障害者の雇用の促進等に関する法律 第91条
クイックジャンプ
- 在宅就業障害者が次の各号のいずれかに該当するときは、五万円以下の過料に処する。
- 一第七十四条の二第七項又は第七十四条の三第二十項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
- 二第八十二条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第91条は、日本の障害者の雇用の促進等に関する法律に含まれる条文です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第91条の条文原文は「在宅就業障害者が次の各号のいずれかに該当するときは、五万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第91条は第五章 罰則に置かれています。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律の公布日は昭和35年7月25日です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第91条の前の条は障害者の雇用の促進等に関する法律第90条です。
- 障害者の雇用の促進等に関する法律第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000123 - 本サイト収録
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000123/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点障害者雇用促進法91条は、在宅就業障害者が特例調整金等に関する報告をせず、虚偽の報告をし、又は職員の質問・検査を拒んだ場合に、五万円以下の過料に処すると定める。
Q · 在宅で仕事を受けている障害者が、国からの報告依頼を無視したらどうなるの?
報告しない・虚偽報告・検査拒否で5万円以下の過料になる
障害者雇用促進法91条により、在宅就業障害者が同法74条の2第7項、74条の3第20項、82条2項に基づく報告をしない、虚偽の報告をする、職員の質問に答えない・虚偽の陳述をする、検査を拒む・妨げる・忌避するといった場合、五万円以下の過料に処されます。過料は刑罰ではない秩序罰のため前科はつきませんが、虚偽の報告が企業の特例調整金の不正受給と結びつくと、別の法的責任が問題になりえます。
解説
罰則の章に、在宅就業障害者その人を名指しする条文が一本だけある。ここで言う在宅就業障害者とは、会社に雇われず、自宅などで企業から仕事を請け負う障害のある人のことだ。企業がこうした人に仕事を発注して報酬を払うと、国から在宅就業障害者特例調整金や特例報奨金(法定雇用率の未達を補う形で企業に支払われるお金)が出る。お金の流れがあるので、役所は実態を確かめに来る。厚生労働大臣などから報告を求められたのに放置した、事実と違う報告をした、職員の質問に答えなかった、検査を拒んだ。こうした場合は5万円以下の過料(役所の秩序を守るための金銭の制裁で、刑罰ではない)になる。前科はつかない。ただ、報告の相手が発注元の企業ではなく国だという点は、案外知られていない。企業に頼まれて「月10時間」を「月40時間」と書いた瞬間、その数字はあなた自身の報告として扱われる。過料の額は小さいが、その一行が企業の不正受給の土台になれば、話は5万円では済まない。
法的な位置づけ
障害者の雇用の促進等に関する法律第91条は、在宅就業障害者を名宛人とする過料規定である。在宅就業障害者特例調整金等に関する報告、及び82条2項に基づく報告・質問・検査について、報告の懈怠、虚偽報告、不答弁、虚偽陳述、検査の拒否・妨害・忌避があった場合に、五万円以下の過料を科す秩序罰を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1在宅就業障害者とは?
企業に雇用されず、自宅などで企業から業務を請け負って働く障害のある人を指します。障害者雇用促進法の在宅就業障害者支援制度の対象となる人です。
Q2障害者雇用促進法 過料 いくら?
在宅就業障害者に対する過料は、91条により五万円以下です。報告の懈怠、虚偽報告、質問への不答弁、検査拒否などが対象になります。
Q3過料 前科 つく?
つきません。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰で、刑事裁判ではなく非訟事件手続により科されます。ただし軽視してよいわけではありません。
Q4在宅就業障害者特例調整金とは?
在宅就業障害者に業務を発注し報酬を支払った事業主に対し、その支払額に応じて国から支給される調整金です。障害者雇用促進法74条の2に規定があります。
Q5労働局 報告 求められた 無視 違法?
在宅就業障害者が82条2項等に基づく報告を正当な理由なく出さない場合、91条により五万円以下の過料の対象となりえます。期限前の連絡が重要です。
Q6在宅ワーク 作業時間 水増し 違法?
発注元の依頼であっても、国への報告で作業実績を偽れば虚偽報告として91条の過料の対象になりえます。報告の名義人は受注者本人です。
Q7立入検査 拒否 できる?
82条2項に基づく検査を拒み、妨げ、忌避した在宅就業障害者は91条により過料の対象となります。不安があれば日程調整や同席者の相談を申し出る方法があります。
Q8過料 誰が決める?
過料の裁判は裁判所が非訟事件手続法に基づいて行います。行政機関が直接徴収を決めるのではなく、裁判所の決定を経る仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q15万円払えば終わりなんですよね?
本条の過料自体は5万円以下で、刑罰ではないので前科もつかない。ただし虚偽の報告によって企業が特例調整金を不正に受け取った場合、企業は返還を求められ、共謀が疑われれば刑法246条の詐欺罪が問題になりうる。実務のポイント:役所が本当に見ているのは過料の取りはぐれではなく、企業の申請とあなたの報告の食い違いである。数字が一致しないこと自体が調査の起点になる
Q2体調が悪くて報告書を出せなかったら罰されますか?
