国民健康保険法 第77条(保険料の減免等)
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市町村及び組合は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。
この条文の基本情報
保険料の減免等とは何ですか?
定義保険料の減免等とは、国民健康保険法第77条に定められた規定で、「市町村及び組合は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第77条(保険料の減免等)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第77条の条文原文は「市町村及び組合は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」で始まります。
- 国民健康保険法第77条は第五章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第77条の前の条は国民健康保険法第76条の4です。
- 国民健康保険法第77条の次の条は国民健康保険法第78条です。
- 国民健康保険法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法77条は、市町村及び国保組合が条例又は規約により、特別の理由がある者の保険料を減免し、又は徴収を猶予できると定める。基準は自治体ごとに異なり、適用には申請が必要。
Q · 国民健康保険料が払えないとき、安くしてもらうことはできますか?
条例に基づく減免・徴収猶予は可能。ただし自分から申請しないと動きません
国民健康保険法77条により、市町村及び国保組合は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者の保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができます。災害、失業、事業の休廃止、所得の著しい減少などが典型ですが、何が「特別の理由」に当たるか、どの割合で減免するか、いつまでに申請するかは各保険者の条例・規約が定めるため、同じ事情でも市町村によって結果が変わります。所得に応じて自動的に適用される7割・5割・2割の法定軽減とは別制度であり、77条に基づく減免は申請しない限り適用されません。
解説
国民健康保険料の納付書を見て「払えない」と思ったとき、多くの人は滞納するか、消費者金融で借りるか、その二択しか思い浮かばない。だが第三の道が法律に書いてある。国民健康保険法77条は、市町村と国保組合に対し、条例または規約で定めるところにより、特別の理由がある者の保険料を減免し、または徴収を猶予する権限を与えている。ここで押さえるべきは二点。第一に、この権限は「できる」規定であり、申請しない限り役所は勝手に減免してくれない。黙って待っていれば督促状と延滞金が積み上がるだけである。第二に、何が「特別の理由」に当たるかは国が一律に決めておらず、あなたの住む市町村の条例が決めている。つまり同じ収入・同じ災害でも、隣の市なら7割減免、あなたの市なら5割ということが現実に起きる。あなたが読むべきは法律の条文ではなく、自分の自治体の国民健康保険条例の減免規定である。
法的な位置づけ
国民健康保険法77条は、保険料の減免及び徴収猶予に関する授権規定である。市町村及び国民健康保険組合は、条例又は規約の定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。減免の事由及び割合は各保険者の条例・規約に委ねられ、法定軽減とは別個の、申請に基づく個別処分として運用される。
手順
- 1.自分の市町村の条例・組合規約で減免事由を特定する 自治体サイトで「市区町村名 国民健康保険 減免」を検索し、条例・規則の減免規定を開く。災害、失業、事業の休廃止、所得の著しい減少、医療費の多額支出のうち、自分がどの類型に当たるかを先に名指しできる状態にする。あわせて減免割合の段階表と申請期限を書き写す
- 2.事由を裏づける証拠書類を集める 災害なら市町村発行の罹災証明書、失業なら離職票または雇用保険受給資格者証、所得減少なら前年と本年の売上・収支が比較できる帳簿や給与明細、医療費なら領収書を揃える。数値基準が「前年比3割減」「5割減」などで定められている場合は、その比較が一目で分かる形に整理する
- 3.最初の納期限より前に窓口へ申請する 市町村の国民健康保険担当窓口(国保組合の場合は組合事務局)に減免申請書を提出する。窓口では「払えません」ではなく、条例の何条何号のどの事由に当たるかを名指しして切り出すと、相談受付ではなく申請処理として扱われる。減免と同時に徴収猶予も併願しておく
- 4.決定通知を受け取り、通らなければ理由を書面で確認する 減免の可否は行政処分として通知される。却下された場合は、根拠となった条例の条項と当てはめの理由、収入の算定期間を書面で確認する。算定期間の取り違えが見つかることがあり、再申請や不服申立ての materials になる
- 5.不服があれば審査請求の期限内に動く 処分に不服がある場合は、国民健康保険審査会への審査請求を検討する。審査請求期間は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内が原則(行政不服審査法18条)。通知書に付された教示文で請求先と期限を必ず確認する
よくある質問 AI による整理
Q1国民健康保険料の減免とは何ですか?
災害や失業など特別の理由がある人について、保険料の全部または一部を免除する制度です。国民健康保険法77条を根拠に、各市町村の条例・各組合の規約が事由と割合を定めます。
Q2国保料の減免はどのくらい安くなりますか?
全額免除から2割程度まで、自治体の条例により幅があります。災害による住家の損壊程度、所得の減少率、世帯構成などを段階表に当てはめて決める方式が一般的です。
Q3国保料の減免申請はいつまでにすればよいですか?
77条自体に期限の定めはなく、各条例・規約が定めます。多くの自治体は当該期分の納期限前の申請を要件とするため、納期限を過ぎた期分は対象外になりがちです。
Q4減免申請に必要な書類は何ですか?
