商標法 第68条の17(国際登録の名義人の変更に伴う国際商標登録出願の取扱い)
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国際登録の名義人の変更により国際登録において指定された商品又は役務の全部又は一部が分割して移転されたときは、国際商標登録出願は、変更後の名義人についてのそれぞれの商標登録出願になつたものとみなす。
この条文の基本情報
国際登録の名義人の変更に伴う国際商標登録出願の取扱いとは何ですか?
定義国際登録の名義人の変更に伴う国際商標登録出願の取扱いとは、商標法第68条の17に定められた規定で、「国際登録の名義人の変更により国際登録において指定された商品又は役務の全部又は一部が分割して移転されたときは、国際商標登録出願は、変更後の名義人についてのそれぞれ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の17(国際登録の名義人の変更に伴う国際商標登録出願の取扱い)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の17の条文原文は「国際登録の名義人の変更により国際登録において指定された商品又は役務の全部又は一部が分割して移転されたときは、国際商標登録出願は、変更後の名義人についてのそれぞれ…」で始まります。
- 商標法第68条の17は第二節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の17の前の条は商標法第68条の16です。
- 商標法第68条の17の次の条は商標法第68条の18です。
- 商標法第68条の17には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の17 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の17(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の17は、国際登録の名義変更で指定商品・役務が分割移転されると、日本の国際商標登録出願が変更後の名義人ごとの別出願に自動分割されると定める。分割申請は不要。
Q · 国際商標を一部だけ他社に譲ったら、日本での出願は自分で分割手続きしないといけないの?
不要です。国際登録簿の名義変更記録だけで自動的に分割されます
商標法68条の17により、国際登録の名義人変更で指定商品・役務の一部が分割移転されると、日本での国際商標登録出願は変更後の名義人ごとの別出願になったものとみなされます。国内商標の出願分割(10条)と違い、特許庁への分割申請は不要で、WIPOの国際登録簿に名義変更が記録された事実だけで自動的に二つに枝分かれします。分割後の各出願は元の出願日と優先権を維持したまま、対等な別出願として並走します。
解説
マドリッド協定議定書を使えば、一つの国際登録で日本を含む多くの国に同時に商標を押さえられる。問題は、その商標を持つ会社が事業の一部だけを売ったときに起きる。たとえば「化粧品」と「アパレル」の両方で商標を登録していた会社が、アパレル部門だけを別会社に譲渡する。68条の17が定めるのは、その瞬間に起こる出願の分裂だ。日本を指定していた一つの国際商標登録出願は、あなたが特許庁へ「分割します」と申請しなくても、国際登録簿で名義変更が記録された事実だけで、移転を受けた相手の出願と元の名義人に残る出願の二本に自動的に枝分かれする。事業の一部を切り売りしたつもりが、知的財産の権利関係まで勝手に再編される。この自動分割を知らないと、誰がどの商品で権利を持つのか社内でも追えなくなる。
法的な位置づけ
商標法68条の17は、国際登録経由の商標出願における分割移転の効果を定める規定である。国際登録の名義人変更により指定商品・役務の全部または一部が分割移転された場合、日本の国際商標登録出願は変更後の名義人ごとのそれぞれの出願になったものとみなされ、当事者の分割申請を要しない自動分割が生じる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.国際登録簿で名義変更の記録日を確認 WIPOのMadrid Monitorで対象国際登録の名義変更がいつ記録されたかを確認する。この記録日が日本での出願分割の起算点になる
- 2.移転された商品・役務の範囲を指定明細と照合 自分に移転された商品・役務が、国際登録の指定明細のどこに対応するかを明細レベルで照合し、分割後にどの区分を保有するかを確定する
- 3.分割後の自分の出願番号を特許庁経過情報で特定 特許庁のJ-PlatPat経過情報で、分割により付与された自分の国際商標登録出願の番号と審査状態を特定する
- 4.拒絶理由通知・登録料納付通知の有無を確認 変更後の名義人として、分割された自分の出願に拒絶理由通知や登録料納付の通知が来ていないか確認する。応答期限は原則通知から3か月で、見落とすと自分の出願だけ失効する
よくある質問 AI による整理
Q1国際商標登録出願とは何ですか?
マドリッド協定議定書に基づき、一つの国際登録で日本を含む複数国に商標を出願したものとして扱う制度です。商標法68条の9以下が規律します。
Q2マドリッド協定議定書とは?
一つの国際出願で複数国に商標を出願・登録できる国際条約です。日本は2000年に加入し、商標法第7章の2が国内の特例を定めています。
Q3国際商標の分割移転はいつ効力が生じますか?
WIPOの国際登録簿に名義変更が記録された日が起算点です。その時点で日本の出願は変更後の名義人ごとの別出願に自動分割されます。
Q4商標の一部譲渡はどうやるの?
国際登録経由ならWIPOの国際事務局へ名義変更を申請します。特許庁への国内手続きは不要で、記録により日本の出願が自動分割されます。
Q5国際商標の名義変更はどこで手続きする?
日本の特許庁ではなくWIPO(世界知的所有権機関)の国際事務局が窓口です。国際登録簿への記録が分割の引き金になります。
Q6分割後の出願に拒絶理由通知が来たら誰が応答する?
変更後の名義人が応答します。応答期限は原則通知から3か月で、見落とすと自分の出願だけ失効するため経過情報の確認が必要です。
Q7商標を一部譲渡すると出願番号は変わる?
分割により各名義人ごとの出願として扱われ、特許庁の経過情報で新たな出願番号を確認できます。出願日と優先権は元のまま維持されます。
Q8M&Aで国際商標を引き継ぐときの注意点は?
