医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第80条の8
クイックジャンプ
- 第八十条の六第一項の登録を受けた者は、同項に規定する厚生労働省令で定める事項の一部を変更しようとするとき(当該変更が厚生労働省令で定める軽微な変更であるときを除く。)は、その変更について、原薬等登録原簿に登録を受けなければならない。この場合においては、同条第二項及び第三項並びに前条の規定を準用する。
- 2.第八十条の六第一項の登録を受けた者は、前項の厚生労働省令で定める軽微な変更について、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の8は、日本の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に含まれる条文です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の8の条文原文は「第八十条の六第一項の登録を受けた者は、同項に規定する厚生労働省令で定める事項の一部を変更しようとするとき(当該変更が厚生労働省令で定める軽微な変更であるときを除…」で始まります。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の8は第十七章に置かれています。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の公布日は昭和35年8月10日です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の8の前の条は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の7です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の8の次の条は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の9です。
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第80条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145 - 本サイト収録
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第80条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000145/80_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点薬機法80条の8は、原薬等登録原簿(MF)の登録事項を変更する場合、原則として変更登録を受けることを求め、省令で定める軽微な変更は届出で足りると定める。
Q · 原薬のマスターファイル(MF)の中身を変えるとき、どんな手続が必要なの?
重要な変更は変更登録、省令で定める軽微な変更は届出で足りる
薬機法80条の8第1項により、MF の登録を受けた者が登録事項の一部を変更するときは、原則として原薬等登録原簿に変更の登録を受ける必要があります。変更登録には80条の6第2項・第3項と80条の7が準用されます。一方、厚生労働省令で定める軽微な変更に当たる場合は、同条第2項により厚生労働大臣への届出で足ります。区分の一次判断は登録者が行うため、判断根拠の記録が重要です。
解説
ジェネリック薬の有効成分の多くは海外の工場で作られている。その製造方法の詳細は、薬を売る製薬会社にさえ開示されないことが珍しくない。それを可能にしているのが原薬等登録原簿(MF、マスターファイル)制度である。原薬や添加剤のメーカーは、企業秘密を守ったまま製法や規格を国に直接登録できる。本条はその登録内容を変えるときのルールを定める。重要な変更なら改めて変更登録を受け、厚生労働省令が定める軽微な変更なら届出で足りる。要になるのは、どちらに当たるかの線引きだ。軽微だと判断して届出だけで済ませた変更が、実は変更登録を要するものだったらどうなるか。その原薬を使う医薬品の承認内容と、実際の製造がずれることになる。影響は原薬メーカー一社で終わらず、同じ MF を引用している全製品の製造販売業者に及びうる。MF の一行は、外からは見えないサプライチェーンの配線図なのである。
法的な位置づけ
薬機法80条の8は、原薬等登録原簿(MF)の登録事項の変更手続を定める規定である。登録を受けた者が厚生労働省令で定める登録事項の一部を変更する場合は変更の登録を要し、厚生労働省令で定める軽微な変更に該当する場合は厚生労働大臣への届出で足りるという二段階の区分を設けている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.変更計画の段階で区分を判定する 工程・設備・規格・製造所などの変更を計画した時点で、施行規則と関係通知に照らして変更登録か軽微変更届かを判定し、判定根拠を社内記録として残す。
- 2.区分に迷えば PMDA に事前相談する 変更登録と軽微変更届のどちらに当たるか判断が難しい場合は、変更の実施前に PMDA の相談制度を利用して見解を確認する。
- 3.変更登録を申請し、登録後に実施する 変更登録が必要な変更は、原薬等登録原簿への変更登録を申請し、登録を受けてから実際の製造切替えを行う。登録前の切替えは避ける。
- 4.軽微な変更は所定の期限内に届け出る 軽微な変更に当たる場合は、厚生労働省令で定める方法と期限(実務上は変更後30日以内とされる)に従って届け出る。
- 5.MF を引用する製剤メーカーへ通知する 製法の詳細(非公開部分)は伏せたまま、変更の事実・区分・実施時期・影響範囲を、MF を引用している製剤側の製造販売業者へ書面で通知する。
よくある質問 AI による整理
Q1原薬等登録原簿(MF)とは何ですか?
