商標法 第43条の8(証拠調べ及び証拠保全)
クイックジャンプ
第五十六条第一項において準用する特許法第百五十条及び第百五十一条の規定は、登録異議の申立てについての審理における証拠調べ及び証拠保全に準用する。
この条文の基本情報
証拠調べ及び証拠保全とは何ですか?
定義証拠調べ及び証拠保全とは、商標法第43条の8に定められた規定で、「第五十六条第一項において準用する特許法第百五十条及び第百五十一条の規定は、登録異議の申立てについての審理における証拠調べ及び証拠保全に準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第43条の8(証拠調べ及び証拠保全)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第43条の8の条文原文は「第五十六条第一項において準用する特許法第百五十条及び第百五十一条の規定は、登録異議の申立てについての審理における証拠調べ及び証拠保全に準用する。」で始まります。
- 商標法第43条の8は第四章の二 登録異議の申立てに置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第43条の8の前の条は商標法第43条の7です。
- 商標法第43条の8の次の条は商標法第43条の9です。
- 商標法第43条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第43条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第43条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/43_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法43条の9は、登録異議の審理における証拠調べ・証拠保全について特許法150条・151条を準用し、審判官に職権での証拠調べと証拠保全の権限を認める手続規定である。
Q · 特許庁の登録異議の審理って、提出した書類だけで判断されるの?
いいえ、審判官は職権で証拠を調べ、証拠保全もできます
商標法43条の9は、56条1項を経て特許法150条・151条を準用し、登録異議の審理における証拠調べ及び証拠保全を可能にします。審判官は当事者が出した書面に限らず職権で証拠を調べ、証人尋問や検証もできます。さらに相手の手元にある販売記録やサンプルが散逸しそうなときは、証拠保全を申し立てて先に固定できます。ただし実務上の登録異議は書面審理が原則で、本格的な証拠調べまで踏み込む例は多くないため、当事者側からの上申が動かす鍵になります。
解説
苦労して育てたブランド名をやっと商標登録できた。その安心も束の間、ある日「登録異議の申立て」が突きつけられる。第三者が「この商標は登録されるべきではなかった」と特許庁に申し立てる制度だ。多くの経営者は、この審理を書類のやり取りだけの形式的な手続だと思い込んでいる。第43条の9がその誤解を壊す。本条は特許法150条と151条を準用し、登録異議の審理に裁判所並みの証拠調べと証拠保全の権限を持ち込む。つまり審判官は当事者が出した書面を読むだけでなく、職権で証拠を調べ、証人尋問や検証まで踏み込める。さらに、相手の手元にある不利な販売記録やサンプルが散逸しそうなら、証拠保全を申し立てて先に固定できる。書面合戦だと油断した側が、証拠という土俵で足をすくわれる。
法的な位置づけ
商標法43条の9は、登録異議の申立てについての審理における証拠調べ及び証拠保全に関する手続規定である。56条1項で準用する特許法150条及び151条を、登録異議の審理に重ねて準用することで、審判官に職権による証拠調べと、証拠の散逸を防ぐ証拠保全の権限を認める準用規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠戦略を「書面」より先に組み立てる 登録異議の通知や申立てを受けたら、反論書類づくりに走る前に、勝負どころの事実(先使用・周知性・不使用など)を支える証拠が誰の手元にあるかを棚卸しする。相手側にある資料は証拠保全の対象になりうる
- 2.散逸リスクのある証拠は証拠保全を急ぐ 相手が握る販売記録・広告物・商品サンプルが処分されそうなら、43条の9が準用する特許法150条に基づき証拠保全を申し立てる。申立てが決定されてから動くのでは遅く、表面化前のスピードが効く
- 3.職権証拠調べを促す上申を検討する 審理の早い段階で、審判官に職権での証拠調べを促す上申書を出す。当事者の一方が職権発動を求めると審判官は調査に動きやすく、書面だけで様子見をする相手に差をつけられる
- 4.期限内に意見書・答弁書を提出する 商標権者として防御する側は、取消理由通知に対し審判長が指定する期間内に意見書を提出する。売上・広告費・市場シェアなど周知性を示す客観資料を時系列で整理して添付する
よくある質問 AI による整理
Q1登録異議の申立てとは何ですか?
