意匠法 第25条の2
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- 特許庁長官は、裁判所から登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。
- 2.特許法第七十一条の二第二項の規定は、前項の鑑定の嘱託に準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第25条の2は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第25条の2の条文原文は「特許庁長官は、裁判所から登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲について鑑定の嘱託があつたときは、三名の審判官を指定して、その鑑定をさせなければならない。」で始まります。
- 意匠法第25条の2は第一節に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第25条の2の前の条は意匠法第25条です。
- 意匠法第25条の2の次の条は意匠法第26条です。
- 意匠法第25条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第25条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第25条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/25_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法25条の2は、裁判所が登録意匠の類似範囲について鑑定を嘱託したとき、特許庁長官が3名の審判官を指定して鑑定させると定める手続規定である。
Q · 意匠が似ているかどうかは、裁判所だけで決めるの?
いいえ、裁判所は特許庁の審判官3名に鑑定を嘱託できます
意匠法25条の2により、裁判所は登録意匠とその類似範囲について特許庁に鑑定を嘱託できます。嘱託を受けた特許庁長官は3名の審判官を指定し、専門的な鑑定を行わせます。意匠の類似性は需要者の美感という専門的判断を要するため、裁判官だけでは決めきれない場面でこの手続が使われます。鑑定結果は裁判官の心証を強く方向づけますが、最終的な認定は裁判所が行い、当事者には意見を述べる機会も準用手続で確保されています。
解説
自社のヒット商品そっくりの模倣品が、半額で市場に出回り始めた。意匠権の侵害で訴える。だが裁判の核心は、たった一点に集約される。相手の製品は、あなたの登録意匠の範囲、またはそれに類似する範囲に入っているか。この「似ているか」の判断は、需要者の美感という曖昧な物差しで行われ、裁判官も決め手を欠く。そこで効いてくるのが意匠法25条の2だ。裁判所は特許庁長官に鑑定を嘱託でき、長官は3名の審判官を指定して専門的な判断をさせる。意匠の専門家集団が出した鑑定結果は、裁判官の心証を強く方向づける。つまり、あなたの事件の勝敗は、この鑑定をどう引き出し、自社に有利な見方をどう鑑定手続に反映させるかにかかっている。多くの当事者は鑑定が出てから慌てるが、勝負は嘱託の前から始まっている。
法的な位置づけ
意匠法25条の2は、意匠権侵害訴訟における鑑定嘱託の手続を定める規定である。裁判所が登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲について鑑定を嘱託した場合、特許庁長官は3名の審判官を指定してその鑑定を行わせる義務を負う。特許法71条の2第2項が準用され、当事者に意見陳述の機会が保障される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登録意匠の図面を開き要部を特定する 自社の登録意匠の願書図面・写真を再確認し、需要者の注意を最も引く要部(デザインの核心)がどこかを整理する。要部の把握が攻めも守りも左右する
- 2.相手製品と要部を対比し類似性主張を組む 相手製品と自社登録意匠の要部を並べ、需要者の美感から類似と言えるかの主張を構築する。公知意匠との違いも整理して要部の独自性を裏づける
- 3.侵害訴訟を提起し鑑定嘱託の必要性を主張する 意匠権侵害訴訟を提起し、類似性判断が高度に専門的であることを裁判所に印象づけ、25条の2による特許庁への鑑定嘱託を促す。不利な心証が固まる前に働きかける
- 4.準用手続で鑑定に有利な材料を提出する 鑑定嘱託が決まったら、特許法71条の2第2項が準用する意見陳述の機会を使い、公知意匠との対比や要部の根拠を鑑定確定前に提出する。結果が出てからの反論より力が大きい
- 5.差止と損害賠償を並行請求する 類似性が認定される見込みが立てば、差止(意匠法37条)と損害賠償(意匠法39条の推定規定を活用)を併せて請求する
よくある質問 AI による整理
Q1意匠の鑑定嘱託とは何ですか?
