国民健康保険法 第113条(文書の提出等)
クイックジャンプ
市町村及び組合は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者の属する世帯の世帯主若しくは組合員又はこれらであつた者に対し、文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させることができる。
この条文の基本情報
文書の提出等とは何ですか?
定義文書の提出等とは、国民健康保険法第113条に定められた規定で、「市町村及び組合は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者の属する世帯の世帯主若しくは組合員又はこれらであつた者に対し、文書…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第113条(文書の提出等)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第113条の条文原文は「市町村及び組合は、被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者の属する世帯の世帯主若しくは組合員又はこれらであつた者に対し、文書…」で始まります。
- 国民健康保険法第113条は第十一章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第113条の前の条は国民健康保険法第112条です。
- 国民健康保険法第113条の次の条は国民健康保険法第113条の2です。
- 国民健康保険法第113条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第113条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第113条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/113
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法113条は、市町村及び組合が資格・給付・保険料に必要と認めるとき、世帯主や組合員、過去にその地位にあった者へ文書の提出を命じ、職員に質問させる権限を定める。
Q · 市役所から国保の書類提出の文書が来たけど、これって出さないとダメなの?
命令なので義務があり、無視すると過料の対象になりうる
国民健康保険法113条により、市町村及び組合は、資格・保険給付・保険料に関して必要があると認めるとき、世帯主や組合員(過去にその地位にあった者を含む)に文書その他の物件の提出・提示を命じ、職員に質問させることができます。条文は「命じ」と定めており任意協力ではありません。正当な理由なく応じない場合、127条の3により10万円以下の過料の対象になりうるほか、資料不足のまま不利な認定がなされ、資格の遡及喪失や給付費返還につながることがあります。
解説
国民健康保険の担当窓口から「世帯の収入がわかる書類を出してください」という文書が届いたとき、それは単なるお願いではない。国民健康保険法113条は、市町村と国民健康保険組合に対して、被保険者資格・保険給付・保険料に関して必要があると認めるときは、世帯主や組合員に文書その他の物件の提出を命じ、職員に質問させる権限を与えている。ここで見落とされがちな三点がある。第一に、名宛人はあなた個人ではなく「世帯主」であること。同居する子や親の資格審査であっても、命令はあなたに来る。第二に、すでにその地位を離れた者、つまり「これらであつた者」も対象になる。国保を脱退して社会保険に移った後でも、過去の給付や保険料について照会が来る。第三に、これは行政指導ではなく命令である。応じなければ127条の3により10万円以下の過料の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。「忙しいので後で」と放置した封筒が、資格喪失の遡及処理や給付費返還の入口になる。
法的な位置づけ
国民健康保険法113条は、市町村及び組合の調査権限を定める規定である。被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときに、世帯主・組合員又はこれらであった者に対して文書その他の物件の提出若しくは提示を命じ、又は当該職員に質問させる権限を認める。強制は過料による間接強制にとどまる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.根拠条文欄を確認して命令か依頼かを判別 届いた文書の根拠法令欄を最初に読み、国民健康保険法113条に基づく提出命令か、単なる任意照会かを判別する。「命じ」に基づく文書は任意協力ではない
- 2.期限・提出先・担当部署を控える 指定期日、提出先窓口、担当課と直通番号を控える。期限の管理そのものが後の過料審理で正当な理由を主張できるかを左右する
- 3.求められた書類を集め、写しを全部残す 収入証明、在学証明、仕送り記録、診療明細など指定された物件を収集する。提出前に必ず全部の写しを手元に残す。後の不服申立てで自分が何を出したかが争点になる
- 4.揃わない書類は期限前に書面で理由を説明 該当書類が存在しない場合、電話ではなく書面で理由と代替資料の可否を伝える。説明済みの不提出は沈黙とは法的評価が異なる
- 5.保険料関係なら減免・分納を同時に切り出す 照会が保険料に関するものなら、同じ資料で77条の減免や分割納付の相談を同時に持ち込む。市町村が既に世帯の状況を調べている段階が最も話が通りやすい
- 6.処分が出たら教示欄を読み審査請求を検討 資格喪失や給付費返還の決定が出た場合、処分通知書末尾の教示欄を確認し、国民健康保険審査会への審査請求(91条)を3か月以内に検討する
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険法113条とは何ですか?
