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災害対策基本法 第59条(市町村長の事前措置等)

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  1. 市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、災害が発生した場合においてその災害を拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し、災害の拡大を防止するため必要な限度において、当該設備又は物件の除去、保安その他必要な措置をとることを指示することができる。
  2. 2.警察署長又は政令で定める管区海上保安本部の事務所の長(以下この項、第六十四条及び第六十六条において「警察署長等」という。)は、市町村長から要求があつたときは、前項に規定する指示を行なうことができる。この場合において、同項に規定する指示を行なつたときは、警察署長等は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

この条文の基本情報

市町村長の事前措置等とは何ですか?

定義市町村長の事前措置等とは、災害対策基本法第59条に定められた規定で、「市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、災害が発生した場合においてその災害を拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 災害対策基本法第59条(市町村長の事前措置等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
  2. 災害対策基本法第59条の条文原文は「市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、災害が発生した場合においてその災害を拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し…」で始まります。
  3. 災害対策基本法第59条は第三節に置かれています。
  4. 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
  5. 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
  6. 災害対策基本法第59条の前の条は災害対策基本法第58条です。
  7. 災害対策基本法第59条の次の条は災害対策基本法第60条です。
  8. 災害対策基本法第59条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第59条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223
  • 本サイト収録災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第59条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/59

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点災害対策基本法59条は、災害のおそれがあるとき、市町村長が危険な設備や物件の占有者・所有者・管理者に除去や保安を指示できると定める。警察署長等の指示に従わないと罰則の対象になる。

Q · 台風の前に市役所から「看板を外して」と言われたら、従わないといけないの?

従うべきだが、罰則が付くのは警察署長等の指示から

災害対策基本法59条1項により、市町村長は災害が発生するおそれがあるとき、災害を拡大させるおそれのある設備・物件の占有者、所有者又は管理者に除去や保安などの措置を指示できます。市町村長の指示そのものに罰則はありませんが、市町村長の要求を受けて警察署長等が2項に基づき同じ指示を出すと、従わない者は115条の罰則の対象になります。また、指示を放置した事実は民法717条の工作物責任で不利に働きえます。

解説

台風の進路予報が自分の町に重なった前夜、市役所から「その看板を下ろしてほしい」と連絡が来た。単なるお願いに聞こえるが、法的な根拠のある指示である。災害対策基本法59条により、市町村長は災害が起きる前の段階で、災害を広げるおそれのある設備や物件の占有者・所有者・管理者に対し、除去や保安などの措置を指示できる。押さえておくべき点は三つある。第一に、指示の相手は所有者に限られない。借りて使っている占有者や管理会社も含まれる。第二に、市町村長の指示そのものには罰則がない。しかし市町村長の要求を受けて警察署長等が同じ指示を出すと、従わない者は30万円以下の罰金又は拘留の対象になる(同法115条。最新の改正状況をご確認ください)。第三に、損失補償を定めた82条は59条の指示を補償対象に挙げていないため、費用は原則として指示を受けた側が負うと解されている。「頼まれただけ」と流すと、後で不利な記録として残る。

法的な位置づけ

災害対策基本法59条は、市町村長の事前措置を定める規定であり、災害が発生するおそれがある段階で、災害を拡大させるおそれのある設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し、除去、保安その他必要な措置を必要な限度で指示する権限を市町村長に与える。市町村長の要求があれば、警察署長又は政令で定める管区海上保安本部の事務所の長も同一の指示をなし得る。

手順

  1. 1.指示の内容を記録する 市町村から指示の連絡を受けたら、通話を切る前に日時・担当部署・担当者名・対象物件・求められた措置と期限をメモし、その内容をメールや書面で市に確認する
  2. 2.対象物件の現状を撮影する 看板・資材・屋根材など指示の対象となった物件を、日付が分かる形で複数の角度から撮影し、措置前の状態を残す
  3. 3.除去・固定などの措置を実施する 業者に撤去や固定を依頼する。業者が手配できない場合は、ワイヤーでの固定や養生など自分でできる応急の安全策をとり、手配状況や実施できない理由を市に伝える
  4. 4.措置後の記録と費用の整理 措置後の状態を撮影し、領収書を保管する。59条の指示は損失補償(82条)の対象に挙げられていないため、加入している保険で費用や事後の賠償がどこまでカバーされるかを確認する

よくある質問 AI による整理

Q1災害対策基本法59条とは?

