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災害対策基本法 第58条(市町村長の出動命令等)

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市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、法令又は市町村地域防災計画の定めるところにより、消防機関若しくは水防団に出動の準備をさせ、若しくは出動を命じ、又は消防吏員(当該市町村の職員である者を除く。)、警察官若しくは海上保安官の出動を求める等災害応急対策責任者に対し、応急措置の実施に必要な準備をすることを要請し、若しくは求めなければならない。

この条文の基本情報

市町村長の出動命令等とは何ですか?

定義市町村長の出動命令等とは、災害対策基本法第58条に定められた規定で、「市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、法令又は市町村地域防災計画の定めるところにより、消防機関若しくは水防団に出動の準備をさせ、若しくは出動を命じ、又は…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 災害対策基本法第58条(市町村長の出動命令等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
  2. 災害対策基本法第58条の条文原文は「市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、法令又は市町村地域防災計画の定めるところにより、消防機関若しくは水防団に出動の準備をさせ、若しくは出動を命じ、又は…」で始まります。
  3. 災害対策基本法第58条は第三節に置かれています。
  4. 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
  5. 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
  6. 災害対策基本法第58条の前の条は災害対策基本法第57条です。
  7. 災害対策基本法第58条の次の条は災害対策基本法第59条です。
  8. 災害対策基本法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第58条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223
  • 本サイト収録災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/58

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点災害対策基本法58条は、災害のおそれがあるとき、市町村長に消防機関・水防団への出動準備・出動命令と、警察官等への出動要請を義務付ける。

Q · 台風が来る前に消防団へ出動準備を命じるのは誰の役目?

市町村長の義務。警察等には命令でなく要請のみ

災害対策基本法58条により、災害が発生するおそれがあるとき、市町村長は法令又は市町村地域防災計画に基づき、消防機関や水防団に出動の準備をさせ、又は出動を命じなければなりません。一方、市町村の指揮下にない消防吏員、警察官、海上保安官などには命令できず、出動を求める(要請する)ことにとどまります。条文は「しなければならない」で終わり、裁量ではなく義務として定められています。

解説

台風が近づくと、テレビは気象庁の会見を流す。だが地域の消防団に「待機せよ」と号令を出す権限は、気象庁にも知事にもなく、あなたの町の市町村長にある。災害対策基本法58条は、災害が「発生するおそれがある」段階、つまり被害が出る前の段階で、市町村長に二種類の動きを義務付けている。一つは命令である。指揮下にある消防機関と水防団(川の決壊などを防ぐために地域住民で組織される防災組織)に、出動の準備をさせ、または出動を命じる。もう一つは要請である。市町村の職員ではない消防吏員、警察官、海上保安官など、市町村長が指揮できない相手には、出動を「求める」ことしかできない。条文の末尾は「しなければならない」で終わる。やるかどうかを選べる裁量ではなく、義務である。ここを押さえておくと、避難指示が遅れた、消防団が来なかったという事態が起きたとき、何が問題なのかを、誰が、いつ、どの計画に基づいて動くべきだったかという具体的な問いに置き換えられる。

法的な位置づけ

災害対策基本法58条は、市町村長の出動命令等を定める規定であり、災害が発生するおそれがある段階において、市町村長が法令又は市町村地域防災計画に基づき、消防機関・水防団に出動の準備又は出動を命じ、指揮権の及ばない消防吏員・警察官・海上保安官等の災害応急対策責任者には出動等を要請する義務を課すものである。

手順

  1. 1.地域防災計画の発動基準を確認する 自分の市町村の地域防災計画を開き、どの気象情報(警報・土砂災害警戒情報など)の段階で、消防団・水防団に出動準備や出動を命じると定めているかを確認する
  2. 2.災害時の時系列を記録する 気象警報の発表時刻、市の発表内容、消防団・水防団が現場に来た時刻を、スクリーンショットや写真とともに時系列で残す
  3. 3.情報公開請求で命令時刻を入手する 災害対策本部の会議録、本条に基づく出動準備命令・出動要請の時刻がわかる記録を、市町村の情報公開条例に基づいて請求する
  4. 4.計画と実際の対応を照合し、専門家に相談する 地域防災計画の発動基準と実際の命令時刻の差を整理する。明らかな懈怠が疑われる場合は、国家賠償法1条による請求の可否を弁護士に相談する

よくある質問 AI による整理

Q1災害対策基本法58条とは何ですか?

