意匠法 第60条の3(国際登録出願)
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- 日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人は、特許庁長官に意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定(以下「ジュネーブ改正協定」という。)第一条(vii)に規定する国際出願(以下「国際出願」という。)をすることができる。この場合において、経済産業省令で定める要件に該当するときは、二人以上が共同して国際出願をすることができる。
- 2.前項の規定による国際出願(以下「国際登録出願」という。)をしようとする者は、経済産業省令で定めるところにより外国語で作成した願書及び必要な物件を提出しなければならない。
この条文の基本情報
国際登録出願とは何ですか?
定義国際登録出願とは、意匠法第60条の3に定められた規定で、「日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人は、特許庁長官に意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定(以下「ジュネ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第60条の3(国際登録出願)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第60条の3の条文原文は「日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあつては、営業所)を有する外国人は、特許庁長官に意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定(以下「ジュネ…」で始まります。
- 意匠法第60条の3は第一節に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第60条の3の前の条は意匠法第60条の2です。
- 意匠法第60条の3の次の条は意匠法第60条の4です。
- 意匠法第60条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/60_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法60条の3は、日本国民等が特許庁長官にハーグ協定に基づく意匠の国際出願をできると定める。英語の願書一通で複数国に一括して意匠登録を求められる。
Q · 海外でもデザインを守りたいけど、国ごとに出願しなきゃダメ?
英語の願書一通で複数国に意匠を一括出願できる制度がある
意匠法60条の3により、日本国民または日本に住所・居所(法人は営業所)を持つ外国人は、特許庁長官にハーグ協定ジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際出願ができます。英語で作成した願書一通を特許庁に提出すれば、WIPO を経由して指定した複数の国・地域に一括で意匠登録を求められ、国ごとに代理人を立てる必要はありません。ただし国際登録は入口にすぎず、各指定国が自国基準で審査し拒絶できる点に注意が必要です。
解説
あなたが小さな雑貨メーカーの経営者で、自社のオリジナル商品が海外でも売れ始めたとする。ある日、東南アジアの通販サイトで自社デザインの偽物が堂々と並んでいるのを見つける。海外で意匠(商品の見た目のデザイン)を守るには国ごとに代理人を雇って別々に出願するしかない、費用が数百万円かかる、だから諦める。多くの中小企業がここで止まる。だが意匠法60条の3は、別の扉を開ける。日本国民、または日本に住所・居所(法人なら営業所)を持つ外国人は、特許庁長官にハーグ協定ジュネーブ改正協定に基づく国際出願ができる。英語で作成した願書一通を特許庁に出せば、そこから世界知的所有権機関(WIPO)を経由して、指定した複数の国に一括で意匠登録を求められる。国ごとにバラバラの代理人を立てる必要はない。一定の要件を満たせば、二人以上の共同出願も可能だ。海外展開を考えるあなたが、最初に知っておくべき制度がこれである。
法的な位置づけ
意匠法60条の3は、意匠の国際出願(国際登録出願)を定める規定である。日本国民または日本国内に住所・居所を有する外国人(法人は営業所)が、特許庁長官を通じてハーグ協定ジュネーブ改正協定に基づく国際出願を行い、外国語で作成した願書により複数の指定国へ意匠保護を求める手続を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.保護したい国・地域を先に絞る 全世界を闇雲に指定せず、実際に製造・販売・展開する国に絞る。指定国ごとに手数料と審査リスク(拒絶通報の可能性)が異なるため、事業計画と連動させて選定する
- 2.国内出願からの優先権期間(6か月)を確認 日本で先に意匠出願している場合、その出願日から6か月以内であればパリ条約の優先権を主張し、出願日を全指定国にさかのぼらせられる。残り日数を逆算する
- 3.英語の願書を弁理士に依頼して作成 意匠法60条の3第2項に基づき、外国語(実務上は英語)で作成した願書と必要な物件を用意する。ハーグ制度と指定国実務に慣れた弁理士に作成を依頼するのが確実
- 4.特許庁経由か WIPO 直接出願かを選び提出 60条の3の特許庁経由(間接出願)と、WIPO 国際事務局への直接出願のいずれかを選択する。直接出願の方が処理が速く手数料を抑えられる場合がある
- 5.公開の前に出願を完了させる 展示会・SNS・クラウドファンディング・販売などの公開行為より前に出願を済ませる。公開が先行すると、新規性喪失の猶予がない指定国で権利が取れなくなる
- 6.各指定国の拒絶通報の期限を管理 国際登録後、各指定国は自国基準で審査し、おおむね6〜12か月以内に拒絶を通報できる。国ごとの期限を一覧で管理し、拒絶通報が来たら現地代理人を通じて対応する
よくある質問 AI による整理
Q1ハーグ協定とは何ですか?
