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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

意匠法 第28条(通常実施権)

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  1. 意匠権者は、その意匠権について他人に通常実施権を許諾することができる。
  2. 2.通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をする権利を有する。
  3. 3.特許法第七十三条第一項(共有)、第九十七条第三項(放棄)及び第九十九条(通常実施権の対抗力)の規定は、通常実施権に準用する。

この条文の基本情報

通常実施権とは何ですか?

定義通常実施権とは、意匠法第28条に定められた規定で、「意匠権者は、その意匠権について他人に通常実施権を許諾することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 意匠法第28条(通常実施権)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
  2. 意匠法第28条の条文原文は「意匠権者は、その意匠権について他人に通常実施権を許諾することができる。」で始まります。
  3. 意匠法第28条は第一節に置かれています。
  4. 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 意匠法第28条の前の条は意匠法第27条です。
  7. 意匠法第28条の次の条は意匠法第29条です。
  8. 意匠法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第28条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125
  • 本サイト収録意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/28

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点意匠法28条は、意匠権者が他人に通常実施権(非独占の使用許諾)を与えられると定める。許諾は登録意匠とこれに類似する意匠に及び、3項は特許法99条の当然対抗を準用する。

Q · 契約書の「専用実施権」と「通常実施権」、どちらにマルがついているかで何が変わるの?

通常実施権は非独占。独占も差止権もなく、他社にも許諾されます。

意匠法28条の通常実施権は非独占の使用許諾です。意匠権者は同じデザインを他社にいくつでも許諾でき、自分でも実施し続けられます。あなたが得るのは「使ってよい」という許可であって「他人を締め出す力」ではありません。2項により許諾は登録意匠だけでなく類似意匠にも及び、3項が準用する特許法99条により、2012年4月以降は登録なしでも後発の意匠権取得者に当然対抗できます。独占したいなら27条の専用実施権が必要です。

解説

新商品の見た目を、他社が登録した意匠を借りて作りたい。あるいは自分が登録した意匠を、提携先のメーカーに使わせて使用料を取りたい。その場面で結ばれるのが意匠法28条の通常実施権だ。契約書には「専用実施権」と「通常実施権」という二つの選択肢が並んでいるが、その差は天と地ほど開く。通常実施権は非独占。意匠権者は同じデザインを他社にも何社でも許諾でき、自分自身でも実施し続けられる。あなたが受け取るのは「使ってよい」という許可であって、「他人を締め出せる力」ではない。さらに2項は、その権利が登録意匠だけでなく「これに類似する意匠」にまで及ぶと定める。意匠法特有の類似範囲が、許諾の範囲にもそのまま入ってくる。そして3項が准用する特許法99条には、知らないと数百万円を失う仕掛けが隠れている。あなたが受け取った許諾の正体を、サインの前に確かめておく価値がある。

法的な位置づけ

意匠法28条の通常実施権は、意匠権者が他人に付与する非独占的な実施許諾である。通常実施権者は、法律の規定または設定行為で定めた範囲内において、業として登録意匠およびこれに類似する意匠を実施する権利を有する。意匠権者が同一意匠を複数者に許諾でき自らも実施できる点で、専用実施権(27条)と区別される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.許諾の種類を最初に確定する 契約書の許諾条項を開き、「専用実施権(27条)」か「通常実施権(28条)」か、通常実施権なら独占的か非独占かを確定する。口頭の「独占」約束は無視し、条文の文言だけで判断する
  2. 2.独占と差止の手当てを交渉で盛り込む 独占が欲しければ「独占的通常実施権」と明記し、あわせて意匠権者の差止請求権行使義務と損害賠償請求権の代位条項を入れさせる。許諾を受けた後では立場が弱くなり通りにくいため、交渉の入口で決める
  3. 3.許諾範囲を図面付きで特定する 「登録意匠又はこれに類似する意匠」の範囲は主観が入りやすいため、実施できるデザイン・製品・地域・数量・期間を図面付きで具体的に契約に落とし込み、後日の類似範囲の争いを防ぐ
  4. 4.当然対抗を立証できる証拠を残す 意匠権が第三者に譲渡されても事業を続けられるよう、許諾日が譲渡日より前であることを示す契約書・支払記録・確定日付を確保する。特許法99条の準用により登録は不要だが前後関係の立証は必要

よくある質問 AI による整理

Q1意匠権の通常実施権とは何ですか?

意匠権者が他人に与える非独占の使用許諾です(意匠法28条)。許諾を受けた者は設定行為の範囲で登録意匠と類似意匠を業として実施できますが、独占はできません。

Q2独占的通常実施権と普通の通常実施権はどう違いますか?

独占的通常実施権は「他社に許諾しない」旨を契約で加えた通常実施権です。債権的な独占にとどまり、専用実施権のような差止権や登録による物権的効力はありません。

Q3意匠のライセンス料はどう決まりますか?