原薬や添加剤などのメーカーが、製法や規格などの情報を国に直接登録する制度です。製剤メーカーに製法の詳細を開示せずに承認審査で引用できるようにする仕組みです。
Q2MF の変更登録と軽微変更届の違いは?
変更登録は登録を受けてからでないと変更を実施できない事前手続です。軽微変更届は省令で定める軽微な変更について届け出るもので、事前の審査を経ない点が異なります。
Q3MF の軽微変更届はいつまでに出す?
厚生労働省令で定めるところにより届け出ます。実務上は変更後30日以内とされていますが、最新の施行規則と通知で期限を必ず確認してください。
Q4MF の変更登録はどこに申請する?
条文上の宛先は厚生労働大臣ですが、実務では原薬等登録原簿の登録事務を担う PMDA(医薬品医療機器総合機構)を通じて手続を行います。
Q5海外の原薬メーカーも MF 変更の手続が必要?
必要です。海外メーカーが MF 登録者となる場合、日本国内の原薬等国内管理人を通じて変更登録や軽微変更届を行うのが一般的です。
Q6MF の変更区分を誤るとどうなる?
変更登録が必要な変更を届出で済ませると、登録内容と異なる方法で製造した原薬が流通する状態になり、行政指導や製品回収の対象になりうります。
Q7MF が変更されたら製剤側も手続が必要?
場合によって必要です。MF の変更内容によっては、MF を引用する製剤の承認事項について一部変更承認申請や軽微変更届が必要になります。
Q8MF の変更登録を待たずに製造を切り替えられる?
できません。変更登録を要する変更は登録を受けた後でなければ実施できないため、設備更新などの計画は審査期間を見込んで組む必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1軽微変更で済むかどうか、結局誰が決めるんですか?
一次判断は MF 登録者自身が行う。本条第2項は軽微な変更について届出を求めるだけで、事前に審査を受ける仕組みではない。区分の基準は厚生労働省令と関係通知に定められている。実務のポイント:届出が受け付けられても、区分が正しかったと国が認めたことにはならない。後の調査で「本来は変更登録が必要だった」と指摘されることがあるので、判定の根拠資料は必ず社内に残しておくべきである
Q2MF の中身は見られないのに、製剤メーカーはどうやって品質を保証するんですか?
MF 制度では、製法などの非公開部分(クローズドパート)は国だけが審査し、製剤メーカーには公開部分(オープンパート)が開示される。第80条の6の登録と本条の変更手続は、この分担を前提にしている。実務のポイント:実務では、品質取決め書(品質契約)で変更通知の範囲と期限を細かく決めておくことが実質的な安全網になる。法律だけに頼ると、変更を知るのが遅れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「MF は原薬メーカーが勝手に管理するもので、製剤メーカーには関係ない」と考えられがちである。だが製剤の承認申請書は MF の登録番号を引用して審査を受けている。MF 側の変更は、製剤側の承認事項の変更手続(一部変更承認申請など)を必要とする場合がある。つまり他社の手続が自社の承認に直結している
- 軽微変更届という制度があることは業界の誰もが知っている。見落とされがちなのは、その区分判断を誤った場合の深刻さである。本来は変更登録が必要な変更を届出で済ませれば、登録内容と異なる方法で製造された原薬が市場の製品に使われる状態になる。行政指導や回収対応の対象になりうるし、発覚が遅れるほど影響を受けるロットは増える
- 「変更の中身は企業秘密だから、取引先に何も伝える必要はない」という問いの立て方自体がずれている。秘密にできるのは製法の詳細であって、変更の事実ではない。実務上の指針では、MF 登録者が変更の事実を製剤側へ適切に知らせる運用が求められている。情報を出す範囲を設計することが、MF 登録者の仕事である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 薬機法80条の8:MF 登録事項の変更(変更登録・軽微変更届) | 薬機法80条の6:原薬等登録原簿への新規登録 薬機法14条:医薬品の製造販売承認とその変更 |
