国民健康保険法 第91条(審査請求)
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- 保険給付に関する処分(第九条第二項及び第四項の規定による求めに対する処分を含む。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。
- 2.前項の審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす。
この条文の基本情報
審査請求とは何ですか?
定義審査請求とは、国民健康保険法第91条に定められた規定で、「保険給付に関する処分(第九条第二項及び第四項の規定による求めに対する処分を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第91条(審査請求)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第91条の条文原文は「保険給付に関する処分(第九条第二項及び第四項の規定による求めに対する処分を含む。」で始まります。
- 国民健康保険法第91条は第九章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第91条の前の条は国民健康保険法第90条です。
- 国民健康保険法第91条の次の条は国民健康保険法第92条です。
- 国民健康保険法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法91条は、保険給付や保険料に関する処分に不服がある者が国民健康保険審査会に審査請求できると定める。審査請求は時効の完成猶予及び更新について裁判上の請求とみなされる。
Q · 国民健康保険の保険料や給付の決定に納得できないとき、どこに文句を言えばいいの?
市町村の窓口ではなく、都道府県の国民健康保険審査会に審査請求します
国民健康保険法91条により、保険給付に関する処分および保険料その他の徴収金に関する処分に不服がある者は、国民健康保険審査会に審査請求ができます。期限は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。さらに同条2項により、審査請求は時効の完成猶予及び更新に関して裁判上の請求とみなされるため、給付を受ける権利の2年時効(同法110条)の進行が止まります。窓口での口頭の抗議には、この時効を止める効力はありません。
解説
役所から届いた「国民健康保険料の決定通知」や「高額療養費は支給しません」という通知。金額がおかしいと思っても、多くの人は窓口で口頭で文句を言って終わりにする。ここに国民健康保険法91条という別ルートがある。保険給付に関する処分も、保険料その他の徴収金に関する処分も、不服があれば「国民健康保険審査会」という独立した第三者機関に審査請求ができる。市町村の窓口に言い直すのではなく、都道府県に置かれた審査会が判断する仕組みだ。さらに2項が効く。この審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては裁判上の請求とみなされる。つまり審査請求を出した時点で、給付を受ける権利の2年時効(同法110条)の進行が止まる。窓口で「担当が調べます」と言われて待っている間に時効が完成した人と、審査請求書を出した人。同じ主張をしていても、片方だけ権利が生き残る。
法的な位置づけ
国民健康保険法91条は、国民健康保険に係る不服申立ての規定である。保険給付に関する処分および保険料その他の徴収金に関する処分を対象とし、不服のある者は都道府県に置かれる国民健康保険審査会に審査請求をすることができる。同条2項は、当該審査請求に時効の完成猶予及び更新に関して裁判上の請求とみなす効力を付与する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の日付と教示欄を確認する 決定通知書を取り出し、処分の年月日と末尾の「教示」欄(不服申立てができる旨・期間・宛先)を確認する。原本はコピーを取って保管し、通知を受け取った日の翌日から3か月後をカレンダーに記入する
- 2.審査請求書を作成する 都道府県の国民健康保険審査会宛に、処分の内容、処分があったことを知った年月日、不服の理由、求める結論を記載した審査請求書を作成する。理由が固まっていなくても、まず期限内に提出し後から補充する
- 3.裏付け資料を添付する 診断書、領収書、所得を証明する資料(確定申告書控え・課税証明書)、廃業や離職を示す書類、窓口でのやり取りの記録を添付する。保険料の減免を争う場合は収入減少の時点が分かる資料が要となる
- 4.実害が進む処分なら執行停止を同時申立て 差押予告や給付停止など待つ間に損害が拡大する処分では、審査請求書と同時に執行停止の申立書を提出する。審査請求だけでは執行は止まらない(行政不服審査法25条)
- 5.裁決を受け取り次の手を決める 審査会の裁決書を受領したら、認容・棄却・却下の別と理由を確認する。不服であれば裁決を知った日から6か月以内に処分の取消訴訟を検討する。保険者が弁明書で示した処分理由は訴訟での重要な材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険審査会とは何ですか?
都道府県に置かれる独立した不服審査機関です(国保法92条)。被保険者代表・保険者代表・公益代表の三者で構成され、市町村の内部組織ではありません。
Q2国民健康保険の審査請求はいつまでにできますか?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内です(行政不服審査法18条)。期限超過は原則として不適法却下になります。
Q3国民健康保険料の決定に不服がある場合どうする?
保険料は徴収金に関する処分にあたるため、国保法91条により国民健康保険審査会へ審査請求できます。窓口での再交渉と並行して3か月の期限を管理してください。
Q4審査請求をすると時効は止まりますか?
止まります。国保法91条2項により審査請求は裁判上の請求とみなされ、給付を受ける権利の2年時効(同法110条)について完成猶予及び更新の効力が生じます。
Q5審査請求をせずにいきなり裁判できますか?
