医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第76条の8(立入検査等)
クイックジャンプ
- 厚生労働大臣又は都道府県知事は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、指定薬物若しくはその疑いがある物品若しくは指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高い物である疑いがある物品を貯蔵し、陳列し、若しくは広告している者又は指定薬物若しくはこれらの物品を製造し、輸入し、販売し、授与し、貯蔵し、陳列し、若しくは広告した者に対して、必要な報告をさせ、又は当該職員に、これらの者の店舗その他必要な場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、若しくは指定薬物若しくはこれらの物品を、試験のため必要な最少分量に限り、収去させることができる。
- 2.前項の規定による立入検査、質問及び収去については第六十九条第八項の規定を、前項の規定による権限については同条第九項の規定を、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
立入検査等とは何ですか?
定義立入検査等とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の8に定められた規定で、「厚生労働大臣又は都道府県知事は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、指定薬物若しくはその疑いがある物品若しくは…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の8(立入検査等)は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に含まれる条文です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の8の条文原文は「厚生労働大臣又は都道府県知事は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、指定薬物若しくはその疑いがある物品若しくは…」で始まります。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の8は第十五章に置かれています。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の公布日は昭和35年8月10日です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の8の前の条は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の7の3です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の8の次の条は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の9です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第76条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第76条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145 - 本サイト収録
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第76条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000145/76_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点薬機法76条の18は、厚生労働大臣又は都道府県知事が、指定薬物やその疑いがある物品を扱う者に報告を求め、令状なしで立入検査・質問・最少分量の収去を行えると定める。
Q · 危険ドラッグの疑いで役所の職員が店に来たら、令状がなくても検査を受けないといけないの?
令状は不要。正当な理由なく拒めば罰則の対象
薬機法76条の18により、厚生労働大臣又は都道府県知事は、指定薬物やその疑いがある物品を扱う者に報告を求め、職員に店舗等への立入検査・質問・最少分量の収去をさせることができます。裁判官の令状は要りません。職員は身分証明書を携帯し、求めがあれば提示しなければなりません(69条8項準用)。また、この権限は犯罪捜査のためのものと解してはならないとされています(69条9項準用)。物理的な強制はできませんが、拒否や虚偽報告には罰則があります。
解説
危険ドラッグ店が街から消えたのは、警察の逮捕だけによるものではない。役所の職員が令状なしで店に入り、帳簿を開かせ、棚の商品を「試験に必要な最少分量」だけ持ち帰る。この地道な行政調査の権限を定めているのが本条である。見落とされやすい点が三つある。第一に、対象は正式に指定された指定薬物に限られない。「疑いがある物品」や「指定薬物と同等以上の精神毒性を持つ蓋然性が高い物である疑いがある物品」まで入る。成分を少し変えて規制をすり抜ける手口も、ここで捕まる。第二に、条文は「販売した者」「輸入した者」と過去形でも書かれている。店を畳んでも、過去の取引について報告を求められうる。第三に、第69条第9項の準用により、この権限は犯罪捜査のためのものと解してはならない。ただし、拒めば罰則がある。任意の協力に見えて、実際には断りにくい調査である。この構造を知っていれば、職員が来たときに何を見せる義務があり、どこから先が刑事手続の領域なのかを落ち着いて見分けられる。
法的な位置づけ
医薬品医療機器等法76条の18は、指定薬物に関する行政調査権限を定める規定である。厚生労働大臣又は都道府県知事が、指定薬物、その疑いがある物品及び指定薬物と同等以上の精神毒性を有する蓋然性が高い物である疑いがある物品を扱う者又は扱った者に対し、報告徴収、立入検査、質問及び試験に必要な最少分量の収去を行うことを認める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.職員の身分証明書と根拠を確認する 職員が来たら、身分証明書の提示を求め、氏名・所属を記録する(69条8項準用)。あわせて調査の根拠条文、対象物品、求められている帳簿の範囲を確認し、メモに残す
- 2.対象範囲の帳簿書類を提示する 拒否は罰則の対象となるため、拒まずに範囲を明確にしたうえで協力する。仕入・販売・在庫の記録など、求められた範囲の帳簿書類を提示する。範囲外と思われる要求があれば、その旨を記録しておく
- 3.収去の品目・数量・ロットを控える 収去が行われた場合、品目・数量・ロット番号を必ず記録し、控えを求める。同一ロットの残りを保管しておけば、分析結果に異議があるとき第三者機関で検査する余地が残る
- 4.報告書提出前に弁護士へ相談する 報告を求める文書が届いたら、回答期限を確認し、刑事手続に発展する可能性を踏まえて提出前に弁護士に相談する。行政段階での回答内容は後から撤回しにくい
よくある質問 AI による整理
Q1指定薬物の立入検査とは何ですか?
