障害者の雇用の促進等に関する法律 第89条の2
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第七十四条の三第十四項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第十五項各号の規定による請求を拒んだ在宅就業支援団体は、二十万円以下の過料に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第89条の2は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第89条の2の条文原文は「第七十四条の三第十四項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第十五…」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第89条の2は第五章 罰則に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第89条の2の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第89条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第89条の2の次の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第90条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第89条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第89条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第89条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/89_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法89条の2は、在宅就業支援団体が財務諸表等を備え置かない場合、虚偽記載をした場合、または正当な理由なく閲覧請求を拒んだ場合に、二十万円以下の過料を科す規定である。
Q · 在宅就業支援団体に決算書を見せてと頼んで断られたら、団体はどうなるの?
正当な理由なく断れば、団体に二十万円以下の過料が科される
障害者雇用促進法89条の2により、在宅就業支援団体が74条の3第14項の財務諸表等を備え置かない場合、記載漏れや虚偽記載をした場合、または正当な理由なく同条第15項の閲覧等の請求を拒んだ場合には、二十万円以下の過料に処されます。過料は刑罰ではない秩序罰で、非訟事件手続法に基づき裁判所が科します。請求できるのは在宅就業障害者を含む利害関係人で、業務時間内であればいつでも請求できます。
解説
罰金額は二十万円以下と小さいが、注目すべきは額ではなく、誰が帳簿を見られるかである。障害者の雇用の促進等に関する法律74条の3第14項は、厚生労働大臣の登録を受けた在宅就業支援団体(障害のある人に自宅でできる仕事を仲介・支援し、企業からの発注を取り次ぐ団体)に対して、毎事業年度、財産目録・貸借対照表・損益計算書(または収支計算書)・事業報告書を作成し、事務所に備え置くよう義務づけている。同条第15項は、そこで働く在宅就業障害者を含む利害関係人が、業務時間内であればいつでも閲覧や写しの交付を請求できると定める。本条は、備置義務を怠った場合、虚偽の記載をした場合、正当な理由なく閲覧請求を断った場合に過料(刑罰ではない金銭制裁で、前科はつかない)を科す。あなたが支援団体経由で仕事を受けている当事者なら、「うちの単価はなぜこの額なのか」「企業からの発注額のうち何割が団体に残っているのか」を、団体の許可を得ることなく自分で確かめられる。拒まれた場合、その拒否自体が制裁の対象になる
法的な位置づけ
障害者の雇用の促進等に関する法律第89条の2は、在宅就業支援団体に課される財務諸表等の作成・備置義務と、利害関係人による閲覧等の請求に応じる義務の実効性を担保する秩序罰規定である。備置の懈怠、記載漏れ、虚偽記載、正当な理由のない請求拒否を対象に、二十万円以下の過料を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1在宅就業支援団体とは何ですか?
自宅などで働く障害のある人に仕事を仲介・支援し、企業からの発注を取り次ぐ団体で、厚生労働大臣の登録を受けたものをいいます。
Q2過料を科されると前科はつく?
つきません。過料は刑罰ではない秩序罰で、罰金とは異なります。ただし法令違反の事実として行政上の監督の材料になりえます。
Q3在宅就業支援団体の財務諸表はいつまでに作る?
毎事業年度の経過後三か月以内に作成し、事務所に備え置く必要があります(74条の3第14項)。遅れれば本条の過料の対象です。
Q4閲覧請求できる利害関係人とは誰?
団体経由で仕事を受ける在宅就業障害者が典型です。法律上は「在宅就業障害者その他の利害関係人」とされ、範囲は個別に判断されます。
Q5在宅就業支援団体の閲覧拒否は違法?
正当な理由なく拒めば74条の3第15項違反となり、本条により団体に二十万円以下の過料が科されうる行為です。
Q6閲覧請求に予約や理由の説明は必要?
条文上、予約や請求理由の説明は要件とされていません。業務時間内であることが必要です。写しの交付は団体所定の費用がかかる場合があります。
Q7過料は誰がどこで決めるの?
非訟事件手続法に基づき、裁判所が過料の裁判をします。行政機関からの通知などが手続開始のきっかけになるのが通例です。
Q8違反した在宅就業支援団体の登録は取り消される?
過料とは別に、厚生労働大臣による監督(改善命令や登録取消しなど)の対象となりうる点が、団体にとって実質的に重いリスクです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1閲覧を断られたら、警察に言えばいいんですか?
警察は扱わない。本条の過料は刑罰ではない秩序罰で、非訟事件手続法に基づき裁判所が科すものだ。実務上は、所管の労働局や厚生労働省に事実を伝え、監督権限を動かしてもらうことになる。実務のポイント:口頭で断られただけでは行政も動きにくい。書面で再請求して拒否の記録を残すと、通報の重みがまったく違ってくる
Q2団体側ですが、利用者以外の人から決算書を見せろと言われました。全員に見せる義務がありますか?