| 手続を行う者 | MF の登録を受けた原薬等の製造業者(海外は国内管理人経由が一般的) | 登録を受けようとする原薬等の製造業者 医薬品の製造販売業者(製剤側) |
| 手続の種類 | 原則は変更登録(事前)、省令の軽微な変更は届出 | 登録の申請と審査 承認申請、変更は一部変更承認申請または軽微変更届 |
| 相互の関係 | MF の変更が製剤の承認事項の変更手続を連鎖的に要することがある | 本条の変更登録に第2項・第3項が準用される 承認申請書で MF 登録番号を引用する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも原料薬の技術資料を主檔案として当局に提出し、製剤の査験登記で引用する仕組みがある。変更時の手続区分は同準則と関係公告で定められる
EU の ASMF は申請者公開部分と制限部分に分かれ、日本の MF のオープンパート・クローズドパートの分担と発想が近い
米国の DMF は FDA の審査対象ではなく参照資料の位置づけで、変更は DMF 保有者が修正提出し、引用する申請者へ通知する運用
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- インドの原薬メーカーから「晶析工程の溶媒を変えた、軽微変更として届出済み」と連絡が来たら、あなたの会社の製品はどうなる? 自社の承認書と製造実態がずれていないか、MF 変更の区分が妥当か、品質保証部門が即座に検証する必要がある
- あなたは原薬メーカーの薬事担当で、工場の設備更新が来月に迫っている。変更登録が必要な変更なら、登録を受ける前に切り替えることはできない。スケジュールが薬事手続を待たずに動き出していないか、今週中に確認しなければならない
- 取引先の製剤メーカーから「MF の変更内容を教えてくれ」と迫られた。製法の詳細は開示しなくてよい。ただ、変更があった事実と影響範囲を伝えなければ、相手の承認維持を危うくすることになる
取るべき行動
被害を受けた側:(MF を引用している製剤側の場合)1. 変更通知を受け取ったら、変更内容・区分(変更登録か軽微変更届か)・実施予定日を書面で確認する2. 自社承認書の MF 登録番号の引用部分と照合し、一部変更承認申請や軽微変更届が必要かを薬事部門で判断する3. 区分に疑義があれば、PMDA への相談を検討する4. 次の契約更新時に、変更の事前通知義務を条項化する
訴えられた側:(MF 登録者の場合)1. 変更を計画した時点で、施行規則上の軽微変更に当たるかを社内基準で判定し、記録を残す2. 変更登録が必要なら、登録を受けてから実施する3. 軽微変更なら所定の期限内に届け出る4. 引用している製剤メーカーへ、製法の詳細を伏せたまま変更の事実と影響範囲を通知する5. 区分の誤りに気づいたら、隠さず早めに PMDA へ相談し、是正の道筋を作る
時効(請求できる期限):変更登録を要する変更は、登録を受ける前に実施できない(事前手続)。軽微な変更の届出は、変更後一定期間内(実務上30日以内とされる)に行う(最新の改正状況をご確認ください)。特定の消滅時効はない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:薬事法(昭和35年法律第145号)として制定。現行の薬機法の母体となる法律
- 2.平成14年(2002年) 改正:薬事法改正により原薬等登録原簿(MF)制度を創設(平成17年(2005年)施行)。原薬等の製造業者が製法等を国に直接登録できる仕組みを導入
- 3.平成25年(2013年) 改正:題名を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に改める改正(平成26年(2014年)施行)。MF 関連規定も現行の条番号体系で整理
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。