災害対策基本法 第88条(災害復旧事業費の決定)
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- 国がその費用の全部又は一部を負担し、又は補助する災害復旧事業について当該事業に関する主務大臣が行う災害復旧事業費の決定は、都道府県知事の報告その他地方公共団体が提出する資料及び実地調査の結果等に基づき、適正かつ速やかにしなければならない。
- 2.前項の規定による災害復旧事業費を決定するに当たつては、当該事業に関する主務大臣は、再度災害の防止のため災害復旧事業と併せて施行することを必要とする施設の新設又は改良に関する事業が円滑に実施されるように十分の配慮をしなければならない。
この条文の基本情報
災害復旧事業費の決定とは何ですか?
定義災害復旧事業費の決定とは、災害対策基本法第88条に定められた規定で、「国がその費用の全部又は一部を負担し、又は補助する災害復旧事業について当該事業に関する主務大臣が行う災害復旧事業費の決定は、都道府県知事の報告その他地方公共団体が…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第88条(災害復旧事業費の決定)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第88条の条文原文は「国がその費用の全部又は一部を負担し、又は補助する災害復旧事業について当該事業に関する主務大臣が行う災害復旧事業費の決定は、都道府県知事の報告その他地方公共団体が…」で始まります。
- 災害対策基本法第88条は第六章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第88条の前の条は災害対策基本法第87条です。
- 災害対策基本法第88条の次の条は災害対策基本法第89条です。
- 災害対策基本法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法88条は、国費による災害復旧事業費を主務大臣が知事の報告や実地調査に基づき適正かつ速やかに決定し、再度災害防止の改良にも配慮すべきと定める。
Q · 台風で壊れた道路や堤防の復旧費って、誰がどうやって決めるの?
国の災害査定を経て主務大臣が決め、改良にも配慮する
災害対策基本法88条1項により、国が費用を負担・補助する災害復旧事業の事業費は、担当の主務大臣が、都道府県知事の報告、自治体の提出資料、実地調査の結果等に基づき、適正かつ速やかに決定します。実務ではこれを「災害査定」と呼びます。国費による復旧は原形復旧が原則ですが、同条2項は、再度災害を防ぐための施設の新設・改良事業が復旧と併せて円滑に進むよう、大臣に十分な配慮を求めています。
解説
台風で流された町道の橋がいつ、どんな姿で架け直されるかは、被災直後の数週間でほぼ決まる。決めるのは「災害査定」と呼ばれる国の審査で、本条はその根拠となる規定である。国が費用を負担または補助する災害復旧事業について、主務大臣(国土交通大臣や農林水産大臣など、その事業を担当する大臣)は事業費を決める。判断材料は都道府県知事の報告、自治体が出す資料、そして現地を実際に見た結果である。そのうえで「適正かつ速やかに」決めなければならない。見落とされがちなのが第2項だ。国費による復旧は原則として「元の形に戻す」原形復旧である。一方で大臣は、同じ被害を繰り返さないための施設の新設や改良が、復旧と一緒に円滑に進むよう十分配慮する義務を負う。元に戻すだけの査定に対して、自治体は「再度災害の防止」を正面から持ち出せるということだ。あなたの町の堤防が前より強くなるかどうかは、誰かがこの一文を使ったかどうかにかかっている。
法的な位置づけ
災害対策基本法88条は、国が費用の全部又は一部を負担・補助する災害復旧事業について、主務大臣による事業費決定の基準を定める規定である。決定は都道府県知事の報告、地方公共団体の提出資料及び実地調査の結果等に基づき、適正かつ迅速に行うものとされる。さらに、再度災害防止のための施設の新設・改良事業が復旧事業と併せて円滑に実施されるよう、主務大臣に配慮義務を課している。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.被災直後に被害状況を記録する 応急工事や土砂撤去の前に、被災箇所を日時入りの写真・動画で撮影し、位置と範囲を記録する。住民は市町村に通報し、職員は被災前の施設台帳と照合できるよう整理する
- 2.都道府県経由で国へ災害報告を上げる 市町村は被害額の概算と被災箇所を取りまとめ、都道府県を通じて主務省に災害報告を行う。報告の期限や様式は施設ごとの国庫負担法令・通知に従い、最新の改正状況を確認する
- 3.査定設計書と改良要望資料をそろえる 測量・設計を行い、査定用の設計書を作成する。同じ箇所の再被災であれば過去の被災履歴や再度災害の危険を示す資料を同時に用意し、88条2項を根拠に改良を伴う関連事業の併せ施行を要望する
- 4.災害査定(実地調査)に対応する 主務省の査定官と財務省の立会官による実地調査に立ち会い、被災前後の状況、数量、工法の妥当性を資料に基づき説明する。減額項目は理由を確認し、補足資料で説明できる余地を探る
- 5.決定後の施工と記録の保存 決定された事業費の範囲で施工する。設計を変更する場合は主務省と協議し、会計検査に備えて設計根拠・現場写真・出来形記録を事業完了後も保存する
よくある質問 AI による整理
Q1災害査定とは何ですか?