薬機法76条の18に基づき、行政職員が指定薬物やその疑いがある物品を扱う店舗等に立ち入り、帳簿や商品を検査し、関係者に質問する行政調査です。
Q2収去とは何ですか?
試験・分析のために、行政職員が商品を持ち帰ることです。本条では「試験のため必要な最少分量」に限られ、在庫全体を押さえることはできません。
Q3立入検査を拒否したらどうなる?
職員が物理的に押し入ることはできませんが、正当な理由なく立入検査や質問、報告を拒んだり虚偽の報告をしたりすると、罰則の対象になります。
Q4未指定の成分なら立入検査の対象外?
対象外ではありません。本条は「指定薬物と同等以上に精神毒性を有する蓋然性が高い物である疑いがある物品」まで対象に含めています。
Q5立入検査は誰が行う?
厚生労働大臣又は都道府県知事の権限に基づき、その「当該職員」が行います。実務では都道府県の薬務担当課や地方厚生局麻薬取締部が関与します。
Q6職員の身分証明書は確認できますか?
できます。69条8項の準用により、職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。まず提示を求めるのが基本です。
Q7閉店した後でも報告を求められる?
求められえます。条文は指定薬物等を「販売した者」「輸入した者」と過去形でも規定しており、店を畳んだ後の元事業者も対象になりえます。
Q8フリマアプリの出品者も対象になる?
なりえます。本条は店舗に限らず「その他必要な場所」への立入や、陳列・広告した者への報告徴収を認めており、店舗のない個人でも外れるとは限りません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所の人が来たけど、令状がないなら帰ってもらっていいんですか?
本条の立入検査に令状はいらない。物理的に押し入ることはできないが、正当な理由なく拒めば罰則がある。実務のポイント:現場で揉めると調査は長引き、心証も悪くなる。まずは身分証と対象範囲の確認を求め、協力しながら記録を残すほうが最終的に守りが固くなる。第69条第8項(準用)で、職員には身分証明書の携帯・提示義務がある
Q2持っていかれた商品って、代金を請求できますか?
本条の収去は「試験のため必要な最少分量」に限られる。持っていけるのは分析に要る量だけで、在庫をまるごと押さえられることはない。実務のポイント:収去の時点で品目・数量・ロット番号を必ず控えておく。分析結果に異議がある場合、同一ロットの残りを自分で第三者機関に検査させる余地が残り、反論材料になる。対価の扱いは個別に確認が必要である
間違えやすい点 AI による整理
- 「令状がないなら断れる」と考えるのは、行政調査と刑事捜査を混同している。本条の立入検査は裁判官の令状を要しない。そのかわり物理的な強制はできず、拒否した者に罰則を科すことで協力を担保する仕組みである。争うべき点は令状の有無ではなく、調査の範囲と必要性である
- 収去を「サンプル程度の話」と軽く見る人は多い。だが持ち帰られた最少分量の分析結果は、その後の検査命令・販売停止命令、さらには新たな指定薬物への指定の根拠になりうる。数グラムがビジネス全体の命運を決めることがある
- 事業者から見れば「犯罪捜査ではない」と明記されているのだから安心、と映る。しかし判例(最決平成16.1.20、国税の質問検査権に関する事案)は、行政調査で得た資料が後に刑事手続で証拠として使われることを直ちに否定していない。調査が安全な場であるという前提そのものが危うい。本条への適用は実務上、解釈が分かれうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 76条の18:指定薬物・その疑いがある物品・精神毒性の蓋然性が高い疑いがある物品を扱う者 | 69条:医薬品等の製造販売業者・薬局開設者など許可・登録を受けた事業者等 76条の4:指定薬物の製造・販売・所持等そのものを禁止 |
| 規定の性格 | 行政調査権限(報告徴収・立入検査・質問・収去) | 行政調査権限の一般規定(8項・9項が本条に準用) 行為禁止規定(違反は刑事罰の対象) |
| 過去の行為者への適用 | 「製造し、輸入し、販売した者」等として過去の行為者も対象 | 主に現に業を営む者が対象 違反行為の時点で成立 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも衛生主管機関が藥物の製造・販売業者の処所を検査し、抽驗(サンプル採取)できる。新興精神活性物質は毒品危害防制條例の分級管制で対応する二本立て構造
