受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

意匠法 第31条(意匠権等の存続期間満了後の通常実施権)

クイックジャンプ
  1. 意匠登録出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その意匠権の存続期間が満了したときは、その原意匠権者は、原意匠権の範囲内において、当該意匠権又はその意匠権の存続期間の満了の際現に存する専用実施権について通常実施権を有する。
  2. 2.前項の規定は、意匠登録出願の日前又はこれと同日の出願に係る特許権又は実用新案権がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その特許権又は実用新案権の存続期間が満了したときに準用する。

この条文の基本情報

意匠権等の存続期間満了後の通常実施権とは何ですか?

定義意匠権等の存続期間満了後の通常実施権とは、意匠法第31条に定められた規定で、「意匠登録出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その意匠権…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 意匠法第31条(意匠権等の存続期間満了後の通常実施権)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
  2. 意匠法第31条の条文原文は「意匠登録出願の日前又はこれと同日の意匠登録出願に係る意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願に係る意匠権と抵触する場合において、その意匠権…」で始まります。
  3. 意匠法第31条は第一節に置かれています。
  4. 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 意匠法第31条の前の条は意匠法第30条です。
  7. 意匠法第31条の次の条は意匠法第32条です。
  8. 意匠法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第31条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125
  • 本サイト収録意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/31

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点意匠法31条は、先願の意匠権・特許権等が後願意匠権と抵触して満了したとき、原意匠権者が原意匠権の範囲内で無償の通常実施権を持つと定める。

Q · 意匠権が満了した後に、後から似た意匠を登録した競合から製造中止を求められたら、もう作れないの?

先願で抵触していれば、満了後も無償で製造を続けられます

意匠法31条により、あなたの意匠権(または特許権・実用新案権)が競合より先に出願され、両者が類似意匠の範囲で抵触していた場合、その権利が満了しても、原意匠権の範囲内で後願の意匠権に対する無償の通常実施権が法律上当然に発生します。申請も登録も不要です。ただし範囲は「原意匠権の範囲内」に厳格に限定され、そこから拡張した新しい意匠には及びません。まず両者の出願日の先後を確認することが出発点です。

解説

自社の意匠権が満了した翌日、競合他社から「うちの登録意匠に抵触するから製造をやめろ」と警告書が届く。多くの経営者はここで青ざめる。だが意匠法31条を握っていれば、慌てる必要はないかもしれない。あなたの意匠権(または特許権、実用新案権)が相手より先に出願されていて、両者が「類似意匠」の範囲で重なっていた場合、あなたの権利が満了しても、あなたは原意匠権の範囲内で、相手の意匠権に対する通常実施権(無償で使い続けられる法律上当然の権利)を持つ。つまり、自分が先に投資して築いた事業を、後から重なってきた他人の権利で止められることはない。条文は「原意匠権者は通常実施権を有する」と書く。申請も登録も要らず、権利の満了と同時に自動で発生する。知らなければ脅しに屈し、知っていれば堂々と製造を続けられる、その分かれ目がこの一条にある。

法的な位置づけ

意匠法31条は、存続期間満了後の法定通常実施権を定める規定である。先願または同日の意匠権・特許権・実用新案権が後願の意匠権と抵触して満了した場合、原意匠権者は原意匠権の範囲内で当該意匠権について無償の通常実施権を取得する。申請・登録を要さず、権利満了と同時に発生する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.自社と競合の出願日の先後を確認 特許庁の J-PlatPat や登録原簿で、満了した自社権利と相手の意匠権の出願日を並べて照合する。自社が先願または同日であれば31条の射程内に入る
  2. 2.抵触範囲の証拠を固める 両者が「登録意匠に類似する意匠に係る部分」で抵触していた事実を、出願経過・図面・審査記録で立証できるよう整理する
  3. 3.回答書で31条の法定通常実施権を主張 相手の警告書には、31条の法定通常実施権の存在と出願日の先後を明記した回答書で応じる。当然対抗制度により登録なしで対抗できる旨も添える
  4. 4.自社の実施が原意匠権の範囲内か点検 自社の製造が「原意匠権の範囲内」に収まっているか確認する。範囲を超える新規展開は別途権利処理し、越境した瞬間に本物の侵害になるリスクを避ける

よくある質問 AI による整理

Q1意匠法31条とは何ですか?