申請書のほか、事由を裏づける資料が要ります。災害は罹災証明書、失業は離職票または雇用保険受給資格者証、所得減少は前年と本年の収支が分かる帳簿や給与明細が典型です。
Q5徴収猶予と減免はどう違いますか?
減免は納めるべき額そのものを減らし、徴収猶予は納付の時期を先送りするものです。77条は両方を定めており、減免が通らない場合でも猶予を併せて申請する余地があります。
Q6失業した場合、国保料は減免されますか?
倒産・解雇等による離職者には前年給与所得を100分の30とみなす軽減が別枠であり、それとは別に77条に基づく条例減免も申請できます。二層構造のため片方で満足しないことです。
Q7減免はどの範囲の保険料に適用されますか?
多くの自治体では世帯単位で、申請以後に納期限が到来する期分が対象です。年度の途中で事由が生じた場合、すでに納付済みの期分には及ばない運用が一般的です。
Q8国保料を払わないとどうなりますか?
督促の後、地方税の滞納処分の例により預貯金や給与が差し押さえられることがあります。あわせて被保険者証が短期証や資格証明書に切り替わる場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1減免と軽減って、何が違うんですか?
軽減は所得が一定基準以下の世帯に自動適用される7割・5割・2割の仕組みで、根拠は国民健康保険法施行令にあります。減免は本条77条に基づき、災害や失業など個別事情に応じて申請により行うものです。実務のポイント:軽減の適用には所得の申告が前提で、収入ゼロでも未申告だと軽減が外れたまま満額請求されます。心当たりがあれば、まず住民税の申告状況を確認する
Q2何年も滞納しているんですが、今から減免を申請できますか?
多くの自治体は納期限前の申請を要件としているため、過年度分の減免は通りにくいのが実情です。ただし徴収猶予や分割納付の相談は滞納後でも可能で、資力に応じた対応の余地があります。実務のポイント:滞納があると短期被保険者証や資格証明書に切り替わり、資格証明書だと窓口で全額自己負担になります。窓口に相談へ行った事実そのものが、証の取扱いの判断材料になる
Q3国保組合に入っているんですが、市町村の減免とは別物ですか?
別物です。本条は市町村と国保組合の双方を対象としますが、市町村は条例、組合は規約で定めます。したがって基準も手続も所属する組合の規約次第になります。実務のポイント:医師国保、建設国保などの組合は保険料が定額制のことが多く、所得が激減しても額面が動きません。組合規約の減免条項を確認しないまま市町村国保への切替を検討すると、損得の計算を誤る
Q4申請したのに断られました。それで終わりですか?
終わりではありません。減免の可否は役所があなたに直接下す具体的な決定、つまり行政処分に当たり、不服があれば審査請求ができます。判断の根拠となった条例の条項と、当てはめの理由を書面で求めるのが第一歩です。実務のポイント:却下理由が「基準に該当しない」だけの場合、どの数値基準にどう当てはめたかを確認すると、収入の算定期間の取り違えが見つかることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「保険料は法律で決まった金額だから交渉の余地はない」という前提そのものが誤っている。賦課された額は動かなくても、77条に基づく減免で納めるべき額が減り、徴収猶予で支払時期が後ろにずれる。問うべきは『減らせるか』ではなく『自分の市の条例はどの事由を拾っているか』である
- 減免制度の存在を知っている人でも、その深刻さを取り違えていることが多い。減免はほとんどの自治体で納期限前の申請を要件とし、すでに納期限を過ぎた期分には及ばない。制度を知っているのに申請が一か月遅れた人と、知らずに滞納した人が、同じ延滞金を払うことになる
- 「役所が生活困窮を把握しているなら向こうから案内が来るはず」と考えるのは、行政の仕組みの読み違いである。あなたから見れば役所は収入も世帯構成も握っている一つの組織だが、法律から見れば減免は申請に基づく個別処分であり、賦課担当は申請がない限り原則として職権発動しない。この落差の中で延滞金だけが増える
- 減免と、所得に応じて自動的にかかる7割・5割・2割軽減(国民健康保険法施行令に基づく法定軽減)を同じものだと思っている人が多い。軽減は申告さえしていれば自動適用、減免は申請主義。軽減後の金額を見て「これが限界」と納得してしまうと、77条の枠が丸ごと未使用のまま残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用の仕組み | 国保法77条の減免・徴収猶予:申請主義。出さなければ適用されない | 施行令に基づく法定軽減(7割・5割・2割):所得申告があれば自動適用 地方税法717条の国民健康保険税の減免:保険税方式を採る自治体で申請により適用 |
| 基準を決める主体 | 各市町村の条例・各国保組合の規約(地域差あり) | 国(政令)による全国一律の所得基準 各市町村の条例(地方税法の枠内) |
| 典型的な適用場面 | 災害、失業、事業の休廃止、所得の著しい減少、医療費の多額支出 | 世帯の総所得が政令基準以下である状態 77条と同趣旨。保険税を選択した自治体での根拠条文が異なる |