災害が発生するおそれがある段階で、市町村長に消防機関・水防団への出動準備・出動命令と、警察官等への出動要請を義務付ける規定です。

Q2水防団とは何をする組織ですか?

河川の決壊や浸水を防ぐため、地域住民で組織される防災組織です。本条により、災害のおそれがある段階で市町村長から出動準備や出動を命じられます。

Q3市町村長は警察に出動を命令できる?

できません。警察は都道府県公安委員会の管理下にあるため、本条で市町村長ができるのは出動を「求める」ことまでです。海上保安官も同様です。

Q4出動命令はいつ出される?

「災害が発生するおそれがあるとき」です。具体的な発動基準は各市町村地域防災計画が定め、気象警報などを目安とする例が多く見られます。

Q5消防団の出動命令の根拠は何条?

災害対策基本法58条と市町村地域防災計画が根拠です。水害に関しては水防法にも水防団・消防機関の出動に関する規定があります。

Q6出動準備命令の時刻は調べられる?

災害対策本部の会議録や指示記録は、情報公開請求によって入手できる場合があります。災害後は早めに請求するのが実務上のポイントです。

Q7出動命令を出さなかった市長は違法?

本条は義務規定のため、懈怠は国家賠償法1条の違法性判断の材料になりえます。ただし「おそれ」の判断時点が争点となり、結論は事案ごとに分かれます。

Q8地域防災計画はどこで見られる?

多くの市町村が公式サイトで公開しています。出動準備の発動基準や連絡体制が記載されており、改定時のパブリックコメントで意見も出せます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1消防団に入ってるんですけど、台風の前に呼び出されたら断れないんですか?

法律上、本条で出動を命じられるのは市町村長の指揮下にある消防機関であり、消防団員は非常勤の地方公務員としてこれに従う立場にある。ただし命令に応じなかった場合の具体的な扱いは、各市町村の条例と運用で異なる。実務のポイント:団員のなり手不足が深刻な地域では、実際の運用はかなり柔軟である。仕事や家庭の事情は、平時のうちに分団長へ伝えておくのが現実的なやり方だ

Q2市長が何もしないで水害になったら、市を訴えられますか?

本条は「しなければならない」と義務を定めているため、怠ったことが国家賠償法1条の違法性判断の材料になりうる。ただし気象予測の不確実性や、どの時点で「おそれ」があったと言えるかが争点となり、実務上、判断は事案ごとに分かれる。実務のポイント:勝負を決めるのは当日の記録である。災害対策本部の会議録や指示の時刻は情報公開請求で取れる。早めに請求しないと、整理された後の資料しか出てこないことがある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「市長なら警察も海上保安庁も動かせる」と思われがちだが、本条が市町村長に命令権を与えているのは消防機関と水防団だけである。警察は都道府県公安委員会、海上保安官は国の管理下にあり、市町村長ができるのは出動を「求める」ことまで。命令と要請を混同すると、誰が何をしなかったのかを正しく問えなくなる
  • 出動準備は災害が起きてから始まるものだと思っているなら、その問いの立て方自体がずれている。本条の発動条件は「災害が発生するおそれがあるとき」である。被害が出てから動いたのでは、本条の求める時点はとうに過ぎている。検証すべきは「なぜ遅れたか」ではなく「おそれの段階で何をしたか」だ
  • 住民から見れば、防災は役所の仕事であり自分は守られる側である。だが法律から見れば、出動を命じられる水防団や消防団の団員は地域住民そのものだ。担い手が減った地域では、本条の命令を受ける相手が実際にはほとんどいないという事態がすでに起きている
比較の観点この条文ほかの条文
発動の時点58条:災害が発生するおそれがあるとき60条:避難指示等(災害が発生し、又は発生するおそれがある場合)
62条:災害が発生し、又はまさに発生しようとしているとき
名宛人消防機関・水防団(命令)、警察官・海上保安官等(要請)60条:住民等の居住者
62条:市町村が自ら実施する応急措置
措置の性質防災組織の出動準備・出動の命令と要請59条:設備・物件の占有者等への事前措置の指示
63条:警戒区域の設定と立入制限

