意匠法 第60条の7(意匠の新規性の喪失の例外の特例)
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- 第四条第二項の規定の適用を受けようとする国際意匠登録出願の出願人は、その旨を記載した書面及び証明書を、同条第三項本文の規定にかかわらず、国際公表があつた日後経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。
- 2.前項に規定する出願人が、その国際出願と同時に証明書をジュネーブ改正協定第一条(xxviii)に規定する国際事務局(以下「国際事務局」という。)に提出したときは、第四条第三項の規定の適用については、証明書をジュネーブ改正協定第十条(2)に規定する国際登録の日に特許庁長官に提出したものとみなす。
この条文の基本情報
意匠の新規性の喪失の例外の特例とは何ですか?
定義意匠の新規性の喪失の例外の特例とは、意匠法第60条の7に定められた規定で、「第四条第二項の規定の適用を受けようとする国際意匠登録出願の出願人は、その旨を記載した書面及び証明書を、同条第三項本文の規定にかかわらず、国際公表があつた日後経済…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第60条の7(意匠の新規性の喪失の例外の特例)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第60条の7の条文原文は「第四条第二項の規定の適用を受けようとする国際意匠登録出願の出願人は、その旨を記載した書面及び証明書を、同条第三項本文の規定にかかわらず、国際公表があつた日後経済…」で始まります。
- 意匠法第60条の7は第二節に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第60条の7の前の条は意匠法第60条の6です。
- 意匠法第60条の7の次の条は意匠法第60条の8です。
- 意匠法第60条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/60_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法60条の7は、国際意匠登録出願で新規性喪失の例外を主張する書面と証明書の提出期限を、国内の出願時ではなく国際公表があった日後の経済産業省令所定期間内と定める特例規定である。
Q · 海外でも意匠を守りたいけど、新規性喪失の例外を主張する証明書の提出期限は国内と同じでいいの?
違います。起算点が『国際公表後』で国内の30日とは別です
意匠法60条の7により、国際意匠登録出願で新規性喪失の例外を主張する書面と証明書は、国内出願の『出願から30日』(意匠法4条3項)ではなく、国際公表があった日後、経済産業省令で定める期間内に特許庁長官へ提出します。さらに国際出願と同時に証明書を国際事務局へ提出しておけば、本条2項により国際登録の日に特許庁へ提出したものとみなされます。国内の感覚で30日を数えると、国際公表が数か月ずれ込むため失権のリスクがあります。
解説
クラウドファンディングで新作家電を披露した。Twitterで試作品の写真を投稿した。展示会でプロトタイプを並べた。その瞬間、あなたの意匠は『公知』となり、原則として意匠権は取れなくなる。だが意匠法4条の新規性喪失の例外が一定期間の猶予をくれる。問題はここからだ。ハーグ協定ジュネーブ改正協定を使って世界に向けて意匠を出願する場合、この例外を主張する書面と証明書の提出期限が国内出願とは別ルールになる。国内なら出願から30日。ところが国際意匠登録出願では『国際公表があった日後、経済産業省令で定める期間内』に特許庁長官へ提出する、と起算点そのものが入れ替わる。さらに国際出願と同時に証明書を国際事務局へ出していれば、国際登録の日に特許庁へ提出したものとみなされる。締切の起算点を国内の感覚で読み違えれば、せっかくの猶予が国境を越えた途端に消える。
法的な位置づけ
意匠法60条の7は、国際意匠登録出願における新規性喪失の例外の主張手続に関する特例を定める規定である。同法4条2項の適用を受けようとする出願人が提出すべき書面及び証明書について、その提出期限の起算点を国内出願の出願時から国際公表があった日後へ置き換え、あわせて国際事務局への同時提出を国際登録の日の提出とみなす取扱いを規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公開の事実を記録して証拠化する 展示会名、クラウドファンディングのURL、SNS投稿日など、いつ・どこで・何を公開したかを記録し証拠化する。国際公表後に証明書を作成する段で公開の事実が曖昧だと、例外主張そのものが揺らぐ
- 2.国内と国際の起算点の違いを整理する 国内出願は出願から30日(意匠法4条3項)、国際意匠登録出願は国際公表があった日後の経済産業省令所定期間(本条1項)という別軸の期限を一覧化し、混同を防ぐ
- 3.国際出願と同時に証明書を国際事務局へ提出する ハーグ協定で国際出願する際、証明書を国際事務局へ同時提出しておく。本条2項により国際登録の日に特許庁長官へ提出したものとみなされ、各国別に起算点を追う消耗戦を最初の一手で回避できる
- 4.国際公表日と各期限を弁理士とともに管理する 国際公表日は自分で選べない要素のため、特許庁とWIPOの公表スケジュールを早めに確認する。国際公表後の証明書提出期限の管理を弁理士へ依頼し、失権を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1新規性喪失の例外とは何ですか?