| 取りこぼしやすい点 | 納期限前の申請要件を知らず、期分ごと救済の機会を失う | 収入ゼロでも未申告だと軽減が外れ満額請求される 自分の自治体が保険料方式か保険税方式かを確認していない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は単一保険者(中央健康保険署)方式のため、日本のような自治体ごとの減免基準の地域差が生じない。経済的困窮者には分割納付、紓困基金による無利息貸付、所得段階に応じた政府負担といった枠組みで対応する設計になっている
韓国も2000年の統合により単一保険者(国民健康保険公団)方式となり、軽減・免除の基準は全国一律で法令が定める。日本のように基準の定立を地方の条例に委ねる構造を採っていない点が最大の相違
ドイツでは保険者(Krankenkasse)が社会保険料について猶予・不徴収・免除を行いうるが、根拠は連邦法たる社会法典であり、地方自治体の条例に基準を委ねる構造ではない
米国は保険料の減免処分という発想ではなく、税額控除と公的扶助プログラムによる事前の負担軽減で構成する。ただし Medicaid の適格基準は州ごとに大きく異なり、居住地により保障の厚みが変わる点は日本の条例委任と結果的に似た不均一を生む
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤務先の倒産で職を失った。失業保険は出るが、前年の給与ベースで計算された国保料の納付書が届く。ここで知っておくべきは、倒産・解雇による離職(特定受給資格者)なら前年給与を100分の30とみなす軽減が別枠で存在し、それとは別に77条に基づく条例減免も申請できるという二層構造だ。窓口で「軽減の対象です」と言われて安心すると、減免の方を取りこぼす
- 台風で自宅が半壊し、当面の生活費を確保するので精一杯。災害は条例減免のほぼすべての自治体で「特別の理由」に明記される代表例であり、罹災証明書を添えれば全部または一部の免除が通る可能性が高い。ただし多くの自治体は「納期限前の申請」を要件にしている。あと数日で納期限が来る分から先に出さないと、その期分は救えない
- 個人事業主で今年の売上が前年の半分以下に落ちた。前年所得で計算された保険料が重すぎる。所得激減を減免事由に挙げる自治体は多いが、「前年比3割減」「5割減」など数値基準は自治体ごとに違う。自分の市の基準値を確認せずに諦めている人が最も多い層である
- 友人から「国保を何年も滞納していて、保険証が短期証になった」と相談された。減免は過去分にさかのぼれるのか、猶予に切り替えられるのか。答えは自治体の運用次第だが、少なくとも分割納付の相談と徴収猶予の申請は同時に持ち出せる。滞納処分(差押え)が始まる前に窓口へ行くかどうかで、その後の数年が変わる
- もし、あなたが会社を辞めて独立した年に大病を患ったとしたら? 治療費と保険料が同時に襲ってくる。医療費の多額支出を減免事由にしている自治体もあれば、生活保護基準との比較で判断する自治体もある。どちらの構成で申請書を書くかで結果が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自治体サイトで「国民健康保険条例 減免」を検索し、減免事由と割合、申請期限を確認する2. 該当事由の証拠を集める。災害なら罹災証明書、失業なら離職票または雇用保険受給資格者証、所得減少なら前年と本年の収支が分かる資料3. 最初の納期限前に国保担当窓口へ申請書を提出。減免が通らなくても徴収猶予を併願する4. 却下されたら理由を書面で受け取る。減免の可否は行政処分であり、不服があれば審査請求(行政不服審査法)や取消訴訟の対象になりうる
訴えられた側:市町村・国保組合の側として運用する場合。1. 減免は条例または規約の定めが前提であり、条例に根拠のない運用は違法となる2. 「特別の理由」の判断は裁量だが、同種事案での不均衡な取扱いは平等原則違反として争われうる3. 却下処分には理由を提示し、審査請求できる旨の教示を必ず付す(行政不服審査法82条) 4. 減免と法定軽減、徴収猶予の切り分けを申請者に説明し、片方のみの案内で終わらせない
時効(請求できる期限):77条自体に期限の定めはなく、申請期限は各市町村の条例・規約が定める。多くの自治体は当該保険料の納期限前の申請を要件とする。減免却下等の処分に不服がある場合は、国民健康保険審査会への審査請求を、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に行う(行政不服審査法18条、国民健康保険法91条。運用の詳細は最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(条例委任の限界論):本条は減免事由・割合の定立を条例・規約に委ねるが、委任は無制約ではなく、法律の目的である医療保障の確保に反する運用や、同種事案で合理的理由なく異なる取扱いをする運用は、平等原則違反として争われうると解される
通説(申請主義と職権発動):減免は申請に基づく個別処分であり、保険者が所得情報を保有していても職権発動義務までは負わないと解される。一方で、制度の周知や併願案内の不十分さは、行政手続上の説明責任の問題として議論の対象となる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和33年(1958年) 改正:国民健康保険法の全部改正(昭和33年法律第192号)。国民皆保険体制の確立に伴い、市町村を保険者とする強制加入の仕組みが整備され、保険料の賦課徴収及び本条の減免・徴収猶予の授権規定が現行の形で置かれた
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