存続期間が満了した先願の意匠権等について、原意匠権者が原意匠権の範囲内で後願意匠権に対する無償の通常実施権を持つと定めた規定です。申請・登録は不要で、満了と同時に当然に発生します。

Q2存続期間満了後の通常実施権とは?

先願の権利が満了したとき、原権利者が引き続き無償で実施できる法律上当然の権利です。後から重なった他人の意匠権では、原意匠権の範囲内の実施を止められません。

Q3法定通常実施権はいつ発生しますか?

先願・抵触という要件を満たした権利が満了した時点で、法律上当然に発生します。申請期限や行使期限はなく、行政手続も不要です。ただし主張には出願経過の証拠が必要です。

Q4原意匠権の範囲内とはどこまでですか?

満了した意匠権でカバーされていた登録意匠とその類似範囲を指します。そこから拡張した新規意匠には及ばず、範囲を超えて実施すると後願意匠権の侵害になる余地があります。

Q5特許権が満了した場合も意匠権を止められませんか?

止められません。意匠法31条2項が、先願の特許権・実用新案権が後願意匠権と抵触して満了した場合に1項を準用します。形状に技術と美観が同居する製品で特に重要です。

Q6意匠法31条と32条の違いは何ですか?

31条は原意匠権者本人が得る実施権、32条は満了時に現存した専用実施権者・通常実施権者が得る実施権です。保護される主体が異なりますが、いずれも原権利の範囲内に限定されます。

Q7出願日の先後はどうやって確認しますか?

特許庁の出願経過情報(J-PlatPat)や登録原簿、審査記録で両者の意匠登録出願日を照合します。自社が先願または同日であることが31条適用の前提です。

Q8意匠権が満了しそうなとき事前に準備すべきことは?

自社の出願日と競合意匠権の抵触範囲を満了前に社内で確定し、出願経過・図面・審査記録を保全しておくことです。満了後に警告書が来てから調べるより交渉の主導権を握れます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちの意匠権が切れたら、似た意匠を登録してる競合に製造を止められますか?

あなたの意匠権の方が先に出願されていて、両者が類似意匠の範囲で抵触していたなら、止められません。意匠法31条1項により、満了後も原意匠権の範囲内で無償の通常実施権を持つからです。実務のポイント:弁理士はこの31条を「満了後の保険」と呼ぶことがありますが、依頼者から聞かれない限り積極的に説明しません。満了が近づいたら、自社と競合の出願日の先後を必ず確認しておくと、警告書が来ても動じずに済みます

Q2特許が切れた場合でも同じ理屈が使えるんですか?

使えます。意匠法31条2項が、先願の特許権または実用新案権が意匠権と抵触して満了した場合に1項を準用します。先に取った特許が切れても、後から重なる意匠権で製造を止められない構造です。実務のポイント:形状に技術的機能と美的特徴が同居する製品では、特許切れ後の意匠権が落とし穴になりやすい。特許満了を迎える前に、競合の意匠登録状況も合わせて調べておくのが実務の勘どころです

Q3この通常実施権は登録しないと使えないんですか?

登録は不要です。意匠法31条の通常実施権は法律上当然に発生し、意匠法28条3項が準用する特許法の当然対抗制度により、登録なしで意匠権者やその譲受人に対抗できます。実務のポイント:相手が意匠権を第三者に売却して「新しい権利者には対抗できないだろう」と揺さぶってくることがありますが、当然対抗制度がある以上その揺さぶりは通用しません。出願経過の記録さえ保存していれば、権利者が変わっても実施権は守られます

間違えやすい点 AI による整理

  • 「権利が切れたら相手の権利が優先するから自分はもう使えない」と問いを立てる人が多いが、その問いの立て方自体がずれている。31条が問うのは「どちらの権利が優先か」ではなく「どちらが先に出願したか」。出願日の先後と抵触範囲が決め手で、満了後の優劣が決め手なのではない
  • 31条の通常実施権を知っていても、その範囲が「原意匠権の範囲内」に厳格に限定される点を見落とす人が多い。満了した権利でやっていたことは続けられるが、そこから拡張した新しい意匠には及ばない。範囲を踏み越えた瞬間、今度は本物の侵害になる
  • 「この権利は登録しないと相手に対抗できない」と思われがちだが、通常実施権は2011年(平成23年)改正で導入された当然対抗制度により、登録なしで意匠権者やその譲受人に対抗できる。登録を待つ間に意匠権が他人へ移転しても、あなたの実施権は消えない
比較の観点この条文ほかの条文
権利を得る主体31条:原意匠権者(先願の意匠権者本人)32条:先願意匠権の専用実施権者・通常実施権者
特許法81条:原特許権者(意匠権と抵触する先願特許)
発生原因先願・同日の意匠権/特許権/実用新案権が抵触し満了同じ先願意匠権が満了(実施権者側の保護)
先願の特許権が後願意匠権と抵触し満了
効果後願意匠権に対する無償の通常実施権満了時に現存した実施権の範囲で通常実施権
後願意匠権に対する通常実施権
範囲の限定原意匠権の範囲内原権利で有していた実施権の範囲内
原特許権の範囲内

