商標法 第68条の18(補正後の商標についての新出願の特例)
クイックジャンプ
- 国際商標登録出願については、第十七条の二第一項又は第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する意匠法第十七条の三の規定は、適用しない。
- 2.国際商標登録出願については、第十七条の二第二項において準用する意匠法第十七条の四の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
補正後の商標についての新出願の特例とは何ですか?
定義補正後の商標についての新出願の特例とは、商標法第68条の18に定められた規定で、「国際商標登録出願については、第十七条の二第一項又は第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の18(補正後の商標についての新出願の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の18の条文原文は「国際商標登録出願については、第十七条の二第一項又は第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 商標法第68条の18は第二節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の18の前の条は商標法第68条の17です。
- 商標法第68条の18の次の条は商標法第68条の18の2です。
- 商標法第68条の18には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の18 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の18(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の18は、マドプロ経由の国際商標登録出願について、補正却下後に新出願で出願日を巻き戻す意匠法17条の3準用の救済を適用しないと定める除外規定である。
Q · マドプロで日本指定した商標、審査の補正をミスったら国内みたいに新出願でやり直せる?
できない。68条の18が新出願の救済を国際出願に適用しないと定めている。
マドプロ経由の国際商標登録出願では、補正が要旨変更と判断されて却下されても、補正後の商標を新出願に切り替えて出願日を巻き戻す意匠法17条の3準用の救済が使えません。商標法68条の18がこの新出願の特例と関連する期間規定の適用を除外しているためです。国内出願なら当然使えるこの安全網が、国際出願では構造上あらかじめ外されています。
解説
商標を一度の手続きで複数の国にまとめて出願できる、それがマドリッドプロトコル、通称マドプロの強みだ。だがその利便性の裏で、日本国内の出願なら当然使える救済が一つ、静かに外されている。国内出願では、補正が要旨変更(出願内容の本質を変えてしまう補正)と判断されて却下されても、意匠法17条の3を準用して、補正後の商標を新しい出願に切り替え、出願日を補正の時点まで巻き戻せる。やり直しの安全網だ。ところが68条の18は、国際商標登録出願についてこの新出願の特例と、それに伴う期間の規定を適用しないと明言する。理由は、マドプロの出願がWIPOの国際登録日に紐づいており、日本国内で勝手に出願日を作り直す国内型の救済とは構造が噛み合わないからだ。あなたが国内案件の感覚でマドプロ案件をさばくと、この一条の存在を見落として致命傷を負う。
法的な位置づけ
商標法68条の18は、国際商標登録出願に関する手続的特例を定める除外規定である。国内の商標出願で認められる、補正却下後に補正内容を新出願へ切り替えて出願日を繰り上げる意匠法17条の3・17条の4準用の救済について、本条は国際商標登録出願への適用を排除する。WIPOの国際登録日を基準とする制度との整合を図る趣旨による。
よくある質問 AI による整理
Q1国際商標登録出願とは?
WIPOの国際登録に基づき日本を指定する商標出願で、マドリッドプロトコル経由のもの。商標法第7章の2が特例を定め、68条の18は意匠法準用の新出願救済を適用しないとする。
Q2商標の要旨変更とは?
出願商標の識別の核となる本質的部分を変えてしまう補正のこと。要旨変更と判断された補正は却下され、国内出願なら新出願で救えるが、国際出願では救えない。
Q3マドプロ 補正 却下 どうなる?
国際商標登録出願では補正却下後に新出願へ切り替える救済(意匠法17条の3準用)が68条の18で外れているため、応答期間内に要旨変更を避けた補正へ組み直すしかない。
Q4意匠法17条の3を商標の国際出願で準用しないのはなぜ?
国際登録はWIPOの国際登録日に紐づくため、日本国内だけで出願日を繰り上げると各国の権利の優先順位が崩れる。整合性確保のため68条の18が適用を除外している。
Q5国際商標登録出願 出願日 巻き戻し できる?
できない。国内出願に認められる補正後の新出願による出願日の繰り上げは、商標法68条の18により国際商標登録出願には適用されない。
Q6商標 補正 やり直し 国内と国際の違いは?
国内出願は補正却下でも新出願でやり直せるが、国際出願は68条の18で救済が外れている。同じ商標法でも踏んでいる救済の床が違う。
Q7マドプロ 拒絶理由通知 対応の注意点は?
まず国内出願か国際出願かを切り分ける。国際出願なら新出願救済がないため、指定応答期間内に要旨変更にならない補正へ組み直す必要がある。
Q8商標法 第7章の2とは?
マドリッドプロトコル加入に伴い平成11年改正で新設された国際商標登録出願等の特例の章。68条の18もその一部で、意匠法準用の新出願特例を国際出願に適用しないと定める。
この条文についての質問 AI による整理
Q1マドプロで海外と日本に商標を出願したんですが、日本の審査で補正をミスったら国内出願みたいにやり直せますか?
やり直せない。68条の18が、国際商標登録出願について意匠法17条の3を準用する新出願の特例(補正が却下されても補正後の商標を新出願に切り替え、出願日を巻き戻す救済)を適用しないと定めているからだ。実務のポイント:国内出願なら当然使えるこの救済が国際出願では消えるため、実務では「マドプロ案件は補正で攻めない、最初から通る形で出す」が鉄則になっている。この差を知らない担当者が補正で踏み外す。
Q2そもそもなんで国際出願だけ救済を外すんですか?意地悪では?
