建物の区分所有等に関する法律 第37条(決議事項の制限)
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- 集会においては、第三十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
- 2.前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。
- 3.前二項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。
この条文の基本情報
決議事項の制限とは何ですか?
定義決議事項の制限とは、建物の区分所有等に関する法律第37条に定められた規定で、「集会においては、第三十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建物の区分所有等に関する法律第37条(決議事項の制限)は、日本の建物の区分所有等に関する法律に含まれる条文です。
- 建物の区分所有等に関する法律第37条の条文原文は「集会においては、第三十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。」で始まります。
- 建物の区分所有等に関する法律第37条は第一章 建物の区分所有に置かれています。
- 建物の区分所有等に関する法律の公布日は昭和37年4月4日です。
- 建物の区分所有等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建物の区分所有等に関する法律第37条の前の条は建物の区分所有等に関する法律第36条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第37条の次の条は建物の区分所有等に関する法律第38条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000069 - 本サイト収録
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000069/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点区分所有法37条は、マンションの集会で決議できるのは招集通知であらかじめ通知した事項のみと定める。規約で緩和できるが、規約変更など特別の定数がある事項は除外される。
Q · マンションの総会で、議案書に書いていなかった話をその場で決めたら有効ですか?
原則として無効です。通知外の議題は決議できません。
区分所有法37条1項により、集会で決議できるのは35条の招集通知であらかじめ通知した事項のみです。通知になかった議題を当日の動議で採決しても、その決議は原則として無効になります。2項により規約で別段の定めを置けば普通決議事項については緩和できますが、規約の変更(31条)、共用部分の重大変更(17条)、建替え(62条)など特別の定数が定められた事項は除外されます。区分所有者全員の同意で招集手続を省略した集会(36条)には、3項により本条は適用されません。
解説
マンションの総会の終盤、議案書に一行も書かれていなかった話が突然持ち出され、その場の挙手で決まる。よくある光景だが、区分所有法37条1項はそれを正面から禁じている。集会で決議できるのは、35条の招集通知であらかじめ通知した事項だけであり、通知になかった議題の決議は原則として無効になる。効いてくるのは2項の作りだ。規約で「通知事項以外も決議できる」と定める余地は残されているが、この法律が特別の定数を置いた事項、つまり規約の変更(31条、4分の3)、共用部分の重大変更(17条、4分の3)、建替え(62条)は、その例外から外されている。あなたの資産価値を直撃する重い議題ほど、事前通知を飛ばせない構造になっている。そして3項。区分所有者全員が同意して招集手続を省いた集会(36条)には、そもそも通知が存在しないため1項2項は適用されない。戸数の少ない建物では、この仕組みが実務で生きている。
法的な位置づけ
区分所有法37条は集会の決議事項の範囲を定める規定であり、集会は35条の招集通知であらかじめ通知した事項についてのみ決議できるとする。規約による別段の定めは認められるが、法律が特別の定数を定めた事項は除外され、全員の同意で招集手続を省略した集会には本条が適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.招集通知が届いた時点で議題を一覧化する 会日の1週間前(35条1項)に届く招集通知を受け取ったら、記載された議題を箇条書きに書き出す。「その他」という曖昧な議題名があれば、そこで何を決める予定かを事前に理事会へ確認する
- 2.特別の定数がある事項に議案の要領があるか確認する 規約の変更(31条)、共用部分の重大変更(17条)、建替え(62条)が議題に含まれる場合、議案の要領まで通知されているかを確認する。要領を欠く場合は37条2項の規約緩和も及ばない
- 3.会日の前に書面で理事会へ指摘する 通知の不備を見つけたら、開催前に理事長宛の書面で37条1項・35条違反の可能性を指摘し、通知のやり直しか当該議題の延期を求める。開催後に争うより圧倒的に低コストで済む
- 4.総会当日、採決の前に発言し議事録に残す 議長が通知外の事項を採決しようとしたその場で「37条1項の通知事項ではないため決議できない」と述べ、その発言を議事録に記載するよう求める。採決後に争うより労力が桁違いに小さい
- 5.決議されてしまったら議事録請求から法的手続へ 議事録の閲覧を請求(42条5項、33条準用)して採決事項を確認し、理事長宛書面で無効を通知して再決議を求める。応じない場合は決議無効確認の訴え、着工が迫るなら工事続行禁止の仮処分を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1区分所有法37条とは何ですか?