国が費用を負担・補助する災害復旧事業について、主務省の査定官が現地調査と資料審査を行い、事業費を決める手続です。災害対策基本法88条が根拠規定の一つです。
Q2災害復旧事業費は誰が決める?
その事業を担当する主務大臣が決めます。道路や河川なら国土交通大臣、農地や農業用施設なら農林水産大臣が典型で、知事の報告や実地調査の結果が判断材料になります。
Q3原形復旧とはどういう意味?
被災した施設を被災前と同じ形状・機能に戻す復旧のことです。国費による災害復旧はこれが原則で、元より強くする改良は別枠の事業として扱われます。
Q4改良復旧はできる?
可能性はあります。88条2項は再度災害防止のための新設・改良事業への配慮を主務大臣に義務付けており、自治体が査定と同時に関連事業を要望することが前提になります。
Q5災害査定で減額されたら差額は誰が払う?
原則として事業を実施する自治体の負担になります。地方債や寄付などで穴埋めされることがあり、財政規模の小さい市町村ほど影響が大きくなります。
Q6災害復旧で個人の家は直してもらえる?
88条の災害復旧事業の対象は道路・河川・農地などの公共的施設で、個人住宅は含まれません。住宅再建は被災者生活再建支援法の支援金や保険など別の制度で検討します。
Q7査定前に工事を始めても大丈夫?
緊急性のある応急工事は査定前でも行えますが、着工前の被災状況を写真や測量で記録しておかないと、査定で被害規模を立証できず減額される恐れがあります。
Q8激甚災害に指定されると何が変わる?
激甚災害法に基づき、公共施設の災害復旧事業などに対する国の負担割合が嵩上げされ、自治体の実質負担が軽くなります。指定の有無は内閣府の公表で確認できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの前の道路、毎年崩れてるのに、なんでまた同じ形で直すの?
国が費用を負担する災害復旧は、原則として元の形と機能に戻す原形復旧だからである(公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法2条)。ただし本条2項は、再度災害を防ぐための新設や改良が円滑に進むよう、大臣に配慮を求めている。実務のポイント:改良を加える災害関連事業は別枠の予算で、自治体が査定と同時に要望しなければ検討の対象にもならない。住民の声が効くのは査定前である
Q2国の査定で決まった金額で、本当に工事できるんですか?