災害が起きる前に、市町村長が災害を広げるおそれのある設備や物件の占有者・所有者・管理者へ、除去や保安などの措置を指示できると定めた規定です。

Q2テナントでも事前措置の指示の対象になる?

なります。59条は占有者・所有者・管理者を並べて指示の相手としており、借りて使っている店舗や管理会社も対象になりえます。

Q3空き家の持ち主が遠方に住んでいても指示は来る?

来ることがあります。59条の相手は住所地ではなく物件との関係で決まるため、県外在住の所有者や管理を任された人も対象になりえます。

Q4事前措置の指示は電話や口頭でも有効?

条文は指示の方式を定めていないため、電話や口頭で伝えられることもありえます。後の紛争に備え、日時・担当者・内容を書面やメールで確認しておくのが安全です。

Q559条の指示はどんなタイミングで出される?

「災害が発生するおそれがあるとき」です。台風の接近や大雨の予報など、まだ被害が出ていない段階で、被害の拡大を防ぐために出されます。

Q6海上保安本部から資材撤去の指示が来ることはある?

あります。59条2項の「警察署長等」には政令で定める管区海上保安本部の事務所の長が含まれ、市町村長の要求があれば港湾の物件にも指示できます。

Q7近所の危ない看板はどこに通報すればいい?

市区町村の防災担当窓口が基本です。写真と場所を添えて早めに伝えると、市町村長が59条の指示を検討する材料になります。ただし指示を出すかは市町村長の判断です。

Q8指示どおり対応しても看板が飛んだら責任はある?

民法717条の工作物責任が問題になりえ、責任がゼロになるとは限りません。ただし指示に沿って措置した記録は、設置・保存の瑕疵をめぐる争いで有利な事情になりえます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1市から看板を外せって言われたんだけど、撤去費用は市が出してくれるの?

原則として出ないと考えておくべきである。災害対策基本法82条の損失補償は、災害発生後の応急公用負担(64条)などを対象にしており、59条の指示は挙げられていない。実務のポイント:店舗総合保険や施設賠償責任保険の中には、台風前の予防措置の費用は補償しないものの、事後の第三者への賠償は補償するものがある。指示に従って記録を残しておくことが、保険金請求を円滑にすることにもつながる

Q2市長の指示を無視したら逮捕されちゃう?

市長が1項で出した指示に従わなくても、それだけで罰則が適用されることはない。ただし、市長の要求を受けて警察署長等が2項に基づいて指示を出すと、それに従わない者は30万円以下の罰金又は拘留の対象になる(115条。最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:本当に怖いのは刑事罰より民事責任である。指示を受けていた記録は、民法717条の訴訟で「危険を予見できた」ことを示す強い証拠になる

Q3この指示って、行政不服審査で争えるの?

争えるかどうかは、指示が行政処分にあたるかによって決まる。罰則が付く2項の指示は処分に近く、罰則のない1項の指示は行政指導(役所からの要請で法的な強制力がないもの)に近いとみる余地があり、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:台風が迫った局面では、審査請求の結論が出るより先に災害が来る。現実的には、まず安全措置をとり、費用や指示の不当性はあとから争う方が損を小さくできる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「行政の指示は命令だから、従わなければすぐ罰せられる」と思われがちだが、市町村長が1項で出す指示そのものに罰則はない。罰則(115条)が付くのは、市町村長の要求を受けて警察署長等が2項に基づいて出した指示に従わなかった場合である。ただ、罰則がないからといって安心はできない。その理由は次の誤解で説明する
  • 罰則のない指示なら無視しても実害はないと考える人がいる。しかし、所有する工作物から損害が生じると、民法717条の工作物責任が問われる。所有者は過失がなくても責任を免れない。事前に指示を受けながら放置していた事実は、「天災だから防げなかった」という反論を崩す材料になる。刑事罰を受けなくても、民事の賠償で負担を負うことになりうる
  • 「自分は所有者ではなくテナントだから関係ない」という考え方は、条文の出発点からずれている。59条は占有者・所有者・管理者を並べて指示の相手にしている。法律は誰が今その物を実際にコントロールできるかを重視しており、契約書上の名義だけで判断しているわけではない
比較の観点この条文ほかの条文
発動の時点59条:災害が発生するおそれがあるとき(発生前)64条:災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合の応急措置
60条:災害が発生し、又は発生するおそれがある場合の避難指示等
行政の手段占有者・所有者・管理者への除去・保安等の「指示」工作物等の一時使用・収用、支障物件の除去等の応急公用負担
居住者等への立退きの指示等
損失補償82条の対象に挙げられておらず、費用は原則として指示を受けた側の負担と解される64条1項の処分は82条の損失補償の対象
補償の問題は通常生じない
違反時の扱い市町村長の指示自体に罰則なし。警察署長等の2項指示違反は115条の罰則対象強制的な処分として実施される
避難指示そのものへの罰則規定はない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
災害防救法