法定の相場はなく、当事者の合意で決まります。定額のロイヤリティ、売上比例のランニングロイヤリティ、一時金など形態は自由で、独占性や許諾範囲によって水準が変わります。

Q4通常実施権は他人に譲渡できますか?

意匠権者の承諾があるか、実施の事業とともに移転する場合などに限り移転できます(特許法94条準用)。自由に転売できるわけではありません。

Q5意匠権が満了したらライセンスはどうなりますか?

意匠権が存続期間満了で消滅すると、そのデザインは公有となり誰でも自由に実施できます。前払いした使用料が無駄にならないよう残存期間の確認が重要です。

Q6先使用による通常実施権とは何ですか?

他人の意匠登録出願前から独自にその意匠を実施していた者に、契約なしで法律上認められる通常実施権です(意匠法29条)。28条の許諾とは発生原因が異なります。

Q7共有の意匠権を単独で他社にライセンスできますか?

できません。3項が準用する特許法73条1項により、共有者は他の共有者全員の同意がなければ第三者に通常実施権を許諾できません。

Q8画像デザインやアプリ UI もライセンスの対象になりますか?

なります。2019年改正で画像デザインや UI が意匠登録の対象になったため、その通常実施権を受けて自社サービスに組み込む取引が現実に行われています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1専用実施権と通常実施権って、結局どう違うんですか?

専用実施権(意匠法27条)はその範囲で意匠権者すら実施できなくなる独占的な権利で、設定登録が効力発生要件です。通常実施権(28条)は非独占で、意匠権者は他社にも許諾でき自分でも実施できます。実務のポイント:専用実施権者は自分の名前で差止訴訟を起こせますが、通常実施権者は原則できません。「独占的に使いたい」なら通常実施権では足りず、専用実施権の設定登録まで踏み込む必要がある

Q2ライセンス契約、特許庁に登録しておかないと意味ないって本当ですか?

2012年4月以降は誤りです。特許法99条(意匠法28条3項で准用)の当然対抗制度により、通常実施権は登録しなくても、後から意匠権を取得した第三者に当然に効力を持ちます。実務のポイント:かつては登録が対抗要件で、登録を怠ったライセンシーが意匠権の譲受人に事業を止められる事故が実際にありました。今は不要ですが、許諾日が譲渡日より前だったことを示す証拠は残しておくべきです

Q3ライセンスを受けた商品の模倣品が出回ったら、自分で訴えられますか?

通常実施権者には差止請求権がないため、原則として自分の名前で模倣業者を訴えることはできません。差止を求められるのは意匠権者か専用実施権者です(意匠法37条参照)。実務のポイント:契約時に「意匠権者は侵害に対し差止請求権を行使する義務を負う」「損害賠償請求権を代位行使できる」と書き込んでおくと、いざという時に権利者を動かす根拠になる。後から交渉してもまず通りません

Q4「登録意匠又はこれに類似する意匠」って、どこまで使っていいんですか?

意匠法は登録した意匠そのものだけでなく、需要者の視覚を通じて似ていると評価される類似意匠まで権利範囲とします(28条2項、23条)。許諾を受ければその類似範囲まで業として実施できます。実務のポイント:この類似の幅は特許のクレームより主観が入りやすく、実務上、解釈が分かれる論点です。どこまでが許諾範囲かを契約で具体的に図面付きで特定しておかないと、後で権利者と「それは類似の外だ」ともめる

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば「正式に使用許可をもらった」だが、法律から見れば通常実施権は非独占の権利にすぎない。意匠権者は同じデザインを他社にいくつでも許諾でき、自分でも作り続けられる。「独占できる」と思い込んだその落差は、競合が同じ商品を堂々と並べた瞬間に、初めて致命傷として顔を出す
  • 当然対抗の制度は知っていても、差止請求権がないことの深刻さまでは知られていない。模倣品が市場に溢れても、通常実施権者は自分の名前で差止訴訟を起こせない。損害賠償請求の代位を契約で手当てしていなければ、被害を見ているしかなく、頼みの綱は権利者が動いてくれるかどうかだけになる
  • 「ライセンスは特許庁に登録しないと第三者に対抗できない」という前提そのものが、2012年4月1日以降は誤りになった。特許法99条の改正で当然対抗制度が導入され、通常実施権は登録しなくても、後から意匠権を取得した者に当然に効力を持つ。古い解説書や、登録費用を取りたい相手の説明を鵜呑みにすると、不要なコストを払う
比較の観点この条文ほかの条文
独占性28条 通常実施権:非独占。権利者は他社にも許諾でき自らも実施できる27条 専用実施権:独占。権利者すら実施できなくなる
29条 先使用権:非独占。法律上当然に発生する通常実施権
発生要件・効力発生設定行為(契約)により発生。登録は効力要件でない設定登録が効力発生要件(特許庁登録が必須)
出願前からの善意の実施という事実により当然発生
差止請求権原則なし。侵害品を自分の名前で差し止められないあり。専用実施権者は自ら差止訴訟を提起できる
なし
第三者対抗当然対抗(特許法99条準用)で登録なく後発権利者に対抗登録により対抗(登録が公示)
当然対抗(登録不要)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国 專利法第62条・第63条