自ら公開した意匠でも、公開から一定期間内に出願すれば新規性を失わなかったものとして扱う救済制度です(意匠法4条)。令和元年改正で猶予は1年に延長されました。最新の改正状況をご確認ください。
Q2ハーグ協定とは何ですか?
意匠の国際登録に関するハーグ協定ジュネーブ改正協定のことで、一つの国際出願で複数の締約国に意匠保護を求められる制度です。日本は平成27年に加入しました。
Q3国際公表とはいつのことですか?
国際事務局が国際登録された意匠を公表することです。国際出願から数か月後にずれ込むことが多く、本条の証明書提出期限はこの国際公表日を起算点とします。
Q4クラウドファンディングで公開したら意匠登録できませんか?
諦める必要はありません。公開から1年以内の出願であれば新規性喪失の例外で救済され得ます。ただし書面と証明書の提出が必要で、国際出願では起算点が国際公表後に変わります。
Q5SNSに試作品を載せたら意匠権は取れませんか?
投稿で公知になっても、新規性喪失の例外の猶予期間内なら出願で救済され得ます。投稿日は証明書に記載する公開の事実になるため、日時と内容を記録しておくべきです。
Q6意匠の新規性喪失の例外の猶予期間は何か月ですか?
令和元年改正により6か月から1年へ延長されました。最新の改正状況をご確認ください。この猶予は公開から出願までの期間であり、証明書の提出期限とは別の軸です。
Q7証明書のみなし提出とは何ですか?
国際出願と同時に証明書を国際事務局へ提出すると、本条2項により国際登録の日に特許庁長官へ提出したものとみなされる取扱いです。各国別の期限を追う手間を回避できます。
Q8経済産業省令で定める期間はどこで確認できますか?
意匠法施行規則等の下位法令に定められます。国際公表日を起算点とする具体的な期間は改正で変わり得るため、e-Gov 法令検索で現行の省令を確認するのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1展示会で新製品を出しちゃったんですけど、もう意匠登録は無理ですか?
無理ではありません。意匠法4条の新規性喪失の例外を使えば、公開から1年以内の出願で救済され得ます(令和元年改正で1年へ延長、最新の改正状況をご確認ください)。ただし出願時または所定期限内に書面と証明書の提出が必要です。実務のポイント:この例外は『自分が公開した場合』が基本軸。第三者が無断で公開した場合も別枠で救済され得るが、立証のハードルが上がる。だから誰がいつ公開したかの記録が、後で効いてくる
Q2国内で出願するときと、ハーグで海外に出願するとき、証明書を出す期限は同じですか?
違います。国内は出願から30日(意匠法4条3項)、国際意匠登録出願は国際公表があった日後、経済産業省令で定める期間内(本条1項)です。さらに証明書を国際出願と同時に国際事務局へ出していれば、国際登録の日に特許庁へ提出したとみなされます(本条2項)。実務のポイント:多くの人が国内の30日感覚で国際出願を進めて失権する。国際公表は出願から数か月ずれ込むので、起算点を取り違えると致命的。同時提出のみなし規定を使うのが実務の定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「公開しちゃったらもう意匠登録は無理」と諦める人が多いが、意匠法4条の新規性喪失の例外で猶予期間がある(令和元年改正で6か月から1年へ延長、最新の改正状況をご確認ください)。諦める前に、まだ猶予の中にいないか確認すべきだ
- 新規性喪失の例外があること自体は知っていても、国際出願では証明書の提出期限の起算点が『出願時』から『国際公表後』へ変わる、その深刻さまで知っている人は少ない。国内のつもりで30日を数え、国際出願で失権する
- 「いつまでに書面を出せばいいか」と期限だけ気にする人が多いが、本当に立てるべき問いは『証明書を国際出願と同時に国際事務局へ提出したか』だ。同時提出していれば本条2項で国際登録の日に提出したとみなされ、各国別に起算点を追う悩みそのものが消える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用条文 | 意匠法60条の7:国際意匠登録出願の特例 | 意匠法4条:新規性喪失の例外の本則 意匠法60条の3:国際意匠登録出願の基本規定 |
| 証明書提出期限の起算点 | 国際公表があった日後(経済産業省令所定期間) | 出願と同時、または出願から30日(4条3項) —(出願手続の基本枠組みを規定) |
| みなし提出の有無 | 国際事務局への同時提出を国際登録の日の提出とみなす(2項) | みなし規定なし(現実の提出日で判断) — |
| 想定場面 | ハーグ協定で海外へ一括出願する場合 | 国内のみで出願する場合 国際登録を日本国内の出願として扱う場合 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は設計專利を専利法で規律し、優惠期(グレースピリオド)を設ける。ハーグ協定非加盟のため、国際公表を起算点とする本条のような特例はなく、国内出願を基準とする点で日本と異なる。
