医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第71条(検査命令)
クイックジャンプ
厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造販売業者又は医療機器の修理業者に対して、その製造販売又は修理をする医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品について、厚生労働大臣又は都道府県知事の指定する者の検査を受けるべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
検査命令とは何ですか?
定義検査命令とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第71条に定められた規定で、「厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造販売業者又は医療機器の修理業者に対して…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第71条(検査命令)は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に含まれる条文です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第71条の条文原文は「厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器若しくは再生医療等製品の製造販売業者又は医療機器の修理業者に対して…」で始まります。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第71条は第十三章に置かれています。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の公布日は昭和35年8月10日です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第71条の前の条は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第70条です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第71条の次の条は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第72条です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145 - 本サイト収録
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000145/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点薬機法71条は、厚生労働大臣または都道府県知事が必要と認めるとき、医薬品等の製造販売業者や医療機器の修理業者に、指定する者の検査を受けるよう命じられると定める。
Q · OEM で他社工場に作らせている化粧品でも、うちの会社が県から検査を命じられるの?
はい。名宛人は製造を委託した製造販売業者です
薬機法71条の検査命令の対象は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の製造販売業者と医療機器の修理業者です。製造を OEM 工場に委託していても、製品を市場に出す責任を負う製造販売業者が命令を受けます。要件は「必要があると認めるとき」で、健康被害の発生までは求められていません。自社の試験成績書があっても命令を免れる理由にはならず、指定された機関での検査に応じる必要があります。
解説
行政が製品を疑ったとき、証明の場は自社の品質試験室から、行政が選んだ検査機関へ移る。薬機法71条はそのための仕組みである。厚生労働大臣または都道府県知事は「必要があると認めるとき」、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の製造販売業者と、医療機器の修理業者に対して、大臣または知事が指定する者の検査を受けるよう命じることができる。見落とされやすい点が二つある。第一に、命令を受けるのは工場(製造業者)ではなく、製品を市場に出す製造販売業者である。OEM で他社工場に作らせているブランドでも、責任の窓口は自分になる。第二に、「必要がある」という要件は緩く、健康被害が実際に起きていなくても発動されうる。自社の試験成績書が完璧でも、それだけで命令は止められない。行政が「第三者の目で確かめる」と決めた時点で、主導権は相手に移るからだ。逆に、健康被害を受けた消費者や医療現場にとっては、行政に独立した検査を促すための正式な根拠条文になる。
法的な位置づけ
薬機法71条は検査命令を定める規定であり、厚生労働大臣または都道府県知事が必要があると認めるときに、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の製造販売業者および医療機器の修理業者に対し、大臣または知事の指定する者による製品検査を受けるべきことを命じる権限を定める。健康被害の発生を要件としない監督上の行政処分である。
よくある質問 AI による整理
Q1薬機法の検査命令とは?
薬機法71条に基づき、厚生労働大臣または都道府県知事が製造販売業者等に対し、指定する機関で製品検査を受けるよう命じる行政処分です。
Q2OEM 製造の化粧品でも検査命令の対象になる?
対象になります。命令の名宛人は製造を担う工場ではなく、製造販売業許可を持ち製品を市場に出すブランド側の会社です。
Q3検査命令はどんなときに出される?
行政が「必要があると認めるとき」です。健康被害の報告が少ない段階や、品質への疑いが生じた段階でも発動されうる緩い要件です。
Q4検査命令の結果はどう使われる?
検査結果は、廃棄等の命令(70条)、改善命令(72条)、許可の取消し等(75条)へ進むかどうかを判断する証拠になります。
Q5検査命令を取消訴訟で争える?
行政処分なので争えます。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)ですが、訴えても命令の効力は原則止まりません。
Q6検査命令が出たらすぐ業務停止になる?
なりません。検査命令は検査を受けさせるだけの処分で、業務停止や許可の取消しは75条の別の処分として検査結果等を踏まえて判断されます。
Q7医療機器の修理業者も検査命令の対象?
対象です。71条は医療機器の修理業者を明記しています。修理記録や使用部品のロット番号をすぐ出せる体制が重要です。
Q8検査命令にはいつまでに対応する?
71条自体に期限の定めはなく、命令書で指定された期限に従います。期限内に検体を提出しないと命令違反として罰則の対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検査命令を無視したら、どうなるんですか?
71条の命令違反は薬機法86条の罰則の対象とされ、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科あり)が定められている(最新の改正状況をご確認ください)。法人も両罰規定(90条)で罰金を科されうる。実務のポイント:実務で本当に痛いのは刑罰そのものより、命令違反が記録に残り、許可更新や許可の取消し等(75条)の判断材料にされることである
Q2検査費用って、うちが払うんですか?
71条の条文そのものは費用負担を明記していない。実際の負担は、指定検査機関の手数料の定めや命令の内容によって決まるため、命令書と指定機関の案内を確認する必要がある。実務のポイント:費用より大きいのは OEM 先との費用分担である。品質保証契約に「行政の検査命令を受けた場合の費用と検体提供」を書いていない会社が多く、揉める原因はたいていここにある
Q3うちは販売店で、メーカーじゃありません。関係ありますか?