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
專利法 設計專利章

台湾の設計専利には本条と完全対応する満了後法定実施権の明文は確認しづらく、機能的に近いのは先使用権(不受專利權效力所及)である。

韓国
디자인보호법

韓国のデザイン保護法は日本の意匠法を強くモデルにしており、存続期間満了後の通常実施権に相当する規定を持つと解されるが、具体的条文番号は要検証。

ドイツ
(対応規定 未確認)

ドイツ意匠法(DesignG)に本条と直接対応する満了後法定実施権の明文があるかは確認できず。特許法の先使用権(Vorbenutzungsrecht)は性質が異なる。

アメリカ
35 U.S.C. §171(Design Patents)

米国のデザイン特許制度には、先願権利の満了に伴う法定の無償実施権という日本型の枠組みは存在しないと解される。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、自社の意匠権が満了した直後に、後願の意匠権者から製造中止を求められたら? 出願日があなたの方が先で、両者が類似意匠の範囲で重なっていたなら、31条であなたは無償で製造を続けられる。生産ラインを止める前に、まず両者の出願日を確認する
  • あなたが後から意匠権を取得した側で、先願の意匠権が切れた競合に「もう使えないはずだ」と通告した。だが相手は31条の通常実施権を持っていて、あなたの権利では止められない。逆に、根拠のない警告として責任を問われる余地すら出てくる
  • 先に出願した特許が満了した。後から重なる意匠権が残っている。それでも2項で、あなたは作り続けられる
  • 競合の代理人から「14日以内に製造を停止せよ」との内容証明。期限内に31条の法定通常実施権の存在と出願日の先後を回答書で示せれば、相手の請求は根拠を失う。証拠は出願経過にすべて残っている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 自社の満了した権利と相手の意匠権の出願日を並べ先後を確認、自社が先願または同日なら31条の射程内2. 両者が「類似意匠に係る部分」で抵触していた事実を、出願経過・図面・審査記録で固める3. 相手の警告書には、31条の法定通常実施権の存在と出願日の先後を明記した回答書で応じる4. 自社の実施が「原意匠権の範囲内」に収まっているか確認、範囲を超える新規展開は別途権利処理する

訴えられた側:1. 相手が31条を主張してきたら、本当に相手の権利の出願日が自分より先か同日かを審査記録で検証、後願なら31条は成立しない2. 抵触が「登録意匠に類似する意匠に係る部分」に限られるか、相手の実施が原意匠権の範囲を超えていないか精査3. 範囲を超えた実施には差止・損害賠償の余地が残る4. 安易な製造中止警告は、相手から根拠なき警告として責任を問われうるので、出願日の先後を確認してから動く

時効(請求できる期限):この通常実施権は、先願・抵触という要件を満たした権利の満了と同時に法律上当然に発生する。申請期限や行使期限は存在しない。ただし主張するには出願経過と抵触関係の証拠が要るので、満了前から記録を保全しておくことが実務上の分水嶺となる

学説

通説:31条の法定通常実施権は、先願・抵触・満了の要件を満たせば法律上当然に発生する無償の権利であり、その射程は『原意匠権の範囲内』に厳格に限定される。範囲を超える新規意匠の実施には及ばず、越境した部分は後願意匠権の侵害を構成しうると解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:現行意匠法(昭和34年法律第125号)制定に伴い、存続期間満了後の通常実施権に関する規定が整備された。
  2. 2.平成23年(2011年) 改正:特許法等改正により通常実施権の当然対抗制度が導入され、登録なしで意匠権者やその譲受人に対抗できることとなった。31条の実施権もこの当然対抗の枠組みで保護される。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

意匠法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›