マンションの集会で決議できる事項を、招集通知であらかじめ通知した議題に限定する規定です。規約で緩和する余地はありますが、特別の定数が定められた事項は除外されます。
Q2総会で議題にない決議をしたらどうなりますか?
37条1項違反として、その決議は原則として無効です。決議に基づく工事や値上げも根拠を失うため、着工前であれば止められる可能性があります。
Q3マンション総会の決議を無効にする方法は?
招集通知と議事録を照合し、通知外の決議であることを特定したうえで、理事長宛に書面で指摘します。応じない場合は決議無効確認の訴えを提起します。
Q4総会の招集通知はいつまでに届きますか?
35条1項により会日の1週間前までが原則で、規約で期間を伸縮できます。特別決議事項は議案の要領も通知する必要があります。
Q5招集通知なしで総会を開けますか?
36条により区分所有者全員の同意があれば招集手続を省略できます。この集会には37条1項2項が適用されず、通知外の事項も決議できます。
Q6総会の議事録は誰でも見られますか?
区分所有者と利害関係人は、42条5項が準用する33条により議事録の閲覧を請求できます。保管者は正当な理由なく拒めません。
Q7賃借人も総会の決議に従う必要がありますか?
46条2項により、建物の使用方法について区分所有者が負うのと同一の義務を負います。議決権はないのに決議の効力だけが及ぶ立場です。
Q8決議の無効を主張できる期限はいつまでですか?
区分所有法には会社法831条のような出訴期間の制限がなく、決議無効確認の訴えは時期の制限なく提起できます。ただし信義則による制限の余地はあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1総会の当日に出た動議って、その場で決議しちゃダメなんですか?
議題そのものを追加する動議は37条1項により決議できない。通知された議題の中で金額や範囲を修正する動議は許されるとするのが実務の一般的な扱いだが、どこまでが範囲内かは解釈が分かれている。実務のポイント:修正の余地は議題名の書き方でほぼ決まる。「駐輪場使用細則の改定の件」なら当日の修正余地は広く、「駐輪場を月額500円で有料化する件」と具体的に書けば狭い。議題名を起案する側が主導権を握る
Q2うちの規約に「その他必要な事項」って議題があるんですが、それで決めていいんですか?
37条2項は、規約で別段の定めを置けば通知事項以外の決議を認める余地を残している。ただし特別の定数が定められた事項は除外され、規約の変更(31条)、共用部分の重大変更(17条)、建替え(62条)は規約をどう書いても通知なしには決議できない。実務のポイント:国土交通省のマンション標準管理規約は、この別段の定めを採用していない。標準管理規約をベースに作られた規約なら「その他」での決議はまず通らない
間違えやすい点 AI による整理
- 議題にない決議が「望ましくない」ことは多くの理事が知っている。知られていないのは深刻度のほうだ。区分所有法には、会社法831条の決議取消しの訴え(3か月)に相当する出訴期間の遮断規定がない。手続違反の決議は原則として無効であり、数年前の決議が今から覆されうる不安定な状態が続く
- 「当日の動議は出せるのか、出せないのか」という問いの立て方自体が粗い。実務は議題(何を決めるかというテーマ)と議案(そのテーマの中の具体案)を分けて考える。議題そのものの追加はできない。同じ議題の中で金額や範囲を修正する動議は許されるとされるが、どこまでが通知の範囲内かは実務上、解釈が分かれている
- 規約に「その他必要な事項」と書いておけば何でも決議できると考える管理組合があるが、2項は特別の定数が定められた事項を明確に除外している。規約の変更や共用部分の重大変更は、規約をどう書き換えようと、事前通知なしに決議することはできない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 37条:集会で決議できる事項の範囲(通知事項に限定) | 35条:招集通知の時期と議案の要領の記載 36条:全員の同意による招集手続の省略 |
| 違反・欠落したときの効果 | 通知外の事項を決議しても原則として無効 | 通知期間不足・議案の要領の欠落は招集手続の瑕疵となる 全員の同意を欠けば集会自体が適法に成立しない |
| 規約による調整の余地 | 2項で別段の定めが可能。ただし特別の定数がある事項は除外 | 1項ただし書により通知期間を規約で伸縮できる 緩和の余地なし(全員の同意が絶対要件) |
| 実務での使いどころ | 当日の動議を止める根拠、決議無効を争う根拠 | 開催前に通知の不備を指摘する根拠 少数戸の建物で機動的に決議する手段 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も招集通知に会議の内容を記載することを求め、記載外の事項の決議は手続違反として争われる。管理委員会主導の運営という実務構造も日本と近い
