願書の記載(第六条第一項第一号及び第二号に掲げる事項並びに同条第二項の規定により記載した事項を除く。第十七条の二第一項及び第二十四条第一項において同じ。)又は願書に添付した図面、写真、ひな形若しくは見本についてした補正がこれらの要旨を変更するものと意匠権の設定の登録があつた後に認められたときは、その意匠登録出願は、その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす。
要点意匠法9条の2は、補正が要旨を変更するものと意匠権の設定登録後に認められたとき、その意匠登録出願を手続補正書の提出時にしたものとみなす規定。出願日が補正日まで繰り下がる。
Q · 審査を通って意匠登録されたのに、あとから補正が原因で出願日がずれることなんてあるの?
あります。登録後に要旨変更と認められると出願日が繰り下がります
意匠法9条の2により、願書や図面等についてした補正が要旨を変更するものだと、意匠権の設定登録後に認められたときは、その意匠登録出願は手続補正書を提出した時にしたものとみなされます。つまり本来の出願日が補正書提出日まで繰り下がります。登録前なら補正却下(17条の2)で済みますが、登録後に発覚すると出願日が繰り下がり、その間に公開された他人の意匠や先願によって、新規性(3条)や先願(9条)の要件を満たさなくなり、無効審判(48条)で意匠権が崩れる危険があります。
製品デザインの意匠登録を出願し、審査の途中で図面を少し描き直した。よかれと思った修正だ。無事に登録され、数年が過ぎる。ある日、競合が「あの補正は意匠の要旨を変えている」と無効審判を仕掛けてくる。ここで意匠法9条の2が牙をむく。願書や図面の補正が要旨を変えるものだと登録後に判明したとき、その出願は、補正書を出した日に出願したものとみなされる。つまり、あなたが信じていた本来の出願日が消え、補正日まで繰り下がる。その数か月、数年のあいだに公開された他人のデザインや、先に出願したライバルがいれば、あなたの意匠権は新規性や先願で一気に崩れる。図面一枚の描き直しが、登録後に時限式で出願日を奪う仕掛けだ。
意匠法9条の2は、出願後にした補正が願書又は図面等の要旨を変更するものであると、意匠権の設定登録後に認められた場合の効果を定める規定である。当該意匠登録出願は、手続補正書を提出した時にしたものとみなされ、出願日が補正書提出日まで繰り下がる。登録前の補正却下を定める17条の2と対をなす制度である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
当業者が原出願の図面・写真等から直接読み取れる範囲を超えて、形状・模様・色彩や美感を加える補正のことです。線を整えるだけの明瞭化は要旨変更になりません。
繰り下がった補正日を基準に新規性(3条)や先願(9条)が問い直されます。その間に公開された意匠や先願があれば、意匠権が無効になる危険があります。
特許庁のJ-PlatPatで包袋(出願経過)を閲覧できます。審査中に提出された手続補正書も公開され、要旨変更の有無を確認する材料になります。
必ずではありません。出願日が繰り下がっても、繰下げ後の日を基準に新規性・先願を満たせば権利は維持されます。崩れるかは繰下げ後の先行資料の有無次第です。
意匠登録無効審判(48条)は原則として意匠権の存続中いつでも、さらに意匠権消滅後でも請求できます。特定の出訴期間はありません(最新の改正状況をご確認ください)。
17条の2は登録前に要旨変更の補正を却下する規定、9条の2は登録後に要旨変更が認められたとき出願日を繰り下げる規定です。発覚するタイミングで効果が変わります。
原図面の範囲を超える内容を加えたいときは補正ではなく新たな出願(分割等)を検討します。補正で範囲を超えると要旨変更となり繰下げリスクを抱えます。
国内出願日が繰り下がると、優先権主張の土台にも影響しうるため注意が必要です。海外出願を伴う場合は補正前に弁理士へ相談することが望まれます。
覆ります。意匠法9条の2は、要旨変更の補正が『登録後に』認められた場合を正面から想定した規定です。審査官が見落としても無効審判で蒸し返され、出願日が補正書提出日まで繰り下がります(48条)。業界裏話ヒント:審査官は要旨変更を完璧には拾えません。だから補正を通せたこと自体は安全の証明になりません。むしろ通ってしまった要旨変更が一番危ない、登録後に時限式で出願日を奪うからです
なりえます。判断の物差しは、当業者が原出願の図面等から直接読み取れる範囲を超えたか否か。線を整えるだけの明瞭化なら要旨不変更ですが、輪郭や凹凸、模様が一つでも加われば要旨変更と評価される余地があります(24条の要旨認定)。業界裏話ヒント:弁理士は補正のとき『加える』発想を絶対にしません。原図面の中に既にある情報を『選び出す』方向でしか動かさない。この一線の引き方が、数年後の無効リスクを左右します
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動するタイミング | 9条の2:要旨変更が意匠権の設定登録『後』に認められたとき | — |
| 効果 | 出願日が手続補正書の提出時まで繰り下がる | — |
| 出願人への影響 | 権利は残るが基準日が後ろにずれ、新規性・先願で崩れる余地 | — |
| 対抗・防御手段 | 要旨は原図面から読み取れる範囲内(明瞭化)と反論 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。