意匠(デザイン)の国際登録を一元的に行うための国際条約です。日本はジュネーブ改正協定に加入しており、一通の国際出願で複数の締約国を指定して意匠保護を求められます。
Q2意匠の国際登録出願はどこに提出しますか?
特許庁長官を経由する間接出願と、WIPO 国際事務局へ直接提出する直接出願の二通りがあります。60条の3は特許庁経由のルートを定めた規定です。
Q3意匠の国際出願は何カ国まで指定できますか?
ジュネーブ改正協定の締約国・地域(90以上)から必要な国を選んで指定できます。全世界を闇雲に指定せず、実際に販売する国に絞るのが実務の基本です。
Q4意匠の国際出願と国内出願の違いは?
国内出願は意匠法6条に基づき日本語の願書で特許庁に出します。国際出願は60条の3に基づき外国語(英語)の願書一通で複数国を一括指定できる点が異なります。
Q5意匠の優先権主張の期限はいつまでですか?
パリ条約の優先権を使う場合、最初の出願日から6か月以内に国際出願をしなければ優先日を確保できません。この6か月を逃すと他者の出願に追い抜かれる恐れがあります。
Q6意匠を公開する前に出願すべきですか?
はい。意匠は新規性が生命線で、展示会・SNS・販売など公開が先行すると、新規性喪失の猶予制度がない指定国では権利が取れなくなります。公開前の出願が原則です。
Q7国際登録されれば各国で自動的に権利が確定しますか?
確定しません。国際登録は入口にすぎず、各指定国が自国基準で審査し拒絶を通報できます。日本を指定した分は意匠法60条の6により日本の審査を受けます。
Q8意匠の国際登録の存続期間はどれくらいですか?
ジュネーブ改正協定に基づく国際登録は原則5年ごとの更新制で、各指定国の国内法が認める範囲まで存続できます。国によって最長保護期間は異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外でもデザインを守りたいんですが、国ごとに出願したら費用がすごいですよね?
国ごとに代理人を立てて個別出願する方式に比べ、意匠法60条の3のハーグ出願なら英語の願書一通で複数国を一括指定でき、費用も手間も大きく下がる。WIPOへの基本手数料と指定国ごとの手数料で済む。実務のポイント:特許庁経由(間接出願)よりWIPOへの直接出願の方が、処理が速く手数料も抑えられる場合がある。指定国を本当に売る国だけに絞ると、総額は驚くほど変わる
Q2国際登録されたら、もう世界中で安心していいんですか?
安心はできない。国際登録は出発点にすぎず、指定した各国・地域はそれぞれ自国の基準で審査し、拒絶を通報できる。日本を指定した分は意匠法60条の6により日本の審査を受ける。実務のポイント:各国の拒絶通報には期限(おおむね6か月、国により12か月)があり、それを過ぎて初めて保護が確定する。国ごとの期限を一覧で管理しないと、いつ権利が固まったか分からなくなる
Q3英語の書類なんて作れません。それでも出願できますか?