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
災害防救法 第27条以下

台湾も各級政府が災害応変措置を実施する体系をとり、郷(鎮、市)公所が地域の第一線を担う点で日本の市町村中心主義と類似する

韓国
재난 및 안전관리 기본법

韓国も地方自治体の長に災害時の応急措置の権限と責任を与える体系をとる

ドイツ
各州 Katastrophenschutzgesetz

ドイツでは災害防護は州の権限であり、郡・市が下位の災害防護機関として初動を担う

アメリカ
Stafford Act(42 U.S.C. § 5121 et seq.)

米国の連邦法は主に連邦支援を規律し、地域の初動は州法と地方政府の緊急事態管理計画に委ねられる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 線状降水帯の予報が出た夜、町内の消防団員であるあなたのスマホに「詰所で待機」の連絡が入る。会社の残業中でも、その連絡の根拠は本条と市町村地域防災計画にある。行かなかった場合の扱いは各市町村の条例と運用によって異なる
  • もし台風が直撃する前日に、市長が消防団への準備命令を出さず、翌朝堤防の見回りが間に合わずに浸水したら、住民は誰の責任を問えるのか? 本条の義務違反を入口に、国家賠償法1条の検討が始まる。ただし実務上、責任の認定は事案ごとに判断が分かれる
  • あなたは市役所の防災担当職員である。台風の上陸まであと36時間。地域防災計画のどのページに、誰へ、どの段階で出動準備を指示すると書いてあるのかを、今夜のうちに市長へ渡せる一枚の紙にまとめる必要がある
  • 海沿いの町で高潮の警報。市長は海上保安部へ巡視船の出動を「求める」ことはできるが、命令はできない。警察も同じである

取るべき行動

被害を受けた側:1. 浸水などの被害を受けたら、気象警報の発表時刻、市の発表、消防団や水防団が来た時刻を記録し、スクショや写真で残す2. 情報公開請求で、当日の災害対策本部の記録と、本条に基づく出動準備命令の時刻を入手する3. 地域防災計画に定められた発動基準と、実際の対応時刻を照らし合わせる4. 明らかな懈怠(なすべきことを怠ったこと)が疑われる場合は、国家賠償法1条による請求の可否を弁護士に相談する。立証のハードルは高いと覚悟しておく

訴えられた側:1. 自治体側であれば、気象情報を受けた時刻、判断の経緯、命令や要請を出した時刻を時系列で保存しておくことが最大の防御になる2. 地域防災計画の発動基準に沿って判断したことを示す3. 警察や海上保安庁への「要請」は相手方の判断で動くものであり、命令権がない点を整理して説明する4. 平時から計画と訓練記録を更新し、「おそれ」の段階の判断基準を具体化しておく

時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。発動のタイミングは「災害が発生するおそれがあるとき」であり、実際の基準は各市町村地域防災計画が定める。国家賠償請求は国家賠償法4条により民法が適用され、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、不法行為時から20年で消滅する(最新の改正状況をご確認ください)

学説

判例・通説(規制権限不行使の違法):行政庁の権限不行使は、法の趣旨・目的や権限の性質に照らし、具体的事情の下で著しく合理性を欠く場合に国家賠償法1条上違法となるという枠組みが一般に用いられ、本条の義務懈怠の評価にも参照されうる

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法(昭和36年法律第223号)の制定により、市町村長の出動命令等の規定として設けられた

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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