原則できません。国保法103条が審査請求前置を定めており、審査会の裁決を経ない取消訴訟は却下されうるためです。
Q6審査請求中に差押えは止まりますか?
止まりません。行政不服審査法25条により審査請求に執行停止効はなく、止めたい場合は執行停止の申立てを別途同時に行う必要があります。
Q7高額療養費の不支給決定は審査請求できますか?
できます。高額療養費の不支給決定は保険給付に関する処分であり、国保法91条1項の審査請求の対象になります。
Q8審査請求の裁決に不服なら次はどうする?
裁決を知った日から6か月以内に、処分の取消訴訟を提起することを検討します(行政事件訴訟法14条)。審査請求前置はこの段階で満たされています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所の窓口で文句を言うのと、審査請求って何が違うんですか?
判断する主体が違う。窓口対応は処分を出した市町村の内部対応だが、審査請求の相手は都道府県に置かれた国民健康保険審査会(同法91条、92条以下)で、被保険者代表・保険者代表・公益代表の三者構成の独立機関である。実務のポイント:窓口交渉には時効を止める効力が一切ない。同法91条2項により時計が止まるのは審査請求を出した場合だけで、「担当者が確認中」と言われて待った期間は、法的には何もしていない期間として数えられる
Q2審査請求って、結局役所の身内が判断するから無駄じゃないですか?
国民健康保険審査会は市町村の組織ではなく都道府県に置かれる別機関で、三者構成のため保険者の意向がそのまま通る構造ではない。しかも同法103条により、原則として審査請求の裁決を経なければ取消訴訟を起こせない。実務のポイント:結論が変わらなくても、審査手続の中で保険者は弁明書という形で処分理由を文書化する義務を負う。その文書は後の訴訟で相手の主張を固定する材料になるので、「負け筋でも通す価値がある手続」として実務では使われる
Q3審査請求している間、保険料の督促や差押えは止まりますか?
原則として止まらない。審査請求には執行停止の効力がないのが行政不服審査法25条の建前で、止めたければ執行停止の申立てを別に行う必要がある。実務のポイント:滞納処分の局面では、審査請求より先に納付相談で分割納付の合意を取り付けた方が、実際に差押えを回避できる確率が高い。法的に争う手続と、差押えを止める手続は別物だと分けて考える人が、結果的に口座を守っている
Q43か月を過ぎてしまったら、もう何もできませんか?
審査請求は原則として通知を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)で、正当な理由がなければ不適法却下となる。ただし保険者が職権で処分を是正する余地は残る。実務のポイント:通知書の末尾に不服申立ての方法・期間・宛先を書く「教示」が欠けていた場合、期間の主張で争う余地が生まれることがある。過ぎたと思った時点で、まず通知書に教示欄があったかを確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「審査請求は知っているが、要は役所内部の再審査でしょう」と思っている人が多い。深刻なのはその逆で、国民健康保険審査会は都道府県に置かれ、被保険者代表・保険者代表・公益代表の三者で構成される独立機関である。処分を出した市町村の上司が見直すのとは構造が違う。ここを「同じ穴の狢」と切り捨てて請求しないことが、最大の機会損失になる
- 「裁判で争えばいいから、審査請求は飛ばしてもいい」という発想は、問いの立て方自体が誤っている。国民健康保険法は審査請求前置を採っており(同法103条)、原則として審査会の裁決を経なければ処分の取消訴訟を提起できない。飛ばした結果、訴えが門前払いになる
- 「時効はこちらが何か行動すれば止まる」と漠然と考えている人がいるが、法律から見れば、窓口での口頭の抗議も、担当者への電話も、時効を止める行為ではない。あなたから見れば「ずっと交渉していた」でも、法律から見れば「何もしていなかった2年間」になる。この落差が、正当な請求権を消滅させる
- 保険料の額そのものに文句があるとき、条例が違法だと審査会に言えば覆ると思われがちだが、審査会が判断するのは個別の処分の当否である。条例自体の違憲・違法を正面から争うなら訴訟のルートが必要になる。実務上、どこまで審査会が条例の適否に踏み込むかは見解が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 国保法91条:審査請求ができる旨と時効効果 | 国保法103条:審査請求前置、裁決前の訴え提起を制限 国保法110条:保険給付・保険料の2年消滅時効 |
| 誰に向けた規定か | 処分に不服のある被保険者 | 訴訟を提起しようとする者と裁判所 権利行使をしない当事者一般 |
| 落とすと何が起きるか | 3か月を徒過し審査請求の門が閉じる | 裁決を経ずに訴え、門前払いになる 2年で給付を受ける権利が消滅する |
| 他条との連動 | 2項が110条の時効を止め、103条の前置を満たす起点になる | 91条の裁決が訴訟提起の前提条件 91条2項の審査請求で完成猶予・更新が生じる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も保険者の処分に対してまず争議審議(爭議審議會)を経る二段階構造を採り、その後訴願・行政訴訟へ進む。日本の審査請求前置と機能的に近い