出願できる。意匠法60条の3第2項は願書を外国語(実務上は英語)で作成して提出すると定めるが、その作成は弁理士に依頼できる。あなた自身が英語を書く必要はない。実務のポイント:本当の勝負どころは語学ではなく『どの国を指定し、いつ出すか』の戦略だ。弁理士選びでは、ハーグ制度と各指定国の実務に慣れた人かどうかを確かめるとよい
間違えやすい点 AI による整理
- 「国際登録」という言葉から、登録さえされれば世界中で自動的に権利が守られると思いがちだ。だが実際は、国際登録は入口にすぎない。指定した各国・地域はそれぞれ独自に審査し、自国の基準で拒絶できる(拒絶の通報)。日本で通っても、別の国で個別に拒絶される可能性は十分ある。「国際登録された」と「各国で権利が確定した」の間には、見えない審査の壁が国の数だけ立っている
- 「ハーグ制度を使うには必ず特許庁を通さなければならない」と思われているが、違う。日本国民は特許庁経由(間接出願)でも、WIPO国際事務局へ直接出願(直接出願)でもよい。直接出願なら特許庁の取次ぎ段階を省けて早い場合がある。60条の3はあくまで特許庁経由のルートを定めた規定であって、唯一の道ではない
- 「英語ができないから国際出願は無理」という問いの立て方自体がずれている。願書は外国語(実務上は英語)で作るが、それは弁理士に任せられる作業だ。本当に問うべきは『どの国を指定するか』『いつ出すか』という戦略であって、あなた個人の語学力ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の根拠 | 意匠法60条の3:ハーグ協定に基づく国際出願(外国語願書) | 意匠法6条:国内の意匠登録出願(日本語願書) 意匠法60条の6:日本を指定した国際登録を国内出願として審査 |
| 出願先・言語 | 特許庁長官経由または WIPO 直接、外国語(英語) | 特許庁、日本語 国際登録を受けて日本の審査官が審査 |
| カバー範囲 | 指定した複数の締約国・地域を一括 | 日本国内のみ 日本の効力に関する部分 |
| 審査主権 | 各指定国が自国基準で審査・拒絶通報 | 日本の意匠法3条等で審査 日本の登録要件(意匠法3条等)を適用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はハーグ協定に未加入のため、国際一括登録制度がなく、保護したい各国へ個別に設計専利を出願する必要がある。巴黎公約の優先権は利用できる
韓国は2014年にジュネーブ改正協定に加入し、日本と同様に国際デザイン出願制度を整備。指定国審査主権を残す二層構造も共通する
ドイツはハーグ制度に加え EU 共同体意匠(RCD)も利用でき、EU 全域を単一手続でカバーする選択肢がある点が日本と異なる
米国は2015年にハーグ制度へ加入。ただし審査主義が強く、指定国としての米国では実体審査による拒絶通報の割合が高い傾向がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外の展示会で新商品を初公開する予定が3か月後に迫っている。もし展示してから意匠を出願したら、新規性を失って権利が取れない国があるとしたら? 公開前にハーグ出願を済ませるかどうかで、その市場を守れるかが決まる。準備期間を逆算すると、残された時間は実質わずかだ
- あなたがクラウドファンディングで斬新なデザインのガジェットを世界に売り出した。資金は集まったが、3か月後に複数の国で酷似品が現れる。日本でしか意匠登録していなかったあなたは、海外では打つ手が限られる。最初にハーグ出願していれば、指定国で差止めの足場があった
- ヨーロッパの取引先から「御社のデザイン、こちらで別の会社が登録していますよ」と連絡が入る。先を越された。日本の登録は、その国では何の盾にもならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 本当に売る国・地域を先に絞る。指定国ごとに手数料と審査リスクが違うので、全世界を闇雲に指定しない2. 日本で先に意匠出願していれば、その出願日から6か月以内にハーグ出願し優先権を主張する3. 特許庁経由かWIPO直接出願かを選び、英語の願書作成を弁理士に依頼する4. 展示会・SNS・販売など公開の前に出願を済ませ、新規性喪失を防ぐ
訴えられた側:1. 競合に先に国際登録された場合、その登録が各指定国で確定済みか(拒絶通報の有無)を確認する2. 国によっては無効審判や情報提供で覆せる余地があるので、自社が先に公開・使用していた公知資料を集める3. 自社の先使用の証拠を時系列で固める4. 今後の新商品は、公開前にハーグ出願する社内フローへ切り替え、二度と先を越されない体制を作る
時効(請求できる期限):パリ条約の優先権を使うなら、最初の出願日から6か月以内にハーグ出願しなければ優先日を確保できない。意匠は新規性が生命線で、展示・販売・SNS公開の前に出願するのが大原則。公開が先行すると、新規性喪失の猶予制度がない国では権利が取れなくなる
学説
通説:ハーグ協定に基づく国際登録は出願手続を一元化するにとどまり、登録するか否かの実体判断は各指定国に留保される。60条の3は出願ルートを定める手続規定であり、権利の成否は指定国ごとの審査に委ねられる、と一般に理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年)施行 日本のハーグ協定ジュネーブ改正協定への加入に伴い、国際出願に関する特例として新設された章(第6章の2)の中核規定。日本における同協定の発効(2015年5月13日)に合わせて施行された。新設以降の改正の有無は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:日本のハーグ協定ジュネーブ改正協定への加入に伴い、国際出願に関する特例章(第6章の2)の中核規定として新設。日本での同協定発効(2015年5月13日)に合わせて施行された。
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