要点法人税法 32 条は、繰延資産の償却費を、支出の効果が及ぶ期間で計算した償却限度額かつ損金経理額の範囲で損金算入できると定める。20 万円未満は即時償却できる。
Q · 礼金や加盟金って、払った年に全部経費で落とせないんですか?
支出年に全額は不可、効果の及ぶ期間に配分して償却します
法人税法 32 条により、繰延資産の償却費は「支出の効果が及ぶ期間を基礎に計算した償却限度額」かつ「帳簿上で損金経理をした金額」の範囲でしか損金にできません。礼金・権利金・加盟金は通常 5 年程度に配分されます。ただし施行令 134 条により、支出額が 20 万円未満なら全額その年の損金にできます。逆に創立費・開業費などの会計上の繰延資産は任意償却が認められ、黒字年度に寄せて償却できます。
オフィスを借りるとき、あなたは礼金 60 万円を払った。「事業のための出費だから今年の経費で全額落とせる」、そう思って会計ソフトに入力した。ここで多くの経営者が最初の落とし穴にはまる。法人税法 32 条が扱う「繰延資産」は、支出したその年に全部を損金にできない。その支出の効果が及ぶ期間(礼金なら通常 5 年)に分けて、毎年少しずつしか経費にできないルールだからだ。しかもこの条文には裏の顔がある。会社設立費や開業費のように「会計上の繰延資産」と呼ばれるものは、逆に、好きな年に好きな額だけ償却できる(任意償却)。赤字の年はゼロ、黒字の年に一気に全額、という調整が合法的にできる。同じ「繰延資産」の一語の中に、あなたを縛るルールと、あなたに武器を渡すルールが同居している。どちらの繰延資産かを見分けられるかどうかで、来期の納税額が変わる。
法人税法 32 条は繰延資産の償却を定める規定であり、支出の効果が複数年に及ぶ費用について、その効果の及ぶ期間を基礎に政令で計算した償却限度額を上限とし、かつ帳簿上で損金経理をした金額の範囲で各事業年度の損金に算入する旨を規定する。少額な繰延資産は施行令 134 条により即時損金算入が認められる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
支出の効果が複数年に及ぶため、支出年に全額を経費にできず、効果の及ぶ期間に配分して償却する費用です。礼金・権利金・加盟金・創立費・開業費などが該当します(法人税法 2 条 24 号、施行令 14 条)。
支出の効果が及ぶ期間によります。礼金・権利金は多くが 5 年(基本通達 8-2-3 等)です。効果期間が明確でない創立費・開業費は任意償却で、期間の縛りがありません。
減価償却資産(法人税法 31 条)は建物・機械など有形の資産、繰延資産(32 条)は礼金・加盟金など形のない支出効果です。償却の根拠条文も償却期間の考え方も異なります。
創立費・開業費・開発費などの会計上の繰延資産です。償却限度額が帳簿価額までとされ(施行令 64 条)、好きな年にゼロから全額まで自由に償却できます。
支出額が 20 万円未満であることです(施行令 134 条)。この場合は繰延資産に該当しても全額をその年の損金にできます。判定は会社の経理方式(税抜・税込)に従います。
適格分割等の日から 2 か月以内に、期中損金経理額などを記載した書類を納税地の所轄税務署長へ提出する必要があります(32 条 3 項・5 項)。過ぎると期中損金経理が認められません。
支出額を、支出の効果が及ぶ期間で按分し、当期に対応する月数分を計算します(施行令 64 条)。この限度額かつ損金経理額のいずれか少ない金額までが損金になります。
過少に償却して払い過ぎた税は、更正の請求で取り戻せる場合があります(原則、法定申告期限から 5 年、国税通則法 23 条)。過大償却は税務署から更正される前に修正申告する方が加算税が軽くなります。
原則ダメです。法人税法 32 条と施行令 14 条で、礼金・権利金・加盟金は繰延資産に該当し、効果の及ぶ期間(多くは 5 年、基本通達 8-2-3)に配分して償却します。ただし施行令 134 条で、支出額が 20 万円未満なら全額その年の損金にできます。業界裏話ヒント:税理士が申告前にまず確認するのがこの 20 万円ラインです。契約の組み方一つで一件あたり 20 万円未満に収まれば即時償却できる場合があり、初年度の税負担が変わる
いいえ。創立費・開業費・開発費などの会計上の繰延資産は、32 条 1 項の償却限度額が『帳簿価額まで』とされ(施行令 64 条)、実質的に任意償却です。好きな年にゼロから全額まで自由に落とせます。業界裏話ヒント:これは合法的な利益調整の数少ない手段です。赤字の年は償却せず簿価を温存し、黒字化した年に一括償却して課税所得を圧縮する。顧問税理士でも積極的に提案しない人がいるので、自分から『任意償却で調整できますよね』と切り出せるかどうかで結果が変わる
原則できません。32 条 1 項は『損金経理をした金額』の範囲でしか償却を認めないため、帳簿で費用計上していない繰延資産は、その年は損金にできないのが原則です。業界裏話ヒント:ただし会計上の繰延資産の任意償却は簿価を残せるので、計上し忘れても翌年以降に回せます。逆に税法固有の繰延資産(礼金等)は取扱いが複雑。どちらの繰延資産かで挽回の可否がまるで違う
会社が採用している経理方式によります。税抜経理なら税抜金額、税込経理なら税込金額で 20 万円未満かを判定します(施行令 134 条)。業界裏話ヒント:税抜経理を採用している会社は、この判定で有利になる場面があります。税込 21 万円の支出でも、税抜なら 20 万円未満に収まり即時償却できることがある。経理方式の選択が、繰延資産の即時償却ラインにまで影響する(最新の消費税率・経理通達をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象 | 32 条:繰延資産(礼金・権利金・加盟金・創立費・開業費など形のない支出効果) | — |
| 償却期間 | 支出の効果が及ぶ期間(税法固有は多くが 5 年、会計上は任意) | — |
| 任意償却の可否 | 会計上の繰延資産(創立費・開業費等)は任意償却が可能 | — |
| 少額特例 | 20 万円未満は即時損金算入(施行令 134 条) | — |
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