市町村及び組合が、資格・保険給付・保険料に関して必要と認めるときに、世帯主や組合員へ文書提出を命じ、職員に質問させることができる調査権限の規定です。
Q2国保の書類提出命令を無視したらどうなりますか?
127条の3により10万円以下の過料の対象になりうるほか、資料が不足したまま資格や給付が不利に認定され、遡及処分に進む危険があります。
Q3国保の提出命令は誰宛てに届きますか?
被保険者本人ではなく、被保険者が属する世帯の世帯主または組合員宛てです。保険料の納付義務者が世帯主(76条)であることと対応しています。
Q4国保をやめた後でも調査されますか?
されます。条文は「これらであつた者」を名宛人に含めており、加入していた期間の資格・給付・保険料について脱退後も命令の対象になります。
Q5国保の提出命令はどこまで答える義務がありますか?
「被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるとき」という目的の範囲に限られ、無関係な私生活の事項まで答える義務はありません。
Q6国保の職員は家に立ち入って捜索できますか?
できません。本条が認めるのは文書等の提出・提示命令と質問であり、捜索や押収のような直接強制の権限は含まれていません。
Q7国保の提出命令で書類が用意できないときはどうすればいいですか?
期限前に書面で存在しない理由と代替資料の可否を伝えます。沈黙と説明済みの不提出では、正当な理由の評価がまったく異なります。
Q8国保の処分に納得できない場合はどうすればいいですか?
91条により国民健康保険審査会への審査請求ができます。期間は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所から来た書類提出のお願い、無視したらどうなるんですか?
本条は「命じ」と定めており任意協力ではない。正当な理由なく提出せず、または虚偽の報告をした場合、127条の3により10万円以下の過料の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実際に過料が科される例は多くないが、無視は資格や給付の判断材料が不足した状態を作る。その結果、市町村は手元の情報だけで不利な認定を行い、後から覆すほうが何倍も大変になる
Q2私の医療のことなのに、どうして父宛てに文書が来るんですか?
国民健康保険は世帯単位で運営され、保険料の納付義務者は世帯主(76条)だからである。本条も名宛人を世帯主または組合員と定めており、世帯員個人ではない。実務のポイント:世帯主宛て文書で家族に受診歴が知られる問題は実務で頻繁に起きる。DV や家庭内の事情がある場合、市町村に申し出れば送付先の配慮を受けられる制度がある自治体が多い。窓口はこれを自分からは案内しない
Q3もう国保をやめて会社の保険に入ったのに、まだ聞かれるものですか?
聞かれる。条文は名宛人に「これらであつた者」を明記しており、過去に世帯主や組合員であった者も対象である。在籍期間中の資格・給付・保険料が調査の範囲になる。実務のポイント:国保と社保の二重加入期間があると、国保側が支払った給付費の返還を求められることがある。就職時に国保の喪失届を出し忘れていないか、この文書が来たら真っ先に確認する
Q4職員の質問には全部答えないといけませんか?録音してもいいですか?
質問の範囲は「被保険者の資格、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるとき」に限られる。この目的と無関係な私生活の事項まで答える義務はない。録音を禁じる規定はない。実務のポイント:後で言った言わないの争いになりやすい領域なので、面談の日時、担当者名、質問項目をその場でメモに残す。この記録があるだけで、担当者の対応の精度が目に見えて上がる
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所からの書類提出依頼には法的義務はなく、任意協力にすぎない」と考えている人が多い。だが本条の文言は「命じ」であり、行政指導ではなく命令である。正当な理由なく応じない場合、127条の3に基づき10万円以下の過料が科されうる(最新の改正状況をご確認ください)。任意のお願いだと誤読したまま放置すると、制裁の射程に入る
- 提出命令が来ること自体は知っていても、その深刻度が理解されていない。この照会は単独で終わらない。回答内容は資格の遡及喪失、給付費の返還請求(65条の不当利得徴収)、保険料の遡及賦課へ直結する。「書類を出す」行為は、その後に続く処分の事実認定の土台を自分の手で作る行為である
- 多くの人は「自分の医療情報なのだから、自分に聞くはずだ」と考える。だが法律から見れば、国民健康保険の単位は個人ではなく世帯であり、保険料の納付義務者は世帯主(76条)である。あなたの受診記録について、あなたではなく世帯主である父や配偶者に照会が行く。この視点の落差が、家族内の情報トラブルを生む