裁判所が登録意匠とその類似範囲の判断について、特許庁に専門的な鑑定を求める手続です。意匠法25条の2が根拠で、嘱託を受けた特許庁長官が3名の審判官を指定します。
Q2意匠権侵害の類似性は誰が判断しますか?
最終的には裁判所が認定しますが、類似性は需要者の美感という専門的判断を要するため、25条の2により特許庁の審判官3名の鑑定に大きく依存する場面があります。
Q3特許庁の鑑定には何名の審判官が関わりますか?
3名です。意匠法25条の2により、裁判所から鑑定の嘱託があると特許庁長官が3名の審判官を指定し、合議で鑑定を行わせます。
Q4意匠法25条の2の鑑定嘱託は拒否できますか?
嘱託を受けた特許庁長官には3名の審判官を指定して鑑定させる義務があり、拒否はできません。ただし当事者は準用手続で意見を述べられます。
Q5意匠の判定制度と鑑定嘱託の違いは?
判定(25条)は当事者の請求で特許庁が意匠の範囲を判断する制度、鑑定嘱託(25条の2)は訴訟中に裁判所が特許庁へ求める手続です。開始する主体が異なります。
Q6鑑定嘱託の費用は誰が負担しますか?
訴訟費用の一部として扱われ、原則として敗訴当事者が負担します。具体的な費用の予納や配分は裁判所の訴訟指揮に従います。
Q7意匠の要部とは何ですか?
意匠の中で需要者の注意を最も引く核心部分です。類似判断は要部の共通性を中心に行われ、要部が異なれば全体の印象も非類似と評価されやすくなります。
Q8意匠侵害訴訟はどのくらい時間がかかりますか?
事案により異なりますが、鑑定嘱託が入ると数か月単位で長期化することがあります。早期の要部整理と証拠準備が審理短縮の鍵です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1意匠権って、ちょっとデザインを変えれば回避できるんじゃないですか?
そう単純ではありません。意匠法24条2項は、類似かどうかを需要者の視覚を通じて起こさせる美感で判断するとしており、細部をいじっても全体の美感が同じなら類似範囲に入ります。逆に要部(デザインの核心)が違えば非類似です。実務のポイント:要部がどこかは登録意匠の図面と出願経過で決まり、25条の2の鑑定では特許庁の審判官3人がまさにそこを見ます。訴訟前に自社図面の要部を把握しているかどうかで、攻めも守りも全く変わる
Q2裁判所が特許庁に鑑定を頼んだら、もう結果は覆せないんですか?
覆せる余地はあります。25条の2第2項が特許法71条の2第2項を準用し、当事者が手続で意見を述べる機会が確保されています。鑑定結果は強い証拠ですが、裁判官を法的に拘束する絶対のものではなく、最終判断は裁判所が下します。実務のポイント:鑑定が出てから反論するのは劣勢からのスタートです。鑑定人の判断が固まる前に、公知意匠との対比など有利な材料を意見として入れておくのが定石。鑑定を待つ側ではなく、鑑定を動かす側に回る
間違えやすい点 AI による整理
- 「似ているかどうかは裁判官が自分で決める」と思っているが、実際は専門家の鑑定に大きく依存する局面がある。あなたから見れば裁判官の心証が全てだが、手続から見れば指定された審判官3人の判断が先に勝敗の輪郭を描いている。この視点の落差が、無防備な当事者を不意打ちする
- 意匠権を持っていれば似た製品は全部排除できると知ってはいるが、その「似ている」の範囲がいかに狭く、いかに専門的に争われるかを甘く見ている。登録時に提出した図面の一本の線、要部の取り方一つで、類似範囲は大きく伸び縮みする
- 「鑑定は中立だから当事者には何もできない」と思い込んでいるが、25条の2第2項が準用する手続では当事者が意見を述べる機会が確保されている。鑑定をただ待つという問いの立て方そのものが誤りで、鑑定にどう働きかけるかが本当の論点だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の開始主体 | 25条の2:裁判所が特許庁に鑑定を嘱託 | 25条(判定):当事者が特許庁に判定を請求 24条:類似判断の基準(手続でなく実体基準) |