本条1項は、知事の報告、自治体の資料、実地調査の結果をもとに「適正かつ速やかに」決めるよう求めている。実際の工事費が査定額を上回れば、差額は原則として自治体の負担になる。実務のポイント:査定は資料勝負で、被災直後の写真や被災前の台帳が欠けている箇所ほど削られやすい。査定官が現地で見られるのは被災後の姿だけで、被災前の姿を証明できるのは自治体側の記録しかない
間違えやすい点 AI による整理
- 「被災した自宅も国の災害復旧で直してもらえるのか」という問い自体がずれている。本条の災害復旧事業の対象は道路、河川、港湾、農地などの公共施設や公的な施設で、個人の住宅は含まれない。住宅の再建は、被災者生活再建支援法の支援金、義援金、地震保険や火災保険という別ルートで考える必要がある
- 査定額が実際の工事費を下回ることがあると知っていても、その差を誰が負うかまで意識している人は少ない。差額は原則として自治体の持ち出しになり、財政規模の小さい町村ほど、他の住民サービスを削って穴埋めすることになる。条文の「適正」という一語は、削る方向にも働く
- 国の査定は国が一方的に決めるものと思われがちだが、条文は判断材料として、知事の報告と自治体が提出する資料を実地調査より先に挙げている。資料の質がそのまま査定額に反映されるため、実は自治体側の準備の責任が重い仕組みである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 88条:国が負担・補助する災害復旧事業の事業費の決定方法 | 87条:災害復旧を実施する責任者と実施義務 91条:法律の施行に要する費用は実施責任者が負担する原則 |
| 名宛人 | 主務大臣(国土交通大臣・農林水産大臣など) | 指定行政機関の長、地方公共団体の長等 実施の責任に属する者(主に地方公共団体) |
| 自治体にとっての意味 | 提出資料の質が査定額と改良の可否を左右する | 復旧を実施する義務を負う 国の負担・補助がない部分は自ら負担する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は災害防救法で復旧再建を規定し、経費は各級政府が予算計上する。中央による補助の枠組みは別途の行政規則に委ねられる
韓国も被害調査を経て復旧計画を策定し、国庫支援の範囲を決める構造をとる
FEMA の Public Assistance が公共施設の修復費を支援し、§ 406 hazard mitigation により再被災防止の改良費も対象になりうる点が本条2項と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 去年と同じ場所で、また町道の擁壁が崩れたらどうなるか。前回を原形復旧で直しただけなら、今回も同じ設計で戻される恐れがある。二度目の被災は、本条2項を根拠に改良を伴う事業の併せ施行を求める、最も説得力のある材料になる
- あなたは市の土木課の若手職員である。豪雨から二週間が過ぎ、来週には国の災害査定官と財務省の立会官が現地に来る。被災直後の写真、被災前の施設台帳、測量データが揃っていなければ査定額は削られ、差額は市の単独費になる。残りは七日しかない。まず写真の整理から手をつける
- 応急工事を急ぐあまり、被災状況の写真を撮らずに土砂を撤去してしまった。査定前の着工自体は認められているが、着工前の状況を示す記録がなければ、被害の規模を査定で立証できない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 住民は、道路や河川など公共施設の被害を日時入りの写真で記録し、市町村に通報する。被災直後の記録は査定資料に直結する2. 自治体職員は、査定前に被災前後の写真、施設台帳、測量結果、設計書を揃える。応急工事を先に行う場合も、着工前の状況記録を必ず残す3. 同じ箇所の再被災であれば過去の被災履歴をまとめ、2項を根拠に改良を伴う事業の併せ施行を要望する4. 激甚災害の指定の有無で国の負担割合が変わるため、指定状況を確認する
訴えられた側:1. 査定で減額された場合は、数量、単価、工法、原形復旧の範囲など、減額の理由を項目ごとに確認し、補足資料で説明し直せる余地を探る2. 事業費が決まった後に設計を変える場合は、主務省との協議が必要になることがあるため、独断で進めない3. 会計検査院から過大な査定や不適切な施工を指摘されると、補助金適正化法17条・18条による交付決定の取消しや返還命令に発展しうる。設計根拠と現場写真は事業完了後も保存しておく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし実務では、災害報告や査定の申請について公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の施行令などに基づく期限と手順があり、査定は被災後の短い期間に行われる(最新の改正状況をご確認ください)。補助金の返還問題は、事業完了後の会計検査で表面化することがある
改正沿革 AI による整理
- 昭和36年(1961年) 災害対策基本法の制定時に新設。その後の文言改正の有無は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:伊勢湾台風を契機に災害対策基本法が制定され、財政金融措置の章に災害復旧事業費の決定に関する規定が置かれた。その後の文言改正の有無は要確認
- 災害対策基本法 第87条災害復旧の実施責任者による実施義務
- 災害対策基本法 第91条実施責任者が費用を負担する原則
- 災害対策基本法 第97条激甚災害に対する特別の財政援助
- 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 第2条原形復旧を原則とする事業の定義
- 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律 第3条激甚災害時の国庫負担率の嵩上げ
- 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 第17条不適正な執行時の交付決定取消し
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