第三者が「この商標は登録されるべきでなかった」と特許庁に申し立て、登録の取消しを求める制度です。商標掲載公報の発行日から2か月以内に申し立てる必要があります(最新の改正状況は要確認)。
Q2商標の登録異議で証拠はどう扱われますか?
商標法43条の9により特許法150条が準用され、審判官は当事者の書面に加え職権で証拠を調べられます。証人尋問・鑑定・検証まで可能ですが、実務は書面審理が原則です。
Q3職権証拠調べとは何ですか?
当事者の申立てがなくても、審判官が自ら必要な証拠を取り調べる制度です。あなたが出し損ねた事実を拾うこともあれば、有利な客観事実を見つけてもらえる余地もあります。
Q4登録異議で証人尋問はできますか?
制度上は可能です。43条の9が準用する特許法150条は証人尋問を含む証拠調べを認めます。ただし登録異議では書面審理が原則のため、実際に行われる例は限られます。
Q5商標の証拠保全はどう申し立てますか?
証拠が使えなくなるおそれがある場合に、特許庁にあらかじめ証拠を調べて固定するよう申し立てます。相手に知られる前のスピードが命で、範囲と時期は専門家と詰めるのが鉄則です。
Q6特許法150条の準用とはどういう意味ですか?
商標法に同じ規定を書かず、特許法の証拠調べ・証拠保全の規定をそのまま当てはめることです。商標の登録異議でも特許審判と同じ証拠の道具が使えます。
Q7登録異議と無効審判の違いは何ですか?
登録異議は公報発行後2か月以内の早期是正手続で、誰でも申立て可。無効審判は利害関係人が期間制限なく(一部除く)登録の無効を求める手続で、当事者対立構造が強い点が異なります。
Q8登録異議の反論期限はいつまでですか?
取消理由の通知が来たら、商標権者は審判長が指定する期間内に意見書を提出します。期限は事案ごとに指定されるため、通知書に記載された日付を必ず確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許庁の異議審理って、結局は書類のやり取りだけで決まるんですよね?
いいえ。第43条の9が特許法150条を準用するため、審判官は職権で証拠を調べることができ、証人尋問や鑑定、検証まで可能です。ただし登録異議の審理は実務上は書面審理が原則で、本格的な証拠調べまで踏み込む例は多くありません。実務のポイント:だからこそ、当事者の側から職権証拠調べを促す上申を出すと審判官が動くきっかけになる。書面だけで様子を見ている相手に差をつけられる
Q2相手が証拠を捨てそうなんですが、審理が本格化する前でも何かできますか?