韓国は保険者への異議申立てと健康保険紛争調停委員会への審判請求の二段階を置く。日本が一段階(審査会)である点で構造が異なる
ドイツは社会保険の処分に対し Widerspruchsverfahren(異議手続)を必ず経てから社会裁判所へ出訴する。前置主義という点で日本の103条と同じ発想に立つ
米国は多段階の行政不服手続と administrative exhaustion 法理を採り、行政段階を尽くさない司法審査を原則認めない点で共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 前年の所得で計算された保険料の通知が届いたが、今年は廃業して収入がほぼゼロ。減免申請が却下された。この却下も「保険料に関する処分」であり、91条の審査請求の対象になる。窓口での再交渉と並行して、通知を受けた日から3か月の期限を数え始める必要がある
- 入院して高額療養費を申請したが、「保険外併用療養費の対象外」として不支給決定が出た。あなたは医師の説明と役所の判断が食い違っていると感じている。この不支給決定は保険給付に関する処分なので、まず国民健康保険審査会へ。裁判所にいきなり訴えても、審査請求を経ていないと訴えが却下されうる(審査請求前置、同法103条)
- もし、あなたが会社を退職して国民健康保険に切り替えたのに、前の会社の資格喪失手続が遅れて、保険証が使えない期間の医療費を全額自己負担していたとしたら? 療養費の支給申請が却下されたとき、審査請求という道がある。しかも請求書を出した瞬間に2年時効の進行が止まる
- 滞納していた保険料に延滞金が付いて、差押予告が届いた。残された時間はわずか。徴収金に関する処分に不服があるなら審査請求ができるが、審査請求をしても原則として処分の執行は止まらない(行政不服審査法25条)。執行停止の申立てを同時に出さないと、審査中に口座が差し押さえられる
- 友人が「国保の保険料が高すぎるのに役所が取り合ってくれない」と相談してきた。あなたが聞くべきは一つ、決定通知書を受け取ったのはいつか。3か月を過ぎていれば審査請求の門は閉じ、残るのは職権是正のお願いだけになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書の日付と、末尾の「教示」欄(不服申立てができる旨・期間・宛先が書かれている部分)を確認、原本はコピーを取り保管2. 通知を受けた日の翌日から3か月以内に、都道府県の国民健康保険審査会宛の審査請求書を作成、処分の内容・不服の理由・希望する結論を記載3. 診断書、領収書、所得を証明する資料、窓口でのやり取りの記録を添付4. 差押えなど実害が進む処分なら執行停止の申立てを同時提出5. 裁決に不服なら、裁決を知った日から6か月以内に取消訴訟を検討
訴えられた側:保険者(市町村・国保組合)側であれば、1. 処分時に教示(不服申立ての方法・期間・宛先)を正確に付す、教示漏れは請求期間の起算に影響しうる2. 審査請求を受けたら弁明書で処分の根拠条文と認定事実を具体的に示す3. 条例・規則の適用関係を整理し、減免基準の当てはめを記録で裏付ける4. 手続的瑕疵(理由の提示不足、行政手続法・条例上の手続違反)があれば、争う前に職権での是正も選択肢に入れる
時効(請求できる期限):審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(行政不服審査法18条)。保険給付を受ける権利の時効は2年、保険料等を徴収する権利の時効は2年(国民健康保険法110条)。本条2項により、審査請求は裁判上の請求とみなされ、時効の完成猶予及び更新の効力を生じる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条1項の「保険給付に関する処分」「徴収金に関する処分」は行政処分性を有するものを指し、事実上の通知や行政指導は含まれないと解される。処分性の有無が審査請求の入口を画する第一の論点となる。
実務的理解:本条2項の「裁判上の請求とみなす」効果は、審査請求の対象となった権利の範囲に及ぶと理解され、請求の趣旨に含まれない別個の給付請求権までは当然には及ばないとされる。請求書の記載範囲が時効の射程を左右する点が実務上重視される。
議論のある点:保険料の賦課根拠である条例自体の違法・違憲を審査会がどこまで判断できるかについては見解が分かれる。個別処分の当否の判断に付随する限度で審理されるとする理解が有力だが、正面から争うには訴訟のルートが必要とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和33年(1958年) 新設:国民健康保険法の全部改正(昭和33年法律第192号)により、国民健康保険審査会への審査請求と時効に関する擬制を含む現行の不服申立て体系が整備された
- 2.平成29年(2017年) 改正:行政不服審査法の全面改正(平成26年法律第68号、平成28年施行)に伴う関係法律の整備により、審査請求期間が60日から3か月に伸長されるなど手続の一般規定が刷新された(個別の条項対応は要確認)
- 3.令和2年(2020年) 改正:民法(債権関係)改正の施行に伴い、時効に関する文言が「中断・停止」から「完成猶予及び更新」に改められた
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