71条が名宛人とするのは製造販売業者と医療機器の修理業者で、販売業者(薬局・ドラッグストア・卸)は対象に書かれていない。ただし販売業者は立入検査(69条)や廃棄等の命令(70条)の対象にはなりうる。実務のポイント:自社ブランド(PB)商品を扱う小売は、製造販売業許可の名義がどこにあるかを確認しておくこと。名義が自社にあれば、検査命令の窓口はメーカーではなくあなたの会社になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自社で試験成績書を出せば、行政の検査は必要ないはずだ」と考えがちだが、本条の目的はまさに事業者から独立した検査にある。自社データは反論材料にはなるが、命令を免れる理由にはならない
- 検査命令は重大な健康被害が出てから使われる最後の手段と思われている。実際はむしろ手前の段階の道具で、「必要があると認めるとき」という要件には被害の発生までは求められていない。命令の後には改善命令(72条)や許可の取消し等(75条)という、より重い処分が控えている。検査命令を軽く受け流した事業者ほど、次の段階で不利な事実認定を受けやすい
- 消費者から見れば「検査しろ」は行政へのお願いにすぎないように見えるが、法律上は事業者に義務を課す行政処分(役所が相手方に直接下す具体的な決定)である。そのため命令された側は、審査請求や取消訴訟で争う道を持つ。ただし、争っている間も命令の効力は原則として止まらない(行政事件訴訟法25条の執行不停止の原則)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行政の目的 | 71条:指定する者の検査で疑いを数値として確定させる | 69条:報告徴収・立入検査で事実を調査する 70条:廃棄・回収等で危険の拡大を止める |
| 名宛人 | 製造販売業者と医療機器の修理業者 | 製造販売業者のほか販売業者等も広く対象 製品を扱う業者等(販売業者も対象になりうる) |
| 監督手続上の位置 | 調査と重い処分の中間にある分岐点 | 命令前の調査段階 危険が認められた後の措置段階 |
| 事業への影響 | 検体提出と検査対応の負担、事業自体は止めない | 記録提出・立入対応の負担 在庫の廃棄・回収など直接の経済的損失 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は衛生主管機関が業者の施設・業務を検査し、薬物を抽験できる構成。日本のように第三者機関での検査を命じる形ではなく、行政自らが抽験する点に違いがある
ドイツは州の監督官庁が製造・流通を監視し、立入りや検体採取を行う。監督権限は州に置かれ、日本の大臣・知事の二層構造と比較できる
米国は FDA が施設への立入検査と検体採取を直接行う。事業者に外部機関での検査を命じる形式ではなく、FDA 自身の査察が中心である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ネットで話題の美白クリームを使った客から肌荒れの報告が相次ぎ、保健所経由で県の薬務課に情報が上がった。成分の混入が疑われれば、知事はブランドを持つ製造販売業者に、県の衛生研究所などでの検査を命じることができる。報告の件数が少ない段階でも発動されうる
- あなたが化粧品の D2C ブランドを立ち上げ、製造販売業許可を取り、製造は OEM 工場に任せている。検査命令の名宛人になるのは工場ではなくあなたの会社だ。「作ったのは工場です」という説明は、命令の対象を変える理由にならない
- 医療機器の修理業者として病院の輸液ポンプを整備したあと、同じ機種で流量異常の報告が出た。修理業者も本条の対象に明記されている。修理記録と使用部品のロット番号を今日中に揃えられるか?
- 県から検査命令の通知書が届いた。指定された期日までに検体を提出しないと、命令違反として刑事罰の対象になりうる。残された時間は通知書に書かれた期限までしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 使った製品を捨てない。容器、外箱、ロット番号、購入記録を保管する2. 症状は受診して医師の記録に残し、写真も撮る3. 最寄りの保健所または都道府県の薬務担当課に相談し、同じ症状の報告がほかにもあるか確認を求める4. 医薬品による重い健康被害であれば、医薬品副作用被害救済制度(独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく)の対象か確認する5. 損害賠償は別の軌道として、製造物責任法3条や民法709条で検討する
訴えられた側:1. 命令書に書かれた対象製品、ロット、検査機関、期限を正確に把握する2. 保管している参考品(リテンションサンプル)、試験記録、原料ロットの記録をすぐに集める3. OEM 先・原料メーカーに記録の提出を求め、連絡窓口を一本にまとめる4. 命令には従いつつ、根拠に疑問があれば審査請求・取消訴訟を並行して検討する5. 検査結果によっては自主回収(68条の11の回収報告)を先に判断し、被害拡大を止める
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。命令への対応期限は命令書で指定される。命令を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。健康被害の民事請求は損害と加害者を知った時から5年(生命・身体侵害、民法724条の2)
学説
行政法通説(段階的監督論):薬機法の監督規定は、報告徴収・立入検査、検査命令、廃棄等の命令、改善命令、許可取消しと段階的に構成され、検査命令は疑いの段階で事業を止めずに事実を確定させる中間的手段と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:薬事法(昭和35年法律第145号)の制定。行政による製品検査の命令権限が監督規定の一つとして置かれた
- 2.平成25年(2013年) 改正:平成25年法律第84号により法律名が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に改められ、再生医療等製品の類型が新設された(2014年11月施行)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第69条立入検査・報告徴収、命令前の調査段階
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第70条廃棄・回収等の命令、検査結果後の措置
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第72条改善命令等、品質管理体制への介入
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第75条許可の取消し・業務停止、最終的な制裁
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第86条検査命令違反の罰則(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条不利益処分前の意見陳述手続の原則
- 製造物責任法 第3条欠陥製品による被害の無過失責任
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。