要点法人税法 57 条は、10 年以内に生じた欠損金を当期の黒字から控除できると定める。中小法人等は全額、大法人は所得の 50% までが控除限度で、連続した確定申告書の提出が適用要件となる。
Q · 赤字を出したら、将来の黒字と相殺して法人税を減らせるの?
10 年繰り越せるが、大法人は所得の半分までしか使えない
法人税法 57 条により、各事業年度開始の日前 10 年以内に生じた欠損金額は、その後の事業年度の所得の計算上、損金の額に算入できます。資本金 1 億円以下などの中小法人等は黒字の全額を控除できますが、資本金 1 億円超の大法人は所得の 50% が控除限度で、残り半分には必ず課税されます。適用には、欠損金が生じた事業年度から連続して確定申告書を提出し、帳簿書類を保存し続けることが必要です(57 条 10 項)。
創業から3年連続赤字だったスタートアップが、4年目に黒字1億円を計上した。何もしなければこの1億円に法人税がかかる。だが過去の赤字、つまり欠損金額を抱えていれば、それを今年の黒字から差し引ける。それが法人税法57条の繰越控除だ。あなたが握るべき事実は三つ。第一に、繰り越せる期間は10年(2018年4月1日以後に開始した事業年度の欠損金)。第二に、資本金1億円以下などの中小法人等は黒字の全額を消せるが、大法人は所得の50%までしか使えず、残り半分には必ず課税される。第三に、赤字の年度に確定申告書を出し、その後も連続して申告を続け、帳簿書類を保存していなければ、この権利は静かに消える。赤字は失敗の記録ではなく、10年間有効の節税資産である。それを資産だと知っている経営者と、恥だと思って放置する経営者では、黒字転換の年に払う税額が桁違いになる。
法人税法 57 条は欠損金の繰越控除を定める規定であり、内国法人が各事業年度開始の日前 10 年以内に生じた欠損金額を、その後の事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入できる旨を規定する。中小法人等は全額を控除できるが、資本金 1 億円超の大法人は所得の 50% を控除限度とし、超過部分には黒字が出た年でも課税される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
過去の事業年度に生じた税務上の赤字(欠損金額)を、将来の黒字と相殺できる制度です。法人税法 57 条が根拠で、繰越期間は 10 年です。
中小法人等は所得の全額を控除できますが、資本金 1 億円超の大法人は所得の 50% が控除限度です(57 条 1 項ただし書・11 項)。超過部分には課税されます。
欠損金が生じた事業年度開始の日から 10 年です。2018 年 4 月 1 日前に開始した事業年度の欠損金は 9 年で、古いものから順に使うのが原則です。
実務上は青色申告の継続が前提とされ、青色申告が取り消されると繰越が使えなくなる場面があります。加えて連続した確定申告書の提出と帳簿保存が必要です(57 条 10 項)。
繰越控除は赤字を将来の黒字にぶつける制度、繰戻し還付は前期に納めた税金の還付を受ける制度です(80 条)。両者は選択関係にあります。
各事業年度終了時に資本金 1 億円以下で、かつ資本金 5 億円以上の大法人の完全子会社等でないことが基準です。1 円でも超えると全額控除の対象から外れます。
2022 年 4 月施行のグループ通算制度では、通算法人ごとの欠損金の取扱いが 57 条 6〜9 項で整備され、開始・加入時の時価評価や支配関係要件で制限がかかります。
古い事業年度に生じた欠損金から順に控除するのが原則です。期限が近いものを放置すると、新しい黒字を新しい欠損金で消し、古い欠損金が期限切れで無駄死にします。
欠損金が生じた事業年度開始の日から10年以内に開始した事業年度の黒字と相殺できます(57条1項)。ただし2018年4月1日前に開始した事業年度の欠損金は9年です。業界裏話ヒント:古い欠損金から順に使うのが原則で、期限が近いものを放置すると、新しい黒字を新しい欠損金で消してしまい、古い欠損金が期限切れで無駄死にする。残高の「賞味期限順」を管理しているかどうかで、失う欠損金の額が変わる
資本金1億円「以下」で、かつ大法人の完全子会社等でなければ中小法人等として全額控除できますが、1億円ちょうどは基準を超えていないので該当します。ただし1円でも超えると所得の50%までに絞られます(57条11項1号)。業界裏話ヒント:資本金1億円は法人税の世界で最も強い分水嶺の一つで、繰越控除だけでなく交際費・外形標準課税・軽減税率にも一斉に効く。増資でこの線を超える判断は、税務全体を見て決めるべきで、営業上の見栄えだけで踏み越えると年間の税負担が跳ね上がる
原則として封じられています。支配関係の発生から5年以内で共同事業性がない再編では、相手の繰越欠損金の引継ぎが制限され(57条3項・4項)、休眠会社の買収などは欠損等法人として欠損金自体が使えなくなります(57条の2)。業界裏話ヒント:それでも5年を超えて支配関係を継続させれば制限は外れる。つまり「買ってすぐ使う」は潰されるが、「先に子会社化して5年寝かせてから合併」なら合法的に引き継げる設計が残る。時間軸の設計が節税の可否を分ける
使えない可能性が高いです。57条10項は、欠損金が生じた事業年度に確定申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を提出し、帳簿書類を保存していることを適用要件としています。業界裏話ヒント:赤字の年は「どうせ税金ゼロだから」と申告を軽視しがちだが、その年の申告と帳簿こそが将来の繰越控除の権利証になる。赤字年度の申告を丁寧にやっているかどうかで、黒字転換の年に数百万円の税額差が出る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 57 条:欠損金の繰越控除(将来の黒字と相殺) | — |
| 時間の向き | 10 年先の黒字まで繰り越す | — |
| 控除限度 | 中小法人等は全額、大法人は所得の 50% | — |
| 主な適用要件 | 連続した確定申告書の提出+帳簿保存(10 項) | — |
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