要点法人税法 33 条は、資産を評価換えして帳簿価額を減額しても原則損金に算入しないと定める。含み損は売却・除却で実現するまで損金にならず、例外は災害や再生手続等に限られる。
Q · 資産が値下がりしたら、帳簿価額を下げて評価損で税金を減らせるの?
原則できません。含み損は売却・除却で実現するまで損金になりません
法人税法 33 条 1 項により、資産を評価換えして帳簿価額を減額しても、その減額分は原則として損金に算入されません。含み損は資産を売却または除却して実現するまで税務上の損失にならないのが原則です。例外は狭く、災害による著しい損傷(2 項)、会社更生の認可決定(3 項)、再生計画の認可決定等(4 項)に限られ、いずれも損金経理や評価損明細の添付という手続要件が課されます。さらに完全支配関係にある子会社株式の評価損は 5 項で完全に否認されます。
バブル期に買った本社ビルの評価額が半分になった。倉庫には型落ち在庫が山積み。出資した子会社の株は紙くず同然。決算前、経理担当のあなたは「これ全部、帳簿価額を下げて損金にすれば税金が減る」と電卓を叩く。だが法人税法33条は、その一手を正面から封じる。1項は明快だ。資産を評価換えして帳簿価額を減らしても、その減額分は損金に算入しない。つまり含み損は原則、売るか捨てるまで税務上の損にならない。会計で堂々と減損処理をしても、税金が一円も減らないことがある。例外は狭く、しかも硬い。災害による著しい損傷(2項)、会社更生(3項)、民事再生など(4項)。それぞれに損金経理や明細の添付という手続要件が張り付き、100%子会社の株なら5項で最初から門前払いだ。値下がりしたから損金、という素朴な発想がどこで、なぜ止められるのか。それを地図として持つ者だけが、否認されない別表を組める。
法人税法 33 条は資産の評価損の取扱いを定める規定であり、資産を評価換えして帳簿価額を減額してもその減額分は原則損金不算入とする。ただし災害による損傷、会社更生の認可決定、再生計画の認可決定等の政令所定の事実がある場合に限り、損金経理と明細添付を要件として例外的に損金算入を認める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
資産の時価が帳簿価額を下回った際に帳簿価額を減額する会計処理です。法人税法 33 条 1 項は、この評価損を原則として損金不算入とし、含み損は実現するまで税務上の損失に計上できません。
原則は資産を売却または除却して損失が実現した事業年度です。評価換えのままでは損金になりません。例外的に災害・会社更生・民事再生等の政令所定の事実が生じた事業年度に限り損金算入が認められます。
評価損を計上できる事実類型を具体化した規定で、災害による著しい損傷、1 年以上の著しい陳腐化、品質低下等が挙げられます。単なる時価下落や在庫の売れ残りは含まれません。
必要です。評価損は事実が生じた事業年度に損金経理(帳簿価額の減額)を行う必要があり、翌期に回すと期ずれで否認されます。計上時期の判断が実務上の分かれ目になります。
4 項の再生等による評価損は、確定申告書への評価損明細と関係書類の添付が要件です(7 項)。添付漏れがあると原則損金算入できませんが、やむを得ない事情があれば 8 項で救済の余地があります。
損金算入は事実が生じた事業年度に限られ、当期に損金経理していなければ後から追加は困難です。過大納付の是正は更正の請求(法定申告期限から 5 年、国税通則法 23 条)を検討します。
上場有価証券等の著しい価額低下は、法人税基本通達 9-1-7 等が判定の目安を示します。おおむね帳簿価額の 50 パーセント程度以上下落し回復の見込みがないことが必要とされます(現行取扱いを要確認)。
計上した評価損が損金不算入と判断されると、別表四で加算され課税所得が増え、追徴本税に加えて過少申告加算税や延滞税が課される可能性があります。事実該当性と手続要件の両面で立証が重要です。
単に売れ残っているだけでは難しいです。33条1項は評価損を原則否認し、損金にできるのは施行令68条が定める事実(型崩れ、品質低下、1年以上の著しい陳腐化など)に当たる場合に限られます。市場価格が下がっただけでは対象外です。業界裏話ヒント:税務調査で最も狙われるのが在庫評価損です。『陳腐化』を主張するなら、いつから売れずなぜ回復しないのかを在庫回転率や販売実績で示す客観資料を先に固める。口頭説明だけではまず通りません
会計上の減損と税務上の損金は別物だからです。減損会計で費用計上しても、33条1項によりその評価減は損金不算入となり、別表四で加算調整されます。結果、会計利益は減っても課税所得は減りません。業界裏話ヒント:この差が繰延税金資産を生みます。将来その資産を売却・除却して損失が実現したとき初めて損金になるため、減損と税効果会計はセットで見る。減損額を見て『節税できた』と誤解する経営者は驚くほど多い
完全支配関係(100%保有等)がある子会社の株式については、33条5項が評価損の損金算入を完全に否認します。どれだけ株価が下がっても税務上の損にはなりません。業界裏話ヒント:グループ法人税制の盲点です。M&Aで100%子会社化した会社の含み損は、税務上は最初から使えない。損失を実現させたいなら支配関係の設計段階、つまり持株比率の入口から考える必要があり、買収スキームの初手で税務が決まります
できます。更生計画の認可があれば3項、再生計画の認可等があれば4項により、評価損を損金算入できます(1項の否認の例外)。長年眠っていた含み損が損失として顕在化する場面です。業界裏話ヒント:企業再生税制の核心です。手続の設計次第で含み損の使い方が変わり、繰越欠損金との組み合わせで再生後の税負担が大きく動く。ただし4項は評価損明細と関係書類の添付が必須(7項)で、要件を一つ落とすと使えません
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 33 条:資産の評価損(帳簿価額の減額) | — |
| 原則的取扱い | 減額分は損金不算入(1 項) | — |
| 例外・特則 | 災害・会社更生・民事再生の事実で損金算入 | — |
| 根底にある考え方 | 実現主義+恣意的な所得操作の防止 | — |
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