請求できるのは在宅就業障害者その他の利害関係人に限られる(74条の3第15項)。利害関係のない第三者からの請求を断ることは、正当な理由になりうる。ただし利害関係の有無を狭く解釈しすぎると本条違反のリスクが生じる。実務のポイント:発注を検討している企業も、利害関係人として扱われる余地がある。この点は解釈が分かれうるので、迷ったときは開示する方向で対応したほうが、登録維持の観点からは安全である
間違えやすい点 AI による整理
- 「財務諸表を見られるのは役所か監査をする人だけ」と思われがちだが、74条の3第15項の請求権者は在宅就業障害者を含む利害関係人である。仕事を受けている当事者本人が請求できる。行政に頼まなくても、本人が直接事務所で請求すればよい
- 団体側は「過料は二十万円以下だから大した問題ではない」と考えがちだが、これは深刻度を見誤っている。過料そのものよりも、法令違反の事実が厚生労働大臣による監督(改善命令、登録の取消しなど)の材料になることのほうがはるかに重い。登録を失えば、発注企業は特例調整金・特例報奨金の対象となる発注先を失うため、取引先が一斉に離れていくおそれがある
- 「閲覧を断られたら泣き寝入りするしかない」という発想そのものが誤っている。過料は刑罰ではないため警察は扱わないが、裁判所に過料の裁判を求める端緒として、事実を書面で記録し、所管の労働局や厚生労働省に通報する道がある。拒否の記録こそが材料になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 89条の2:義務違反に対する制裁(過料) | 74条の3第14項・第15項:財務諸表等の備置義務と閲覧等請求権の本体 74条の2:在宅就業障害者特例調整金の支給 |
| 名宛人 | 在宅就業支援団体 | 在宅就業支援団体(義務)/在宅就業障害者その他の利害関係人(権利) 在宅就業障害者・在宅就業支援団体に発注した事業主 |
| 違反・不充足の帰結 | 二十万円以下の過料(刑罰ではない) | 本条の過料のほか、行政上の監督の対象となりうる 要件を満たさなければ特例調整金が支給されない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は定額進用制度と庇護性就業を軸とし、在宅就業を仲介する登録団体に財務開示を義務づける日本型の仕組みは見当たらない
韓国も雇用義務と負担金制度を持つが、在宅就業支援団体の財務諸表閲覧権に相当する規定の有無は要確認
ドイツは障害者作業所(Werkstatt)への発注額の一部を調整賦課金に算入できる制度を持ち、日本の特例調整金と発想が近い
米国は連邦調達で障害者を雇用する非営利団体への発注を優先する仕組みで、中間団体を経由する点が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 支援団体経由でデータ入力の仕事を三年続けてきたが、単価は一度も上がっていない。事務所で財務諸表の閲覧を申し出たところ、職員から「内部資料なのでお見せできません」と言われた。これは74条の3第15項の請求権を正面から拒否した対応で、正当な理由がなければ本条の過料の対象になる
- 団体の運営者の立場で考える。決算が四か月遅れ、財務諸表がまだ事務所にない状態で利用者から閲覧を求められた。「まだできていない」という説明は、備置義務違反そのものの自白になる
- もし団体が補助金や発注額を実態より大きく見せるために事業報告書の数字を盛っていたら、どうなるか? 虚偽記載だけで本条の過料に当たる。さらに登録の取消しや行政の監督処分につながれば、団体経由で企業が受けていた特例調整金の前提まで揺らぐ
- 企業の人事担当者として、法定雇用率の未達分を補う目的で在宅就業支援団体への発注を検討している。発注先を決める前に、その団体が財務諸表をきちんと開示しているか確認しておかないと、後で取引先の登録の有効性を問われることになる
- 団体の決算期末から三か月が過ぎようとしている。あと数日で備え置きの期限を迎えるが、事業報告書はまだ下書きの段階だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 団体の事務所に業務時間内に出向き、74条の3第15項に基づいて財務諸表の閲覧を請求する。写しの交付は団体が定める費用がかかることがある2. 拒否されたら日時・対応者・理由を記録し、メールまたは書面で再請求する3. それでも拒否される場合や記載内容に虚偽の疑いがある場合は、所管の都道府県労働局または厚生労働省の担当部署に情報提供する4. 報酬の未払いなど金銭面の被害があるときは、民事上の請求を別に検討する
訴えられた側:1. 事業年度が終わってから三か月以内に財務諸表一式を作成し、事務所に備え置いているかを直ちに点検する2. 閲覧を拒んだ理由が「正当な理由」(業務時間外である、請求者が利害関係人に当たらない、など)に該当するか確認し、該当しなければすぐに閲覧に応じる3. 誤った記載が見つかったら速やかに訂正し、経緯を記録しておく4. 過料の裁判は非訟手続で進むため、裁判所から陳述の機会が与えられたときは、是正したことを書面で示す
時効(請求できる期限):本条の過料には固有の時効規定がない。期限の目安となるのは義務側の期間で、財務諸表は各事業年度の経過後三か月以内に作成して事務所に備え置き、閲覧請求は業務時間内であればいつでもできる(74条の3第14項・第15項。備置期間など細部は最新の改正状況をご確認ください)。損害賠償を請求する場合は、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
学説
通説:過料は行政上の秩序罰であり刑罰ではないため、刑法総則や刑事訴訟法は適用されず、非訟事件手続法による裁判所の手続で科される。刑罰と併科されても二重処罰には当たらないと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:障害者雇用促進法の改正により在宅就業障害者支援制度が創設され、在宅就業支援団体の登録制度と在宅就業障害者特例調整金が設けられた。財務諸表等の備置・閲覧制度もこの制度の一部として整備された。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の3財務諸表の備置義務と閲覧請求権の本体
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の2在宅就業障害者特例調整金の支給
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄と裁判手続
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