韓国はデザイン保護法で新規性喪失の例外を定める。韓国もハーグ協定締約国であり、国際デザイン登録出願の枠組みで類似の手続調整を要する。
ドイツは意匠法で12か月の新規性猶予期間を認める。EU共同体意匠規則および国際登録(ハーグ)の枠組みが並存し、EU水準での調和が図られている。
米国はデザイン特許について1年間のグレースピリオドを認める。米国もハーグ協定締約国であり、国際意匠出願と国内グレースピリオドの接続が問題となる点は日本と共通する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたがMakuakeで新製品の意匠を先行公開してしまったら? 国内なら出願から30日以内に新規性喪失の例外の書面を出せば救われる。だが同じ製品を海外でも守りたくてハーグ経由で国際出願した場合、提出期限は『国際公表後』へ切り替わる。国内と同じ感覚で30日を数えると、まるで間に合わない
- あなたのスタートアップがCESで試作品を展示。半年後、ハーグ協定で日米欧へ一括出願する。国際公表は出願からさらに数か月後にずれ込む。例外主張の証明書を国際事務局へ同時提出しておかなかったため、各国ごとに動く起算点を個別管理する羽目になり、残り時間はじわじわ削られていく
- 個人で海外展開を狙うデザイナーのあなたが、証明書を国際出願と同時に国際事務局へ提出した。本条2項により、その証明書は国際登録の日に特許庁へ提出したものとみなされる。最初の一手間が、後の安心を生む
- 知人の家具メーカーが『海外でもデザインを守りたい』とあなたに相談してきた。展示会で既に公開済みだという。あなたが真っ先に伝えるべきは、国内の30日と国際出願の期限は別物だという一点。この一言で相手の対応スケジュールが根本から変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず公開の事実を確定:いつ、どこで、何を公開したか(展示会名、クラウドファンディングのURL、SNS投稿日)を記録し証拠化する2. 国内は出願から30日、国際意匠登録出願は国際公表後の経済産業省令所定期間という別軸の期限を整理する3. 可能なら国際出願と同時に証明書を国際事務局へ提出し、本条2項のみなし提出を使う4. 国際公表の予定日と各期限の管理を弁理士へ依頼する
訴えられた側:1. 公開前に出願を済ませるのが最善、それが無理なら公開日を起点に全期限を逆算設計する2. ハーグ協定を使うなら国際事務局への証明書同時提出を標準手順に組み込む3. 国際公表日は自分で選べない要素なので、特許庁とWIPOの公表スケジュールを早めに確認する4. 社内に『公開イベント前に必ず知財担当へ連絡』のルールを設け、うっかり公開を防ぐ
時効(請求できる期限):国際意匠登録出願では、新規性喪失の例外を主張する書面及び証明書を、国際公表があった日後、経済産業省令で定める期間内に特許庁長官へ提出する(本条1項)。国内出願の『出願から30日』(意匠法4条3項)とは起算点が異なる。なお例外の適用を受けられる公開からの猶予自体は1年(令和元年改正、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は意匠法4条の新規性喪失の例外の本則を、国際意匠登録出願という統一手続に接続するための手続的特例と理解される。証明書提出期限の起算点を国際公表後へ置き換え、国際事務局への同時提出をみなし提出とすることで、国際手続の枠組みを尊重しつつ出願人の救済機会を確保する趣旨と解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年) 意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定への加入に伴い新設。第60条の3以下の国際意匠登録出願に関する一連の特例の一つとして、新規性喪失の例外の証明書提出期限を国際公表後に置き換え、国際事務局への同時提出のみなし規定を整備した(施行は平成27年(2015年))
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定への加入に伴い、第60条の3以下の国際意匠登録出願に関する一連の特例の一つとして新設。新規性喪失の例外の証明書提出期限を国際公表後に置き換え、国際事務局への同時提出のみなし規定を整備した。施行は平成27年(2015年)。
- 2.令和元年(2019年) 改正:意匠法改正により新規性喪失の例外(意匠法4条)の猶予期間が6か月から1年へ延長された。本条が接続する例外制度の前提が拡充された。最新の改正状況をご確認ください。
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