要点法人税法 64 条の 12 は、グループ通算に加入する法人の時価評価資産の含み損益を益金・損金に算入すると定める。ただし新設完全子会社など 4 類型は時価評価の対象外となる。
Q · 子会社をグループ通算に入れると、売ってもいない資産に税金がかかるって本当?
含み益があれば加入時に時価評価で課税されます
法人税法 64 条の 12 により、グループ通算に加入する法人が加入直前事業年度末に有する時価評価資産(固定資産・土地・有価証券・金銭債権・繰延資産)の含み益は、実際に売却していなくても益金に算入され課税されます。逆に含み損は損金に算入できます。ただし 1 項には 4 つの例外があり、通算親法人が設立した完全子会社、適格株式交換の完全子法人、支配関係の継続や共同事業の要件を満たす法人は時価評価の対象外です。課税されるか否かは加入前のスキーム設計で決まります。
グループ会社を一つの塊として法人税を計算するグループ通算制度。子会社を新たにこの制度へ加入させるとき、多くの経営者は「これで損益を通算できて節税だ」とだけ考える。だが加入の直前、その子会社が持つ土地・有価証券・固定資産などに含み益があれば、法人税法64条の12はそれを時価で洗い替え、含み益を一括して益金に算入させる。実際には売っていない資産の含み益に、加入した瞬間、税金がかかるということだ。逆に含み損があれば損金に算入できる。ただし本条には4つの例外があり、自ら設立した完全子会社、適格株式交換の完全子法人、支配関係の継続や共同事業の要件を満たす会社は、この時価評価課税を免れる。加入のスキームをどう設計するかで、課税されるか否かが分かれる。その分岐点を握っているのは、加入前の一手だ。
法人税法 64 条の 12 は、グループ通算制度への加入に伴う時価評価課税を定める規定である。通算加入直前事業年度終了の時に有する時価評価資産の評価益は益金に、評価損は損金に算入される。新設完全子会社、適格株式交換の完全子法人、支配関係の継続、共同事業の 4 類型は対象外とされ、租税回避の防止と組織再編の円滑化を原則課税・例外免除の構造で両立させる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
加入する法人が有する固定資産・土地・有価証券・金銭債権・繰延資産の含み損益を、加入直前事業年度末に時価で評価し益金・損金に算入する制度です。法人税法 64 条の 12 が根拠です。
固定資産、土地(借地権等を含む)、有価証券、金銭債権、繰延資産です。ただし政令で評価損益の計上に適しないとされた資産は除かれます(法人税法 64 条の 12 第 1 項)。
含み益に法人実効税率(おおむね約 30%)を乗じた額が概算です。含み益 2 億円なら数千万円規模の法人税が加入時に発生し得ます。例外に該当すれば課税されません。
通算親法人が設立した完全子会社、適格株式交換の完全子法人、支配関係の継続要件を満たす法人、共同事業要件を満たす法人のいずれかに該当する場合、時価評価は免除されます。
時価評価は「通算加入直前事業年度終了の時」に生じ、その事業年度の確定申告(原則、事業年度終了日の翌日から 2 月以内、延長で 3 月以内)に反映します。
理論上は時価評価損を損金算入できますが、要件を満たさない加入では損の取り込みが制限・否認されます。事業の実体と継続性を示せないと税務調査で狙われます。
令和 2 年度(2020 年)改正で移行し、令和 4 年(2022 年)4 月 1 日以後開始事業年度から適用。時価評価の対象資産と例外が見直され、範囲が限定されました。
64 条の 12 第 2 項により、一定の場合に加入法人の株式を有する内国法人の当該株式についても評価益・評価損を益金・損金に算入します。
いいえ。原則は時価評価で課税されますが、法人税法64条の12第1項には4つの例外があります。自社が新たに設立した完全子会社、適格株式交換の完全子法人、支配関係の継続や共同事業の要件を満たす会社などは対象外です。業界裏話ヒント:実務では「既存会社を買って入れる」より「完全子会社を新設してから入れる」方が時価評価を避けやすい。同じ会社を加入させるのでも、入れ方の順番一つで課税額が変わる
理論上は時価評価損を損金算入でき、グループの税負担を下げられます。ただし国は含み損の持ち込みによる租税回避を警戒しており、64条の12の例外(共同事業の要件等)を満たさない加入では、損の取り込みが制限・否認されます。業界裏話ヒント:「含み損のある会社を駆け込みで通算に入れて損を取る」スキームは、税務調査で最も狙われる論点の一つ。事業の実体と継続性を示せないと、後で全部ひっくり返される
令和2年度(2020年)改正でグループ通算制度に移行し、令和4年(2022年)4月1日以後開始事業年度から適用されています。加入時の時価評価の対象資産や例外が見直され、以前より時価評価の範囲が限定されました。業界裏話ヒント:連結納税時代の古い解説書やスキームをそのまま使うと、現行制度の例外要件とズレて誤判定する。移行後の通達・施行令を確認しないと、例外に「該当するはず」が「該当しない」に化ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課税が生じる場面 | 64 条の 12:グループ通算への加入時の時価評価 | — |
| 対象となる法人 | 既存グループに新たに加入する内国法人 | — |
| 時価評価の基準時 | 通算加入直前事業年度終了の時 | — |
| 免除・例外 | 新設完全子会社・適格株式交換・支配関係継続・共同事業の 4 例外 | — |
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