台湾も災害予防と応急措置を一つの基本法で定め、各級政府に予防・応急の権限を与えている。条文単位の対応関係は個別に確認が必要。

韓国
재난 및 안전관리 기본법

韓国も災害の予防段階での安全措置を基本法で規律しており、日本の災害対策基本法と構造が近い。

ドイツ
Katastrophenschutzgesetze der Länder

ドイツでは災害防護は州の権限であり、州法と一般警察法に基づいて危険防止措置がとられる。

アメリカ
Robert T. Stafford Disaster Relief and Emergency Assistance Act

米国の連邦法は主に災害支援の枠組みであり、事前の物件除去等の指示は州・地方政府の緊急事態権限に委ねられる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 大型台風の上陸まであと36時間。あなたの店の屋上には、留め金の錆びた大型看板がある。市の防災担当から、撤去か固定をするよう電話が来た。業者はどこも予約で埋まっている。今夜のうちに養生テープとワイヤーで固定し、作業前後の写真を撮っておくかどうかで、看板が飛んだときの責任の重さが変わる
  • もしあなたが工務店の現場監督で、台風前に市から「足場のシートを外せ」と指示されたとしたら? 指示の宛先は施主ではなく、現場を管理しているあなたの会社になりうる。59条の「管理者」には現場の管理者も入るからである
  • 市の指示を「工期が詰まっている」と断った。翌日、市長の要求を受けた警察署長から同じ内容の指示が届いた。ここから先は、従わなければ刑事罰の対象になる
  • 隣の空き家のトタン屋根が、風が吹くたびにバタバタと鳴っている。持ち主は県外にいて連絡がつかない。台風が来る前に市役所の防災担当へ通報すれば、市長が所有者や管理者に指示を出すきっかけになりうる。ただし通報者には指示を出させる請求権がなく、指示を出すかどうかは市長の判断に任されている
  • 港の岸壁に積んだコンテナや資材について、管区海上保安本部の事務所から指示が来る場合がある。2項の「警察署長等」には、政令で定める海上保安本部の事務所の長も含まれる。陸の物件だけの話ではない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 近所の危険物件(ぐらつく看板、飛びそうな資材、老朽化した屋根)を見つけたら、日付の入った写真を撮る2. 台風の数日前に、写真を添えて市役所の防災担当へ通報し、通報日時と担当者を記録する3. 被害が出たら、所有者・占有者に対して民法717条(工作物責任)または709条に基づく賠償請求を検討する。事前の通報や市の指示の有無は、情報公開請求で確認できる場合がある

訴えられた側:1. 指示を受けたら、内容と期限を書面やメールで確認する2. 自分で対応できない場合は、業者の手配状況や物理的に難しい理由を記録し、市へ代替の安全策を伝える3. 警察署長等の指示(2項)に変わった段階で、従わなければ刑事罰の対象になる。最優先で対応する4. 措置の前後を撮影し、費用の領収書を保管する。損失補償(82条)は59条の指示を対象にしていないため、費用負担は保険でまかなえるか確認する

時効(請求できる期限):指示そのものに特定の時効はない。災害が発生するおそれがある時点から実際に発生するまでの短い期間が勝負になる。工作物から生じた損害の賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年である(民法724条、724条の2)。警察署長等の指示に違反した罪(115条、罰金又は拘留)の公訴時効は3年である(刑事訴訟法250条2項。最新の改正状況をご確認ください)

学説

指示の法的性質をめぐる解釈:罰則が担保される2項の警察署長等の指示は行政処分に近く、罰則のない1項の市町村長の指示は行政指導に近いとみる余地があり、審査請求等で争えるかについて解釈が分かれている。

改正沿革 AI による整理

  • 昭和36年(1961年) 災害対策基本法の制定時に、市町村長による事前措置の規定として設けられた。その後の改正の有無と内容(2項の海上保安機関の表記などを含む)は、人による検証が必要である

改正の年表

  1. 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法の制定時に、市町村長による事前措置の規定として設けられた。その後の改正の有無と内容は、e-Gov 法令検索の改正履歴で確認が必要である。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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