ドイツは個別指定ではなく物質群単位で新規精神活性物質を包括規制し、すり抜けへの対応を図る。日本の「疑いがある物品」拡張と同じ問題意識
米国は行政立入検査に原則として administrative inspection warrant を求める点で日本より手続保障が厚い。類似物質は Analogue Act で規制対象とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ネットで「合法ハーブ」と称する商品を仕入れて副業で売っていた。成分が未指定でも、精神毒性の疑いがあれば店舗への立入や収去の対象になりうる。「まだ指定されていないから大丈夫」という理屈は、本条の前では通らない
- あなたの店に、身分証明書を持った職員が予告なしに来たらどうするか? まず証明書の提示を求める(第69条第8項準用)。そのうえで帳簿の保管場所を案内する。拒否や虚偽報告は罰則の対象である
- 1年前に閉めた輸入雑貨店宛てに、厚生労働省から報告を求める文書が届いた。回答期限は2週間後。取引記録を捨てていたら、その時点で説明できる材料がなくなる
- 近所の店で、若者が袋入りの商品を買った直後にふらついているのを何度も見た。行政の立入検査は、住民からの情報提供がきっかけで始まることも多い。通報先は都道府県の薬務担当課や厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 危険ドラッグらしき商品を扱う店や出品を見つけたら、店名・URL・商品写真・日時を記録する2. 都道府県の薬務担当課、または地方厚生局麻薬取締部に情報提供する3. 家族が使用して体調を崩したら、まず救急にかかる。そのうえで購入元の情報を保存し、行政に伝える。収去による分析で成分が特定されれば、民法709条に基づく損害賠償請求の証拠にもなりうる
訴えられた側:1. 職員の身分証明書を確認し、氏名と所属を記録する2. 調査対象の物品と求められている帳簿の範囲を確認する。拒否や虚偽報告は罰則の対象なので、拒まずに範囲を明確にする方向で動く3. 収去された品目と数量について、控えや記録を求める4. 刑事責任に発展する可能性があれば、報告書を出す前に弁護士に相談する。供述内容は後に不利に使われうる
時効(請求できる期限):本条の権限に特定の期間制限はない。過去の販売・輸入も対象になる。報告を求められた場合は、文書に記載された回答期限に従う(罰則の法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:令状なき行政調査は、行政目的に必要な範囲で、罰則による間接強制にとどまる限り合憲とされる。本条が収去を最少分量に限り、身分証明書の提示と犯罪捜査目的の否定を準用するのは、この枠組みに沿った手続的歯止めである。
有力説(批判的見解):行政調査で得た資料が刑事手続に流用されうる以上、刑事訴追の可能性が現実的な段階では、供述拒否権の告知など刑事手続に準じた保障を及ぼすべきとする見解がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)薬事法改正(要確認) 指定薬物制度の創設に伴い、指定薬物の取扱い等に関する立入検査等の規定が設けられたとされる。条番号の変遷は要検証
- 平成26年(2014年)改正(要確認) 危険ドラッグ対策として、指定薬物と同等以上の精神毒性を有する蓋然性が高い物である疑いがある物品へ対象が拡大されたとされる。人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:薬事法改正により指定薬物制度が創設され、指定薬物に関する報告徴収・立入検査等の規定が設けられた(当時の条番号は要検証)。
- 2.平成25年(2013年) 改正:薬事法の改正により法律名が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に改められた(施行は2014年)。
- 3.平成26年(2014年) 改正:危険ドラッグ対策の強化として、指定薬物と同等以上の精神毒性を有する蓋然性が高い物である疑いがある物品にも調査対象が拡大された。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。