要点法人税法64条の11は、グループ通算の開始時に、内国法人が持つ資産の含み損益を強制的に益金または損金へ算入すると定める。親法人と継続見込みの子会社は除外される。
Q · グループ通算を始めると、売ってない資産の含み益にも税金がかかるの?
原則、開始時に含み益は課税されるが継続見込みなら除外される
法人税法64条の11により、グループ通算の開始直前事業年度末に持つ時価評価資産(固定資産・土地・有価証券・金銭債権・繰延資産)の含み益は、売却していなくても強制的に時価評価され益金算入されます。含み損なら損金算入されます。ただし親法人、および完全支配関係が継続する見込みの子会社は対象から除外されます。誰が課税され誰が外れるかは「支配が続く見込みか」で決まり、申請前の設計次第で初年度の税額が大きく変わります。
自社と子会社をまとめて法人税を計算するグループ通算制度。節税になると聞いて申請しようとしているなら、その前にこの条文を読んでほしい。制度を開始する直前の事業年度末、あなたの会社が持つ土地、有価証券、固定資産、金銭債権、繰延資産などの「含み益」「含み損」が、売っていないのに強制的に時価評価され、その差額が益金または損金に算入される。つまり一円も現金化していない含み益に、いきなり法人税が課される可能性がある。しかも第2項では、あなたの会社の株式を持つ別の会社まで、その株式の含み損益を計上させられる。ただし救いはある。親法人、そして完全支配関係が継続する見込みの子会社は、この時価評価から除外される。誰が課税され誰が外れるか、その分岐点は「支配が続く見込みか」という一点にある。ここを設計できるかどうかで、開始初年度の税額が数千万円変わる。
法人税法64条の11は、グループ通算の開始時における時価評価を定める規定であり、通算承認を受ける内国法人が開始直前事業年度末に有する固定資産・土地・有価証券・金銭債権・繰延資産の含み損益を、益金または損金に算入する旨を規定する。親法人および完全支配関係が継続する見込みの子会社は、この時価評価の対象から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
通算を開始する会社が開始直前事業年度末に持つ資産の含み益・含み損を、売却していなくても時価評価し益金または損金に算入する制度です。法人税法64条の11が根拠です。
固定資産、土地(借地権等を含む)、有価証券、金銭債権、繰延資産です。売掛金や貸付金の含み損益まで計上対象になりうる点が見落とされがちです。
親法人、および親法人との完全支配関係が継続する見込みの子会社です。継続見込みは開始時点で判定され、将来売却予定の子会社は対象になりえます。
最大の落とし穴が開始初年度の含み益課税です。損益通算メリットは翌期以降に効くため、初年度課税とネットで何年で取り返せるかの試算が欠かせません。
令和2年改正で創設され、令和4年(2022年)4月1日以後開始事業年度から適用されています。旧連結納税制度を廃止して置き換えたものです。
連結納税はグループを一体として申告し、グループ通算は各社が個別申告しつつ損益通算する方式です。いずれも開始時時価評価の関門は共通します。
判定基準時は通算開始直前事業年度終了の時です。この一点で含み損益が固定され、当該事業年度の所得計算上、益金または損金に算入されます。
親法人となるか、完全支配関係が継続見込みと整理できる資本構成にすることです。ただし含み損の会社はあえて対象にした方が有利な場合もあります。
開始初年度に限れば増えることがあります。64条の11で、開始直前に持つ資産の含み益が時価評価され益金算入されるためです。含み益の大きい上場株や土地を持つ会社ほど、開始年度の税負担が跳ね上がる。業界裏話ヒント:税理士がメリットとして語る損益通算の効果は翌期以降に効いてきます。初年度の含み益課税とネットで何年で取り返せるかを計算せずに申請を勧められたら、その試算を必ず求めること。損益分岐が5年先なら、判断は変わる
ケースによっては有利です。64条の11の時価評価は含み損も損金算入させるので、対象になれば含み損を早期に実現できます。ただし親法人や継続保有見込みの子会社は除外され、狙った損金が使えないことがある。業界裏話ヒント:含み損のある会社をあえて時価評価の対象にする設計は、継続見込みの整理次第で可能な場合とそうでない場合があり、実務上、解釈が分かれる領域です。顧問税理士でも通算に精通していないと踏み込めない
本当です。64条の11第2項で、通算に入る内国法人の株式を持つ株式等保有法人は、その株式の含み損益を計上させられます。自社が通算グループの外にいても影響が及ぶ。業界裏話ヒント:この第2項の存在を見落としたまま、グループ内の別会社が通算を始めた結果、通算に無関係なつもりだった会社が予想外の課税を受けるケースがある。グループのどこか一社が通算を始めるなら、株式を持つ全社で影響を洗い出すのが鉄則
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 時価評価のタイミング | 64条の11:通算開始時(開始直前事業年度末) | — |
| 対象法人 | 通算を開始する内国法人(除外要件あり) | — |
| 除外要件 | 親法人・完全支配関係が継続見込みの子会社 | — |
| 効果 | 含み損益を益金または損金に算入 | — |
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