過去の名義変更で出願が分割され権利者が分散している場合があります。デューデリで国際登録簿を洗い、どの商品区分を実際に保有するか確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1商標を一部だけ他社に売ったら、自分でも特許庁に分割の届け出をしないといけないんですか?
国際登録経由の場合は不要です。商標法68条の17により、国際登録簿で名義変更が記録されれば、日本国内の出願は自動的に分割されたものとみなされます。国内商標の出願分割(10条)や商標権の分割(24条)とは違い、特許庁への能動的な申請は要りません。実務のポイント:自動分割ゆえに、当事者が気付かないまま権利が二人に分かれていることが実務で頻発する。M&Aのデューデリでは、過去の国際登録名義変更を必ず洗う
Q2分割された二つの出願は、出願日が新しくなって不利になりませんか?
なりません。元の国際商標登録出願の出願日と優先権はそのまま引き継がれます(68条の17、68条の9)。分割は権利者を分けるだけで、時間的な順位は維持されます。実務のポイント:この「出願日が動かない」点が国際商標分割の強み。国内の事業再編で商標を分けると新規出願扱いで先願の地位を失うリスクがあるが、国際登録経由ならそれを避けられる場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「商標を譲渡するには分割の手続きを自分で踏まなければならない」と知っている人でも、国際登録の場合は手続き不要で自動的に割れるという深刻さに気付いていない。あなたが意図せずとも、国際登録簿の記録だけで日本国内の出願が分裂し、気付かないうちに権利者が二人になっている
- 「分割された二つの出願は、どちらが優先するのか?」という問いを立てる人がいるが、問いそのものがずれている。優先も劣後もない。二つの出願は元の出願日と優先権を保ったまま、完全に対等な別出願として並走する。どちらかが上位ということはない
- 「国内で商標を移転するのと同じ感覚で進めればいい」と思いがちだが、国際登録経由の移転は世界知的所有権機関(WIPO)の国際登録簿が起点。日本の特許庁への申請ではなく、国際事務局での名義変更記録が引き金になる。動かす窓口がそもそも違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 分割の起点 | 68条の17:国際登録簿の名義変更記録(自動) | 10条:出願人による特許庁への分割申請 24条:商標権者による商標権の分割 |
| 手続きの要否 | 申請不要、記録により自動分割 | 出願人の能動的な分割申請が必要 商標権者の分割登録申請が必要 |
| 対象 | 国際商標登録出願(日本指定分) | 国内の商標登録出願 設定登録後の商標権 |
| 出願日・優先権 | 元の出願日・優先権を維持して並走 | 原出願の出願日を維持 登録済みのため出願日概念なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はマドリッド協定議定書に非加盟のため、国際登録経由の自動分割制度は存在しない。商標権・出願の移転は国内手続きによる
韓国はマドリッド加盟国で、国際登録の名義変更による分割移転を国内法で受容している
ドイツはマドリッド加盟国で、国際登録(IR-Marke)の分割移転を共通規則に従い国内で扱う
米国はマドリッド議定書実施法により国際登録の譲渡・分割を規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたがスタートアップを買収し、相手の主力ブランドを国際商標ごと引き継いだ。ただし買収したのは「ソフトウェア」分野だけで、相手は「教育サービス」の権利を手元に残した。国際登録簿に名義変更が記録された瞬間、日本での出願はあなたの分と相手の分に自動分割される。あなたは何も申請していないのに、新しい出願人になっている
- もし国際登録の名義変更を記録した直後に、分割された一方の出願に拒絶理由通知が来たら、誰が応答するのか? 応答できるのは変更後の名義人だけ。期限は通知から原則3か月。社内で「これはうちの担当じゃない」と押し付け合っているうちに、期限が過ぎて権利を失う
- ライセンス先に商品区分の一部を譲渡した。あなたが思っていたのは単なる事業譲渡。だが商標の世界では、出願そのものが二つに割れていた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 国際登録簿(WIPOのMadrid Monitor)で名義変更がいつ記録されたかを確認、その日が分割の起算点2. 自分に移転された商品・役務の範囲を、国際登録の指定明細と照合3. 分割後の自分の出願番号を特許庁の経過情報で特定4. 拒絶理由通知や登録料納付の通知が来ていないか、変更後の名義人として確認、見落とすと自分の出願だけ失効する
訴えられた側:1. 譲渡した商品・役務と手元に残した範囲を明細で確定、口頭や曖昧な契約のままにしない2. WIPOへの名義変更記録の申請前に、分割範囲を相手と書面で合意3. 記録後は、残った出願が自分の名義で正しく分割されているか経過情報で確認4. 移転対象外の商品で相手が権利主張してこないよう、譲渡契約に商品区分を明記しておく
時効(請求できる期限):この条文自体に固有の期限はないが、分割後の各出願は通常の出願と同じく、拒絶理由通知への応答期限(原則通知から3か月、在外者は猶予あり)や登録料納付期限が個別に進行する。名義変更が国際登録簿に記録された日が、分割の効果が生じる起算点になる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)法律改正 標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書への加入に伴い、国際商標登録出願等の特例として第7章の2を新設。本条もこのとき新たに設けられ、平成12年(2000年)3月14日の議定書の日本への効力発生に合わせて施行された
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書への加入に伴い、第7章の2(国際商標登録出願等の特例)を新設。本条もこのとき設けられ、平成12年(2000年)3月14日の議定書の日本への効力発生に合わせて施行された
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