要点法人税法64条の13は、通算法人が一定の事由でグループ通算から離脱する際、主要事業の継続見込みがない等の要件に該当すれば、保有資産の含み損益を益金・損金に算入すると定める。
Q · グループ通算制度から子会社を抜けさせると、必ず含み益に税金がかかるんですか?
必ずではなく、2つの要件に当たる離脱だけが対象です
法人税法64条の13により、通算承認の効力を失う通算法人が、①主要な事業が引き続き行われる見込みがない、②株式を有する他の通算法人で譲渡損等が見込まれる(帳簿価額10億円超の資産が対象)のいずれかに該当すると、通算終了直前事業年度終了の時の時価評価資産の含み益・含み損が益金・損金に算入されます。他の通算法人を合併法人とする合併による離脱、残余財産の確定に基因する離脱、64条の5の適用を受けない法人としての離脱は、条文上の対象外です。
黒字の子会社をグループの外に出す、あるいはある会社の主要事業をたたむ。経営判断としてはよくある話だ。だがその会社がグループ通算制度に入っていたなら、離脱した瞬間に思わぬ税金が牙をむく。法人税法64条の13は、通算法人が通算承認を失うとき、一定の条件に当てはまれば、その会社が持つ資産の含み益・含み損を強制的に「実現したもの」として扱い、離脱直前の事業年度の益金・損金に算入すると定める。売ってもいない土地や有価証券の含み益に、いきなり課税されるということだ。引き金は二つ。①その会社の主要な事業が今後も引き続き行われる見込みがないこと、②その会社の株式を持つ別のグループ会社に、離脱後に株式の譲渡損などが生じる見込みがあること(この場合は帳簿価額10億円超の資産が対象)。あなたが組織再編を設計する側なら、この一行を見落とすと、キャッシュを一円も生まない含み益に税金だけが乗る事態を招く。
法人税法64条の13は、グループ通算制度からの離脱時における資産の時価評価損益の計上を定める規定である。通算承認の効力を失う通算法人につき、主要事業の継続見込みがない場合または他の通算法人で株式譲渡損等が見込まれる場合に、通算終了直前事業年度終了の時の時価評価資産の評価益・評価損を益金・損金に算入する。開始時・加入時の時価評価に対応する出口規定である。
固定資産、土地(土地の上に存する権利を含む)、有価証券、金銭債権、繰延資産を指します。ただし評価損益の計上に適しないものとして政令で定める資産は除かれます。
②号の要件でのみ問題になり、通算終了直前事業年度終了の時における帳簿価額として政令で定める金額が10億円を超えるかで判定します。資産ごとの判定である点が重要です。
64条の10第4項から第6項までに定める取りやめ、青色申告の承認取消し、通算親法人との完全支配関係の消滅などの事由により、通算承認の効力を失います。
通算終了直前事業年度、つまり通算承認の効力を失う日の前日が属する事業年度の終了の時が基準時です。この時点で有する資産の価額と帳簿価額を比較します。
あります。開始時は64条の11、加入時は64条の12が時価評価を定めており、64条の13はこれらに対応する出口側の規定という位置づけです。
評価損益の計上に適しないものとして政令で定める資産は除外されます。具体的範囲は法人税法施行令の委任規定によるため、適用時点の政令を確認する必要があります。
含み益への課税はキャッシュを生まないため、離脱を決める前に税額を試算し、親会社からの資金支援や資産売却など納税原資の確保を同時に設計する必要があります。
法人事業税の所得割は法人税の所得金額を基礎とするため、評価益が益金算入されれば地方税にも波及しうる構造です。現行の地方税法の規定を確認してください。
いいえ、必ずではありません。64条の13が時価評価を求めるのは、①主要な事業が引き続き行われる見込みがない、②他の通算法人で株式譲渡損等が見込まれる(帳簿10億円超の資産が対象)、のどちらかに当たる離脱だけです。適格合併や残余財産確定に基因する離脱は条文自体が除外しています。業界裏話ヒント:通常の離脱の多くはそもそも対象外。『抜ける=課税』と早合点して不要な組み替えに走る前に、まず自社の離脱が2要件のどちらにも当たらないことを確認すれば、余計なコストを丸ごと省ける。
そう単純ではありません。64条の13は含み益も同時に強制実現させます。②号は損失の二重取り(子会社の資産含み損と親会社の株式譲渡損)を封じる狙いで、帳簿10億円超の資産を狙い撃ちします。狙った損より含み益課税の方が大きくなる設計です。業界裏話ヒント:時価評価は益金にも損金にもなる両刃で、含み損だけのつまみ食いはできない。資産全体の含み損益をネットで試算してから離脱スキームを選ぶ税理士と、そうでない税理士とで、手取りが桁違いになる。
本当です。同じ『グループを抜ける』でも、残余財産の確定に基因する離脱、他の通算法人を合併法人とする合併による離脱、64条の5(損益通算)の適用を受けない法人としての離脱などは、64条の13第1項が明文で対象外としています。抜け方の設計が課税の有無を分けます。業界裏話ヒント:離脱の課税は『結果』ではなく『経路』で決まる。事業年度が終わる前に経路を組めば対象外に持ち込める余地があるが、終わってから気付くと手遅れ。組織再編は税務判定を先に、法務手続きを後に組むのが実務のコツ。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用の場面 | 64条の13:通算承認を失う離脱時 | — |
| 制度上の位置づけ | 出口での含み損益精算(損失二重利用の防止) | — |
| 主な要件 | ①主要事業の継続見込みなし、または②他の通算法人で株式譲渡損等の見込み(帳簿10億円超資産) | — |
| 評価の基準時 | 通算終了直前事業年度(承認喪失日の前日が属する事業年度)終了の時 | — |
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