- 「国保をやめたら関係が切れる」という前提そのものが誤っている。条文は現在の世帯主・組合員だけでなく「これらであつた者」を名宛人に含む。過去の期間について、資格・給付・保険料のいずれかに疑義があれば、脱退後でも命令の対象になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 113条:資格・給付・保険料に関する文書提出命令と質問権 | 9条:世帯主の届出義務(住民側から申告する場面) 127条の3:不提出・虚偽報告への過料(制裁の場面) |
| 誰が動くか | 市町村・組合が必要と認めて能動的に調査 | 世帯主が資格変動時に自ら届け出る 裁判所が過料を科す(市町村の通知が端緒) |
| 名宛人 | 世帯主・組合員、及びこれらであった者 | 世帯主 命令に応じなかった者・虚偽報告をした者 |
| 応じない場合 | 過料の対象になりうる+資料不足のまま不利認定 | 届出遅延による遡及賦課・給付制限 10万円以下の過料 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険者に投保単位・医療機関等への調査権を認めるが、名宛人は主として投保単位(事業主)であり、日本のように世帯主を軸にする構造ではない
韓国も加入者・使用者に対する申告および書類提出要求権を定め、応じない場合の過怠料制度を持つ点で日本と近い
ドイツは社会法典総則で給付権者の協力義務(Mitwirkungspflicht)を一般化し、不協力の効果を給付の停止・拒否として構成する。過料中心の日本と制裁設計が異なる
米国は Medicaid の資格確認を連邦規則で電子データ照合中心に設計し、受給者への書類提出要求は照合で解決しない場合の補完手段に位置づける
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学生の子が親元を離れて一人暮らしを始めたが、住民票を移していない。子の医療機関受診が続いたことで市町村が生計維持関係を疑い、世帯主のあなた宛てに就学証明書と仕送り記録の提出命令が届く。ここで出す書類の中身が、子の資格を居住地の国保に切り替えるか、遡って無資格と扱うかを分ける
- 整骨院に長期通院していたところ、施術内容の照会文書が本人ではなく世帯主に届いた。柔道整復の療養費は不正請求が問題化しており、市町村は給付の適正性を確認する権限をこの条文に持っている。回答内容が施術所側の返還請求につながることもある
- もし、国保を抜けて会社の健康保険に加入した半年後に、旧住所地の市町村から質問文書が来たらどうなるか。「もう国保ではない」は理由にならない。条文は「これらであつた者」を明記しており、脱退者も名宛人である
- 保険料を滞納したまま転居したあなたに、収入と資産の状況を問う文書が届いた。回答期限まで残り10日。ここで正直に困窮状況を書けば減免(77条)や分割の検討材料になるが、無視すれば財産調査と滞納処分へ進む。同じ封筒が、救済の申請書にも差押えの前段階にもなる
- 海外に長期滞在していた家族の医療費について、海外療養費を申請した。市町村から現地の診療内容明細書と領収書の原本提示を命じられる。海外療養費は不正請求の温床とされ、この条文に基づく確認が厳格化している
取るべき行動
被害を受けた側:1. 文書の根拠条文欄を確認、113条に基づく提出命令か単なる任意照会かを判別する2. 期限と提出先、担当部署の直通番号を控える3. 求められた書類が手元にない場合は、期限前に電話ではなく書面で理由を伝え、代替資料の可否を確認する4. 内容が保険料滞納に関するものなら、同時に減免(77条)や分割納付の相談を持ち込む5. 回答内容が遡及処分につながりそうなら、提出前に自治体の無料法律相談か社会保険労務士に事実関係を整理してもらう
訴えられた側:1. 資格や給付の不正を疑われている段階なら、感情的な弁明より事実の時系列整理を優先する2. 提出する書類の写しを必ず全部手元に残す、後の不服申立てで自分が何を出したかが争点になる3. 給付費の返還を求められた場合、返還額の算定根拠の開示を求める4. 返還決定や資格喪失の処分が出たら、それは行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので、審査請求(国民健康保険法91条、国民健康保険審査会)の道がある。処分通知書の末尾の教示欄を必ず読む
時効(請求できる期限):提出命令自体の期限は文書に記載された指定期日による。関連して、保険料徴収権の消滅時効は2年(国民健康保険法110条)、保険給付を受ける権利の時効も2年(同110条)。処分に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(行政不服審査法18条)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める