| 判断する場面 | 意匠権侵害訴訟の係属中 | 訴訟の有無を問わず当事者が任意に請求 常に類似判断の前提として適用 |
| 結果の拘束力 | 有力な証拠、裁判所の自由心証を法的に拘束しない | 行政判断で法的拘束力なし、参考資料 解釈基準そのもの |
| 関与する特許庁の体制 | 長官が指定する審判官3名の合議 | 審判官の合議体 ―(基準規定のため体制なし) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾はIP裁判所に技術審査官を配置し専門的争点の判断を補助させる。特許庁への外部嘱託でなく裁判所内部の専門補助である点が日本と異なる。
ドイツは一般の鑑定手続で裁判所が専門家(Sachverständiger)を選任する。特許庁への嘱託ではない点が日本と異なる。
米国は裁判所選任の専門家制度があるが、意匠特許侵害では当事者の専門家証言が中心で、特許商標庁への鑑定嘱託は制度化されていない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自社デザインの家電が大ヒットした直後、形状をわずかに変えただけの競合品が安値で流通し始めた。意匠権侵害で提訴したが、相手は「全体の印象が違う」と非類似を主張。裁判官が類似性を測りかねた局面で、25条の2の鑑定嘱託が決定打になる。誰が鑑定人になり、何を見るかで、差止が通るかどうかが決まる
- あなたが製造業者で、他社の登録意匠に「似ているが少し違う」製品を販売しているとして警告書が届いた。被告側に立ったとき、相手の登録意匠の類似範囲がどこまで及ぶかは、最終的に特許庁の審判官3人の鑑定で線引きされうる。あなたが「これくらいなら大丈夫」と引いた線と、専門家の線は別物だ
- もし、訴訟の途中で裁判官が「この類似性判断は高度に専門的だ」と感じたら、何が起きるか。裁判所は職権で特許庁に鑑定を嘱託し、3名の審判官が指定される。鑑定の方向が固まる前に有利な材料を入れられるのは、あと数週間という手続の窓だけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社の登録意匠の図面・写真を再確認し、要部(デザインの核心となる見どころ)を特定する2. 相手製品と要部を対比し、需要者の美感から類似と言えるかの主張を組む3. 侵害訴訟を提起し、類似性判断が専門的であることを裁判所に印象づけ、25条の2の鑑定嘱託を促す4. 嘱託が決まれば、準用される意見手続で公知意匠との対比や要部の根拠を提出し、鑑定を有利に方向づける5. 並行して差止と損害賠償(意匠法37条、39条)を請求する
訴えられた側:1. まず相手の登録意匠の範囲を、願書の図面に基づき狭く解釈できないか検討する(意匠法24条) 2. 自社製品との非類似、つまり要部が異なる、全体の美感が異なることを示す材料を集める3. 相手の意匠が出願前から公知だった、ありふれた形態だと示せれば、類似範囲が狭まり非侵害に近づく4. 鑑定嘱託の手続では、準用される意見陳述の機会を使い、非類似の根拠を専門家に届ける5. 登録自体を崩す無効審判(意匠法48条)の可能性も並行して検討する
時効(請求できる期限):この鑑定手続自体に固有の出訴期限はないが、訴訟の進行に従い嘱託を求めるタイミングは限られる。前提となる侵害に基づく損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。差止請求は意匠権の存続期間中に行使する(現行は出願日から25年、最新の改正状況をご確認ください)。鑑定への意見提出は手続で定められた期間内に行う
学説
通説:本条の鑑定は裁判所の嘱託に基づく専門判断であり、鑑定結果は有力な証拠となるが、裁判所の自由心証を法的に拘束するものではないと解される。特許法71条の2第2項の準用による当事者の意見陳述機会の保障により、手続的公正が図られる。
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