韓国の集合建物法は日本法を強く参照しており、集会の招集通知に会議の目的事項を明示することを求める点で構造が一致する
中国は業主が共同で決定する事項と議決要件を法定するが、通知記載事項による決議範囲の限定は主として物業管理条例と規約レベルで処理される
ドイツ住居所有権法は、決議の有効要件として招集時に対象事項が表示されていることを明文で求める。日本37条1項と同型の規律であり、日本法の源流にあたる
フランスは総会が議事日程に記載された事項についてのみ有効に審議できるとする。1965年法と1967年デクレの二層構造で区分所有を規律する点が日本と異なる
米国は州法ごとに規律されるが、統一法は会議通知に議題の記載を求める。裁判所は手続違反を無効事由とするより是正・再決議で処理する傾向がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 総会の議案書に「その他」としか書かれていなかった枠で、駐輪場の有料化と月額使用料が決まったとしたら? 通知された議題ではない以上、その決議には無効を主張する余地がある。ただし口座引き落としの開始まであと三週間。理事長宛の書面で37条1項違反を指摘し、議事録の記載を確認するところから動く
- あなたが理事長を引き受けた年の総会で、住民から「ついでに管理費も上げよう」と動議が出る。その場の空気で採決すれば、後日その決議は無効だと主張され、集めた増額分を返す羽目になる。議題の追加動議は次回総会に回す、それが唯一の安全策だ
- 二戸一棟のテラスハウス、一階が店舗の三戸のビル。区分所有者全員が顔を合わせて同意すれば、招集手続を省いた集会(36条)を開ける。この集会には37条1項2項が適用されず、通知していない事項でもその場で決議できる。少数戸の建物は、この抜け道を知っているかどうかで意思決定の速度が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 招集通知と議案書の原本を確保し、決議された内容が通知された議題に含まれるかを一文字単位で照合する2. 議事録の閲覧を請求し(42条5項、33条準用)、採決事項の記載を確認する3. 理事長宛の書面で、37条1項違反により当該決議は無効である旨と、次回総会での適法な再決議を求める4. 工事や支出が始まる前に動く。着工後は無効を勝ち取っても原状回復は現実的でない5. 応じない場合は決議無効確認の訴え、緊急性があれば工事続行禁止の仮処分を検討する
訴えられた側:1. 指摘を受けたら、決議内容が通知した議題の範囲内かを招集通知と規約で確認する2. 範囲外だったなら、粘るより早い。次回総会で同一内容を適法に再決議すれば混乱は最小で収まる3. 特別の定数が定められた事項(31条、17条、62条など)は、規約に別段の定めを置いても通知を省けない。ここを外すと決議は救えない4. 再発防止は書式で。「その他」という議題名を廃止し、決議予定の事項を個別に列挙する
時効(請求できる期限):区分所有法には、会社法831条の決議取消しの訴え(3か月)に相当する出訴期間の制限がない。通知事項外の決議は原則として無効であり、決議無効確認の訴えはいつでも提起できる。ただし信義則・権利濫用による制限の余地はある。決議に基づいて支払った金銭の返還請求は民法166条の消滅時効(知った時から5年、または行使できる時から10年)にかかる。工事を止めたいなら、事実上の期限は着工前
学説
通説:37条1項は、欠席者および委任状・議決権行使書を提出した区分所有者の事前検討の機会を保障する強行的な手続規定であり、これに反する決議は原則として無効と解される。
実務の一般的整理:議題(決議のテーマ)の追加は許されないが、通知された議題の範囲内での議案の修正動議は許容される。範囲の広狭は議題名の抽象度によって決まるため、議題を起案する理事会側が実質的な主導権を握る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:建物の区分所有等に関する法律の制定により、集会の決議事項を招集通知の記載事項に限定する規律が置かれた
- 2.昭和58年(1983年) 改正:区分所有法の大規模改正により集会・規約・管理に関する規定が全体的に再編され、現行の条文構造が形成された(個別の改正内容は e-Gov の沿革で要確認)
- 建物の区分所有等に関する法律 第35条招集通知と議案の要領、本条の前提規定
- 建物の区分所有等に関する法律 第36条招集手続の省略、3項の適用除外先
- 建物の区分所有等に関する法律 第39条集会の議事、通常決議の要件
- 建物の区分所有等に関する法律 第31条規約の変更、2項が除外する特別の定数
- 建物の区分所有等に関する法律 第62条建替え決議、2項が除外する特別の定数
- 被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法 第2条被災時の集会と決議手続の特則(現行効力を要確認)
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