台湾は設計專利を専利法内で扱い、非専属ライセンスの許諾と対抗要件を規定。日本の通常実施権に相当する非独占許諾を認める

韓国
대한민국 디자인보호법 제99조

韓国はデザイン保護法で通常実施権を独立に規定。専用実施権との二層構造も日本と類似する

ドイツ
DesignG § 31

ドイツは登録意匠のライセンス(排他的・非排他的)を認め、EU 共同体意匠規則とも接続する。非排他的ライセンスが日本の通常実施権に近い

アメリカ
35 U.S.C. § 261

米国はデザイン特許を特許法の枠内で扱い、譲渡・ライセンスを認める。exclusive / non-exclusive の区別は契約解釈に強く依存する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたがデザイナーから人気商品の意匠を「独占的に使える」と聞いてライセンス料を払った後、街で全く同じデザインの競合商品を見つけたら? 契約書が「通常実施権」だった場合、意匠権者が別の会社にも許諾していたとしても、あなたに文句を言う法的根拠はない。「独占」を口頭で約束されても、契約書の一語が現実を決める
  • あなたが製造業で、ある登録意匠の通常実施権を受けて量産ラインを組んだ。ところが半年後、意匠権者がその意匠権ごと別の大手に売却した。買い手が「ライセンスは知らない、ラインを止めろ」と通告してくる。2012年4月以降であれば、特許法99条の当然対抗により、あなたは登録なしでも新権利者に対抗でき、操業を続けられる
  • 中国の模倣業者があなたのライセンス商品とそっくりの製品を流し始めた。あなたは通常実施権者として差止訴訟を起こそうとするが、弁護士に「あなたには差止請求権がない」と言われる。訴えられるのは意匠権者か専用実施権者だけ。残された道は、権利者を動かすか、契約の組み方を見直すことだ
  • あと数日で意匠権の存続期間が満了する登録意匠を、相手から「まだ10年使える」と言われてライセンス契約を結ぼうとしている。出願日基準か登録日基準かで残存期間が大きく変わる。期間を確認せずに前払いの使用料を払えば、すぐ自由に使える意匠に金を払うことになる

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず契約書を取り出し、許諾が「専用実施権」か「通常実施権」か、独占的か非独占かを確定する2. 意匠権者が第三者に意匠権を譲渡した場合、特許法99条(意匠法28条3項准用)の当然対抗により、許諾日が譲渡日より前なら登録なしで新権利者に対抗できる。譲渡日との前後関係を立証する資料を確保3. 模倣品被害なら、通常実施権者には差止請求権がないため、意匠権者に権利行使を求める。契約に代位条項があればそれを発動4. 権利者が独占の約束に反して他社へ許諾していたら、債務不履行として損害賠償を検討

訴えられた側:1. 意匠権侵害で訴えられたが正当な通常実施権を持つなら、許諾の範囲(登録意匠とこれに類似する意匠、業としての実施)に自分の行為が収まっているかを確認2. 許諾後に意匠権が譲渡され新権利者が訴えてきた場合は、当然対抗を抗弁として主張(特許法99条) 3. 設定行為で定めた範囲(地域・期間・数量・実施態様)を超えていないか精査、超過分だけが侵害となりうる4. 許諾の事実と範囲を示す契約書・支払記録を証拠として整える

時効(請求できる期限):通常実施権そのものに固有の時効はないが、その権利は意匠権の存続期間に拘束される。意匠権の存続期間は、令和2年(2020年)4月1日以降の出願は出願日から25年、それ以前は設定登録から20年(最新の改正状況をご確認ください)。許諾範囲外の実施に対する意匠権者の損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)

学説

通説:28条の通常実施権は非独占の債権的許諾と解され、意匠権者は同一意匠を複数者に許諾でき自らも実施できる。通常実施権者には固有の差止請求権はなく、独占を望む場合は専用実施権(27条)の設定または独占的通常実施権の特約による。許諾範囲は2項の「登録意匠又はこれに類似する意匠」に及ぶ。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成23年(2011年) 改正:特許法99条改正により通常実施権の当然対抗制度を導入。意匠法28条3項の準用を通じ、意匠の通常実施権も登録なく第三者に対抗可能となった(2012年4月1日施行)
  2. 2.令和元年(2019年) 改正:画像デザインおよび建築物・内装の意匠が登録対象に追加され、令和2年(2020年)4月1日以降の出願は存続期間が出願日から25年に延長。通常実施権の対象となるデザインの範囲が拡大した

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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