証拠保全を申し立てられます。第43条の9で準用する特許法150条に基づき、証拠が使えなくなるおそれがある場合に、あらかじめ証拠を調べて固定する制度です。実務のポイント:証拠保全は相手に知られる前のスピードが命。申し立てると相手にも手続が及ぶため、タイミングを誤ると逆に証拠隠滅を促しかねない。知財に強い弁理士・弁護士と、保全の範囲と時期を詰めてから動くのが鉄則
間違えやすい点 AI による整理
- 特許庁の審理は当事者が出した書類だけで判断される、と思われている。実際は審判官が職権で証拠を調べられる(特許法150条準用)。あなたが反論を出し損ねても審判官が自ら事実を拾い上げることがあり、逆にあなたに有利な客観事実を職権で見つけてもらえる余地もある
- 証拠保全という制度の存在は知っていても、その緊急性まで理解している人は少ない。相手が握る不利な帳簿や商品サンプルは、紛争が表面化した瞬間から消え始める。申立ての決定が出てから動いたのでは間に合わない。証拠保全は時間との勝負であり、知っているだけでは武器にならない
- あなたから見れば「自分の商標を守る防御戦」でも、制度から見れば「その商標が本当に登録に値したかを職権でも検証する場」だ。この視点の落差を知らずに『相手の主張さえ崩せばいい』と構えると、審判官の職権調査で足元を崩される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 43条の9:証拠調べ・証拠保全の準用(手続の道具) | 43条の2:登録異議の申立ての主体・期間(入口) 43条の3:登録異議の審理・取消決定(結論) |
| 当事者がすること | 証拠保全・職権証拠調べの活用を検討 | 公報発行から2か月以内に申立て 取消理由通知に対し意見書を提出 |
| 準用の経路 | 56条1項経由で特許法150条・151条を準用 | 商標法独自規定 商標法独自規定 |
| 効く場面 | 相手の資料が散逸しそう・職権調査を促したいとき | 異議を申し立てるか判断する段階 審理が係属し決定を待つ段階 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も商標異議手続を持ち、証拠保全は智慧財産案件審理法が規律する。証拠の散逸防止という機能は日本と共通
韓国も商標登録の異議申立てにおいて特許法の証拠調べ規定を準用する構造をとる点で日本と類似
ドイツの異議(Widerspruch)は先行商標との抵触に範囲が限定され、本格的な職権証拠調べより形式審査の色彩が強い
米国はTTABの異議・取消手続で連邦民訴規則のディスカバリが適用され、当事者主導の証拠開示が中心となる点が日本の職権主義と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 苦労して育てたブランド名を商標登録した三か月後、競合から登録異議を申し立てられたら、あなたは何から手をつける? 反論書類を揃えるだけでは足りない。相手が「自分の方が先に使っていた」と主張するなら、その使用実態は職権の証拠調べで掘り下げられる。意見書の提出期限は審判長が指定し、残り時間は思うより短い
- あなたが、他社の商標が自社ブランドにそっくりだと気づいて異議を申し立てる側に回る。鍵を握るのは相手の販売記録や広告物だが、それは相手の手元にある。証拠保全を打てば、紛争が固まる前にその資料を特許庁の権限で固定できる
- 相手が握る帳簿やサンプルが、争いが表面化した途端に「もう廃棄しました」と消えていく。証拠保全を申し立てれば、審判官が調べて記録に残せる。動くのが一週間遅れれば、決定的な一枚が永遠に手に入らない
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが他人の商標登録で害され、異議を申し立てる側の場合。1. 申立期間は商標掲載公報の発行から2か月、起算点を絶対に外さない(商標法43条の2、最新の改正状況をご確認ください)2. 不使用・先使用・周知性など、勝負どころの証拠を早期に固める3. 相手の販売記録や広告物が散逸しそうなら、証拠保全(特許法150条準用)を申し立てて凍結する4. 審判官に職権証拠調べを促す上申を検討し、書面だけに頼らない
訴えられた側:あなたが商標権者として異議を防御する側の場合。1. 取消理由の通知が来たら、意見書の提出期限を厳守する2. 自社商標の使用実績や周知性を示す客観資料(売上、広告費、市場シェア)を時系列で整理3. 相手から証拠保全の申立てがあれば、その対象範囲が過大でないか争う4. 審判官の職権調査は自分に有利にも働きうるので、有利な客観資料を積極的に提出する
時効(請求できる期限):登録異議の申立ては、商標掲載公報の発行日から2か月以内(商標法43条の2、最新の改正状況をご確認ください)。証拠保全自体に特定の法定期限はないが、証拠が散逸する前に動くことが実質的な時間圧。審理係属後の意見書・答弁書などの各期限は審判長が指定する
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)改正(要人的検証) 商標の登録異議の申立て制度(第4章の2)導入に伴い新設された手続規定と考えられる。証拠調べ及び証拠保全について特許法150条・151条の準用を定める。導入年・新設か改正かの区別・その後の改正回数はいずれも人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める