効いてくる。最初の一通を出すか出さないかが、実は分岐点になっている。
Q2うちは法人経営で、私は院長じゃないんですが関係ありますか?
関係する。124条は施術者本人だけでなく「これを使用する者」も名指ししている。つまり施術者を雇用している開設者や経営法人も対象になる。現場に立っていないから無関係、という理屈は通らない。実務のポイント:逆に言えば、経営側が「出すな」と指示した場合でも、指示に従った勤務者本人が答弁拒否の主体として扱われうる。指示は書面で残しておかないと、現場だけが矢面に立つ構図になる。
Q3過料を払ったら、それで話は終わりですか?
終わらない。過料は秩序罰で、療養費の返還請求や受領委任の取扱い中止とは別の軌道で動く。調査に応じなかったこと自体が、不正請求の疑いを強める事情として扱われることも多い。実務のポイント:保険者側の内部では、調査非協力は「隠したいものがある」というシグナルとして読まれる。10万円で済ませるつもりの拒否が、結果として数百万円規模の療養費返還調査を呼び込む。安い罰則ほど、使い方を間違えると高くつく。
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料10万円なら払って終わりだ」という理解は、罰の大きさを見誤っている。金額そのものは軽い。だが調査拒否の事実は、保険者が受領委任の取扱いを中止する判断材料として直接使われ、療養費の保険請求ルートが閉じれば、院の売上構造が根本から崩れる。刑事罰でないことが、実害が小さいことを意味しない。
- 「患者の個人情報だから守秘義務を理由に拒める」という主張は、問いの立て方そのものが誤っている。114条1項の報告命令は法令に基づく開示要求であり、この場合の開示は守秘義務違反にならない。争うべき点は「開示してよいか」ではなく「命令の範囲が適法か」であり、範囲を超えた要求にだけ限定して異議を述べるのが実務上の正解である。
- 「過料は刑罰だから前科がつく」と怯える人が多いが、逆である。過料は秩序罰であり刑罰ではなく、科されても前科にはならず、手続も刑事裁判ではなく非訟事件手続法に基づく裁判所の決定で行われる。怯えすぎて全面的に萎縮するのも、侮って無視するのも、どちらも判断を誤らせる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 124条:命令違反・答弁拒否・虚偽答弁への過料(担保規定) | 114条1項:施術者等への報告命令・質問検査権の根拠 113条:被保険者等に対する報告徴収・検査の権限 |
| 名宛人 | 医師・歯科医師・薬剤師・手当を行つた者およびこれを使用する者 | 療養の給付・療養費に関与した施術者側 被保険者・世帯主など受給者側 |
| 制裁の性質 | 10万円以下の過料(行政上の秩序罰、前科なし) | 制裁規定ではなく権限規定(実効性は124条が担保) 受給者側の義務違反は保険給付の制限等で対応 |
| 連動する行政処分 | 療養費の支払い保留、受領委任の取扱い中止の判断材料 | 命令の範囲が適法かが争点、範囲外要求には限定して異議 給付の一時差止め・返還請求等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険医事サービス機関に資料提出と査核受入れを義務づけ、違反には行政罰である罰鍰を科す。日本と同じく、本体の打撃は特約の終止(契約解除)側にある
韓国も書類提出命令違反等を過料(과태료)で担保する。刑事罰ではなく行政秩序罰である点、要양기관の업무정지処分が別途控える点が日本と類似
ドイツは報告・データ提出義務違反を Ordnungswidrigkeit(秩序違反)として Bußgeld で担保。金額水準は日本より高く設定される傾向
米国は金銭制裁よりも、調査アクセス拒否を理由とする Medicare/Medicaid プログラムからの exclusion(除外)が主力の制裁手段となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 接骨院に保険者から「施術録と出勤簿を提示せよ」という文書が届いた。院長は「患者のプライバシーがあるので出せない」と回答。だが114条1項の報告命令は法律上の根拠がある求めであり、守秘義務違反にはならない。この回答が「正当な理由なし」と評価されれば、過料の対象になる。
- 厚生労働省の職員が来院し、療養費の請求内容について質問を始めた。受付スタッフが本部の指示で「担当者が不在なので答えられません」と繰り返す。事実上の回答拒否が続けば、答弁拒否と評価されうる。答えたくない質問こそ、後で書面回答する旨を明示しておく必要がある。
- レセプト内容と実際の施術回数が合わないと指摘され、帳簿の一部を「紛失した」と説明した。実際は保管されていた。これは虚偽の答弁として、単なる不提示より重く評価される。提出したくない書類があるときに嘘を選ぶと、過料に加えて不正請求の疑いまで自分から招き寄せる。
- もし調査当日に指定された書類の一部が本当に見つからなかったら、どうなる? 「正当な理由」の有無が分かれ目になる。当日に理由と代替書類、提出可能時期を書面で示せば、拒否とは評価されにくい。沈黙したまま放置したときだけ、条文が起動する。
- 勤務先の院が調査対象になり、あなたは雇われている歯科医師。理事長から「聞かれても答えるな」と指示された。従えば答弁拒否の主体はあなた自身になる。従業員という立場は、この条文の免罪符にならない。
取るべき行動
被害を受けた側:保険者・行政側の立場で調査に臨む場合、命令は114条1項の根拠と対象物件の範囲を書面で特定して発する。口頭の求めだけでは「命ぜられ」たと評価されにくく、後に過料を求める段階で崩れる。応じない相手には、催告と期限を記録に残したうえで、過料事件として管轄の地方裁判所に通知する流れを踏む。並行して療養費の支払い保留や受領委任の取扱い中止という行政的手段の要否も検討する。
訴えられた側:1. まず命令書で根拠条文と対象物件の範囲を確認、範囲外の要求には限定して異議を述べる2. 提出できるものは即日仕分けし、書面で回答期限を自分から提示3. 紛失や外部保管で即応できない書類は、理由と代替資料、提出見込み日を必ず文書で残す4. 曖昧な記憶で答えず、虚偽答弁だけは絶対に避ける5. 不正請求の疑いが背景にあると感じたら、行政手続と療養費返還の両にらみで、医療保険に詳しい弁護士に早期相談する。
時効(請求できる期限):この条文自体に固有の期限はないが、実務上は命令書に記載された提出期限が起算点になる。過料は非訟事件手続法に基づく裁判所の決定で科され、行政上の秩序罰であるため刑事の公訴時効は適用されない。なお過料の裁判に不服がある場合、告知を受けた日から1週間以内に即時抗告ができる(非訟事件手続法120条、最新の改正状況をご確認ください)。
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