国際商標登録出願については、第十条の規定は、適用しない。
要点商標法第 68 条の 12 は、国際商標登録出願に出願の分割(第 10 条)を適用しないと定める。国内出願なら可能な一部商品の切り出し登録が、マドリッド経由では利用できない。
Q · マドリッド経由で日本に商標を出願したら、後から問題のある商品だけ分けて先に登録できますか?
できません。国際商標登録出願に出願分割は使えません。
できません。商標法第 68 条の 12 が、国際商標登録出願に対して出願の分割(第 10 条)の適用を排除しているためです。国内の通常出願なら、指定商品の一部に拒絶理由通知が来たとき、問題のない商品を分割して先に登録まで進められます。しかしマドリッド協定議定書経由の国際商標登録出願は WIPO が管理する国際登録の日本指定部分にすぎず、日本国内で勝手に分割すると国際登録との対応関係が崩れるため、この一手が封じられます。残された商品の登録は、もめている商品の決着を待つことになります。
マドリッド協定議定書を使って一度の手続で複数国にブランドを展開する、その入口で日本を指定すると、あなたの出願は「国際商標登録出願」になる。安くて速い便利な制度だが、ここに知られざる落とし穴がある。国内で普通に商標出願したなら、審査で一部の指定商品にダメ出し(拒絶理由通知、役所が「この商品については登録できない」と返してくる通知)が来たとき、第10条の「出願の分割」を使い、問題のない商品だけを別出願に切り出して先に登録まで持っていける。ところが第68条の12は、国際商標登録出願にこの第10条を適用しないと言い切る。理由は、あなたの出願の実体がWIPO(世界知的所有権機関)の一元管理する国際登録の「日本指定部分」にすぎず、日本国内で勝手に分割すると国際登録との対応関係が壊れるからだ。つまり、国際ルートを選んだ時点で、国内出願なら当たり前にできる救済テクニックが一つ静かに消える。この一点を知らずにマドリッドへ飛びつくと、後から指定商品の一部でつまずいたとき、打てる手が一気に狭まる。
商標法第 68 条の 12 は、マドリッド協定議定書に基づく国際商標登録出願について、出願の分割を定める第 10 条の適用を排除する特例規定である。国際登録の日本指定部分という出願の性質上、国内で独自に出願を分割すると WIPO が一元管理する国際登録との対応関係が崩れるため、国内出願に認められる分割手続を国際ルートでは認めない趣旨に立つ。
マドリッド協定議定書に基づき、一度の手続で複数国に商標を出願し、その中で日本を指定したときの日本における出願です。実体は WIPO が管理する国際登録の日本指定部分です。
一つの出願に含まれる複数の指定商品・役務を、別々の出願に切り分ける手続です(第 10 条)。一部に拒絶理由が出たとき、問題のない商品を先に登録へ進められます。
分割が使えないため、意見書・補正で全指定商品をまとめて通すか、問題商品を諦めて残りの登録を優先します。権利を切り分けたい場合は別途の国内直接出願を検討します。
多国を一括で安く速く出すならマドリッド、一部商品の早期登録や将来の権利切り分けの自由度を重視するなら分割が使える国内直接出願が有利です。出願前のブランド戦略次第です。
日本国内の第 10 条による分割はできません。ただし国際登録の段階では議定書独自の手続による国際登録の分割が別途あり得るため、最新の改正状況を弁理士に確認してください。
出願の実体が WIPO の一元管理する国際登録の日本指定部分だからです。国内で勝手に分割すると世界共通の国際登録との対応関係が崩れるため、第 68 条の 12 で第 10 条を切り離しています。
権利を商品ごとに切り分けて移転する準備は分割が前提になります。マドリッドでは分割が封じられるため、切り分けを見込むブランドは国内直接出願を選ぶのが安全です。
国内出願で当然できる「拒絶された商品を切り離して残りを先に救う」時間差戦術が丸ごと使えなくなり、登録全体が最も決着の遅い指定商品一つに引きずられて止まります。
分けられません。国内出願なら第10条で出願を分割し問題のない商品を先に登録できますが、第68条の12が国際商標登録出願への第10条適用を排除しています。残りの商品は問題商品の決着を待つか、意見書・補正で全体をまとめて通す必要があります。業界裏話ヒント:実務では、将来分割の可能性が高いブランドは最初から日本に直接出願し、マドリッドは分割の必要がほぼない安定ブランドに絞る、という使い分けをする弁理士が多い。コストの安さだけでマドリッドを選ぶと、この小回りの効かなさで後から後悔する
あなたの出願の正体が、WIPOが一元管理する国際登録の「日本指定部分」だからです。日本国内で勝手に分割すると、世界共通の国際登録との対応関係が崩れてしまう。だから第68条の12で国内の分割ルール(第10条)を切り離しています。業界裏話ヒント:これは不利益というより制度の構造上の宿命に近い。代わりに国際登録には複数国を一括管理・一括更新できる強みがある。分割の柔軟性と一元管理の利便、どちらを取るかは出願前のブランド戦略次第で、両取りはできない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 出願の分割(第 10 条)の可否 | 国際商標登録出願:第 68 条の 12 により分割不可 | — |
| 一部商品に拒絶理由が来たときの救済 | 問題のない商品の切り出し登録ができず、意見書・補正で全体勝負 | — |
| 出願の実体・管理主体 | WIPO が一元管理する国際登録の日本指定部分 | — |
| 将来の権利の切り分け・事業再編の自由度 | 分割で下ごしらえできず自由度が下がる | — |
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