本条は「報告をせず」を対象にするが、実務上いきなり過料の手続に進むことは考えにくく、まず督促や確認が入るのが通常だ(82条の報告・検査の運用による)。実務のポイント:理由を添えて一報を入れたかどうかで印象がまったく変わる。電話なら日時と担当者名を必ずメモしておく。後で「連絡した」と言える証拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料は罰金と同じで前科がつく」と恐れる人がいるが、過料は刑罰ではない秩序罰である。刑事裁判ではなく、地方裁判所の非訟手続で科される。とはいえ前科がつかないから軽く扱ってよいわけではない。問題は額ではなく、虚偽の報告が企業の不正受給と結びついたときの連鎖である
- 弱い立場の受注者は企業の指示に従うしかないと考えがちだが、法律から見れば報告義務者はあなた自身だ。「頼まれたから書いた」という事情は、虚偽の報告をしたという事実を消さない。発注元との力関係と、国に対する責任の所在は別の帳簿に記録される
- 「在宅の請負なら労働法の外にいるから役所は関係ない」という前提がそもそも誤っている。雇用契約がなくても、特例調整金というお金が動く以上、あなたは報告・検査の対象者として制度の内側にいる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 91条:在宅就業障害者に対する制裁(五万円以下の過料) | 82条:報告徴収・質問・立入検査の根拠 74条の2:在宅就業障害者特例調整金の支給と報告 |
| 名宛人 | 在宅就業障害者本人 | 事業主、在宅就業障害者等、報告・検査の対象者 特例調整金を受ける事業主と関連する在宅就業障害者 |
| 違反時の効果 | 過料(秩序罰、前科なし、非訟手続) | 義務の根拠規定であり、制裁は罰則章の各条による 支給要件の確認が進まず支給に影響しうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も一定規模以上の機関に障害者の定額雇用を義務付け、未達分は差額補助費を納付させる。在宅請負者を名宛人とする報告義務違反の秩序罰という構成は日本特有
韓国も義務雇用率と負担金・奨励金の制度を持ち、日本の制度と構造が近い
ドイツは雇用義務未達の事業主に調整負担金(Ausgleichsabgabe)を課し、違反には秩序違反(Ordnungswidrigkeit)として過料を定める
米国は雇用率による負担金制度を持たず、連邦契約者への積極的雇用義務と差別禁止(ADA)を中心とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在宅でデータ入力を請け負っている。発注元の担当者から「調整金の手続きがあるから、作業時間は多めに書いておいて」と言われた。善意の頼みに聞こえても、虚偽の数字を書くのは企業ではなくあなただ
- 労働局からの照会文書が届いた。体調の波で一か月寝込んでいたため封を開けていない。回答期限はあと5日しかない
- もし役所の職員が自宅を訪ね、作業の実態を聞きたいと言ってきたら? 答えたくない質問が出たとき、黙るのと嘘をつくのでは評価がまったく違う。どちらも本条の対象になりうるが、うその陳述は後で企業側の不正にまで波及する
- 発注側の企業担当者として、在宅就業障害者に報酬を払い、特例調整金を申請している。相手が報告を出さないと、確認が進まず支給が止まりうる。相手を責める前に、報告の必要性を最初の契約時に説明したかどうかを振り返ることになる
取るべき行動
被害を受けた側:発注元に虚偽の報告を求められて困っている場合:1. 依頼内容をメールやチャットで残し、口頭なら日時とやり取りをメモする2. 実際の作業時間・納品物・報酬額を自分で記録しておく3. 在宅就業支援団体を通じた契約なら団体に相談する4. 解決しなければ都道府県労働局やハローワークの障害者雇用担当に事実関係を相談する。報告は事実どおりに出す
訴えられた側:報告漏れや虚偽報告を指摘された場合:1. すぐに事実関係を整理し、訂正報告を出す2. 遅れた理由(体調、通知の未着など)を資料付きで説明する3. 発注元の指示があったなら、その記録を保全する4. 地方裁判所から過料の通知が来たら、非訟事件手続法に基づき即時抗告ができるので、弁護士や法テラスに早めに相談する
時効(請求できる期限):本条の過料について特別な時効の定めはない(過料には刑事の公訴時効が適用されない点に注意)。過料の裁判に対する即時抗告は告知を受けた日から1週間以内(非訟事件手続法、最新の改正状況をご確認ください)。報告期限は照会文書に記載された日付が基準になる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:障害者雇用促進法の改正により在宅就業障害者支援制度が創設され、在宅就業障害者に業務を発注した事業主への特例調整金・特例報奨金の仕組みが導入された。本条の対象となる在宅就業障害者の報告義務はこの制度を前提とする
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の2在宅就業障害者特例調整金と報告義務
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第74条の3在宅就業支援団体の登録と報告
- 障害者の雇用の促進等に関する法律 第82条報告徴収・立入検査の根拠
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄裁判所
- 非訟事件手続法 第120条過料の裁判と即時抗告
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める