意地悪ではなく制度設計上の必然だ。マドプロの出願はWIPOの国際登録日に紐づいており、日本国内だけで出願日を作り直す新出願の仕組みを持ち込むと、各国に広がる権利の優先順位が崩れる。だから68条の18で適用を外している。実務のポイント:この構造を理解していると、国際出願では補正の自由度が構造的に低いと分かり、出願ルートを選ぶ段階で国内出願と使い分ける戦略が立てられる。弁理士はこの使い分けを当然の前提にしている。
間違えやすい点 AI による整理
- 「国内出願も国際出願も同じ商標法だから、補正の救済も同じはず」という前提がそもそも崩れている。68条の18は国際商標登録出願に限って特定の救済規定の適用を外している。どう救済を使うかを考える前に、そもそもこの案件で使えるのかを問い直さなければならない。
- 意匠法17条の3が準用されないという事実は、条文を読めば分かる。見落とされているのはその深刻さだ。マドプロ案件で要旨変更の補正を出した瞬間、国内出願なら使えた新出願によるやり直しが完全に消え、取り返しがつかなくなる。
- 「特例を適用しない」という条文は権利を奪う冷たい規定に見えるが、実際は国際登録制度の整合性を保つための調整だ。WIPOの国際登録日を基準とする仕組みに国内独自の出願日繰り上げを持ち込めば、各国に広がる権利の優先順位が崩れてしまう。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 補正失敗時の救済 | 68条の18:意匠法17条の3準用の新出願特例を適用しない(救済なし) | 17条の2(国内出願):意匠法17条の3準用で補正後の商標を新出願に切替可 55条の2(審判段階):審判手続でも準用救済の適用元となる |
| 出願日の基準 | WIPOの国際登録日に紐づく(日本国内で繰り上げ不可) | 国内の出願日(補正後の新出願で巻き戻し可) 審判係属中の手続日を基準 |
| 実務上の構え | 最初から要旨変更を招かない出願書類で攻める | 補正で攻めても新出願でリカバリー可能 拒絶査定不服審判で補正と併せ争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はマドリッドプロトコル未加盟のため国際登録出願の特例制度自体が存在せず、補正の救済は国内出願の枠組みのみで完結する。
韓国もマドプロ加盟国で国際商標登録出願の特例章を持ち、国内手続規定の準用について日本と同様の調整を行う。
ドイツはMarkenGで国際登録商標(IR-Marke)の効力・手続を規律し、EU商標制度とも接続するためマドプロ特例の構造が異なる。
米国は2003年にマドプロ加盟。Madrid Protocol Implementation Actで国内手続との接続を規定し、補正・修正の扱いは日本と制度設計が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外展開を狙って日本を本国官庁にマドプロで商標を国際出願した。日本の審査段階で補正を求められ、応答に追われるなかで要旨変更にあたる補正を出してしまったら、どうなる? 国内出願なら意匠法17条の3の準用で補正後の商標を新出願に切り替えて救えるが、68条の18がその逃げ道を国際出願では閉じている。
- 拒絶理由通知が届き、指定された応答期間まで残り数日。国内出願の癖で「補正が通らなくても新出願でリカバリーできる」と構えていた担当者が、この案件はマドプロ経由だと気づいて青ざめる。残り時間で、要旨変更にならない補正へ組み直さなければならない。
- 弁理士が国内出願とマドプロ出願を並行で抱えている。同じ補正の判断でも、国内案件には新出願の救済があり、国際案件にはない。この一線を引き忘れた瞬間、依頼者の権利が消える。
取るべき行動
被害を受けた側:1. その商標案件が国内出願かマドプロ経由の国際商標登録出願かを真っ先に確定する。後者なら68条の18で新出願の救済は使えない。2. 出してしまった補正が要旨変更にあたるかを、特許庁の審査基準に照らして冷静に検証する。3. 要旨変更と判断される恐れがあるなら、却下を待たず、要旨変更にならない範囲へ補正を組み直す。4. 国際登録自体は生きているので、最悪でも日本指定を立て直す道がないか弁理士と詰める。
訴えられた側:1. 補正が要旨変更にあたるという審査官の認定に対しては、補正の前後で商標の要旨(識別の核となる部分)が変わっていないことを具体的に主張する。2. 国際出願では新出願による救済がない以上、ここでの反論が事実上の最終防衛線になると認識する。3. 審査基準や類似の審査例を引いて要旨の同一性を立証する。4. 反論が通らない見込みなら、傷を広げる前に補正を撤回し登録可能な範囲に絞り込む判断も選択肢に入れる。
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。ただし補正は拒絶理由通知で指定された応答期間内に行う必要があり、国際出願では補正後の新出願による救済(意匠法17条の3準用)が使えないため、その応答期間内に要旨変更を避けた補正へ組み直せるかが勝負を分ける。最新の運用は特許庁の審査基準で確認のこと。
学説
通説:国際商標登録出願に意匠法17条の3準用の新出願特例を適用しないのは、出願人個人の手続的救済よりも、WIPOの国際登録日を基準とする国際登録制度全体の整合性を優先した制度設計上の必然と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正、平成12年(2000年)施行 日本のマドリッドプロトコル加入に伴い、国際商標登録出願等に係る特例の章(第7章の2)が新設され、本条もその一部として新設された。国際出願に意匠法準用の新出願特例を適用しない旨を定めた
改正の年表
- 1.平成11年(1999年)改正・平成12年(2000年)施行 新設:日本のマドリッドプロトコル加入に伴い、国際商標登録出願等に係る特例の章(第7章の2)が新設され、本条もその一部として新設された。国際出願に意匠法準用の新出願特例を適用しない旨を定めた。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める