要点実用新案法 44 条は、無効が再審で回復しても、審決確定後・再審登録前に善意で製造・輸入・取得した物品や善意の実施には権利の効力が及ばないと定める。
Q · 無効になった実用新案を信じて作った在庫、再審で権利が復活したら侵害になるの?
復活前に善意で作った分は守られる
実用新案法 44 条により、無効審決の確定後・再審請求の登録前に善意で輸入・製造・取得した物品、そしてその期間の善意の実施には、再審で回復した実用新案権の効力は及びません。製造に用いる物の生産や、販売のための所持も保護対象です。ただし守られるのはその期間に作った物と行為だけで、権利復活後に新たに製造・販売すれば通常どおり侵害になります。善意(回復を知らなかったこと)と日付を、発注書・通関記録・製造記録で示せるかが分かれ目です。
競合他社の実用新案が無効審判で潰れた。確定したその日から、あなたはその技術を誰でも使える公知の財産だと判断し、設備投資をして製品を量産し、海外から部品を輸入した。ところが数年後、相手が再審で巻き返し、登録が復活する。無効は最初からなかったことになり、理屈の上ではあなたの製造も輸入もすべて過去にさかのぼって権利侵害になりかねない。ここで効いてくるのが実用新案法 44 条だ。無効確定後、再審請求の登録前に、善意で輸入・製造・取得した物品、そして善意でした実施には、復活した実用新案権の効力は及ばない。法が「公的な無効のお墨付きを信じて動いた者」を保護する仕組みである。ただし守られるのはその期間に作った物と行為だけ。復活後に新しく作り続ける自由までは、この条文は与えてくれない。
実用新案法 44 条は再審回復による権利の効力制限を定める規定であり、無効審決の確定後・再審請求の登録前に善意で輸入・製造・取得された物品、および善意の実施・製造用物品の生産や所持に対しては、再審で回復した実用新案権の効力が及ばない旨を規定する。確定審決への信頼を保護する例外規定として機能する。
一度無効が確定した実用新案権が、再審手続によって覆り、登録が復活することです。無効ははじめからなかったことになり、効力が過去にさかのぼります。
あります。確定審決でも再審制度で覆る余地があり、再審が認められれば登録が回復します。だからこそ 44 条が善意の第三者を保護しています。
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で経過情報として確認できます。この登録日が 44 条の善意・悪意を分ける分水嶺になります。
規律内容はほぼ同趣旨で、特許法 175 条は特許権、実用新案法 44 条は実用新案権の再審回復に対する効力制限です。技術の保護対象が違うだけです。
発注書・通関書類・製造記録・契約書の日付で、審決確定後・再審登録前に作ったこと、かつ回復を知らなかったことを示します。日付の記録が生命線です。
作れません。44 条が守るのは保護期間内に作った物と行為だけで、復活後の新規製造は通常どおり侵害になります。在庫の消化と新規製造の間に壁があります。
審決確定後・再審登録前に善意で輸入した物品なら守られます(44 条 1 項)。販売のための所持も同条 2 項三号で保護されます。
復活後の新規製造・販売には実用新案法 27 条で差止請求が可能です。過去の保護期間分は対象外で、争いは将来分に絞られます。
無効確定後、再審請求の登録前に善意で製造・輸入・取得した物品なら、復活した権利の効力は及びません(44 条 1 項)。販売のための所持も守られます(同 2 項三号)。業界裏話ヒント: 守られるのはその在庫限りです。同じ物を復活後に新しく作れば通常どおり侵害になる。「在庫を売り切る」のと「作り続ける」の間に、見えない壁があります
ここでの善意は、再審で権利が復活することを知らなかったという状態を指し、道義的な「悪気の有無」とは違います(44 条)。相手から再審を予告する通知が届いた後の行為は、もう善意とは言えません。業界裏話ヒント: 弁護士が真っ先に調べるのは、あなたがいつ相手の再審の動きを知ったか。内容証明やメールの受信日が、善意・悪意を分ける動かぬ証拠になります
登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産は、善意であれば 44 条 2 項二号で保護されます。部品供給そのものが条文の対象に含まれています。業界裏話ヒント: ただし「製造に用いる物」かどうかの線引きは争いになりやすく、汎用品か専用品かで結論が変わることがあります。専用部品ほど対象として認められやすい一方、侵害の幇助とも紙一重。日付と用途の記録を両方残すのが実務の鉄則です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 44 条:再審回復後、確定後・登録前の善意の過去分に効力が及ばない | — |
| 保護される側 | 無効を信じて動いた善意の第三者 | — |
| 時間的範囲 | 審決確定後 〜 再審請求の登録前 | — |
| 効果 | その期間の物・行為は侵害にならない | — |
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